「進撃の佐倉」はガチだった。~toybee「GOLDEN AGE」ツアー・東京編2024.11.19
「進撃の佐倉」はガチだった。~toybee「GOLDEN AGE」ツアー・東京編2024.11.19
下北沢CLUBQue
CUTMANS
明くる夜の羊
Varrentia
toybee
下北沢CLUBQue、toybee「GOLDEN AGE」ツアー東京編。
toybee、明くる夜の羊、Varrentia、そしてCUTMANSがオープニングアクトという面子。
「進撃の佐倉」って書いたらとみさんからミュートされるらしいけど(えっ? ※ついーつしちゃってから恥ずかしくなってしまったらしいです)、でもほんとにそのとおりの「進撃」でしたよ…佐倉サンスト出身の4バンドの底力をガツンガツン感じて痺れっぱなしでした…濃厚だった…あっという間の3時間。
終わってからあまりの濃厚に何から言えばいいんだかよくわからなかったくらいです。とにもかくにも全組、最高すぎました。楽しかったぁぁあ!!あと、全組に泣かされたぁぁあ!
素晴らしかったです。
熱量が半端ない、そして、全組うまい。中途半端さがない、ステージングが美しい。(Varrentiaのみ、メンバーの急病でバンドじゃなく弾き語りになったけど、それでも、美しいステージでした)
最高のブッキング、さすがです、志津の覇者・冨塚大地!
機会があったらぜひみんなに「明くる夜の羊」は聴いてみてほしいです。凄かったです。動画もいいけど、このバンドは、生でこそだと思います。すごく大きなところへ今すぐにでも出ていけると思う。行ってほしい。
Varrentiaももちろん素晴らしいんですが、なによりも私がその音にハマりかけています、ヤバいです、渡井さんの声がヤバいです。絶対、人生何周目かだ!と思う、とても31歳とは思えない穏やかな空気、そんな渡井さんが自分は哀しい方、辛い方に目を向けてしまう人間で…と痛みに溢れた歌を歌うの、胸が絞られそう。「オルター」、「天動説」…六本木のひとりの弾き語りとまた違う、サイキさんとふたりの弾き語り、素晴らしかった…。バンドはまた次の機会に!
CUTMANSはほんの1年で、音とステージングがグッと大人びた…と思いました。ものぐるおしい、そんな言葉がぴったりの想いに満ちた3曲のオープニングアクトでした。次はがっつり対バンしてね!「冨塚大地の一番弟子」、がんばれ。
toybeeは身贔屓かもしれないけど、圧倒的な華と圧倒的な重量のステージングでした。濃厚。重厚。
人を音に陶酔させる、そういう力を持つサウンドでした。
CUTMANS
寺澤 光希 G. Vo.
長澤 琉基 G.
木村 良 Ba.
岸本 崇 Dr.
優しくなれたら
ALL MINE
Neighborhood
CUTMANSはO.A.なので3曲だったのですが、短い中でもものぐるおしさがいっぱいのステージでした。長澤さんと木村さんが観客を強く煽っていく分、寺沢さんがまっすぐに立って歌う姿がくっきりする。
「自分ほど生きにくい人間を見たことがない。そんな自分のことを歌った歌を2曲歌います、でも今日はあなたのために歌います。」
ああ、呼吸しづらそうだなあ…と思う、痛ましい歌詞が並んで、装飾の少ない音でぶつけるようなサウンド。「Neighborhood」の裏声がキュッと胸を絞る。いい歌。好きでした。
初めてCUTMANSを観たときは前髪重く、ほとんど客席を観ていなかった寺澤さんが強く客席を見つめていて、そこに自負を見たように思います。
Varrentia
渡井翔汰 Vo. G.
サイキコウヘイ G.
オカムラコウスケ(SHIFT_CONTROL) G.
奥田一馬 Ba.
惑星都市
NEWDAWN
オルター
失楽園
天動説
オートメイト
(順不同、記憶あいまいです…1曲足りない気もしています…)
Varrentiaは今回はドラムのフミキモさん(toybeeの新譜「LOOK BACK TO THE FUTURE」のジャケットを担当してくださった方で、とみさんも自分のステージの最後に「フミキモ!!逢いたかったぞ!」と叫んでましたね。渡井さん曰く、キテレツおじさん、だそうで…)のお休みでアコセットの弾き語りに。
私、ほんの数回ステージを見て音源を聴いてるだけでも渡井さんは天才だ!!と思うんですが、サイキさんも天才すぎませんか…素晴らしいギターでした。天才ふたり。
ギターふたりの弾き語り、ひとりでも素晴らしい世界観なのに、それが倍増でした。サイキさんのギターのきんと張った高音の響きと、渡井さんの潤った声とが重なって、どれも麗しいアコアレンジ。
サイキさん、フィンガーピッキング、めちゃうまぁあい!
渡井さんもギター、うまいけど、サイキさんにふたりのときは全て委ねてるんですね。ハーモニーが加わってなおなお声の響きに幅が出て、美しく、感動的。
本来はバンドのギター・岡村さんとベース・一馬さんも1曲ずつ参加。
岡村さんがギターのときはサイキさんがコーラサー(笑)で。チョーキングでギターの音が揺れていて、うっとり。
「オルター」は泣いちゃった… やさしい歌です。一馬さんがコーラサーで。探りながら入れる高音が、それでも素敵でした。曲への咀嚼度の高さを感じる。おふたりの本来のお仕事であるバンドでのセットもほんとに聴きたかった…これは行かねばです!
新たに公開された「天動説」のMVもスケールの大きな世界観が素敵です。ぜひ!
明くる夜の羊
カワノユイ Vo.G.
クラシマヒロミチ G.
ナツキ Ba.
ノグチアユム Dr.
明くる夜の羊は、うまさと、存在の強さ(存在「感」じゃないそんなぬるくない、存在そのもの。なんて太い描線なんだろう)と、そして、繊細さと…彼らそのものが「物語」だ、と思いました。
音圧も熱量も凄かった…。最後の曲(新曲らしいですね、「からっぽ」だったかな?)では泣いちゃいました。
toybeeもたいがい濃いから、軽く聴くとノックアウトされちゃうんだけど、明くる夜の羊も濃厚だった…。
クラシマさんの、扇情的なギターがハートと耳に響く。なんであんなに動いてるのにあんなに弾けるのか…観客へのアジテイトが素晴らしかった。
ナツキさんのベースは跳ねて跳ねて、感情を刺激する。弾む鞠みたいだった。
ノグチさんのドラムの確かさ、彼のドラムについていけば何も見失うことはなさそう。
ユイさんのボーカルは強くて詞は繊細。客席をまっすぐに見つめる瞳が美しかった!!パワフルな声で、配信のマイク割っちゃってるくらい。疾走感がずーっと続いててすごい肺活量だと感心するばかり。
ひとつひとつの楽器のパートの強さがすごい、厚みがすごい、音量、密度がすごい。塊みたい。
佐倉の4バンドが集まったことを「実家感がある、同窓会みたい」でなんか「恥ずかしい」と照れながらも不思議な安心感がある、と語りつつ、安心感に身を委ねるのではなく、むしろ全バンドを凌駕すべく凄まじい音を出していて、そのガッツがきっと「佐倉はロックの聖地」たらしめる熱量なのだろうな、と思いました。
明くる夜の羊にはtoybeeファンがたくさん魅了されているのですが、それも本当によくわかります。
toybee
冨塚大地 G. Vo.
鍔本隼 G.
藤盛太一 Ba.
トモキ Dr. (サポート)
ライド・アンド・ライブ
全米は泣かない
ステルオンナ
GOLDENAGE
道化師のラブソング
S.Y.S~SaveYourSoul~
LOOKBACK
それゆけ!夢みるゾンビーズ!!
そして、我らがtoybeeはトリを勤めました。
オープニングはまたもや進化していて、タイチ→トモキ→隼の音のリレーとそれに沿って当たるスポットライト。Queの照明が最高のタイミングで、それこそドラマのオープニングのような、洒脱でした。冒頭からビシッと決まって、しかもずっと貫かれていて、身贔屓と言われてもいい、ステージングの華が頭抜けてたと思います。圧巻。
そこからの「ライド・アンド・ライブ」、客席のコールも決まって(Boo!とWow!もね!またタイチさん、ニコニコしてた)、すっかり形が決まってきた感じ。
2曲目が「全米は泣かない」でだいぶびっくりしつつも、これまで最後の曲が似合う鉄板曲だったんですが、ここに置けるというのとは新譜以降そういう「鉄板」が何枚もできてきた証だなあ、と思いました。
それにともなって、演出もどんどんパターンが増えていて、「全米」からそのまま、MCの後ろでベースとドラムが鳴ってるのがファンクですごくよかったんですよね…。ここのタイチさんのベースすっごいかっこよかった。
そこから「ステルオンナ」が始まっていったんですが、ファンクに始まってサビはちょっとポップで、ファンクすぎないとこがいいバランス。
Queの赤いライト、刺激的でした!
「ステルオンナ」「GOLDEN AGE」「道化師のラブソング」と新譜の3連続は一連の流れを感じる展開。ただ、「GOLDEN AGE」「道化師のラブソング」は2曲続くとこちらは足がつりそうです(笑)
隼さんもトイラジで言ってたけど「GOLDEN AGE」の圧倒的な音の奔流と、「ど真ん中感」、最高です。ぐわっ!とテンションが上がります。みんなめちゃめちゃ飛んだねー!!
「道化師のラブソング」は静かになるところでもクラップが最初、続いちゃってたんですが、今回はドンドンドンドンとトモキさんが4拍入れてくれて、ここ聴いて!って感じで切り替わってブレイクに流れてくのがすごくいいな、と思いました。
がらりと空気を変える「S.Y.S~SaveYourSoul~」では、とみさんがとつとつと思いを語って、静かに。
始まるやいなや、さあっと客席に静謐が流れていくのが美しかった。
隼さんは完全にバックに入って、とみさんのギターのみで展開していく、toybeeとしては新しい形の曲なわけですが、ピッキング(ほかのファンの方によれば、千葉LOOKでは指弾きだったそうなんですが、私は見えてなかった…)のイントロの「語る」ような静かな手も、中盤の熱量の大きいギターソロもすごくいい。チョーキングの強さ、音の揺れが心の揺れみたいだなあ、と思って聴いています。
「LOOK BACK」前のMCでは、後悔だらけ、それはでも前を見てるからという言葉が頼もしかった。この曲も、最初の頃の哀しい響きが歌い込まれていくうちに消えて、強い意志を感じる音に変わりました。
サビと並んで隼さんがレスポールで一緒に歌ってるのがとても好き。トモキさんの力強いキックも頼もしい!
孤独で理解されなくてつっぱらかってたとみさんが、仲間といることが楽しいのを知ったこの10年、その成果を、自分達が闘ってる東京のホームを佐倉のみんなに見てほしいし、佐倉のみんなの凄さを紹介したかった、というこのQueでの対バン。クアトロまでそんな自分の歴史も友達も仲間も背負っていく、と宣言。
「めちゃくちゃでかくなります!神様に中指立ててでかくなる、それが志津の覇者、冨塚大地だからだーー!」
叫んでの「それゆけ!夢みるゾンビーズ!!」に溢れる、くらいついていく!エネルギー。客席も強く強く、拳を突き上げ、頭を振り、応えていく。怒涛の音の奔流!
「たのしー!」
「遊ぼう!」
とみさんはこの日、何度も「遊ぼうぜ!」と繰り返していて、声も絶好調だそうで、自身がまずこのステージを、このサンスト陣の集まった夜を楽しんでいるのが伝わってきました。
「がむしゃら」を越えて「楽しめてる」ことに余裕を感じて、toybeeがバンドとしてスケールを上げていっているのをそんなところでも感じたのでした。
Quattroまであと2カ月!
途中、「俺は全員踏み台だと思ってた」と話していたMCは思わず笑っちゃったけど(本人はあとで反省していたそうですが、真意は伝わってたと思いますよ?)、ファンのみんなは踏んでもいいから飛んでくれって思ってるんじゃないかと思います。
利用するって意味の踏み台じゃなくて、ジャンプするための、ほら、跳び箱のあの踏み台あるじゃない?
あれになれたらいい。自分達の力で高く高く、跳ばせたいよね。
その踏み台の先にまず見えているのは、渋谷クアトロワンマン!
あと2カ月!!
とみさんも、羽生の世界キャラクターさみっとや、志木市民まつりなどの、いわゆるバンド界隈以外の場所にも積極的に顔を出して宣伝、がんばってます。
キャラファンのみんなもきっと来たら楽しいはずなので、ぜひぜひ!
にしても、toybeeってほんとにどの曲も重たくて濃厚です。
緩急はついてるステージだし、ちゃんと軽重の差もあるんだけど、トータルではみちっとしてる。40分でも30分でも、フルのワンマンと変わらない音の奔流を味わえるバンドです。
この日は特に4バンドともtoybeeと近いバンドで、全体も緊密で途切れない空気だっただけに、より、濃密でした。音に溺れそうでした。どの現場にも想いが満ちて、感激が詰まってる。
出逢えて幸せだ、と改めて思っています。