qbcの記憶に残るインタビュー5選
来年2月で無名人インタビューも4周年、4年間の歴史を振り返り、約700のインタビューから私qbcの記憶に残ったインタビューをご紹介します!
いちおうですねー、全体からではなく、私がインタビューしたものから選んでいます!
1,脳内に(イマコンで)ヒトラーがいる人(非公開記事)
2021年4月17日実施。2021年6月22日公開(現在非公開)。125回目のインタビューです。
多重人格の方とは何人かインタビューしているのですが、インタビュー中にはっきりとわかるように人格が変わり、声色も変わったインタビューで、ひるんだことを今でも覚えています。まだ私自身のインタビュー経験も浅かったですし。
この方を皮切りに、人間の中の人格というものに対する視点というものを持ち始め、基本的に人間の頭の中には複数の人格(思考)が存在するものだという前提のほうが、生きた人間を理解するのに適切だと考えるようになりました。
(なんかねー、猫も、ペット脳のときと野生脳のときがあるみたいにさ、人間にも環境と気分によって、グラデーションしながら人格は変わるようだ)
ともあれ、現在は非公開です。数日公開したのですが、参加者の方から非公開の依頼が来て、現在は公開しておりません。
2,毒親と娘から呼ばれた人
2020年12月19日実施。2021年5月13日公開。86回目のインタビューです。
無名人インタビューのインタビュー記事の中で最も多いスキ数の記事です。
「毒親」という強いワードによるダイソン並みの吸引力と、行動力がありすぎるばかりに周囲との軋轢を生んでしまう参加者の一筋縄ではない人生が、この記事の魅力だと思います。
参加者の方が娘に言われた言葉ですが、なんというか、ある意味親にふりまわされた子供というのは、時に人生哲学者を生むのでは、と思います。そういう意味では、やっぱり親子ですね。
後半は、記事には出ていませんが、泣きながら話していたと思います。
私も涙した記憶が。
まだ読んでない方には、ぜひお読みくださいね!
(インタビューから半年後に公開というのも、アンダー100回目の一人インタビュアー時代の地獄を感じさせます)
3,年末に妻が出ていった人
2023年3月22日実施。2023年4月14日公開。438回目のインタビューです。
毒親インタビューの86回目に比べると、438回目は、思えば遠くに来たものだ感がすごいですね。毒親インタビューが3年前なんですものね。
2022年4月からチーム制にして、私qbc自身のインタビューは徐々に減らしていき、2023年3月時点ではあまりインタビューをしなくなっていました。
が、他インタビュアーのスケジュール調整がうまくいかず、たまたま私になったんですよね。そしたら、参加者の方が同世代で、20代を中心とする今のインタビュアーでは対応が難しかもしれなかった中年男性の離婚エピソードという内容で。私と年が近いからこそわかる精神の機微や、生活の変化など、話の展開が非常に面白かったのが印象的でした。
また。2022年のチーム制以来、インタビューのマニュアル化が進んでいたんですが、このインタビューではマニュアルの構成をベースにしつつも、逸脱させている質問が多くあり、それがまた話のめりはりになって、飽きさせないところになっているかな、と。
現在過去未来の基本構成に則りつつ、時間配分を意識しながら、話を脱線させたり、対談、雑談の要素を組みこんでいくというのは、これはやっぱり経験がないと難しいなあと思っています。来年の課題にしようと思っています。これは内側の話ですね。
そして、無名人インタビュー全体というところでいうと、圧倒的に少ない中年男性の参加者だった、というのも特徴でしたね。
ミドルエイジ・クライシスという言葉もあるくらい、中年男性には肉体的精神的変化が訪れます。それと同時に、社会的にも可能性というものが狭まっていく中で、自分の人生の最後の転換を考える時期、とも言われています。
そういう激しい変化の中で、心理をつまびらかに話していただけた、というのは非常に大きな価値のあることと思っています。ぜひ、中年男性の方こそ読んでいただきたい。
特に中年男性は、自分の心のうちを話すことが苦手、というか弱みを話せない人も多いので、ぜひぜひ参考にしてみるとよいのでは、と思います。
4,愚者と恋人をよく引く人
2023年3月29日実施。2023年5月9日公開。451回目のインタビューです。
これは本当に本当に謎のインタビューでした。
note記事からしか質問しないでほしい、などのリクエストがあったインタビューで、自分のことを知ってほしいのか知ってほしくないのかよく分からない状態から始まったことを今でも覚えています。
インタビュー回数が50回を超えてきたあたりから、私はほとんど緊張をしなくなってきたのですが、ひさしぶりにカミソリの刃の上に立っているような感覚に見舞われたのを覚えています。
こんな感じの導入でした。
結局、インタビューを受けた理由が、このようなものだということをお話いただくんですが。
回答が、基本的にnoteのこの記事を読んでだったり、抽象的な回答だったりするので、今までのインタビュー経験とはまったく違うものになりました。
が、やっぱり良い経験でしたねー。
無名人インタビューのテーマ自体が、肩書や立場に左右されない、という内容を含んでいるので、その部分は同じなんですよね。
その人の具体的な生活からではなく、感じたこと考えたことから「その人を感じる」という経験は、非常に価値のあるものでした。
やっぱり、知名度に頼らなくても、人間は人間を知ることができますよ。
そのための嗅覚を鍛えていきたいものだね。聞欲を研ぎ澄ます。
5,シゾイドパーソナリティ障害の人
2020年10月13日実施。2021年3月13日公開。58回目のインタビューです。
5選の中で、もっとも初期ですね。正直、初期はかなり覚えているんだと思うんですけど。自分が編集などで関わった部分が多いので。その中でも、強烈に印象に残っており、今でも参加者の方からコメントをもらったり、交流も今ありますね。
ご本人もおっしゃっているんですが、このインタビューで話したことはすっかり忘れているそうです。今は投薬治療で現実意識はあるようですが(それでもまだ夢のほうが現実である感覚のほうが強いそうですけど)、インタビューを受けた時はそうではなかったと。
インタビュー前からメールのやりとりが、往復書簡のようにあって。
その語彙、その表現力の巧みさに、まず驚いたんですよね。
それはインタビュー中でもよく出ています。
参加者は、何一つ本当のことを言うことができていませんでした。すべて比喩で、何かのたとえ話、何かの童話、寓話、人類の脳髄に埋め込まれているような原始的なモチーフのような、シンプルなエネルギー、モーメントを感じるだけでした。
先ほどの「愚者と恋人をよく引く人」が思いだされます。
社会的な知名度によらないとか、その人自身を見つめるということは、こういったおとぎ話のようなやりとりの中でしかできないことなのかな、と。
現実に意味のあるような言葉を使わないことでしか、その人自身が見えないというか。
あーわかりづらいですね。
こういうと核心がつけるかな。
インタビュー中に現実について本当のことは一切言ってなかったが、伝えようとしていた感情は、すべて真実だった、という感覚です。
言葉は結局表面的表層的なもので、ほんとのほんとには頼り切れない。
だから、生の、現実をぶれぶれさせるような強い幻覚のようなおとぎ話めいたストーリーでしか、情報を伝えられなかったのかな、と。
例えば「僕のポケモンはミミッキュ。」という言葉がありますが、ミミッキュはポケモン世界の中では、人気者のピカチュウをうらやましいと思って、ピカチュウの化けの皮をかぶってるんですね。
(※絵でいうと、下が本体です)
こういう知識がないと参加者の言動は読み解けないことが多いのですが。
しかし、人間を理解するのにその人の好むものの周辺知識はとうぜん必要だよな、とも思ったり。
まあ、いずれにしろ読んでいただけたら、と思います。
ちなみに記事中の参加者名が、何人かに分かれているのですが、原稿チェックから返ってきたらこうだったんですよね。
私は一人の人にインタビューしていたと思っていたのに。
ひとまず、類を見ない言語空間に身を置いてみたい方は、ぜひこのインタビュー記事をお読みいただければ幸いです。
本人からコメントで解釈をいただきました!
また、ご本人から文字起こし直後のバージョンも記事にしていただきました! ご興味ある方は、ぜひ!!!
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