【展示会報告】スーパーマーケット・トレードショー2019における無人販売関連展示(自販機メーカー編)
今回はスーパーマーケット・トレードショー2019(SMTS2019)のことを書こうと思います。去年とは打って変わりリテールテック2019の前哨戦的な感じで什器メーカーさんが無人販売系システムの展示をされていましたので、そちらを簡単にまとめてみました。まずは自販機メーカーさんから。
■富士電機
最近クボタを飲み込んで自販機市場における1強として君臨している富士電機さんですが、その巨体がゆえにIoT化の波にはかなり乗り遅れており、市場の目も厳しくなる中段々焦りが見えるような状況に。
そんな中SMTS2019ではNECさん(顔認証)と連携して無人店舗のデモ展示を実施。肝心の無人販売部分はオープンフリッジに定点カメラを上部に付けるタイプ。カメラが商品や人の動きを感知して購入したか否かを判断しているようですが、どうやら1フリッジあたり1名のみしか反応しないらしく(アテンドがあるため2名以上が扱えない)、技術的はまだまだ…という感じは否めませんでした。
去年の同展示会ではQRコードを付けた商品を下からカメラで読み取るタイプの展示をされていましたが(展示時は動作しないものでした)、そちらはちょっと厳しかったようですね。
■サンデン・リテールシステム
自販機市場では富士電機さんの後塵を拝しつつも2位の地位を維持している会社ですが、比較的IoT化には積極的でいろいろとやっていると聞いています。フォロワーなので富士電機さんと同じ戦略は取れないことから来るのかもしれませんが、そんな中SMTS2019では自販機から無人販売まで幅広く扱っており、今回最も多い展示を行っておりました。
自販機はかなり大型化して2温度帯対応とか冷凍品対応とかいろいろやっていてこれはこれで面白かったのですが、今回の目玉は何と言っても「カメラ型無人販売機」と「クローズフリッジ型無人販売ショーケース」でしょうか。
前者はテクムズさんと組んでカメラを使っ無人店舗で、入り口で顔認証を行えばあとは勝手に商品を手に取って退出できるタイプ。かなりの人でごったがえしていましたが、技術的にはまだまだ難しい(3名以上入ると認識がかなり厳しくなるそうで…)とのことでした。
そして特にアナウンスもなくポツンと置かれていたクローズフリッジ型無人販売ショーケース、RFID&QRコードを使った百鮮Goなんかでお馴染みのタイプではあるものの、なんとサンデンさんとドコモさんの共同開発中だとのことで(RFIDは日立製)、商品はかなり詰めておいても作動しており(150個ほど入っているとのこと)、無人販売機本体だけではなく運用管理から決済(dポイントも使える!)、挙句の果てはデータ分析までがワンパッケージでできるようになるとのことで、実用化に最も近い展示だったのではないかと思います。
■パナソニック
気が付いたら自販機業界3位となっていた感があるパナソニックさんですが、先日の報道にあったRFIDを使った無人販売ショーケースを展示されていました。奥まったところにひっそりとあったので気が付かない人もいたみたいで(同僚がそうでした…)、力入れてないのかな?と勘ぐってしまった…。
指紋認証を使った決済とRFIDを使った商品認識の組み合わせで主にオフィスでの需要をにらんでいるとのことでしたが、筐体がちょっと小振りなのと運用面がまだ今一歩という感じでしょうか。サンデンさんの同類機が意外と実用化に近かったのでちょっと物足りなかった気がします。
(POSレジメーカー他編に続く)