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エルデンリング考察:宵眼の女王はマリカなのか

宵眼の女王の正体はエルデンリングの謎の一つですね。
マリカ説、メリナ説、ライカードを食べた蛇説など、様々な説があるようです。
謎多き宵眼の女王ですが、神人であったことが祈祷「黒炎の儀式」のテキストから確認できます。

神肌の使徒たちの、黒炎の祈祷のひとつ
その高位とされるもの
使徒たちを率いた、宵眼の女王
彼女は、指に選ばれた神人であったという

黒炎の儀式

この考察では神人とは何かという切り口から宵眼の女王を考察します。


宵眼の女王の律

神人に選ばれる条件は自分の律を持っていることです。
これは前回の考察で扱いましたが、結構確度が高いと思っています。

マリカ、ラニ、ミケラ、マレニア、皆自分の律を持っています。
宵眼の女王も神人ということで律を持っているはずですが、律に関する情報は見つけられませんでした。
こうなると予想するしかありません。
防具「神肌のローブ」のテキストには次のように記されています。

滑らかな皮膚を縫い合わせたローブ
神狩りの黒炎を操る使徒たちは
かつて、運命の死に仕えていたという
しかし黒き剣のマリケスに敗れ
それを封印されてしまった

神肌のローブ

神肌たちは宵眼の女王 = 運命の死に仕えていたということになります。
明言されてないですが宵眼の女王の律に運命の死が関わるのは間違いないでしょう。

マリカの律は黄金律(死がない律)なので相反するものであったと予想できます。

宵眼の女王 VS 永遠の女王

宵眼の女王はマリカと次代の神を争っていました。
「黒き剣の追憶」のテキストには以下の内容が書かれています。

マリケスは、神人に与えられる影従の獣であった
マリカは影従に、運命の死の封印たるを望み
後にそれを裏切ったのだ

黒き剣の追憶

神人マリカは、宵眼の女王が持つ運命の死を、マリケスに封印するように命じました。
武器「神狩りの剣」のテキストには宵眼の女王とマリケスの戦いに関する記述があります。

かつて神肌の使徒たちを率い
マリケスに敗れた、宵眼の女王の聖剣
使徒たちの操る黒炎は
この剣によりもたらされた

神狩りの剣

どうやらマリカ陣営の勝利で終わったようですね。

宵眼の女王は、神肌たちを従えていました。
ボス「神肌のふたり」がいたファルム・アズラにいたと考えるのが自然でしょう。
以前の考察で、マリカとファルム・アズラの関係性が深いことも示しました。

マリケスもファルム・アズラにいますし、ファルム・アズラで二人は戦ったのではないでしょうか。

メリナの存在

ここまで書くと、宵眼の女王 = マリカ説否定派だと取られると思いますが、私の結論は「宵眼の女王はマリカである」です
この考えに至ったのはメリナの存在です。

メリナは母から授かった使命を思い出すために主人公に黄金樹に連れて行ってもらいます。
そして黄金樹で、種火となる使命を思い出し、黄金樹を焼きます。

黄金樹にいるのはマリカなので、メリナがマリカの娘(もしくは分け身)であると考えるのは自然でしょう。

さて、そんなメリナですが、漫画だったら盛りすぎだと怒られるぐらい設定を持っています。

  • 黄金の瞳

  • 火の幻視

  • 宵眼

何故こんなにいろいろ持っているのでしょうか。
一つずつルーツを確認していきます。

黄金の瞳

メリナの右目は黄金色です。

黄金の瞳を持つメリナ - 関門前の祝福

狂い火に黄金樹が焼かれるとこの右目は色褪せます。

黄金の瞳が色あせるメリナ - 狂い火END

このことから、右目は黄金樹の祝福を表していることがわかります。
祝福で巫女の真似事ができたりするのもこの目の力でしょう。

ちょっとわかりづらいですが、同じくマリカの子、祝福のモーゴットも金色の目をしています。

祝福のモーゴット - 王都ローデイル

そしてマリカの直接の子でないゴドリックの目は黄金ではありません。

接ぎ木のゴドリック - ストームヴィル城

黄金の瞳はマリカから受け継いだものだと言えるでしょう。

火の幻視

メリナは火の幻視を宿しています。

…あんた、種火を探すんだよ
世界樹を焼く火は、狭間の最も高い場所、巨人の大釜に燻っている
けれど、それを燃やすには、特別な種火が必要なのさね
火の幻視を宿す者、その贄だけが、大釜の火で世界樹を焼くんだよ
そして、死のルーンへの導きとなるのじゃ

指読みのエンヤ - 円卓

火の幻視宿す = 巨人の大釡の火を扱えるということです。
実際にメリナは巨人の大釡の火を使って黄金樹を焼きます。

黄金樹を焼くメリナ - 巨人の火の釜

ところで、黄金樹の勢力と巨人たちは対立しています。

戦士たちよ。我が王、ゴッドフレイよ
導きに従い、よくここまで戦ってくれた
あの頂きに、巨人たちを打ち滅ぼし、火を封じよう
そして、はじめようじゃないか。輝ける生命の時代を
エルデンリングを掲げ、我ら黄金樹の時代を!

マリカの言霊 - 第一マリカ教会

マリカは巨人の火を封じて黄金樹を絶対的なものとしたのですね。
では何故、メリナは火の幻視を宿しているのでしょうか。

これはラダゴンから受け継いだものでしょう。
ラダゴンは巨人の呪いで髪が赤くなっていることが、武器「巨人の赤髪」のテキストからわかります。

巨人たちは、皆一様に赤髪であり
ラダゴンは、自らの赤髪に絶望したという
それは巨人の呪いだったろうか

巨人の赤髪

おそらくマリカが巨人と戦った時に呪いを受けたのでしょう。
当然その呪いは髪を赤くするだけでなく、黄金樹にとって害のある呪いだったはずです。
黄金樹を焼くことができる火の幻視は巨人の呪いだったと考えることができます。

であるならば、メリナの火の幻視はラダゴンから受け継いだものでしょう。
そういえば、メリナの髪は黄金と赤を混ぜたような色をしていますね。
ラダゴンの赤とマリカの金、髪色も親から受け継いでいるようです。

赤みがかかった金髪のメリナ - 関門前の祝福

宵眼

宵眼の宵とは夜のことです。
メリナの左目は夜のように暗い瞳、宵眼になっていることが狂い火ENDで確認できます。

宵眼のマリカ - 狂い火END

狂い火ENDでメリナは、「そして貴方に、運命の死を」というセリフを呟きます。
宵眼の力を使って、主人公を殺すということでしょう。

さて、ここまで黄金の瞳も、火の幻視も、赤金の髪もすべて親から受け継いだものでした。
宵眼も身体的特徴の一つ。
親から受け継いだと考えるのが自然でしょう。
宵眼を持つのはゲーム中で宵眼の女王のみ。
つまり、メリナの親はマリカであり、ラダゴンであり、宵眼の女王でもあったということになります。

マリカの中に新しい人格ラダゴンが生まれたのと同じように、宵眼の女王の中にマリカという人格が生まれたと考えれば筋は通ります。

そしてマリカはマリケスに命じて、主人格であった宵眼の女王を倒し、自身の律から運命の死を封印し、黄金律とした

その時メリナの宵眼も同時に封印されたのだと思います。

メリナが宵眼を持っている理由、このように考えれば辻褄が合います。

マリカの気配がない

もう少し宵眼の女王 = マリカの説を補強しましょう。
宵眼の女王は「マリカ + マリケス」と戦っていたはずなのに、マリカの名前がテキスト中に出てこないんです。
今まで出てきたテキストをおさらいしてみます。

滑らかな皮膚を縫い合わせたローブ
神狩りの黒炎を操る使徒たちは
かつて、運命の死に仕えていたという
しかし黒き剣のマリケスに敗れ
それを封印されてしまった

神肌のローブ

かつて神肌の使徒たちを率い
マリケスに敗れた、宵眼の女王の聖剣
使徒たちの操る黒炎は
この剣によりもたらされた

神狩りの剣

どうですか。
宵眼の女王は常にマリケスと戦っており、マリカとの直接的な接点がないことがわかるでしょう。
マリカからも宵眼の女王に直接接触することはなく、あくまでマリケスを通して戦います。

マリケスは、神人に与えられる影従の獣であった
マリカは影従に、運命の死の封印たるを望み
後にそれを裏切ったのだ

黒き剣の追憶

宵眼の女王 = マリカなので直接的に接点を持つことができないと考えることができます。
そして、宵眼の女王 = マリカならば、マリケスを裏切って死のルーンを盗んだ理由、エルデンリングを砕いた理由も察しがつきます。

大いなる意志の思惑

ラダゴンはマリカがエルデンリングを砕いた後、自らエルデンリングを修復しています。
自分で掘った穴を埋めるぐらいの愚行ですね。

これはマリカが大いなる意志に反した行動をとったことで、大いなる意志がマリカを操ろうとしてラダゴンという人格を埋め込んだように考えられます。

大いなる意志が他者を操ることは、防具「イジーの鏡兜」のテキストで確認できます。

結晶鏡で作られた兜
軍師イジーが、肌身離さず被っていた
割れやすく、打撃には弱い

それは、大逆に従う者の装束であり
大いなる意志と、その使いたる指の
あらゆる干渉を跳ね除けるという

イジーは恐怖していたのだ
自らの裏切りを

イジーの鏡兜

大いなる意志は宵眼の女王を操って黄金樹の時代を始めようとしたのではないでしょうか。
そのための人格がマリカであり、ラダゴンであったのです。

ややこしくなってきたので時系列にしてみます。

  1. 大いなる意志は、宵眼の女王にマリカという人格を埋め込み、死のルーンを封じさせ、黄金樹の時代を始めた。

  2. しかし、マリカが宵眼の女王の人格を(一部)取り戻し、指を裏切り、エルデンリングを砕いた。(おそらくこの時に、メリナは黄金樹を焼く使命を託される)

  3. 大いなる意志はラダゴンという新しい人格を埋め込み、再度、宵眼の女王を操ろうとした。

しかし、結局何度やっても宵眼の女王を操ることはできませんでした。
拒絶の棘を出したり、ラダゴンと心中しようとしたり、反抗期の娘みたいなものです。
二本指が固まってしまうのも無理はありませんね。

このように考えるとエルデンリングが、宵眼の女王から連綿とつながる一本のストーリーになります。

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