“ユーザー起点”にこだわったマーケティング戦略をつくり、徹底的に伴走した資金調達までの10ヶ月
誰でも気軽に人気ブランドの洋服が借りられるファッションレンタルサービス『collEco』を運営する『collEco株式会社』(本社・福岡県福岡市)
同社は、プロダクトリリース後に事業成長を目指す中で、広告やSNSの運用などマーケティング施策を実施。しかし、マーケティング経験者がいない状況では手探りの施策に課題を感じていました。
サービスを伸ばしていくために、2021年6月よりunnameのマーケティング支援を導入することに。そして、支援開始後、4ヶ月で会員登録者の月間獲得数は約4〜5倍となり、翌年3月には約7,000万円の資金調達を実施することができました。
そこで今回、collEco代表・濱崎さま、COO三反田さま、CMO伊藤さまと、成長を支えたマーケティングの戦略構築の過程について、同社を担当しているunname青木とともに振り返りました。
“マーケティング戦略とはそもそも何か”から出発した
今回、弊社のマーケティング支援を導入しようと思われたのは、どんな課題感からだったんですか?
濱崎:プロダクトローンチ前からInstagramなどは運営を始め、素人なりにフォロワーを積み上げることができていました。Instagram以外にも「とりあえず広告を打とう」と10万円ほど出稿してみたりしましたが、結局その効果をみても「ほぉ…」となっただけで(笑)
なんのためにその施策をやっているのか
その施策を打つとサービスにどんな影響があるのか
の解像度が低い状態でした。マーケティング戦略が欠落した状態で施策に走ってしまっていたんですよね。この状況を改善すべく、マーケティングの書籍を読んだり、人に話を聞いたりして知識を蓄えましたが、あくまで知識は知識。自社の事業に当てはめたときに、どう動いていくべきかは分からなかったんです。
伊藤:それこそ知識として「ユーザーインタビューが大事」とよく言われているので、ユーザーインタビューにもトライしました。ですが、今振り返ると情報を引き抜くだけで、うまく活用できていなかったですね。「料金が高い」と言われたら「安くしなきゃ!」と、ユーザーの言葉を丸呑みにしてしまっていました。
濱崎:そんな経験を経て、やっぱりマーケティング戦略を立てられる存在がほしいね、と社内で話をしていました。ただ採用するとなるとハードルは高い。採用できるまで事業をストップするわけにもいかないので、マーケティング支援会社の導入を検討し始めました。
他社のマーケティング支援サービスも検討されていたと思いますが、unnameを選ばれた決め手はどんなところでしたか?
濱崎:unname以外は3社に相談しました。そのうち1社は、施策の引き出しをたくさん持っていて提案してくださる会社。残りの2社はInstagram特化の支援サービスでした。3社とも施策主体の支援で、もともとの「マーケティング戦略が欠落した状態」を解決することは難しいと感じ、3社ともちょっと違うなと思いました。
unnameと初めてお会いした時に、「現状のマーケティング戦略はどう描いてますか?」「現状のKPIは何ですか?」と質問していただきましたよね。また会話のなかでもいわゆるマーケティング戦略とは?を説明いただいたのを覚えています。会話を通して自分たちが足りない部分を理解することができ、一番課題に感じている「マーケティング戦略」から支援してくださることが、他社との大きな違いでした。unnameとならその戦略を軸に、ゴールを一緒に描けるところから始めることができると感じ、導入を決意しました。
ユーザーと徹底的に向き合ったマーケティング戦略
ご支援の中身を振り返っていければと思います。取り組んだことに対して詳しく教えて下さい。
濱崎:現状分析からマーケティング戦略の策定、マーケティング施策の決定及び実行まで多方面で支援していただきました。
中でも最も印象に残っているのはマーケティング戦略立案の部分ですね。当時のユーザーにインタビューを実施し「顧客が抱えている課題」を明らかにするところから始めていただきました。ただ、複数人のインタビュー実施した後、青木さんから「マーケティング戦略を作るためにも、一定数のユーザーを集めるための施策を打ってもいいですか?」とご相談いただいて…。理由をお話をお聞きすると「現ユーザーはcollEcoが今後もサービスを提供していきたいユーザーなのか?」という問いをいただきました。
青木:当時はサービスリリース直後ということもあって、既存ユーザーはcollEcoの友人やその友人の知り合いなどが多い状況でしたね。その方たちにご協力いただき、ユーザーインタビューを実施したのですが、その方たちは「collEcoやそこでで働く人達のことを知っている」という前提の人たちでした。つまりcollEcoのみなさんと限りなく近しい属性の方たちでヒアリングした内容が皆さん似ていると感じました。そこからマーケティング戦略を策定すること自体には問題はないのですが、サービスを拡大させるためにも、先ほどの前提関係なく純粋にcollEcoに興味を持ち、サービスを利用したいと思う人に話を聞きたいと思ってご提案しました。マーケティング戦略と紐付いていない施策であることは重々承知ではあったのですが、戦略を作るための施策はこの場合必要だと判断しました。結果collEcoのユーザー獲得とユーザーインタビューの両方が実現できるキャンペーン施策を実行しましたね。
濱崎:この時に限らず、決められたやり方だけではなく、会社の状況に合わせて「ちょっとこれ違いますね」「こっちに行きましょう」と軌道修正をしながらマーケティングの伴走してくれることには、大きな価値を感じました。決まった施策しかやらなかったり、完全にパッケージになっている支援にはない魅力ですよね。
伊藤:青木さんの「ユーザー」へのこだわりも凄かったですね。サービスの先には届けるべきユーザーがいる、ということを何度もおっしゃっていたことが印象的で…。インタビューでの深掘りはもちろん、メールの文面にしても、Webサイト上の表記にしても、unnameに伴走していただくことで、ユーザー起点で物事を考えられるようになったことは収穫でした。
濱崎:ユーザーインタビューを経て、マーケティング戦略を策定頂いた後は、その戦略を実行するためのロードマップも作成いただきました。チームで立てた事業成長というゴールの旗に、現地点からどう辿り着くかのロードマップが明確になったことが、会社の資産になりましたね。
三反田:ここでも青木さんはいつも「この施策って結局良かったんでしたっけ?」と問いを立ててくれていました。一度引いたロードマップも施策を実行しながら新たに提案、追加施策のサポートまでしてくれたので、自分たちで手を動かすことにフォーカスできましたね。また施策を実行可能なレベルまで細かく分解し、スケジュールに落とし込んでいただけたのはありがたかったです。
半年間で月間の会員登録数は約4〜5倍、そして資金調達へ。支援がそのまま会社のアセットに
青木:マーケティング戦略に紐付いた施策を実行することができたおかげか、10月頃からKPIに設定していた「会員登録者数」が伸びてきましたね。
濱崎:施策が成功して、登録者数も明らかに伸びていきました。描いていたルートを辿ってきて、すべての点が繋がってきた頃ですね。12月頃まで施策を打ち続けて、逆に服をレンタルされすぎてしまいましたよね。実はそこで、一瞬キャッシュが危うくなり、一旦施策をストップして資金調達に動きました。
資金調達で投資家にプレゼンテーションする際にも、unnameの支援で学んだことを活かして、作っていたいただいたKPIツリーを一部引用して説明をしました。そうしたら、「ちゃんとしているね」と褒めていただけて…。結果として、約7,000万円の資金調達を実施するに至りました。
ここまでは定量的な成果について振り返ってきましたが、定性面で大きな成果を感じていることはありますか?
三反田:支援を通じてビジネス側がスキルアップしたと感じます。自分たちでは辿り着けない情報を共有してもらったり、他社事例を教えてもらったり…特にマーケティングの進め方や考え方を惜しむことなく情報提供していただき、吸収できたのは成果として大きかったです。
濱崎:私たちが手を動かしていく中で気づいた疑問にも真摯に答えてくれ、危ないことは指摘してくれる。会社の一部になるレベル感でご支援いただいたからこそ、メンバーがマーケティングの思考法を吸収することができたと思っています。
考え方をインストールすることができたんですね。価値を感じていただけて、とても嬉しいです。
「マーケ施策、何からやるべき?」と思ったらunnameへ
unnameをどんな企業へオススメしたいと思いますか?
三反田:unnameは比較的どのフェーズの企業にも対応できるように、フェーズごとの適切な対応策を持っていますよね。マーケティング責任者不在の企業にとっては、unnameにしっかりとマーケティング戦略を立ててもらい、実行もサポートしていただくやり方がとても進めやすいと思います。
伊藤:私は「これからマーケティングに本腰を入れたい」という企業にオススメしたいです。我々のように「何から手をつけたらいいかわからない」といったように、課題を言語化できていない企業にとって、unnameは最適な選択肢じゃないかな、と。
濱崎:過去のcollEcoのように「資金調達をしたものの、どこに注力すれば良いのかわからない」「事業を伸ばすために、次に何をすればいいのか判断が難しい」と感じている経営者にオススメしたいですね。
我々も、分からないなりに書籍を読んで、書いてあることをとりあえず実践してみたりしていました。いわゆる、"宿題"はちゃんとできているんだけれど、それだけではサービスは伸びない。
そういう状態のときにunnameのマーケティング支援を導入することで、自分たちが立てているゴールを一緒に描くことができ、次に進むべき方向が分かるようになるはずです。
青木:本日は貴重なお話をたくさん伺うことができました。引き続き、次のフェーズに向かって伴走させてください!
濱崎・三反田・伊藤:こちらこそよろしくお願いします!
[企画・取材] 株式会社unname・青木喬平
[構成・執筆] 栗林杏子
[撮影]中島 祐也
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