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彼氏のインタビューを読んだ人

むかしむかし、ある村に、読み手(よみて)という若い娘が住んでいました。ある日、読み手は恋人の語った物語を見つけました。
その物語には、今まで知らなかった恋人の想いが綴られていました。
恋人の夢や、
恋人の不安や、
恋人の優しさや、
恋人の苦労が。
読み手は、その言葉の一つ一つに、新しい発見を見出していきました。
「こんな風に考えていたんだ」
「こんな気持ちを持っていたんだ」
「こんな風に世界を見ていたんだ」
後に読み手はこう語りました。
「誰かの物語を読むことは、その人の心の窓を開けることなのかもしれません。特に大切な人の言葉には、新しい理解が隠れているんですね」
そして「心の窓は、言葉で開く」ということわざが、この村から広まっていったとさ。
めでたし、めでたし。
と思う2025年1月27日10時04分に書く無名人インタビュー992回目のまえがきでした!!!!!

【まえがき:qbc・栗林康弘(作家・無名人インタビュー主宰)】

今回ご参加いただいたのは 遥 さんです!

年齢:30代前半
性別:女
職業:薬局の事務員さん



現在:中心に彼がいて、そこに、自分の私生活、プライベートだったりとか仕事だったりとか、そういうのが周りにお花の花びらのようにくっついてるみたいな。

ナカザワアヤミ:
遥さんは今何をしている方ですか?

遥:
薬局で、薬剤師さんのサポート業務をする調剤事務というお仕事をしています。

ナカザワアヤミ:
お仕事の他に、趣味だったり何かされてることはありますか?

遥:
最近一眼レフカメラを買って。一眼レフで写真を撮るのが趣味ですね。昔からカメラで写真を撮ることが大好きで。景色のいいところに行ったらスマホのカメラで写真撮ったりとかっていうことをしてたんですけど、本格的なカメラが欲しいって一大決心をして、買いました。

ナカザワアヤミ:
カメラ、一眼レフのカメラを買うのは初めてだったってことですか?

遥:
そうなんです。人生で初めての出来事だったんで。

ナカザワアヤミ:
決断のきっかけは何だったんですか?

遥:
彼氏が横瀬町に住んでて。インタビュー記事で自動車の整備士さんって言ってた人なんですけど。

彼と付き合い始めてから横瀬町に行くことが増えたんですよね。昨年の10月からお付き合いを始めて、今年1月までに多分10回ぐらいは行ってるかな。そのぐらい横瀬町っていうところがすごく好きで。景色もすごくいいところが多いんですよね。こっちじゃ撮れない景色がいっぱいあって。
そういう景色を撮ってみたいって思ったのもあるし、彼がすごく他趣味でいろんなことが好きだから、私も1個趣味を増やしてみようかなって。だから今回買ってみようって思ったのは彼の影響もありますね。

ナカザワアヤミ:
遥さんは今どちらにお住まいなんですか?

遥:
埼玉県の北足立郡伊奈町という町です。

ナカザワアヤミ:
伊奈町よりも写真を撮りたくなるってことですか?

遥:
そうですね。伊奈町はどちらかっていうと栄えた市町村に囲まれた町なので、住宅街が多くて。山とか、そういう目立ったところがあるわけでもなく、本当にベッドタウンとして住むようなところなので、景色の良さに関してはやっぱり秩父に近い横瀬町には勝てなかったなって思いますね。

ナカザワアヤミ:
写真を撮っているとき、撮りたいっていう瞬間はどういう感情ですか?

遥:
逆に何も考えてないかもしれないです。
綺麗に残そうとか、ここがいいとかじゃなくて、ありのまま自分の目で見たものをそのまま残すように。だから、ごちゃごちゃ考えてないです。

ナカザワアヤミ:
実際に写真を撮る趣味を始めてみていかがですか?

遥:
いいですね。見返したときに、私、自分の目でこんな景色見てたんだとか。見たときの感動とかが思い出されてきて。
だからマイナスなものは撮りたくないなって思います。プラスに感じるもの、綺麗だなとか、美しいなって思ったものを撮って、そのときの感情をいつでも思い出せるような、そういう感じでこれからもカメラの趣味を続けていきたいなと思います。

ナカザワアヤミ:
元々写真撮るのが好きだったっておっしゃってましたけど、どういうことがきっかけでしたか?

遥:
そうですね。子どもの頃、修学旅行に行くときに写ルンですみたいなカメラを親から渡されて。私は友達を撮るよりも、綺麗な景色ばかり撮ってて。多分原点はそこだったんじゃないかなと思います。 
写ルンですで写真を撮って、そこから、スマホのカメラで手軽に撮れるっていうところが主流になり始めてからがやっぱピークだったかなって思いますね。

ナカザワアヤミ:
なるほど。ありがとうございます。
お仕事の方も聞きたいんですけれども、薬剤師のサポート業務の仕事に就かれたきっかけは何ですか?

遥:
きっかけは、自分がちょっと持病で薬を飲んでいて。先生がすごく患者さんに対して薬のことをしっかり言ってくれる方で、すごく信頼して今も通い続けているんですけれども、その先生と話すうちに、いろんな薬があるとわかって、それを自分で調べてみたら、どんどん薬のことに詳しくなって。だから変な話、普通の人よりちょっとだけ薬のこと詳しい人っていう状態だったんですよね。仕事に就く前は。

調剤事務っていう仕事って資格がなくても未経験でもできるんですよ。ちょうど仕事を探してるときに求人票で見て、薬のこと結構気になるし、ずっと昔から医療系はやってみたいっていう気持ちがあったので。
だからなんで始めたのかなって言われると、わかんないんですけど、でも、医療関係の仕事に就きたいって思ってて、ちょうど合致した感じですかね。

ナカザワアヤミ:
その仕事を始めてからどのぐらい経ちますか?

遥:
ちょうど1年経ったところで。

ナカザワアヤミ:
1年間やってみていかがですか?

遥:
やりがいだらけの仕事ですね。
薬剤師さんほど高度な仕事ではないけれども、患者さんに寄り添うっていうところに関しては、薬剤師さん等々と同じぐらいやろうと思えばできますし、患者さんに「お大事にどうぞ」っていうその一言をかけて、患者さんからも「こないだはありがとうね」「薬が間違ってるっていうのを気づいてくれてありがとうね」とか。薬剤師さんにしかかけられない言葉を、調剤事務の私にもかけてもらえる。調剤事務としても、患者さんに聞いてみると気づきがあって、私が気づけたからお礼を言われるっていうのは仕事に就いてから知ったことだったので、そういう意味ではすごくやりがいがある仕事ですね。

ナカザワアヤミ:
なるほど。

遥:
私が今勤めてるのは処方箋を受け付けるところなので、処方箋を持ってこられた患者さんに対してですけど、前いた店舗は普通にお薬も売ってて、お薬のことを聞かれたお客様に、咳がひどいんだけどどうしたらいいか?っていうご相談に対してこの薬せき止め入ってるので効きますよとかって言ったりすると後日、処方箋を持ってきてくれたとき、こないだありがとうねあの薬効き目あったわとか、なんか感謝の言葉じゃないですけどありがとうって言われる回数が今までの仕事よりすごく多いなと思って。

お客様商売だったらありがとうって言われることは少なからずあるとは思うんですけど、それよりも格段に何かありがとう助かったよとか。
こっちも相手を気遣うっていう気持ちがある。やっぱ病気をして、病院に行って処方箋を持ってきて自分の薬局に薬局に来てるから、こっちも相手を気遣うし、それを気遣ってもらったお礼にありがとうって言われるっていう、なんか優しい世界なんですよね。

ナカザワアヤミ:
ありがとうございます。
最近生活の中心となってるのはどんなことですか?

遥:
中心になってるのは本当、彼氏ですね。
なんだろう、彼氏というか、横瀬町が中心になってる感じですね。

ナカザワアヤミ:
中心になってるって思うのはどういう理由ですか?

遥:
これは私の過去の話になるんですけど、私は20歳で1回結婚をして、出産をして、その後その方と離婚して、またもう1回再婚してるんですよ。だからいわゆるバツ2っていう状態なんですけど。なんか、今まで自分のことって考えることができなかった。
子育てもしていたし。2回目の再婚のときなんかは、相手が初婚だから自分がやらなきゃみたいな。自分が率先していろいろとやらなきゃって思って、自分のことより相手のこと、みたいな、そういうところからわだかまりが生まれちゃって離婚っていう形になっちゃったんですけど。

そうやって自分のことじゃなく相手のことっていうお付き合いをしてきた中で、今の彼は何か、私が彼のことを考えると同時に彼も私のことを考えてくれて、そんなに私のことを考えてくれてるの?って正直思ったというか。なんて言えばいいんだろうな、うん、支えなんですよね。
だから、中心に彼がいて、そこに、自分の私生活、プライベートだったりとか仕事だったりとか、そういうのが周りにお花の花びらのようにくっついてるみたいな。

ナカザワアヤミ:
なるほど。

遥:
趣味っていうのもあって、彼がその中心で。そうですね、本当周りに花びらみたいについてる。

ナカザワアヤミ:
ありがとうございます。そうですね。ご自身について自分ではどういう性格だと思ってますか?

遥:
自分ではすごく相手に合わせる。なんか、爬虫類で言ったらカメレオンみたいな。その時々で様々な形、形というか色に変われるっていう。でも疲れやすいカメレオンみたいな。

ナカザワアヤミ:
ちなみに周りの人からはどう言われることが多いですか?

遥:
周りの人からは真面目って言われますね。

ナカザワアヤミ:
言われてみてどうですか?真面目だねって。

遥:
いやあ、全然真面目じゃないなって。なんか真面目に見えるように、真面目っていうより、こうしなきゃっていう思いが強くて。0か100か、みたいな。だからいわゆる、頑固なんですよね。


過去:そこで1回どん底に落ちてなかったら今の私はいないなと思いますね。

ナカザワアヤミ:
覚えてる限りのことで大丈夫なんですけど、子どもの頃はどんな子どもでしたか?

遥:
あまり目立たず、ただ単に背がすごく大きい女の子って感じだったと思います。幼稚園の頃からそうなんですけど、背の順で言ったら後ろから数える方が早いっていうぐらいすごく背が高くて、今も170センチあるんですけど、クラスの中にいるちょっと体の大きい女の子で、目立たず騒がず、だからと言ってすごく物静かでもないみたいな。どちらかっていうと活発な女の子だったんじゃないかな。

ナカザワアヤミ:
今イメージされてたのは何歳くらいの頃の話ですか?

遥:
幼稚園ですね。私、幼稚園のときが一番古い記憶で。
幼稚園の旧舎と新舎があって、ちょうど工事中のときに幼稚園生として通っていたので、そのときの旧舎と新舎がすごく記憶に残ってるんですよね。その園庭で、新しいのと古いのが一緒になってる真ん中の、園庭で遊んでるっていうのがすごく印象的に残ってて。

ナカザワアヤミ:
生まれ育ったのはどんな場所でしたか?

遥:
生まれ育ったのは埼玉県春日部市だったので、いわゆる都会に近いのかな。今のところより都会に近いかな。だから周りに住宅地がいっぱいありました。

ナカザワアヤミ:
ちなみに小・中学生ではどんな過ごし方をされてましたか?

遥:
小学生のときは4年生ぐらいまで男の子としか遊んでなかったですね。なんか男の子の方が面白いみたいな。ゲームだったりとか、木上りだったりとか、そういう遊びがすごく面白く感じて。周りの女の子がやらなかったのは多分女の子だからやめなさいって親に言われてたんでしょうね。だけど、うちの親ってそういうのはあんまり言わないタイプだったから。男の子と一緒に、ちょっと危ないことして。
でも5、6年生から中学生に関しては逆に男の子が嫌いになっちゃって、多分それがいわゆる思春期ってやつだったんだろうなって思うんですけど。だから、活発だった小学生時代から一気に女の子になった中学生みたいな。

ナカザワアヤミ:
うんうん。それは何かきっかけというわけではないんですかね。

遥:
きっかけじゃなかったですね。単にそういう成長の一環というか成長の流れだったと思いますね。

ナカザワアヤミ:
ちなみにご家族からはどんなふうに育てられましたか?

遥:
家族からは、すごくいい意味でほっとかれてたなと。一人っ子なのにほっとかれてたかなっていう思いはあります。
一人っ子なって大体何かお父さんとお母さんが大事に大事に、みたいな感じになりがちで、周りの一人っ子の人からも話聞くとやっぱりそういう感じなんですけど、うちっていい意味でほっとかれてたなって。

ナカザワアヤミ:
なるほど。中学生以降は進路だったりとかいろいろあると思うんですけど、どういった流れで今まで来られてますか?

遥:
そうですね、中学のときに男の子が嫌すぎて、女子高に進学するって決めたんですよね。女子だけの世界へ行くってなったときに、初めて母親が反対して。
いろんなことに対して反対意見を出すのは大体父親だったんですよ。

ナカザワアヤミ:
はいはいはい。

遥:
それは駄目だ、とか。やっぱ父親が家の中で一番権限を持っているので。父親が駄目って言ったことに関しては絶対駄目だったんですけど、初めてそこで母親が反対意見を出して。
母親が自分は女子高に行って、嫌な思いだったりとかつらい思いだったりとかをしたことがあるから、女子高っていうものを知ってるから、行くっていったら、「あんただって女子高だよ?女子しかいないんだよ」って。そこで初めて母親が反対したのがすごい印象に残ってて。
でも、私はそれを押し切って、それから3年間女子高に行ったんですけど、人生の中で一番楽しかった3年間でしたね。

ナカザワアヤミ:
へえ。

遥:
女子しかいないからこその気楽さっていうのもあったし。なんか、男の子の目がないからなのかな。なんか本音で言い合うんですよね、女の子たち。
だから普通にクラス内で喧嘩とかしたし、喧嘩っていっても口げんかですけど。でもその後って、面白いことに仲良くなるかそのままわだかまりが残るかっていう二分化したり。そういうのを俯瞰して見てたような女子高校生時代でしたね。

ナカザワアヤミ:
俯瞰してたんですか。

遥:
そう、高校3年間で学級委員みたいなのを3年間続けてやったんですよ。だからクラスの中心というか、こっちの輪に入るとかあっちの輪に入るっていうことをせずに、いつでも中立の立場でいるっていうのを貫いてたんですけど。
それを八方美人だって言われたこともあってちょっと悩んだ時期もあるんですけど。でもやっぱ学級委員長やってて、その3年間、女の子ってどうなんだろうって思って見てて、そこで女社会っていうのを知ったっていうのはありますね。

ナカザワアヤミ:
女社会、一言で言うとなんて表せます?

遥:
一言で言ったら女社会は大奥ですよね(笑)
でも、何だろう、それで3年間の女の子たちがどう過ごすかっていうのを見た経験もあって、社会に出てから、女性同士で仕事をしてる人たちとか、自分も女性なので女性と絡んで仕事をしていかなきゃいけない。そのときの付き合い方というか、接し方っていうのに関してはうまく立ち回れたと思います。
この人って好き嫌いはっきりしてるなとか、この人は結構オールマイティーにみんなと分け隔てなく仲良くするタイプだなとか。そんなのを何となくだけど、わかってうまく立ち回れてたところはありますね。

ナカザワアヤミ:
なるほど。学年委員ってどうしてなったんですか?

遥:
誰も手を挙げてなかったから、やってみるかみたいな。

ナカザワアヤミ:
自薦なんですね。

遥:
そうそう。誰かやってくれる人いませんか、みたいな感じになったときに、誰も手挙げてないから。こういうときだからやってみるかって言ってやって、1年やって嫌だったらもう辞めりゃいいやみたいな、そう思ってたのがなんだかんだ1年2年3年って続いて。
生徒会にまで推薦されそうになったんですけど、いやいや生徒会はやめてくれって。生徒会長にはならなかったですね。

ナカザワアヤミ:
それまでそういう役割とかはやってたんですか?

遥:
いや、やったことなかったんですよ。だから、本当に誰もいないんだったらやってみるみたいな軽いノリでやってみたのが、今の人生にも続いてるという。

ナカザワアヤミ:
続いてるんですね。

遥:
人を俯瞰してみる。一歩下がって、この人ってどういう人なんだろう。って見る癖がついた。

ナカザワアヤミ:
なるほど。女子校で3年過ごして、その後はどんな進路を進まれたんですか。

遥:
その後は、保育士になるために専門学校に行ったんですけど。

ナカザワアヤミ:
はい。

遥:
ちょっと持病の関係上途中でやめることになってしまって、1年も行かずに中退することになっちゃって、だから卒業もせずにそのまま中退してしまったので、卒業してたら保育士の資格と幼稚園の先生の資格を取得してたんですけど、持病もあったし、20歳になる年だったんですが、妊娠もしたっていうのもあって。
これからの自分の人生、何十年っていう先の未来、保育士の資格を取る未来か、子どもを産んで何十年も子育てをしてく未来かっていうその選択に当たったときに、子育てをしてみたい、って。どっちも子どもに関することだったので、子育てをしてみたいなって思って、そこで決断をして、結婚して妊娠出産して。そこからさっきの過去の話の一番最初に繋がるんですけど。

ナカザワアヤミ:
それが、20歳になる年ってことですね。

遥:
そうそう20歳になる年、19歳にその決断をしました。
それで、子育てに奮闘しました。本当に初めてのことばかりで、どうしたらいいんだろうって悩みながらも。でも育っていく子どもを見てくのが本当に嬉しくって楽しくって。
多分子どもが幼稚園を卒園したときが人生で一番泣いた日でしたね。自分に対しておつかれさまもそうだし、子どもがここまで育って「僕、小学生になります」って言ってるのを見た感動もあって。多分、あの日が一番人生で泣いた日じゃないかな。後にも先にもこんな日がやってくるのかな、なんて思いながら卒園式を見てましたね。

ナカザワアヤミ:
卒園式だからお子さんがもう5歳6歳とかになったときですよね。

遥:
そうそう。ちっちゃい頃から、生まれた瞬間からずっとそばにいて、そんな子が小学生になってどんどん巣立っていくっていう寂しさもあったと思いますね。
あんなにちっちゃくてママ、ママって言ってた子が、もうランドセルをしょって1人で登下校しちゃうんだ、って。ママと一緒に手を繋いで幼稚園行ってた時期ももう終わってしまうんだって。

ナカザワアヤミ:
うんうん。

遥:
寂しさもあったし、お疲れ様もあったし、育ってきた我が子にありがとうもあったし、っていう、いろんな感情でしたね、あのときは本当に。

ナカザワアヤミ:
お子さんって今、おいくつですか?

遥:
今はもう今年2025年で15歳、中三になりますね。もう離婚してからは会う機会少なくなっちゃったし、男の子っていうのもあるんで。ちょっと、何だろう、お母さんとしてはちょっと会いにくいっていうところがあるんですけど。

ナカザワアヤミ:
今って、一緒に暮らしてる方っていうのはどなたなんですか?

遥:
母です。母と一緒に。父は5年前に亡くなったので、母と2人で、伊奈町で。

ナカザワアヤミ:
なるほどなるほど。
今までの人生結構いろんなタイミングでいろんな選択だったりとかあったと思うんですけど。転換点とか、印象に残ってることとかってどういうタイミングがありますか?

遥:
そうですね。2回目の離婚をしたときに、私、誰かと一緒に暮らしていくことって向いてないんだって思って、すごい人生のどん底だった時期でしたね。もう恋愛とかそういうのをするのもやめようって思ったぐらい。

ナカザワアヤミ:
うんうん。

遥:
誰かを好きになってまた一緒に暮らすってなったら、悲しませるなって本当に思って。
一人暮らしっていうことも多分よかったと思うんですよ。考えてみても。だけどそうじゃなく実家に戻ったっていうのは、誰かと一緒にいたいっていう安心感も欲しいけれども、うまくできなかった部分が2回も続いたってことは、多分自分は、向いてない、駄目なんだろうなって。実家に帰れば、母は昔からっていうか、家族だから大丈夫だろうみたいな。
なんかもう本当にまとまりのない考え方ばっかりが頭の中に浮かんで、だから本当にあの頃が転換期というか、そこで1回どん底に落ちてなかったら今の私はいないなと思いますね。

ナカザワアヤミ:
うんうん。

遥:
這い上がって、そして今も這い上がってる最中ではあるんですけど、這い上がろうって思えたから、転換期かなって思います。

ナカザワアヤミ:
這い上がろうって思えたっていうのってすごく大きなことなのかなと思ったんですけどそこはきっかけだったりとかあったんですか?

遥:
それがやっぱ父の死に繋がってて、まだ私そのとき29歳とかの年だったんですけど。父はずっとがんの闘病してたので、いつかは、なんて思ってたそのいつかがやってきたって思ったときに、これから母を支えていくのって私なんだ、って。母も高齢になって、助けられるのって私しかいない。離婚してどん底に落ち込んで、父親もいなくなって、今ここで私がどん底にいたってしょうがなくない?お母さん守らなきゃ、って思ったのがはい上がるきっかけでしたね。
だから自立しなきゃいけないなって。自分で立たなきゃって思いました。

ナカザワアヤミ:
なるほど。そっから聞くと、何か今お仕事されてたりとか趣味を楽しんでいる、みたいなところもすごくなんか、大きなことですね。

遥:
うん、そうですね。うん。


未来:でも素直じゃなかったからいいのかな。素直さがあったら、それこそやりたいことがいっぱいありすぎてひっちゃかめっちゃかになってて、いつまでも芯のない人間になってたような気がして。

ナカザワアヤミ:
遥さんは5年後とか10年とか死ぬときまでとかどんな期間でも大丈夫なんですけど、ご自身の未来については、どういったイメージをお持ちですか?

遥:
なんだろうな。ずっと思ってるのは、死んじゃうときに、いい人生だった。って言えるような生き方をしたいなって思って、5年後10年後っていうスパンの中でも、死んじゃうとき、自分の死を悟ったときに、いい人生だったなって。
そのときに孫がいてほしいとか、旦那さんがいてほしいとかじゃなく、自分1人でも、見守られてというよりかは自分自身でいい人生だった、って思えるようにするために、5年後も10年後もそのさらにその先も、頑張っていきたいなって。
そう思えるように、自分のこれから待ち受ける選択肢だったりとか、分岐点だったりとかっていうのを選んでいきたいなって。

ナカザワアヤミ:
そのために今されてることだったり、今後したいことだったり、そういったことはありますか?

遥:
そうですね、自分の心に素直になる。今までは人のためとか、自分じゃなく誰かのためなんて考えてたんですけど、そうじゃなくて、自分が住んでみたいところとか自分の行ってみたいところとか、そういうのに従うというか、素直にやれるように。自分が今どうしたいかっていうのを大切にしてあげようと思って。だから、ちょっと素直になってみようかなって思います。

ナカザワアヤミ:
今までは素直さの度合いで言えば、どのぐらいだったと思いますか?

遥:
全然素直じゃないと思います(笑)
謙遜をずっとして、いやいやいや、私そんないい人間じゃないんだよ、みたいな。謙遜ばっかりしてたんですけど、あなたってこういうところがいいねって褒められたら、ありがとうございますって、言えるようになりたいのが、今一つの目標ですね

ナカザワアヤミ:
うんうん。

遥:
だから本当に素直さで言ったらゼロに近かったと思います。

ナカザワアヤミ:
今、素直にやりたいことってどんなことがありますか?

遥:
今は素直にやりたいこと。
横瀬町に住みたいですね。あの、彼のためとかじゃなくて。

ナカザワアヤミ:
なるほど。

遥:
すごく横瀬って温かいまち、人が温かい人たちなんで、そういうところに住んで自分も一員になりたいって思うようになってて。そういうところに行ってみたいなって。
現実的にはまだまだ、一人暮らししたりとかっていうところもあるんで現実的ではないんですけど、今何か素直にやりたいことなんかありますかって言われたら、そうですね、横瀬に行きたいですね。横瀬に住みたいです。

ナカザワアヤミ:
横瀬町は今まで住んできた場所とどう違いますか?

遥:
やっぱり人の温かさなんですよね。都会っていい意味でも悪い意味でも人に関心がないんで、隣の家の人ぐらいだったら知ってるけど、でもそれもなんかどんどん希薄になってきてる。
だから、彼と一緒に歩いてて、誰々さんこんにちはとか、どうもどうもこんにちは、なんて言ってる姿を見て、いいなって思ったんですよね。町を歩けば知り合いにぶつかるみたいな。なんかそれってすごくいいなって思ってて。

だって、それって相手も自分のことを気にかけてくれなかったら、気にかけてくれてるから声かけてくれるし、自分も逆に相手を気にかけてるからどうもこんにちはって声かけるんだろうし。
だから今私がしてる仕事が、さっきも言った通りお互い気にかけてる優しい世界だっていうところに繋がってると思うんですよね。住民の方々もそう繋がってるみたいな。だから住みたいんですよね

ナカザワアヤミ:
なるほど。10回ぐらい来てるっておっしゃってましたっけ。

遥:
10回ぐらいもう行ってます。去年の10月から。結構な回数ですよね。

ナカザワアヤミ:
そうですね。
なんかその素直さは今までなかったっておっしゃってたじゃないですか。もっと早い段階で素直になりたいって思ってたら、どういう人生だったかなって思いますか?

遥:
もっと素直だったら、うーん、どんな人生になってたかな。
でも素直じゃなかったからいいのかな。素直さがあったら、それこそやりたいことがいっぱいありすぎてひっちゃかめっちゃかになってて、いつまでも芯のない人間になってたような気がして。

ナカザワアヤミ:
なるほど。

遥:
あっちこっちフラフラフラフラして仕事もなんか続かないというか、やってるのかやってないのかわかんないような。ちょっと世間からは白い目で見られるような。そんな人になってたかもしれないです。
だから、素直さがなく今までここまでやってくれたのは、良かったかな。一つ芯を自分の中で作れてるから。

ナカザワアヤミ:
なるほど。

遥:
そう。そこから素直になりたいな、もう30も過ぎたし。今20代っていうちょっとキラキラした時期はもう終わったから、これからの人生、今度は自分に素直になってみようかっていう、芯を作っていくためにも。

ナカザワアヤミ:
うんうん。今の芯っていうのは、どんなものですか?

遥:
自立っていう芯ですね。

ナカザワアヤミ:
なるほど。ありがとうございます。
最後に、読んでる方に伝えたいことでも大丈夫ですし、感想でも何でも大丈夫なんですけれども言い残したこととか、一言いただけたらなと思います。

遥:
うーん、感想かな。インタビューって今回初めて受けさせていただいたんですけれど。なんか自分が今までどうやって生きてきたかなとか、あとこれから自分がどうしたいのかなとか、そういう何か一つ振り返る時間として、あってよかったなって私は今とても思ってます。
私の話ってそんな面白みもなければ、普通にここまで34年間生きてきた人の話なんですけど、こういう人たちの話っていうのもなんかもっとどんどん読んでいきたいなって。
その人のことを知るには、何かいいんじゃないかなって私はちょっと思いました。いろんな人の人生だから本になってほしいです。

ナカザワアヤミ:
このインタビューのシリーズ自体は地域別では本になってたりするんですけど、全体のものはないですね。
ちなみにどういう人の話を読みたい、とかってありますか?

遥:
いや、もうなんかどういう人っていうのはないんですよ。無名人インタビューっていうように、何か自分とはまた違う生き方をしてきた人の話っていうだけでも全然面白くて。有名人のインタビュー、変な話、大谷翔平さんの話なんていくらでも掘り起こせばいろんなインタビューが出てくると思うんですけど、そうじゃなくて、普通に、小中高と過ごしてきて今仕事をしててっていう人たちの話。

だから、彼氏のインタビューを読んだときに、こういう人生あったんだ、とか。全然聞いたことない話が書いてあって。本人に聞いたことはないけど、そう思ってるんだとか。なんか1人で納得できた部分があったんですよね。やっぱり自分の人生じゃない誰かの人生をちょっと覗かせていただくじゃないけど、そんな感じに近いなって。

ナカザワアヤミ:
ありがとうございます。

遥:
いえいえ、こちらこそありがとうございました。


あとがき

事実だけ見ると盛りだくさんな人生を歩まれてきたのかもしれませんが、インタビューを終えた後に感じたのは、
「人は誰かとともに生きるとおもしろいのかもしれない」そんな穏やかなあたたかさでした。

私は自分で勝手に好きなことをやってしまうタイプなので、「ひとりで決めている」「これこそが私として生きることである」と、うっかり思い込みそうになります。

けれど、誰かとともに決断することや行動することができるってことは、その分自分の決断によって起こる影響は大きくなったりするし、自分の行動の裾野が広がっていくことでもある。

自立と自己完結を履き違えてはいけないなと思います。

そして、何はともあれ横瀬町の人が聞いたらとってもハッピーなインタビューになりました。
みなさんもぜひ一度来てみてくださいね。


【インタビュー・編集・あとがき:ナカザワ】

#無名人インタビュー #インタビュー #調剤事務 #彼氏


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