【ゲーム攻略&創作日記】きまぐれテンプテーション感想_非実在女子大生、空清水紗織の美少女ゲーム攻略&創作日記Vol.0003
若き陰陽師の巽悠久は、あるマンションに来ていた。
そのマンションでは、4人全員が腹を切り裂かれ、臓器を持っていかれた状態で死亡するという事件が発生していた。
そのせいか、マンション内には瘴気が満ちており、それを解決するために彼は派遣されたのだ。
そしてもう一人、彼のパートナーとしてマンションに来ていたのが、夜の眷属アンネリーゼ。
彼女とマンションの一室で過ごすことになった悠久は、果たしてアンネリーゼの誘惑に打ち勝ちつつ、見事事件を解決することができるだろうか!?
本作は2019年の萌えゲーアワード、準大賞とエロス系作品賞PINKを受賞した、シルキーズプラスのロープライス作品だ。
ロープライスと侮るなかれ、シナリオ、演出、音楽どれをとっても高クオリティ。何よりアンネリーゼのなんと可愛いことか!
E-moteで動くアンネの立ち絵は、シナリオにあわせて表情、服装、仕草がコロコロと変わる。クリックをしていくのが楽しい。
加えてアンネのCV、歩サラさんの演技が素晴らしい。主人公とはマンションでの出会いが初対面になるわけだが、そこからの距離の詰め方がいかにも眷属らしく、それでいて爽やかなのだ。
2日目以降からは、まるで昔からの友達だったかのような口調で話すアンネ。セリフのイントネーションや間の置き方が本当に友達と話しているようで、すっかり心を奪われてしまった。
(ラジオ等で知り得た歩サラさんへの勝手なイメージだが、明るい性格のヲタクという印象を持っている。アンネはハマり役のような気がする。)
ロープライスゆえ、攻略対象がアンネ一人だけだったが、むしろそれで良かったと思っている。公式サイトにも記載があったが、攻略可能キャラをアンネ一人にすることでリソースを集中でき、その結果服装にバリエーションが増えた。どの服も可愛かったが、特に眼鏡をかけている文学少女風の服が一番好きです、はい。
攻略対象が決まっている時点で、シナリオ面でも事件解決に集中でき、物語にのめり込むことができた。部屋の探索や、他キャラへ話しかけることで情報を入手しながら物語が進行するスタイルは、昔のADVゲームを想起させる。会話を進めていくことで信頼を得て、そして情報を入手していくゲームって、やっぱり楽しいなあ。入手した情報すべてを使ってボスに挑むシチュエーションは、いくつになっても燃える。
物語のラストには、遂にアンネの正体が明かされる。話している最中にアンネの一人称がブレているなど、しっかり伏線は張られており、なるほどなあと思わせる展開だ。このシナリオの面白さが、「エロス系作品賞PINK」だけでなく「準大賞」も受賞した要因の一つであるとみている。
昨今、ロープライスの作品が増えてきているように感じる。プレイしていて思うのは、当たり前のことだが、やはりキャラが可愛くシナリオが面白いと売れるということだ。
ロープライスでは攻略対象が一人であることがほとんどだが、その一人に十分なリソースが割ける分、よりその娘を魅力的にみせることができるし、シナリオも全体としての流れは分岐がほぼないため、一本道で分かりやすい。
気になる娘一人だけのためにフルプライスを購入するよりも、明らかに自分の好みだというキャラ一人だけが攻略対象のゲームを買う方が、ユーザーとしてもありがたいものだ。
(フルプライス作品を買って、予想外に好きになったキャラだっているので、一概にどちらが良いor悪いという言い方はしない。)
もう本作に続編はないということで少々残念ではあるが、今後のシルキーズプラスの新作にも注目していきたい。そして願わくは本作のようなロープライスにも力を入れていただき、美少女ゲーム業界が盛り上がっていったら良いなと、一ファンとして思っている。