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ミミハムココロさん ✖️ アルバム順に音楽を聴く 前編 【偏愛インタビュー】
好きなものを語りたいっっ!!
ということで、偏愛インタビューはじめました。
はじめに : やりたいことをひたすらやっています。
── 今、何をしている方ですか?
ミミハムココロ (以下 ミミと省略): 大学の最後の1年間ですね。卒論のテーマについて悩んでいて、卒論のテーマを決めるためっていうのと、普通に自分の人生のためにもなんですけど、やりたいことをひたすらやっています。
── どんなことをしていますか?
ミミ:実際にまだ動き出したわけじゃないんですけど。例えば、富士山に登りたいなと思っていろいろ調べて、今年の夏登るんです。
ツアーに参加しようと思って見たサイトで、富士山の同行バイトが募集されているのを見つけちゃったんです。添乗員みたいな感じですけど、もう採用されたんで、再来週くらいに登り始めます。
── どんな仕事内容ですか?
ミミ: ツアーは、プロのガイドさんがまず先頭に立って引率して登っていく。で、ガイドの後ろに、最後尾に補助的な人がいるらしいんですね。
求人内容を見たら、富士山経験者が望ましいって書いてあったんですけど、なくても別に要相談みたいな感じだった。
僕は登ったことなかったんですけど、とりあえず研修を踏まえて、いけそうだったらそのままやってみようっていう流れになりました。
── 卒論のテーマは決まりました?
ミミ: それこそ、昨日今日でまたガラッと変わったんです。ずーっと悩んでて。好奇心が結構あっちこっち行くタイプなので。
今2つ候補があります。
村上春樹さんの小説を、本当にこの数週間で読み始めました。村上春樹さんの小説は、今まで読んできた人の小説とは自分の中で刺さり方がすごく違ったんです。
今まで感じたことの無いほどの没入感で一気に読めました。途中でギリシャが出てくるんですが、去年僕も旅行したからなのか読んでてなんだか苦しくなるくらいに情景が思い描けて。でもそういう体験がすごく新鮮だったので印象に残っている本です。
最初の切り口は、なんでこんなに村上春樹さんの小説が自分に刺さったのか。ひいては、比喩表現が面白いなと思ったので、比喩表現についてやりたいなっていうのが1つ。
2つ目が、宗教。平たく言うと、日本の宗教観に興味があって。
日本人って、どっちかっていうと無宗教だと思っている人が多いと思うんですね。家の中では、特に何宗を信じているわけでもないみたいな、そういう感じかもしれないんですけど。
日常の至るところにいろんな宗教の名残があるなって最近感じることが多くてですね、僕たちの生活に無意識に根付いている宗教作法や文化を切り口に、何か書きたいなって思っています。
01 : 向こうがちゃんと真摯に向き合ってるから、こっちも聴き手としてできる限り真摯に、何を伝えたいのかな? というのを汲み取りたい。
── ミミさんが今回語ってみたいことは何ですか?
ミミ: 僕にとっての偏愛って何だろうと考えた時に、音楽を聴くのが好きなんです。
音楽。サブスクでも、CDを流す時でも同じなんですけど、アルバムの形で出されているものに関しては、頭から最後までアルバム順に聴くのはなるべくやりたいな、それが好きだなと思ってるんで、それが僕の偏愛かなって思って今回お話しようかなと。
── アルバムは、どんな状況で聴くことが多いですか?
ミミ: もう最近は、サブスクですね。Spotifyで。ミュージックビデオがあるものに関しては、YouTubeで上がってるやつをちゃんと見ますけど。
── どんなアーティストでも、アルバム順に聴きますか?
ミミ: 好きなアーティスト全員ってわけじゃないんですね。
── そうなんですか!
ミミ: そうなんですよね(笑)。なるべくそうしたいなと思うんですけど。
やっぱり、いろんな音楽に触れたい気持ちもあるので。全部が全部、僕の偏愛が適用してるわけじゃなくって。
僕が一番好きな椎名林檎さん。あとは、宇多田ヒカルさんもすごい好きなんで、宇多田ヒカルさん。椎名林檎さんボーカルのバンドである東京事変ですかね。
もちろん、いいなと思った曲が何個も入っているアルバムを見つけたら、サブスクだったら頭から聴くし、CD媒体だったらもう頭から聴くしかないんで。
主に椎名林檎さん、宇多田ヒカルさん、東京事変さんですね。
── 挙げていただいたアーティストは、いつも順番通りに聴きますか? それとも、時と場合によりますか?
ミミ: 全然毎回ではないです(笑)。
── そうなんですね(笑)。
ミミ: 毎回ではないけど、どうしてもアルバムの順番じゃないとダメだってたまになるのが、この人たちって感じですね。
── ダメだと感じる場面に、何か共通点はありますか?
ミミ:感じるのは、椎名林檎さんのアルバムがほとんどなんですけど。アルバムを通して聴きたいとなった時にどれを選ぶかっていったら、先ほどの3択の中でも椎名林檎さんなんです。
特に、『勝訴ストリップ』というアルバムがありまして。本当に、アルバムとしての完成度がすっごい高いと僕は思っています。
全曲聴き終わって、「はぁ、聴いたぁ」ってなるんですね。
だから、その感覚をもう1回味わいたいなって。たまにやっぱ忘れちゃうんで、時間が空くと。落ち込んだから聴きたいとかではないですね。
── 曲名がシンメトリーになっていたり、曲同士が繋がるように作られていたりと、『勝訴ストリップ』は椎名林檎さんのこだわりを感じるアルバムですよね。
「聴いたぁ」という感想が生まれるのは、どうしてだと思いますか?
ミミ: これはですね、もう僕が好きになっちゃったから、全部良く見えちゃうのかもしれないんですけど。
椎名林檎さんに関しては、細部までこだわってるって分かりやすく僕が感じられるんですね。
もちろん、どのアーティストも、どのアルバムも、ちゃんと自分で伝えたいことがある。だから、アルバムの形でこの順番で出そうって決めてると思うんですけど。
僕の中で、椎名林檎さんの『勝訴ストリップ』と『加爾基 精液 栗ノ花』は、こだわりを特に感じる。
作品って、アルバムとして出すからには、何かしらアルバムで出す理由があると思っていて。
こういうコンセプトで今回は曲を何個か収録しようみたく、最初に決めて作る人もいるでしょうし。たまたま、何曲か溜まったから、じゃあアルバムとしてまとめて出してあげようって人もいると思うんですけど。
どっちかっていうと、僕は椎名林檎さんは前者というか。アルバムを通して伝えたいことが何かあるんじゃないかって強く感じるんですね。だから、最大限向き合う。最初はそんなこと考えてなかったんですけど。
理由をつけるとしたら、向こうがちゃんと真摯に向き合ってるから、こっちも聴き手としてできる限り真摯に、何を伝えたいのかな? というのを汲み取りたい。
曲単体でも感じるものがあるんですけど。なんでこの曲間はこんだけ空けてて、ここはこうやってフェードアウトして、次につながってるんだとか。なんで、この曲順でタイトルで、とか。それこそシンメトリーだと分かりやすいんですけど。
遊び心がある人なんだなとか、もしくは規則性を大事にしているのかなと考えることがやっぱアルバムになるといろいろあるんですね。
だから、こだわりを感じたいという理由でアルバム順で聴いています。
02 : やっぱり、こだわっているアーティストは、もうとことんこだわるんだって感動しましたね。
── 『勝訴ストリップ』との出会いは?
ミミ:『勝訴ストリップ』は セカンドアルバムなんですね。
僕が椎名林檎さんの存在を知ったのは、高校2年生の時。きっかけは覚えてないんですけど、まあ何らかの理由でハマって。
その頃は、まだサブスクとかがあんまり流行ってなかったので、タワーレコードとかに行って、CD媒体でちゃんと買ってたんですよね。分かんないからこそ、とりあえず最初のアルバムから順番にお金貯まったら買っていこうと思って。で、『無罪モラトリアム』を買った。
その時は、いい曲は多いなと思ったんですけど、繋ぎ目がどうとか考えては聴いてなくって。
『勝訴ストリップ』も、もちろん最初から考えて聴いてはなかったんですけど。
『虚言症』から『浴室』まで、もうバババババッて。
あれ? どこで曲が変わったん?ってくらい自然。
だから、言ったらもう『虚言症』と『浴室』をセットで聴いて初めて1個の曲みたいな感覚。初めてその感覚を覚えました。
もちろん、その後に、3rd ALBUMの『加爾基 精液 栗ノ花』を聴いた時はすごいなってなりましたけど。
やっぱ、一番最初に衝撃を感じたやつが多分いつまで経ってもどんどん一番の衝撃になっていく。そういう経験があるので、『勝訴ストリップ』がやっぱり一番ですね。
── 言い換えるとしたら、衝撃はどう表現できそうですか?
ミミ: やっぱり、こだわっているアーティストは、もうここまでとことんこだわるんだって感動しましたね。
今までの自分の聴き方は、その時はYouTubeがもう流行ってたんで、YouTubeでも好きな曲を単発で聴いてたんですけど。
CDも集めだした頃だったので。やっぱりCDって高いけど、物として残るってまず価値がある。で、どのアーティストもどのアルバムも歌詞カードまでこだわってる。
お金を自分で払ってるからなおさら、順番通りに聴こうって。スキップするよりは、全部。やっぱりアルバムで聴くと、まあ好きな曲も微妙な曲も含めて聴こうとせざるを得ないので。
椎名林檎さんの『勝訴ストリップ』が、人生で初めて買ったアルバムでもなかった。他のアーティストのアルバムを買って、頭から最後まで順番に聴くことを何回かやったからこそ、比較というか、僕が感じ取れてないだけかもしれないんですけど。
多分、他のアーティストと比べるとこだわりがすごく違うなって、感動が間違いなくあったので。
言語化は難しいですけど、感動でしたね。やっぱり。綺麗だなって思いました。
── 『勝訴ストリップ』の中で、特に綺麗だと感じる場面はどこですか?
ミミ: 全体的に暗いんですよね。『本能』っていうすごく有名な曲も入ってるんですけど。
最後の方に『罪と罰』もある。
曲の単体で有名というか、知れ渡ってる曲はあるんですけど。全体的に見たら、そんなに有名じゃない曲の方が多い気がしてて。
僕は、聴いたら暗い気分になる。要所要所で明るい曲もあるんですけど、聴き終わった後の感覚は、暗い。
暗い感情にさせようと思ってしてるというよりは、考えさせられて勝手にどんよりするっていうか。
『勝訴ストリップ』の中で一番好きなのは、『月に負け犬』っていう曲。その曲が入ってるからっていうのも含めて、このアルバムが一番好きなんですけど。
『月に負け犬』は、特に僕の人生にすごく影響を与えた、死生観を強く歌っている曲。この曲をきっかけに、僕も死生観を考えるようになったし、今も宗教に興味があるのもやっぱり絶対に曲の影響を受けているので。
『勝訴ストリップ』は、元気を出そうみたいな曲ばかりではなくって。でも聴いた後に、作品を聴いたな〜って浸れるんですよね、完成度が高すぎて。だから好きですね。
アルバムは、歌詞カードをちゃんと読んで、全曲追ってたんですけど。その中で、『月に負け犬』は歌詞がすごーく珍しく、なんか歌詞が頭に入ってくるというか。
明日 くたばるかも知れない
だから今すぐ振り絞る
只 伝わるものならば 僕に後悔はない
僕もあんま覚えてないんですけど、すごく歌詞が刺さって。多分、当時ちょっと悩んでたことがあったのかなと思うんですけど。
でもそこら辺から、本当に変わりたいなと感じた気がする。死についてあんまり考えてなかったんですけど。やっぱり、死は訪れると思ったし。
歌詞を追っていると、『月に負け犬』の主人公は、死を肯定的に考えていると捉えられるんですよ。明日くたばるかも知れない、要は死がいつ来るか分からないと。だから頑張るしかないっていう。ここで振り絞らないと、明日死んじゃった時に後悔しない? っていうメッセージ。
この曲は今でも僕の原動力になってるんで。一番僕に刺さる形で曲として出してくれたのが、今のところ『月に負け犬』だと思いますね。
── 「浴びせる罵倒に耳を澄まし 数字ばかりの世に埋まる」など、意志を感じる歌詞が多いですよね。
ミミ: 何言ってるか分かんないところも所々あるんですよ。『月に負け犬』に限らず、椎名林檎さんは難しい言葉を使う時は使うので。
03 : だから、ずっと画面を見ていないと、1曲目と2曲目がどこで入れ替わったのかあんまり分からない。
ミミ: そういえば、すごく言いたいことがあったんですよ。
アルバム順に聴くことの何がいいかっていうと、単体で聴いたら微妙だなと思う曲がすっごく輝く時があるんですよ。
例えば、YouTubeとかサブスクでもそうですけど、新曲出ましたってポンって出されて、好きなアーティストから聴こうって思って聴いて、全然アップテンポじゃなかったり今までと雰囲気が違うなってなったりしたら、なんか昔と変わっちゃったんかな? って思うこともある。
古参ぶるじゃないですけど、やっぱそれぞれ好きな時期があって入ってきたわけで。大きく変わったら悲しい部分もあるとは思う。
けど不思議と、アルバムとして出されたり、EPみたいな感じで何枚かセットで出されたりして流れてきたら、また違う聴こえ方をする時があって。
ライブだったら、ライブ化けって言葉がありますよね。アルバムで言ったらアルバム化けみたいな。今、造語を僕が作ってるのか分かんないですけど。
アルバム化けがあるからこそ、やっぱりアルバムは通して聴く魅力があるなと思います。
── 実際に化けた曲ってありますか?
ミミ: うーん(笑)。ちょっと考えていいですか?
あっ、でも今パッと思いついたのは、Mr.Childrenさんの『深海』っていうアルバム。これも2年前ぐらいに存在を知って好きになったアルバムなんですけど。
『深海』の2曲目に、『シーラカンス』っていう曲があるんですよ。1曲目、『Dive』という1分半ぐらいの曲の後に流れてくるんですけど。
アルバム名が『深海』なので、まあ海の底なのかな? と思いを馳せながら聴き始めたんですよ。1曲目で『Dive』が流れて、まあやっぱ海に関することなのかぁと思って。
『シーラカンス』に最初に出会ったのは、サブスクのおすすめシャッフルでした。たまたま向こうが提示してくれて、ミスチル聴いてなかったなと思って。だから、当時は別に『シーラカンス』が刺さったわけじゃなかったんです。
アルバムって基本、1曲目はあんまり歌詞がなかったり、全体のコンセプトを伝えたりする役割があるって聞いたことがあって。だから、1分半くらいの歌詞がない曲が多いんですよ。
『Dive』も歌詞がなくって。どんどん深く潜り込んでいく感じからの、『シーラカンス』って深海魚なので。
イントロがもう、ゆーっくり始まるんですけど。『Dive』から繋がってるんですよ。椎名林檎さんの時と同じ。
だから、ずっと画面を見ていないと、1曲目と2曲目がどこで入れ替わったのかあんまり分からない。『シーラカンス』はすごくアルバム化けした曲ですね。
単体で聴いても、まあ好きなんですけど。やっぱり『Dive』が短くて全然苦じゃないんで、『Dive』からちゃんと聴くようになりました。
ひとりごと
アルバムどころか、アーティストとも縁遠かった私にとっては、目から鱗な情報ばかりのインタビューだった。
ここまでこだわってるんだなぁ、こだわりを感じるって心地いいなぁ と、椎名林檎さんの音楽から、そしてミミさんの語りから感じました。
後編では、家と車での音楽の聴き方の違い、昨今の娯楽の楽しみ方について語ってもらいました!後編もお楽しみに!!!
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