日記 秋の日7 ルンバはペット 喜びと不安はセット
もぉ〜!そっちじゃないよぉ〜!
ほらぁー!こっちにおいでー?
と言いながら、今朝も息子がルンバの電源を付けたり消したりしている。
最初は怖がってお風呂場まで逃げていたくせに、もう手懐けてしまったらしい。
ルンさんも、付けたり消したりされて
あ、こっちじゃなかったですか、すんません。と言った感じでぐるぐる回って大変そうだ。
けれどそろそろ家を出る時間なので、ルンさんお留守番でお家綺麗にしてくれるって!ありがとうだね!と言って2人してルンさんに手を振ってバイバイした。
おそうじ、してくれるねぇ!
ありがとうだねぇ!と言っていた。
息子は本当に褒め上手で、それに乗せられてついつい遠出したりしてしまう。
わー!すごぉーい!かぁか、さいこうだねぇ!たのしいねぇ!と大声で言い目を輝かせられると、そろそろ帰ろうかと言いづらくてなんとなく遠回りしてしまったり。
褒めることって大切だよなぁと思いつつ、逆にその褒めに日々まんまと乗せられている。
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朝、会社まで行く途中にある踏切に引っかかる。
そこは休みの日に息子と行って30分ほど待っても電車が見られないようなレアな踏切なのに…。
息子といれば、ラッキーだね!最高だね!となるのに、出勤時だとスルーして迂回するしかないのが悲しい。
ふと動画を撮って息子に見せようかと思ったけど、時間にそんな余裕もなく、泣く泣く後にした。
探していたり、渇望している時には見つからない、手に入らないものが、無欲の時にするりと手に入ることって、ある。
あれってなんの法則なのだろうか。
ガチガチに欲望まみれなので、そんなミラクルは滅多に起きないけれど、人生で何度か、「ああ、これは自分の力じゃないものでなんか動いているなー」と思うことはあった。
抗いたくても抗えない、その先に待ち受けるものが怖くても進むしかない、今動かなければ一生後悔する、そんなこと。
結婚とか妊娠とか出産も、私の場合それに近かった気がする。
まさかこの人と(結婚するとは)、まさかこのタイミングで(妊娠するとは)、今日生まれて来てくれるなんて(大感動)!のような感じで。
その出来事が何か人生を変えるキッカケになるかもしれないし、ならないかもしれないけど、大体は「めちゃくちゃ嬉しいこと」か「めちゃくちゃ辛いこと」で、どう転んでも大切な記憶としてそのまま心に残り続けてくれる。
時間が経てば、全てのことはそれだけでキラキラと輝くものだ。
星野源さんの唄の歌詞に、
「いつかあの日をいつかあの日を越える未来」というのがあるけれど、常にそれを探して生きている気がする。
そう言うと現状に不満みたいだけれど、そうではなくて、常に「今も楽しいけど、今よりもっともっと楽しくなる、楽しみだなぁ」と思っていたいのだと思う。
ああ、もう無理だなんて絶望してしまう日もある癖に、どの口が言うんだろう?と思うけど、きっと人間なんてそんなものだ。
誰だって矛盾を抱えてそれに折り合いをつけて生きている。
「この歳になって、そんなジタバタもがいてる人珍しいから、見てて楽しい」
達観している友達に、こう言われた。
わたしは、「え。わたし、ジタバタしなくていいならそうなりたい!あなたみたいになりたい!!!!どうすれば?!?!?!」
と、力強く言ったのだけど、
「あなたがあなたである限り、今生は諦めて」とさらりと鼻で笑われてしまった。
ああ、神様。
わたしにも心穏やかな大人な日々をください。
どうすれば彼女達のように凪いで生きてゆけるのかと苦悩した時代もあったし、今でも無いわけではないけれど、昔よりはこのわたしの操縦がマシになっているのではないかとも思う。
ルンバみたいにスイッチひとつで切り替えられる、心の中にそんな便利なものがあればいいのに。
でもないからこそ、やっぱり楽しいのかもしれないとも思うけれど。
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昨日行った鍼灸院で、お会計を待つ間飲んでいたお茶があまりにも美味しくて、どこのものか聞いてみたら院で扱っているという。
「買おうかなぁ」と言って色々種類を見させてもらっていたら、奥の方から違う先生がやってきて、「キャンペーンは?」と言った。
私の担当の先生が慌てて、あっ!そうでした!と言って、今月末まで限定のスタンプカードを取り出した。
「スタンプ一個今日貯まるのでお引き換えできますよ。」と言われて、
「え?!ただですか?やったー!運がいいなぁ」と言って喜ぶと、ふふふと笑われてしまった。
たしかに体調悪くて病院に来ているのに運もへったくれもないか…。と思ったけれど、やっぱりわたしは運がいいと思う。
わたしは、運がいいなぁ。
やったーラッキー最高!のあとに、
でも調子に乗らないように気をつけようっと…。と、手放しに喜べなくなってしまったのは大人になったからなのだろうか。