重根を持つ条件
高校の時、方程式f(x)=0が重根を持つ条件がf(x)=0とf'(x)=0が共通根を持つこと、というのを習った覚えがある。
これをさして重要とは思わなかった。
しかし、大学数学でこの特徴付けは重要になる。
Kを体とする。$f(x)\in K[x]$が重根を持つ条件は、f'(x)を代数的な微分として、
f(x)=0とf'(x)=0が共通根を持つことと同値である。
たとえばHenselの補題を適用するとき、reductionした多項式が重根を持たなければ、解が標数0の体に持ち上がる。
例. pとqが互いに素な素数のとき、$x^2-q \in \Bbb{F}_p[x] $は重根を持たない。なぜなら、x^2-q=0かつ2x=0が\Bbb{F}_pが解を持つとするとq=0 in \Bbb{F}_pが成り立つことになり、不合理。よって\sqrt{q}は\Bbb{Q}_pに入らない。