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サンタが宿っていた夜

思えば16年前、子供が産まれてから。
24日の夜には、誰かが私のカラダを乗っ取っていた。
乗っ取られたあとの数十分間、私は記憶をなくしていた。
確かに、あの夜、サンタが宿っていた。


記録に残っているのは2011年からの11年間。
この頃からこの不思議な体験をinstagramに投稿している。

2011.12.24 - 12.25

夜中に仕事をしていると急に意識がなくなった。

そして約10分後ぐらいに我に返る。
いったい何をしていたのか?
夢を見ていたのかと思うが、何やら白い毛のようなものが残っていた。
たぶん誰かにカラダを乗っ取られていたのかもしれない。

翌朝、確かに子どもたちにプレゼントが届けられていた。
この年、長女5歳、次女2歳。

娘が書いたサンタさんへの手紙(左:長女、右:次女)

2012.12.24 - 12.25

記録して2年目。長女6歳、次女3歳。
12月24日。深夜。
昨年と同じように記憶をなくし、気がつくと謎の白い毛が残っていた。

2013.12.24 - 12.25

記録して3年目。長女7歳、次女4歳。
同じように、記憶をなくし、白い毛が残っている。

この年から娘たちから、さまざまな要望が出される。

「部屋の中は暗いから懐中電灯を使ってほしい」という要望
「プレゼントをここに置いてほしい」という要望

2014.12.24 - 12.25

記録して4年目。
長女8歳、次女5歳。
変わらず記憶をなくし、謎の白い毛が残される。

2015.12.24 - 12.25

5年目。
長女9歳、次女6歳。
娘たちの要望はさらに増える。
さまざまなプレゼントとお茶が用意される。
長女はそのお茶を少し飲んで、間接キッスになっちゃうと照れていた。

そして記憶をなくし、謎の白い毛が残される。
さらにプレゼントを身に着け、お茶もしっかり飲んでいた。

2016.12.24 - 12.25

6年目。
長女10歳、次女7歳。
娘たちの要望は加速し、「サンタさんのサインをください」ときた。

記憶をなくしたあとには、サインの練習がたくさん残っていた。

次の日、サンタのサインを見た次女の感想。

2017.12.24 - 12.25

長女11歳、次女8歳。
娘たちの要望はさらに加速し、「サンタさんの似顔絵を描いてください」ときた。
もうこれは試練なのか?

そんなこんなで記憶をなくし、謎の白い毛が残された。

サンタクロースの似顔絵とサイン

2018.12.24 - 12.25

長女12歳、次女9歳。
娘たちからのサンタさんへの手紙。
プレゼントの細かい内容が増えてくる。。

さらに当日に「謎解きゲームみたいにしてプレゼントを渡してほしい」という要望が。。さて、大変だ…

サンタさんにもケーキとコーヒーが用意されていたのには驚いた。
この日、ケーキ2つ食べてコーヒー2杯を飲むことに。
サンタクロースのサインと似顔絵はお手の物です。

謎解きゲームは、ちょうどあったアドベントカレンダーに数字があるから、その数字の中にある文字を組み合わせると「いえのそと」。
ということで家の外というか、玄関にプレゼントが!

そんなこんなで記憶をなくし、謎の白い毛が残された。

2019.12.24 - 12.25

長女13歳、次女10歳。
昨年の謎解きプレゼントが好評だったのか、この年も謎解きをやってほしいとサンタさんに伝えろと言われる。
一度がんばると、がんばるのループが続くわけですね。。

謎解きゲームは、いろんな謎を解いて★の箇所の文字を組み合わせると「アドベントカレンダ」となる。

そしてアドベントカレンダーを見ると、文字が隠されていて、「パパのベットのした」となる。
おかげで翌朝、キャッキャッ!キャッキャッ!言いながら私が寝ているベットの下にやってきた。

2020.12.24 - 12.25

長女14歳、次女11歳。
instagramに記録するのも10年目。
世の中は大きく変わった。
娘たちもずいぶんと大きくなった。

2021.12.24 - 12.25

長女15歳、次女12歳。

12月24日の深夜、娘たちが寝静まった頃、いつもの場所にある衣装を取り出し、着替える。帽子もかぶる。
そしていつものアングルにしてスマホで撮影する。

隠しておいたプレゼントを取り出し、娘たちの部屋に行く。
そーっとドアをあけ、娘のベッドの近くにプレゼントを置く。
そしてそーっとドアを閉める。

2022.12.24 - 12.25

今年、誰もわたしのカラダを乗っ取らない。
たぶん、別の誰かのところにいっているのでしょう。
その誰かのところの子供は、翌朝喜びに満ち溢れて笑っているのでしょう。
そう考えただけで嬉しくなるようになった。

2011年12月25日に投稿した2枚の写真が
こんなにも続くとは思いもしなかった。
原動力はやっぱり娘たちを楽しませたいから。
そういう思いが届いたのかな。
目覚めると枕元に逆にプレゼントが置かれていたことがあった。
そんな2018年、2019年、2020年の朝は忘れられない思い出となった。

子供はあっという間に大きくなる。
戻りたくても、もうあの頃には戻れない。
でもあの頃にこうして残した記録は、記憶に残り続ける。
楽しい時間をありがとう。

確かに、あの夜、サンタが宿っていた。


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