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蝋梅、儚く咲く

庭の蝋梅が綺麗に咲いていることにふと気づく。
毎朝、2階から眺めているはずなのになぜ、こういうことは突然気づくのだろうね?


寒い日が続く中、久々に風の弱い穏やかな晴天であったので、どうせなら、と久々の散歩に出た。
年明けの緊急事態宣言から週2日のテレワーク、楽しみにしていたイベントもいくつか飛び、週末の外出も減り、やや身体が重たく感じられてもいたので、ちょうどよい運動がてらだ。



徒歩10分ほどのところにある地元の公園は、この季節の花があまりない(春夏は桜や躑躅が見事だが)。
椿が何本か、しかし、ほぼおしまいに向かう頃だった。
水仙も終わりの時期。ちょっと遅かったな、と思いつつ、名残の花を楽しむ。
椿はまだ蕾もあったから、もう少し楽しめるだろう。

代わりに、春夏に向けて木々がすでに準備を始めていた。
初夏に咲く枝垂れ梅の蕾はぷっくりと。

桜もスタンバイを始めている。

白梅はまもなくだろう。紅梅はだいぶ咲いていた。
梅の見頃はいつもだと2月中旬。今年はどうだろうか。
江戸の初期くらいまでは梅こそが春の花だったのだ。

庭の柚子はいい熟し具合。今年は夏の間引きが遅くて実の数が少なかった。

金柑は先々週の寒波で半分くらい、凍傷被害を受けてダメになったが、残ったものはいい色になってきた。近づくと良い香りがする。これももう少し。
母が収穫してジャムにするらしい。

日陰に咲く冬薔薇。バラはソウビと読むほうが好きだ、特に冬は。

沈丁花も準備か整って来た様子。まもなく街中が沈丁花の香りいっぱいになる。
通勤の折にその匂いに気づくのが例年だけれど、今年は在宅勤務もまだ続きそうだから、うまく気づけるだろうか。


で。蝋梅である。
空の青とのコントラスト。
蝋梅は俯いて咲くので、高さがないと花芯をうまく捉えられないのだなーなどといまさら気づく。
梅の仲間ではないそうだ。形が似てるから蝋梅、とついたのだろうか。
蝋のように透ける花弁が、可憐さを感じさせる。今年は例年より、一気に咲いた感がある。



秋冬からフルタイム勤務に戻り、イベントも少しずつ戻ってきていたので、こんなふうにのんびりと花を眺めたのも久しぶり。
できれば今年の春夏は、昨年のように花探し散歩ばかりしなくて済むと有り難いけれど、意識的にそういう時間も作ったほうがいいのかもしれない。

たまには、深呼吸。
青空の美しさにも気づけるし。

剪定された木のてっぺんから、ニョキニョキと新しい枝が伸びていた。

どれほど切り揃えても、はみ出すやつははみ出す。
人間も同じ。
切り揃えてなくてもよくないかね?
自由に伸びろ。

そんなことを思う昼下がり。
良き花探しの一日だった。


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うのじ。
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