タイの駐夫の人に聞いてみた【前編】
「駐夫」って、聞いたことありますか?
海外に派遣された奥さんに同行して、その地で家庭を支える夫たちのことなんです。
今回は、そんな駐夫生活を送るMr.プラーさんに話を聞きました。
彼がタイのバンコクで過ごす日常や、地元のコミュニティでの交流、釣りやムエタイといった趣味にどっぷり浸る様子が描かれています。
日本とは全然違う文化の中で、一般的なサラリーマン生活を送ってきた彼がどんなふうに駐夫ライフを満喫しているのか、みんなで一緒に駐夫生活を覗いてみましょう!
今回ご参加いただいたのは Mr.プラー さんです!
Mr.プラーさんの通常の無名人インタビューはこちら!
簡単に言うと、釣りって本能に訴えかけてくるんですよ。
さあや:
改めてなんですが、プラーさんは今何をされてる方でしょう。
Mr.プラー:
駐夫をしている人です、はい。
さあや:
駐夫をされている。タイのバンコクですよね。
駐夫っていうのはどういう立場の方なんでしょう。
Mr.プラー:
駐夫っていうのは、妻、パートナーがタイに仕事で来るっていうことで、家族滞在ビザで一緒についてきた夫、husbandのことを指している言葉として使ってください。
さあや:
この言葉って結構、駐在界隈の方たちの中では一般的にも使われてる言葉なんですかね。
Mr.プラー:
多分駐妻ってのは結構あるんですけど、駐夫ってのはやっぱ割合で言ったらまだ10人に1人もいないと思うんで一般的な言葉ではないですね。
さあや:
ちなみにプラーさんの他にも駐夫の方ってバンコクにどれぐらいいらっしゃるんですか。
Mr.プラー:
でも僕が知ってるだけで今12人ぐらいいますね。
さあや:
そんなにいるんですね。
Mr.プラー:
そうですね。Facebookで「世界に広がる駐夫・主夫友の会」というのをやってる人がいて、そういうので知り合ったりとか、あとバンコク界隈で通じるようなバンコク掲示板ってのがありまして。
そこで昼間暇な方とか、駐夫いませんかみたいな呼びかけたら、結構ちらほら集まってきて、それを見た人が知り合いにこんな人いるからお友達になってあげてとかそんな感じで、なんか結構連絡をもらったりするんで、だんだん集まってきました。
10人ぐらい、一緒に活動してるわけじゃないですけど、LINEグループを作って「今度こんなんあるけど行きませんか」「行く人いませんか」って言って、気が合えばみんなそれに参加していくみたいな、そんな感じでやってます。
さあや:
そうなんですね。Facebookで世界中の駐夫の方のグループっていうのは今何人ぐらいいるものなんですか。
Mr.プラー:
100人を超えてる感じですね多分。(後で調べたら182人もいました)
さあや:
へえ、そうなんですね。
Mr.プラー:
代表の小西さんという人がいてその人が昔アメリカに行ったときに作って今で8年目ぐらいのグループだと思うんですけど、結構いますね、はい。
さあや:
バンコクでは、1日はどういうふうに過ごされてますか。時間軸で24時間でいくと。
Mr.プラー:
時間軸でいうと、朝5時に起床しまして、娘のお弁当を作って、お弁当と朝食を作ってそれが大体6時半までの終わりましてそっから洗い物を片付けとか、ちょっとした洗濯、掃除とかをして7時8時ですね。
そっからもう本当、ゆっくりするか、今タイ語を勉強してるんで、そのタイ語のレッスンをオンラインで入れたりとかして、友達とかと予定があれば、そっから出かけていくっていう感じですね。
大体2時3時ぐらいには帰ってきまして、買い物行ったりとかして、4時ぐらいからご飯を作り始めて、大体1時間から1時間半ぐらい作って5時半から6時ぐらいの間からご飯を食べ始めるっていう、そんな感じですね。
さあや:
うん。
Mr.プラー:
そうですね。子どもが帰ってくるから4時前ぐらいなんで、そこまで帰ってその料理して、妻が帰ってくるのが6時前後ぐらいっていうとこで6時にご飯食べて、7時8時でお風呂入って、9時10時で寝るみたいな感じ。
さあや:
奥様とはどういう時間にどういう会話をされてますか。
Mr.プラー
会話ですか。
さあや:
なんか今の時間軸を聞くとあんまり奥様が出てこなかったので。
Mr.プラー:
でも朝が一番話してて、朝ご飯を食べて子どもを送った後、子どもが出ていくのが6時半で奥さんが出て行くのが7時半なんですね。
その1時間ぐらいの間で何かお互い気になっていることとか、今後のスケジュールですね、今度旅行どこに行こうかとか、今度これがあるからどうしようかとか、何か話すべき内容を話してるような感じですね。
さあや:
朝話してるんですね。
Mr.プラー:
そうですね、夜はあんまり話してないですね、はい。(笑)
さあや:
そうなんですね。奥様は仕事忙しそうですか。
Mr.プラー:
そうですね最初、1年目のときはそこまでじゃなかったんですけども今3年目になりまして、仕事的にもルーティンの内容も増えてきたんで忙しくしてるみたいです、はい。
さあや:
3年目っていうことなんですけど、お子さんの学校の生活とかも、タイに来た当初と何か変わってきたりするんですか。
Mr.プラー:
そうですね。だいぶ子どもも学校に慣れてきたっていうところが大きいですし、やっぱり私もその授業参観が1学期に1回ぐらいあるんですけども、最初は来たときはコロナがあったんで、その授業参観とかも全部オンラインでやるような感じだったんですごく楽やったんですけど、今はコロナが明けて、Zoomなどのオンラインで授業参観っていうのも全部なくなって、わざわざ学校に行かないといけなくなったんでちょっと面倒くさいなって。
さあや:
(笑)。お子さんは今何歳ですか。
Mr.プラー:
今10歳です。小学校5年生です。
さあや:
タイの学校の学年とかっていうのは日本と同じような感じですか。
Mr.プラー:
そうですね。現地校ではなくて日本人学校ってとこ行ってるんで、全く日本と同じ学校制度のとこ行ってます。
さあや:
じゃあ授業参観とかで、他の子の親御さんとも交流とかあったりするものなんですか。
Mr.プラー:
そうですね、結構ありますね。
思った以上にみんなフレンドリーで子ども同士が仲よかったら保護者もLINE交換して、一緒にいついつ遊びに行きましょうとか言う感じで積極的にLINE交換しますね。
さあや:
そうなんですね。プラーさんはタイ語の学習っていうのはもう毎日されてるんですか。
Mr.プラー:
僕ですか。そうですね、今は毎日するようにしてて。最初2年間ぐらいはしてなくて、ただこの前の6月にタイ語検定の4級っていうのを受けたんですけど、落ちまして。
これはあかんなと思って、1週間に1、2回ぐらいのペースで習いで教室に行ったんですけどなかなかそれは身につかないと思って、オンラインで毎日できるようなやつを探して、それで今、毎日30分とか1時間だけオンラインの先生に教えてもらって、その後ちょっと文法復習したりとか、勉強してます。
さあや:
そうなんですね。5級とか4級っていうのはレベル的にはどれぐらいなんですか。
Mr.プラー:
5級はもうめっちゃ易しくて、中学1年生の英文法というレベルですよね。
4級から一気に難易度が上がったような感じになってて、5級はタイ文字が読めなくても、アルファベット表記にしてくれていて、解けるんですけど、4級からタイ文字が読めないと点数取れないんで、タイ文字の勉強を一生懸命やってますね。
さあや:
日本人のコミュニティとかだと、タイ語って使わなくても、コミュニケーション取れるんじゃないかなと勝手に思ったりしたんですが。
Mr.プラー:
もうめちゃめちゃそんな感じです、はい。
さあや:
そのタイ語を学習するモチベーションというか、どういった気持ちでされてるんですか。
Mr.プラー:
もうこれ僕独自の内容で他の人とは全然違うんですけど、私の趣味が釣りで、釣り堀に行ったりすると日本人もいますけどほとんどがタイ人で、結構みんなフレンドリーで話しかけてくるんです。「今日釣れたか」みたいな、「どうや」って、結構聞かれるけども全然わからなくて、タイ語が。
そこで「釣れたよ」とか、ほんで向こうが先についてたら「どう?」と聞いたらいっぱい答えてくれるんですけど、それが全部タイ語だからわかんなくて、それを聞けるようになりたくて、タイ語を勉強してます。
さあや:
勉強してみてどうですか。話せる感触っていうのありますか。
Mr.プラー:
ちょっとずつね、話せるようになってきて、やっぱり面白いですね。
私はまだ単語単語を繋いで喋ってるような感じなんですけど。
釣り堀まで行くのにタクシーを使ったりするんですけど、タクシー乗るときには釣竿持ってるからすぐわかるじゃないですか、この人どこ行くんやみたいな。
そしたら、タクシーの運ちゃんがタイ語で「お前今から釣り行くんか」とか言ってきて「釣り行くんやで」、今から「チャ パイ トップラー(タイ語)」っていうんすけど。
そしたらその大体話しかけてくる運ちゃんは俺も釣り好きやねんみたいな感じで、タクシーの中でタイ人と一緒に釣りの話するっていう。結構面白いですね。
さあや:
タイで釣りっていうのは結構趣味としてはメジャーなんですか。
Mr.プラー:
やっぱり日本人の人口で言ったら多分ゴルフが一番なんですよ。
(タイは)ゴルフ天国で安いし、ゴルフ場も多くて、その次ぐらいに大きな遊びっていうのないんで、釣りが二番手ぐらいに来るんちゃうかなと思っています。
さあや:
そうなんですね。
Mr.プラー:
はい。
さあや:
釣りはどんなところが好きですか。
Mr.プラー:
そうですね。やっぱり簡単に言うと、釣りって本能に訴えかけてくるんですよ。なんか毎日同じことを繰り返してても、その釣れる日があったり釣れなかったりとか、相手が生き物なんで「釣れるにはどうしたらいいか」っていろいろ考えたりするのも楽しいですし、やっぱり魚が竿の針にかかって糸を触ってくる振動っていうのが、単純な言葉で言うと本能に訴えかけてくるんですよ。
人間が狩猟していた頃の記憶を呼び起こすっていうか、獲物を取ったときの喜びとか、そういうのがすごくダイレクトにくるっていうか。
さあや:
糸を触ってくる振動を感じると、まずどういう気持ちになるんですか。
Mr.プラー:
それはそのときにもよると思うんですけど、私は釣れない釣りっていうか、たくさんヒットする釣りよりもたまにしか来ないような釣りが好きなんで、「来た!」っていう感じですごくアドレナリンが出て、興奮するっていうか。
そっから魚とのやり取りがあるんで針かかっても絶対魚が上がってくるとは限らないんで、そっから魚との攻防、ファイトがあって、そこを燃えるような気持ちでやり取りしてますね。
さあや:
そうなんですね。それはスポーツフィッシングみたいな感じなんですか。
Mr.プラー:
そうですね。それを生計にしてるわけでもないんで、やっぱりスポーツですね、気持ちとしては。
さあや:
釣ってリリースするっていう感じですか?
Mr.プラー:
たまに持って帰って食べたりしますね。
さあや:
そのタイの方とか、現地の方っていうのは、どういうふうにプラーさんに接するんですか。さっき話したりっていうのは、お話されてたんですけど、結構フレンドリーな感じなんですか。
Mr.プラー:
めちゃくちゃフレンドリーですね。やっぱり同じ趣味っていうか好きなもの同士、「お前何釣ってんねん」とかも気さくにかけてくるし、もう会った瞬間からブラザーみたいな感じですぐ仲良くなりますね。
さあや:
外国人とか、見た目からして違ったりする人にも結構ウェルカムな感じの国なんですか。
Mr.プラー:
タイはそうだと思いますね。どちらかって言ったらタイ人にとって、日本人が比較的、上位っていうかなんか、よく思ってくれてるっていうのもあるかもしれないんですけどすごくフレンドリーですね。
さあや:
タイに住むようになって、そういった環境の違いとかで苦労したことってありますか。
Mr.プラー:
操作環境の違いで苦労したのはもう最初来て半年ぐらいはやっぱり知り合い、友達がいなくて、それでやっぱりお昼のすごい空いた時間に自分1人でどっか行こうかと思っても限られるし、ちょっと怖いなっていうすごい部分があったんですけど、友達ができてからはなんか気軽に釣り行こうぜってという機会が増えたんで、そっから加速度的にタイに順応したような感じがしますね。
さあや:
いろいろ新しいことを始められたり、タイでも出かけていて挑戦されてると思うんですけど、それのドライブになるような、モチベーションとかってどういったものがあるんですか。
Mr.プラー:
あー、まあでも単純に好奇心やと思うんですけど、1人のときはできなかったけど、友達ができてからはできるようになったってところですかね。そこがやっぱり自分の中で大きくて。
結構自分の中で一歩踏み込む勇気ってのが、やっぱ半年間から8ヶ月ぐらいかな、できなくて、友達が1人できたときに、昼間からどっか遊びに行こうよっつって昼間からおっさん2人で遊びに行く場所ってあんまないんですよ。
やっぱ普通に考えたら日本でもないでしょ。
さあや:
あんまり聞かないかもしれないですね。
Mr.プラー:
夜やったら酒飲みに行こうかとかあるんですけど、もちろん酒も飲みに行くんですけど、毎日そんなに酒飲みたくないしゴルフもそのときはしてなかったんで、だから何行こかってときに、私の趣味が釣りで、友達の趣味じゃなかったけど「やってもいいよ」って感じだったんで「釣り堀行こうぜ」っつって、「探すわ」って言って、インターネットから探したりとかGoogleマップで地図を見て「ここ池あるから行ってみよう」とかそんな感じで行ったりして、だんだん広がっていった感じですね。
さあや:
1人のときにチャレンジしようというシチュエーションと、誰かとやるときってどういう違いがありますか、気持ちの面で。
Mr.プラー:
そうですね、やっぱり自分の中で勝手なイメージですけど、1人やったらそのリスクは100%やけど2人でやったらリスクは50%とか、あとコスト的な、タクシー乗ってもそのコストが半分になるとか、あと「やってみよう」という気持ちは前からあったけど、やっぱどっかおっかないっていうかわかんないからっていう自信のなさが1人友達ができたことによって、「とりあえずそこに行ってみよう」っていう、そんな感じになりましたね。
仕事って言い方がおかしいかもしれないですけど、「したいことをしよう」っていうふうになったっていうか。
さあや:
駐夫として生活されてる中で、今まで多分日本では働かれてたりしたと思うんですけど、そこと比べて駐夫ならではの楽しみとか喜びとか、喜びとか、ポジティブなものってありますか。
Mr.プラー:
その「ならでは」っていうと難しいかもしれないですけど、働いてるときもなんで働いてんのって言ったら家族を養うためとか、余暇で旅行に行きたいというのが仕事の目的になっていて、その余暇を楽しむっていう部分がすごくあったなと思ってて。
それが駐夫となれば、全力で余暇なんで、100%余暇になるんで、そこを楽しめるっていうのがよかったかなと思ってて、あと人生についてすごく考えますね。
仕事とはなんぞやって、俺は今仕事してないけど、果たしてこれはいいんかとか、そういうのを考えたりはするようになりました。
さあや:
この「仕事とはなんぞや」を考えて答えとかって出てますか。
Mr.プラー:
やっぱりそうですね、自分のしたいことは何かなっていうのを突き詰めるようになりましたね。
さあや:
自分のしたいことが仕事だっていうことですか。
Mr.プラー:
仕事って言い方がおかしいかもしれないですけど、「したいことをしよう」っていうふうになったっていうか。仕事っていうのは何か対価として報酬をもらうっていうふうに考えたら、今私やってることは全て報酬としてもらってないんで仕事じゃないんですけど、自分のしたいことは何かってなったときに、たまたま私は前職で学習塾で働いてたりとか、子どもと関係することを多くしてたんですね。それを自分はやっぱしたいなと。
お金もらわなくても、それしたいなと思って、こっちに来てから子どもを引率して、南の島の漁村に行って、4泊5日で社会活動する団体のボランティア指導員に参加して、お金とかもらえないですけど、でも子どもが4泊5日接して、何か教えてあげるわけじゃないですけど、何か一緒に過ごすってのは自分の中で、楽しいなとか、仕事としてはお金をもらえないんで、仕事じゃないですけど、したいことやなと思ってやってます。
さあや:
逆に駐夫として、生活するようになって感じた難しさとか、苦しさみたいなものはありますか。
Mr.プラー:
そうですね、最初はやっぱり苦しさ難しさで言ったら、やっぱり同じカテゴリーの人がいなかったんですね、周りに。
やっぱ人間ってカテゴリーが違えば考え方も違うし、なんか話が合わないんですよね。だからその辺で共有できないっていうところが苦しかったですよね。
日本の友達とかとも話してもやっぱり日本の友達も仕事してるんで、でも自分は仕事してなくてみんなに言われることは「お前はいいよな、仕事せんでもいいから」。もちろんそれはいいと思うんですけど、でもやっぱり何か共有したいことが共有できないっていうその寂しさはすごく感じましたね。
さあや:
最初、多分バンコクで生活が成立するまでルーティンとかもなかったと思うんですけど、そういう状態で仕事だとか、何かこうやってるものがない状態っていうのは、プラーさんにとってはどういう感触なんですかね。
Mr.プラー:
どういう感触、そうですね。
やっぱり不安なこともあったと思うんですよね。やっぱり今47歳になるんですけど、44歳ぐらいで仕事を辞めて、妻の仕事がずっとここ(タイ)にあるわけでもないんで、何年かしたら日本に戻ると思ったときに、自分は果たして仕事に就けるんか、やっていけるんか、まあ家庭のことですよね。
自分の家族を養える人間になれるんかどうかとか、すごく不安に思うし、自分のアイデンティティってのがもし仕事だけやったら、僕のアイデンティティは1回途切れてるんで、そこをどう繋ぎ直すっていうか再構築したらいいかとかは、すごく最初に考えましたね。
さあや:
そのアイデンティティっていうのを考えられた上で、今となってはご自身の立場についてはどういう落としどころというか、どういうふうに認識されてるんですか。
Mr.プラー:
アイデンティティって言ったら結局自分は自分なんだと、仕事してようがしていまいが自分としての個があるんで別にそこは気にならなくなったのと、もう1個は同じ境遇の友達ですね。
さっきも言ったバンコクで10人ぐらい見つかったっていうのもあるし、やっぱりいろんな人がいて、そこでいろんな人の話聞いていったりとかすると同じようにみんな最初悩んでるんすよ。
結構皆が通る道やなってのがわかって、将来の不安はどんな人でもあったりして、「同じような気持ちになるんやな」ってので、自分の固有のもんじゃないっていうのは気づいたことは大きかったですね。
アイデンティティとしては別に何て言うんすかね。大きく言うと気にならなくなったと思いますね。
さあや:
どうして気にならなくなったんでしょう。
Mr.プラー:
これね、勝手な推測ですけどタイの気候とか雰囲気ってのが大きいのかなと。日本っていうのは今生きてても、今何かやっててもなんか日本は結構先のことを考えさせられる国で、今40歳やけど将来の60歳、70歳、80歳の不安をすごく考えさせられる国だったんですね。
さあや:
はい。
Mr.プラー:
日本にいるときは将来の事をすごく気にして生きてたけど、タイに来たらみんなその日暮らしでも全然平気みたいな生き方をしていて、明日商売できんかったらどうするのって「そんときに考えるわ」ぐらいの人がすごく多くて、物事の考え方っていうのは土地に由来するところがあるんだなと、だから自分も、将来について考えないこともないんですけど、そこまで気にならなくなったっていうか、タイの人の考え方に近くなったと思います。
さあや:
日本だと先のことを考えなきゃいけないシチュエーションっていうのは、どんなときがありました?
Mr.プラー:
そうですね。シチュエーションで言うたらね、日本もこっちも一緒だと思うんですけど、やっぱり周りの人がそれを気にしてるかっていうのと、周りとの兼ね合いっていうか、日本はいる時は同調圧力じゃないけど、周りもこうしてるし自分もこうしないといけないとか、そういう気持ちがすごい強かったんじゃないかなと思ってて、でもタイに来ると、そういう気持ちはすごく薄れるんですね。
私はタイでは外国人扱いになるんで周りが気にならないんです。タイ人は政治とか経済の話はすごくするんですけど、タイの政治も、経済も今もこっちは「景気悪い」って言われてるんですけど、直接関係しないから、釣り行ってるだけなら別に経済が悪かろうが、政治が悪かろうが、そんな気にならないんで。
さあや:
うん。
Mr.プラー:
なんか周りを気にしなくていいっていうのはすごく大きいのかなって気はしてますね。
さあや:
うん。タイのそういった環境とか、文化とかに入っていく中で、何か日本では経験しなかったような面白いなみたいなエピソードとかありますか。
Mr.プラー:
あー。やっぱりそのタイの文化を知る上で、たまたまなんですけど、1年目にやってたんがタイ料理を習いに行くことだったんですね。
さあや:
はい。
Mr.プラー:
駐妻っていう方が同じように昼間に暇してて、習い事は語学と、料理教室が一番多くて、その両方を私もやってみたって感じで。
タイ料理は、元々料理が好きな方だったんですごい自分にマッチして、料理を通して、タイ文化ですね、どんなものを食べてるかとかどんな調理方法かってのがその文化を知るのにすごく役立って。
例えば日本にいた時は知らなかったんですけどもココナッツってあるじゃないすか。椰子の実みたいな。あんなココナッツでも食べる用のココナッツとジュースにするココナッツとは違うとか。
さあや:
そうなんですか。
Mr.プラー:
2種類あって、高い木になってるココナッツは砕いて絞ってミルクするんだけど、低い木になってるココナッツは中の液体がジュースになるんだよとか、タイ人の先生が教えてくれて、そういうのを知ることだけでもすごい文化がわかったりとか。
あと料理でも醤油って日本なら1種類じゃないですか。
さあや:
はい。うん。
Mr.プラー:
日本でも2種類かな、薄口と濃口なら。
でもタイやったら醤油と呼ばれるの5種類6種類あって、同じ醤油っていうカテゴリーでもこんなにも分かれるんやなと、だいぶ違うなと。
さあや:
うん。
Mr.プラー:
調味料だけでなくて、味付けの仕方もすごく違う。日本って基本は料理人が味を完成させて、食べる人に出すじゃないですか。タイって大まかなオーソドックスの味で料理を出して、食べる人がテーブルの上にある調味料セットで自分で最後好みの味にするというスタイルなんです。味が薄いとか濃いとかを自分で調節しながら食べるので全然違う。そういうのを知れてすごい良かったですね、自分の中では。
さあや:
そうなんですね。ご家族はタイでの生活に馴染んでいるというか、慣れ親しんでますか。
Mr.プラー:
そうですね。妻が一番馴染んでるっていうか。
仕事で元々海外志向があった人なんで、妻は青年海外協力隊に行ってる人で、青年海外協力隊ってまあ言うたら日本よりも海外に出て行きたいなっていう若者が行くじゃないですか、イメージとしては。
さあや:
はい。
Mr.プラー:
結構先進国じゃなくてまだこれから開発が進んでいくような国に、日本の技術を提供しに行くっていうなところで結構未開の土地、不便なとこ行っても生活できるような、逆に(生活)したいような人が妻なんですね。
さあや:
はい。
Mr.プラー:
だからタイに来て日本と比べたらあれがないこれがないという生活にはなるんですけどその不自由さを楽しめる人なんで、楽しんでるかなと思います。
さあや:
うん。お嬢さんはどうですか。
Mr.プラー:
子どもは日本の方がお菓子などの食べたいものがあるとか、いろんなグッズをすぐ買えるとかで、その日本がいいなというところもありますけど。
最初は「帰りたいな」「友達もいないし」みたいなのを言ってたんですけど、もう今3年目になってくると慣れてきて、こっち側でも友達もできて、快適に過ごしてるのかなと思いますね。
さあや:
ご家族の生活スタイルとか、日本にいたときと、今タイにいるときで、印象とか違いますか。
Mr.プラー:
そうですね。
日本にいるときは私も妻も働いてたんで、子どもと接する時間が非常に短かったんですね。朝ご飯を食べさせて、保育園に送っていって、帰りは、近くに私の両親が住んでたんで、うちの母、子どもから言ったら祖母に迎えに行ってもらってて、帰ってきたらその祖母の家で晩ご飯まで食べて、そっから自分の家に帰ってくる、そんな生活だったんで、子どもと接するのは本当に朝ご飯食べるときだけとか。
それが今だったら、朝ご飯だけじゃなくて、晩ご飯も家族全員で一緒に食べるとか、晩ご飯後に家族でボードゲームをするとかすごく接する時間が長くなりました。
さあや:
はい。
Mr.プラー:
家族で同じボードゲームを1年間から1年半ぐらいすごいやり込んだっていう経験ありますね。(笑)
さあや:
(笑)。ちなみに何のボードゲームですか。
Mr.プラー:
カタンっていうドイツかどっかのゲームなんですけど、いろんなバージョンが出てて世界大会もあるんですけど、戦略性があって、同じメンバーで何回やっても面白くて、家族3人でやったりとか、知り合いを呼んでやったりしました。
子どもがまめに勝敗表をつけたりして「10回優勝したら第1回チャンピオンね」みたいな感じでやって、そういうことをしながら第5回ぐらいまでやりました。第2回以降は15回優勝したらとか、そういうので結構やっていたんです。
さあや:
(笑)。すごいですね。
Mr.プラー:
家族で遊ぶっていう時間がすごく増えたんですね。
これはタイにいないとできなかったなと思って、日本にいたときに私も妻もフルタイムで働いてたんで生活の時間帯のずれがあって、子どもと接する時間とか一緒に遊ぶってのは土日であったりしたんですけど少なかったなと思ってて。
さあや:
うん。
Mr.プラー:
そこはすごくバンコクに来て、家族の生活の中では良かったんじゃないかなと思いますね。
さあや:
バンコクでの生活は、好きですか。
Mr.プラー:
私は好きですね。
さあや:
ちょっともう少し過去のことを掘り下げようかなと思うんですけど、栗林さん何か聞きたいこととかありますか。
qbc:
すいません、なんかラジオ聞いてたみたいだったんで、急に呼びかけられて、次元が変わった感じになってびっくりしました。
さあや:
すいません。
qbc:
あ、いえいえ。そのプラーさんがタイで友達ができるまでなかなかできなかったみたいなことは、シンプルに子どもが幼稚園とか多分小学校に通って友達ができて楽しくなるみたいな、そんなエピソードを重ね合わせて、何か思い出したりしたんですけど、タイに行ったことっていうのは何かどんな感覚ですかね。
タイムスリップした、というか精神年齢が戻ったというか社会性がリセットされたと思うんですけど。なんかどんなものと比べられるみたいな、あります?
Mr.プラー:
その気持ちはすごくあって、中学生に戻ったような感じですね。
qbc:
中学生ぐらい。なるほどね。
Mr.プラー:
友達ができてすごいお互い嬉しくて、その人もやっぱ半年間ぐらい友達いなくて、嬉しくて、毎日遊ぼうぜみたいな感じになって。「明日何して遊ぶ?」みたいな感じで。
おっさんの遊びで普通会うのは1ヶ月後とか半年後とか普通じゃないすか。当たり前じゃないですか。それがちょっと「今日も面白かったな。明日何して遊ぶ?」みたいな。小学生に近いようなノリで。
qbc:
はい。
Mr.プラー:
バンコクとかって温かいからいつでもプール入れるんですよ。で、住んでるマンションに大体プールが付いてるんですね。だから友達のとこのコンドミニアムに行って相手のうちのプール入りに行ったりとか、今度俺んちのプール入ってくれみたいな。
おっさん同士がめっちゃ泳ぎ合ってるとかそんな感じで、そんなんを楽しんでましたね。
qbc:
大人になっても子どもっていうのはなくなるわけじゃなくて、大人になるってのは、子どもが大人のように振舞えるようになるんだみたいな言い方ありますけど、なんかそれを思い出したんですけども。
とは言えその久しぶりに出てきた子どもっていうのは収まるんですか、今どういう状況なんですか、その子どもっていうのは。
Mr.プラー:
収まるとはどういうことですか?
qbc:
出会った瞬間というか、子どもに戻った瞬間になったんだなっていうふうに思ったんですけど、それは隠れるんですか、出っぱなしなんですか、その後。
Mr.プラー:
でもやっぱりちょいちょい出てくる頻度は日本に比べて高くなりますよね。
子どもの発想に近づきますよ。
やっぱり11人とか12人いるグループの中でも、決めごととして、名字とかも呼ぶ人もいるんですけど、あだ名で呼び合おうぜって言ってて。
qbc:
(笑)。
Mr.プラー:
もうみんな年齢もバラバラで上は60歳ぐらいで、下は30代、20代の子がいて僕47で、年齢もバラバラやけど、「ニックネームで呼び合おう」っつって「なんて呼んでほしいの」って聞いて、「クッキーって呼んでくれ」とかなんか「僕はこう呼んでくれ」とか。
そんな感じでそうするとやっぱみんな親しくなっていって、年齢関係なく本当友達みたいになっていくみたいな、そんな感じですね。
qbc:
それは人生にどういう影響を与えているみたいなことでいうと、ちょっと大きいですけど、その子ども心が40代になって復活したっていうのはどうですか。
Mr.プラー:
そうですね、まあでも子ども心っていうか、したいことができるっていう、その欲求がみんな満たされるっていうか。
子どもと大人の違いって何って言われたら、優先順位をつけてやらないといけないことをきちっとやるのが大人としたら、子どもってやっぱりなかなか優先順位低いとか、やりたいことを先にやっちゃうとかあるんですけど。
僕らはたまたまそれが、やりたいこと、もちろん家事やるとかそういうやらないといけないことはあるんですけどそれを終えたら、それ(やりたいこと)をする時間がすごくまとまってあるってのが幸せな感じがして、それができるグループが駐夫との友達のグループかなと思いますね。
qbc:
なるほどね。いや、ありがとうございます。面白いですね。
Mr.プラー:
ありがとうございます。
qbc:
さあや:さんどうぞ、はい。
さあや:
ありがとうございます。笑っちゃいました、ちょっと。面白くて。(笑)
Mr.プラー:
面白いすか。絵面は面白いですよね、おっさんが遊んでるから。(笑)
さあや:
かくれんぼとかしてるのかなとかちょっと想像しちゃって。
Mr.プラー:
そうですね、本当に鬼ごっことかしますね。
さあや:
え!鬼ごっこされてるんですか。
Mr.プラー:
何かしようぜっていうとき、かくれんぼとか。
さあや:
本当ですか。
Mr.プラー:
いや、嘘ですそれは。(笑)
さあや:
(笑)。
qbc:
普通に大人だってサバゲー、サバイバルゲームするし、本能的な遊びだと思いますけどね。
Mr.プラー:
走るのがしんどくてみんなすぐ息上がるんで。1回「やろう」って言って、「何する?」って言って、やったんすよ。「YouTubeで撮ろうぜ」って、「鬼ごっこやってみよう」って言ってやったけど、40過ぎたおっさんばっかりが走り回ったらもう誰も続かんくて、すぐ歩いて、もうやめようってなって。すぐビール飲んだり。
さあや:
(笑)。
Mr.プラー:
そんな感じですね。
何でもいいやと思ったときに、魚の絵描いてあるのを探して着ようかなと思ったら、結構あったんですそれが。
さあや:
なんか最近、ハマってることとかありますか。
Mr.プラー:
ハマってることですか。最近ハマってることは、習い事で始めたムエタイが面白いなと思ってて。はい。
さあや:
はい。ムエタイはどんなところが面白いですか。
Mr.プラー:
そうですね。僕が通ってるムエタイジムは、現地のタイ人が行くようなムエタイジムです。日本人の奥様方が通うようなエアコンがガンガン効いて、綺麗なマットが敷いてあって、スマートにムエタイするっていうのところではなくて、倉庫を改造したようなところでリングがあって、場末のスナックみたいなところを選んだんです。
なんかそっちの方が現地の人と仲良くなれるんちゃうかなっていうところと、これしろとかあれをしろって言われなくて、結構好きにやらしてくれるところが気に入っています。
奥様方のところはスケジュールが決まってて、1時間半で最初にウォーミングアップ5分やって、その後シャドーボクシングを5本やって、スパーリングをやって、段取りが決まってるんですね。
僕が行ってるとこは自由でゆっくりアップしてとか、ミット打ちを4ラウンドしたらもう終わりみたいな感じなんですけど、それをした後自分で適当にいろいろやってもいいし、2時間3時間いてもいいしっていう自由な感じで、その辺の自由さが売りの小汚いジム行ってるんですけど。
さあや:
はい。
Mr.プラー:
そこが自分の中で行くたびに何かいろんな発見があったりとか、その中で知り合ったタイ人とか、外国の人も来たりするんで、自分の拙い英語やタイ語で話しかけて友達になったりするのが面白いですね。
さあや:
なんかムエタイは何か先生がいて、型とかを習うんですか。
Mr.プラー:
そうですね。インストラクターの先生がいて、その先生にミット打ちをしてもらうっていう感じですね。
ミットで今は左ジャブを打ってストレート打ってとか指示が出る。それを適当なタイ語と英語で指示をもらって、それを再現していくっていう、そんな感じですね。
さあや:
他にどんな人が通ってるんですか。
Mr.プラー:
白人の人も来るし、ミャンマーの人も来てるし、タイ人の女性の方も来てるし、普通のおっちゃんもおばあちゃんも来てるし、ごちゃごちゃな感じですね。
さあや:
大会とか目指したりとかもあるんですか。
Mr.プラー:
もう大会とか目指してないですね。恐ろしいです。殴り合ったりするのはさすがに。(笑)
さあや:
なんかここまでうまくなりたいなみたいなレベルとか目標とかもあるんですか。
Mr.プラー:
そろそろそういうのを決めていこうと思うんですけど、まだ自分の体が思うように動かない部分が多くて。
先生が連続コンビネーションを指示してくれるけど、ワンツーしたら右ミドルを蹴って次、左のローを蹴りなさいというコンビネーションがあるんですけど、そのコンビネーションが指示されてもさっとできない、体が言うこと聞かへんというか。
そういうのをできるようになりたいですし、シャドーって言って相手いないようなときに自分のパンチ打ってても、様になって周りから見て「お、すごいね」って言われるような、上達はしたいなと思ってます。
さあや:
上達したいなって思うのは、結構何に対してもいつも持ってるものなんですか。チャレンジ精神というか。
Mr.プラー:
関心のあることには大体持ってますね。やっぱ自分の中にイメージがあって、完成形じゃないけど、そのイメージに自分を近づけたいとか、そうなりたいそうありたいみたいなところはありますね。
さあや:
完成形みたいなのっていうのは何か、どういうふうに描いてるんですか。全く何も知らないものって、描きづらいと思うんですけど。
Mr.プラー:
ムエタイやったら、昔空手やってたんでその時のイメージと、昔見てたK−1の試合を思い出してとか、こんなんやってたなとか、コンビネーションも綺麗にいってるなとか、そういうところから来てるんだと思いますね。
さあや:
結構駐夫の方はみんなムエタイやってる方も多いんですか。
Mr.プラー:
いや、今12人中でやってるの僕だけですね。
さあや:
え、そうなんですね。
Mr.プラー:
何人か「一緒に行く?」って聞いて、最初は1人で始めないんで、最初1人誘って行って、その人は体験で終わって、その後も自分だけ続けてて、他に人が2人ぐらいまだやってないんで「私も行きたい」って言ってくれて、でも皆大体やっぱ1回ぐらいで「違うかな」みたいな感じで止めて、そんな感じでやりたかったらやればいいっていうのが僕らのスタイルなんで。
さあや:
なんかさっきの流れをくむと、なんか体験入部したけどみんな入部しないみたいな感じなんですか。
Mr.プラー:
そうですね。
さあや:
他の方はゴルフですか、やっぱり。
Mr.プラー:
ゴルフやってる人もいますし、テニスやってる人もいますし。何やってるかな。あと基本なんか酒を飲みに行くのが好きな人もいますし、人それぞれみたいな感じで、はい。
さあや:
プラーさんはゴルフもテニスもされるんですか。
Mr.プラー:
ゴルフはちょっと誘われてやるようになりました。ちょっとだけ。
さあや:
でもタイでのゴルフはどうですか。
Mr.プラー:
タイのゴルフは暑いですね。日差しが暑くて。(笑)むっちゃ暑い。
2番目に知り合った人がゴルフをやってて、もう1人が「俺も少しゴルフやんねん」って。最初の3人だけのときに2人がゴルフをやるから「一緒に遊びたいから俺もゴルフやるよ」と言って始めました。「ゴルフやるようになりました」と言っていたら周りの人がいらなくなったゴルフクラブセットをくれたりして。
そういうのを貰うのが得意で、「じゃあ貰います」って。気がついたら今ゴルフセット2セット家にあって、全然使わへんなと思いながら。
さあや:
貰うのが得意ってどういうことですか。
Mr.プラー:
友達からよく言われるんですけど、遠慮せずに何でも言える人なんです。私は釣りに行くのでも、車を持ってないんで足がないんです。
さあや:
はい。
Mr.プラー:
どっかに行くときに気軽に一緒に行く人に「乗っけていってよ」とか、すぐ言えるんで。
だから、海釣りとか行くんですけど、車で2時間とか3時間走っていくんですよ。そういうときやったら、やっぱり自分で車持ってなかったら、タクシーで行っても朝早かったりすると、結構値段が高くなるんですけど、駐在で来てる人は、車を会社から支給されてる人が多いんで、そういう人と友達になって、「すみません乗っけてください」って気軽に頼んで、みんな大体「いいよ」って言ってくれるから、乗っけて行ってもらってるんです。いつもそんな感じで、釣り行くんです。
さあや:
はい。
Mr.プラー:
でもそれが周りの人に聞いたら「いや、私はそれができないです」とか言うから「あ、そう?」って。みんなね、どうせ行くんやったらいいやんっていう感じになるんで。
さあや:
プラーさんからすると、なんで他の人はできないんだと思われますか?
Mr.プラー:
遠慮かなっていう感じですね。
さあや:
遠慮。
Mr.プラー:
でも自分は遠慮しないっていうか、その辺が子ども的なところですね、自分が釣り行きたいから「乗っけてってよ」ってお願いする。そんな感じですね。
さあや:
今まで貰ってというか、受け取って一番嬉しかったものとかありますか。
Mr.プラー:
タイ来てからですか。
さあや:
はい。
Mr.プラー:
なんやろ。来てから一番取って嬉しかったもの。なんやろ。
いろんなものもらったりするんですけど、でも、何もらっても嬉しいんでね。私は魚が好きなんで、できるだけ魚の服を着てるんですよ。魚のTシャツとか魚柄のシャツとか。そういうのをタイやから着ようと思っていつも着てるんですけど。
友達がお土産として魚の柄ついたTシャツくれたのが嬉しかったです。
さあや:
良いですね。
Mr.プラー:
はい。
さあや:
それは魚の服を着たいんですか、それとも魚が好きだっていうアピールをして認知してもらいたいですか。どういう意図ですか?
Mr.プラー:
どういう意図。そうですね、まあ多分両方だと思うんですけど、どうせ着るんやったらなんか好きな服着たいなと思ったときに、そんな服にこだわりがない人なんで、何でもいいやと思ったときに、魚の絵描いてるのを探して着ようかなと思ったら、結構あったんですそれが。
タイって結構いろいろ魚の服があって、売ってるやんと思って、そんなん探してたら妻も子どもも「パパこれ魚の絵が付いてるよ、買いや」「あーじゃあ買うわ」ってそんな感じにしてたら、だんだん集まってくるじゃないですか。
集まってそれを着てたら周りも「魚ばっか着てるね」って言ってくるんで、そしたらまた魚のものを見つけてきてくれて「ありましたよ」って言ってくれたりするから「ありがとうございます」って。やっぱり「貰ったら着なあかんし」と思って、そのローテーションですよね、だから。
魚のTシャツばっかり着てるっていう。そんな感じです。
さあや:
(笑)。そうなんですね。もう魚以外の服着てる方が珍しかったりしますか。
Mr.プラー:
いや、あの授業参観のときとかは、普通の白シャツ着たりとかしてて、そういうときはお知り合いのお母さんから「今日は普通のシャツですね」っつって「はい」って。そんなふうにちゃんとTPOに合わせて着てるつもりです。
後編に続く!
あとがき(インタビュアー)
バンコクには6回くらい行ったことがあって、それなりにイメージも土地勘もある気がしていたのです。が、そこに住む方の日常を聞いてみたら、なんだか知らない土地のように思えてきます。不思議。
制度上働けないって、そんな嬉しいことあります?葛藤とか気苦労もあるのかもしれないけれど、人生で大切にしたいことが自ずと見えてくるのかもなぁーなんて想像してます。
あとがき(編集)
あとがきを入力しながら絶賛お肉を食べているMeadow(メドウ)です!自炊するようになってから魚って一度も調理したことないんですよね(スモークサーモン除く)。親戚は魚類に詳しすぎて尻尾見るだけでなんの魚かわかるし、また別の親戚はタイで駐妻やってるんですけどね…。魚にもタイにも縁のない人生を送ってきました。そんな私がこんなに面白いインタビューの編集をやらせてもらっているんですから、人生何が起こるかわかりませんね。と思わせてくれるインタビューでした。第2回も乞うご期待!
【インタビュー・あとがき:さあや】
【編集:meadow】
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