ヒーローと金メダルが身を滅ぼす。
毎日がつまらなくて
朝目を覚まして一日が始まることを
思うだけでも絶望感が襲ってきて
自分の人生に虚しさしか
感じることができなくて
人生を変えて幸せになりたい
と思っている。
でも自分には特に好きなことも
やりたいこともないわけで
特別な魅力や才能や
能力だってない。
そんな時にいつの間にかハマっていったのが
ヒーローになるとか競争で1番になる
ということ。
ヒーローになって悪者を裁いている時や
金メダルを目指して競争している時って
"何かをやっている"
っていう感覚になることができて
つまらなくて虚しい毎日から
抜け出すことができたような
気持ちになれるし
何も無いような無力な自分にも
力があるんだって無理矢理にでも
思い込むことができる。
ヒーローになったつもりで裁いている
悪者のことなんて本当はどうでもいい。
誰かや何かを救おうとか幸せにしたい
なんてこれっぽっちも思っていないし
誰かや何かのために金メダルを
獲得しようなんてことだって
これっぽっちも思っていない。
ただヒーローになったり金メダルを
獲得したりすることで
自分の存在価値や存在意義や
人生の意味を見出したいだけ。
始めは本物の悪者を裁いていた
はずだったのだけれど
そのうち自分にとって都合の悪い者は
誰もが悪者であると決めつけて
裁くようになっていった。
ヒーローである自分のことを
崇めてくれない誰かは皆悪者だ。
競争相手は皆自分の成功や幸せを
阻止してくる悪者だ。
この世は敵だらけで
毎日気を休める暇もない。
生きていくということや
うまくいって幸せになるということは
何て大変で難しいことなのだろう。
でも本当は生きていくということや
うまくいって幸せになるということは
もっとシンプルで簡単なこと。
ヒーローになったり金メダルを
獲得しようとしたりするのではなくて
目の前にある大好物のアイスクリームを
選んで食べればいいだけ。
でもアイスクリームを選ぶということは
ヒーローを演じたり競争したりしている
限りはできないこと。
だってアイスクリームを
選ぶということは
ある意味では今参加しているレースを
放棄して負けることを認めて勝ち負けから
自由になっていくということであって
ヒーローの仮面と衣装を身につけて
ヒーローの台詞を話すということをやめて
本音を話していくということなのだから。
ヒーローになろうとすることや
競争することをやめられないのは
自分への愛と信頼が足りないから。
本当は悪者を裁きたいわけではないし
金メダルが欲しいわけでもない。
それらを誰かから認めてもらうことで
心の穴を埋めるための手段にしているだけ。
別に承認さえもらえるのなら
何でもいいのだ。
だからヒーローになることや
金メダルを獲得すること以外に
もっと効率よく承認を得ることが
できそうな手段が見つかったなら
簡単にその手段に
飛びついていくだろう。
本当は倒さなければならない
悪者なんていないわけで
レースなんて開催されていないのだから
敵だってどこにもいないのだ。
ただ戦ったり競争したりするという思考と
そこから繰り広げられる妄想に反応する
心があるだけ。
もうそろそろ自分への愛と信頼を放棄して
誰かに与えてもらおうとすることはやめて
自分が責任を持って自分自身に与えてやって
素直にアイスクリームを
選んでいこう。
素直にアイスクリームを選んでいたら
毎日がつまらなくて虚しくて無力感しか
感じることができないなんてことには
ならないし
金メダルなんて獲得しようとしなくても
いつもトップを走っているような感覚に
なるわけで
ヒーローになんかなろうとしなくても
勝手に誰かにとってのヒーローみたいに
なっているものだ。
自分への愛と信頼があれば
他のヒーローが活躍している姿や
誰かの金メダルを見ても心が騒がなく
なるから
自分には無関係の戦いやレースに
呑み込まれるということも
なくなってしまう。
それが自分だけの道を歩む
ということであって
うまくいって幸せになる
ということ。
うまくいって幸せになるのに
ヒーローを演じるとか金メダルを獲得する
なんて大変なことはしなくてもいいんだよ。
ただ素直にアイスクリームを
選べばいいだけなのだ。
やりたいことや好きなことなんて
分からなくてもいいのだし
自分に無力感しか感じることが
できなくたっていい。
とにかくまずは他人からの承認に依存せずに
素直にアイスクリームを選ぶことができる
自分になっていこう。
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