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この問いに意味はあるのか
地球は丸い
と知ったのが何歳の時なのかもう覚えていないのだけれど、その事実を知ったわたしはどうして落ちないんだろう?と思ったのを覚えている。
そうだ、だんだん思い出してきた。
確か幼稚園で地球儀を見せられながら、ここが日本です、ここが私たちの住んでいるところです、みたいに説明されたのだ。
え、落ちるじゃん。と思った。
雲に乗れないと知ったのなんて、初めて飛行機に乗った9歳の時だ。
座席から外を眺めて「いつか雲の上ぴょんぴょんしたいな〜」と本気で言っていたら、「雲の上には乗れんわい、ありゃ、水蒸気じゃけ」とうしろから父が言った。
水蒸気は理科で習っていた。
そうか、雲は水蒸気だったのか。
だから飛び乗ったらストンと落ちてしまうのか…。
雲の上を走り回りたいと夢見ていたわたしは絶句し、軽く泣いた。
大人になったら感覚的にそんなことはあり得ないと分かるのだけど、でも今息子になんで落ちないの?なんで雲に乗れないの?って聞かれたらうまく説明できる自信がない。
えっとー地球には重力があってー…それであのめちゃくちゃ地球自体が大きいからーしどろもどろ…となる。(バカ)
昨日の皆既月食も、どういう現象なの?と聞かれたら詳しく答えられない。
地球が太陽の周りを回っていて、月は地球の周りを回っていて、それがたまたま一直線に並んで…(みたいなことなんだよね?)
そんなことを昨日月を見ながら母に話すと、「お母さんもいまだになんで落ちないのか分からないし、もちろん皆既月食のことも全然説明できない!不思議だよね!!だから綺麗だね〜って思うよね!」とあまりに朗らかに、本当に澄んだ瞳で言ってくるので、なんかもうこの人には敵わないわとあらためて思った。
親だから説明できないと、とか、大人だからちゃんとしなきゃ、とか、お母さんだからわたしは…みたいなものがこの人にはあんまりないよね〜と。(だからこそすごくいいお母さんなんだけど…)
そんなわたしは昨日月をみた後やたらと頭がぼ〜っとして、ほぼ朦朧とする感じで眠った。
息子の絵本も2冊目あたりであまりにも眠いのでごめんねごめんねと言ってとじてしまった。
その横で息子がリビングから母(ばーば)を引っ張ってきて絵本を読ませていて、「あーありがとう」とか「ごめんね」とか曖昧にわたしが寝ぼけて答えて、母が絵本を読むのが無意識の頭の中にその声だけがハッキリ聴こえてくる感じだった。
説明が難しいのだけど、わたしの母は脳みそを全体的にバランスよく使っている感じがする。
色でいうと全体が桃色。
全体を覆うから淡い色。
その分それぞれの機能はおおざっぱだからおおらかというか。
逆にわたしは脳みそのある一部分だけをぎゅーーーーーっとフル回転させてこまごま使っている感じがする。
一点集中だからそこだけ赤とか緑とかで点滅しているイメージ。(あとは極々薄い白に近い薄橙色)
悪く言うと小手先とか、そんな感じ。
よく言えばその部分だけは細かくきっちりできるのだけど、その分色々と欠けていることが多い気がする。
どっちがいいとか悪いとかではないし、ただのわたしの中でのイメージというか感覚なだけだけど、やっぱりわたしと母は親子でもここまで違うよね…なんてことをうっすら思いながら寝落ちしていた。
なんで絵本の読み聞かせの声を聞いてそう思ったのかは分からない。
昔、人間って洗濯ネットみたいだと思ったこともある。
目が細かい人と粗い人がいて。
ニットは目が細かいやつで洗いたいけど、チャックがついてるシャカシャカの服とかは粗い目のやつでもいいわけで…適材適所な所とかも似てない?
と、当時付き合っていた人に10分くらい熱く説明したら、「やまめは絶対細かいやつの方だよね」と返された。
それよりも手の分厚さな気がするよ、とその人は言った。
熱々のやかん触ってさ、うわってすぐ手を離しちゃうひとと、そのまましばらーく触れる人。
うわってすぐ手をはなす人は絶対やけどしないんだけどさ、でも熱かったなって思うわけ。それでそれを忘れない。
しばらーく触れる人は実は火傷してんだけどさ、火傷してることにも気づかないくらい分厚いから、結局どっちがいいんだろうね?
やまめはうわってすぐ手を離すタイプじゃん。
俺ってどうなんだろうね。
え?なんの話?って返したら、
それやまめが言う?と言われて笑った。
最近よく昔の会話や体験をポツポツ思い出す。
生まれ育った場所にいて、自分の子どもを育ててるからだろうか。
追憶、と言うのだこれをきっと。
今まであまりにも過去を振り返らずにきたから、ここいらで少し見つめ直しなさいよと言われているのかもしれない。
こんなよく分からない追憶のお話を、ポツポツ書いていきたいと思います。