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人ってひとりで生きていけないんだなと思って。人

むかしむかし、ある村に、独歩(どっぽ)という若者がいました。独歩は最初、「一人で生きていける」と信じ、誰の助けも借りずに暮らそうとしていました。
しかしある日、独歩は森で足を挫いてしまいました。動けなくなった独歩を、村人たちが見つけ、介抱してくれました。
寝込んでいる間、
村の老婆が薬草を持ってきてくれ、
子どもたちが面白い話を聞かせてくれ、
農夫が温かい食べ物を届けてくれ、
隣人が心配して声をかけてくれました。
その時、独歩は深い気づきを得ました。
「人は一人では生きていけないんだな」
それからの独歩は変わりました。
困ったときは素直に助けを求め、
誰かが困っているときは手を差し伸べ、
喜びは分かち合い、
悲しみは支え合うようになりました。
後に独歩はこう語りました。
「私たちは、支え合って生きている。それは弱さではなく、人として自然なことなんだと思います」
そして「一人の指より、十本の手」ということわざが、この村から広まっていったとさ。
めでたし、めでたし。
と思う2025年1月7日16時17分に書く無名人インタビュー982回目のまえがきでした!!!!!

【まえがき:qbc・栗林康弘(作家・無名人インタビュー主宰)】

今回ご参加いただいたのは さゆき さんです!

年齢:40代後半
性別:女性
職業:無職


現在:今年に入ったぐらいからですね、自分が障害者であることに罪悪感みたいなのを感じ始めたのは。

qbc:
今何をしている人でしょうか?

さゆき:
今は無職です。もう20年ぐらい無職です。

qbc:
どうやって生活をされてますか?

さゆき:
障害年金をいただきながら、認知症の母がいるので母の世話をしてます。

qbc:障害年金はさゆきさんがもらってるってことであってますか?

さゆき:
そうです。発達障害と発達障害に伴う二次障害の、統合失調症とかうつ病とかそういうのでいただいてます。

qbc:
実際の病名って何ですか?

さゆき:
根本的なのが広汎性発達障害、自閉症スペクトラムってやつですね。その上に6年ぐらい前に統合失調症になっちゃったので障害年金2級をとってます。障害基礎年金ですね。

qbc:
なるほど。今生活リズムとかスケジュールってどんな感じですか?

さゆき:
朝5時ぐらいに起きて、スマホでしばらく遊んで、朝ご飯食べて、犬の散歩行って、またネットとかしつつ色々考えて、お昼ご飯食べて、昼からもボーっとして、みたいな感じで1日特に何もしてないです。

qbc:
さゆきさんがおっしゃる「何かする」ってどういうことですか?ネットとか見てるじゃないですか。

さゆき:
有意義なことをしてないっていう感じがあります。考え事をすることは自分では有意義なんだけど、世間から見たらボーっとしてるんだろうなって思われてると思ってます。

qbc:
世間との接点ってあるんですか?

さゆき:
世間との接点は最近、一昨日からなんですけど子ども食堂でのボランティアを始めました。

qbc:
ご飯はさゆきさんが作ってらっしゃるんですか?

さゆき:
普段ですか?そうですね。私が作ってます。

qbc:
今一緒に住んでるのは?

さゆき:
母と私の2人暮らしです。

qbc:
2人暮らしでの生活っていつから始まってるんですか?

さゆき:
2人暮らしは2年ぐらい前ですね。

qbc:
その前はどうだったんですか?

さゆき:
2年ぐらい前に父が他界したので。

qbc:
今暮らしている中でどんな気持ちで日々過ごされてるんですか?

さゆき:
今はすごく穏やかですね。多分二次障害の統合失調症とかも寛解した状態だし、自閉症スペクトラムのこだわりだとか人間関係の上手くいかなさみたいなのもだいぶ解消してるので、あんまり困りごともなくて。本当に障害年金もらい続けていいのかなって気持ちを抱きながら生活してます。

qbc:
もらっていいのかなってどうして?

さゆき:
もう少し頑張れば障害年金を頂かずに自分で、もう20年無職だからすごく難しいと思うんだけど、就労支援A型とかああいうところに行って、働こうと思えば働けるのかなっていう気はするので。

qbc:
いつ頃からそう思ってるんですか?

さゆき:
それは今年(2024年)に入ったぐらいからですね、自分が障害者であることに罪悪感みたいなのを感じ始めたのは。

qbc:
罪悪感?

さゆき:
うん、罪悪感ですね。健常者でもないんだけど、障害者でもないんじゃないのかなみたいな感じがあって自分の中で。

qbc:
そう考え始めたきっかけってありますか?

さゆき:
2年ぐらい前に父が他界した時に、お寺さんに対して嫌になることがあって、離檀して別のお寺に変わったんですけど変わった先のお寺のご住職さんが心理関係の資格を持ってて、その人とお話するうちに自分の中で変化がありました。

qbc:
どんな変化があったんですか?

さゆき:
例えば、私すごく子どもが嫌いだったんですけど、本当に大嫌いで、子どものことが。だけどある時、それは自分の子供時代が苦しかったからだって気がついて、そうしたら自分の子供時代が苦しいから子どもを見るのが嫌いだったんだっていうことに気がついて。それから子供も結構嫌いじゃなくなってむしろ好きになって、今子ども食堂のボランティアを始めたぐらいなんですけど、少しずつ自分の中で、認知が歪んでる感じが治ってきたっていうか思考の癖、変な癖みたいなのが治ってきたなっていうのは感じます。

qbc:
「認知の歪みがある」っていう認識はあったと思うんですけど「認知が歪んでるんだ」って気付く瞬間みたいのがあったんですか?

さゆき:
そうです。「ああ歪んでるな」って気付く瞬間があって。

qbc:
いつだったんですか?

さゆき:
それがごくごく最近ですね。

qbc:
どんな時に?

さゆき:
3ヶ月ぐらい前に急激に、1つ認知が歪んでることに気がついたらどんどん他のことも歪んでることに気がついて、急激に治りました。

qbc :
きっかけが聞きたいです。なんでそうなったのか。

さゆき:
ネットを見てたら『自他境界』っていう言葉があって、「自分と他人の境目をしっかりしましょう」みたいなもので、それを見てたら「そうか」と思って、結局自閉症スペクトラムだと自他境界が曖昧だから他人が自分と別の考え方を持ってる生き物だってことが分からないっていうんですかね。そういうところがあって、それで他人を尊重できなかったり、あるいは他人との距離感が分かんなくなっちゃったりとかするんだと思うんですけど、そういうことが『自他境界』っていう言葉を知ってから急に分かるようになりました。

qbc:
感情的な出来事というか知識の吸収ってことですかね。

さゆき:
そうですね。知識の吸収ですね。具体的な何かがあったっていうことじゃなくて、考えるのが好きなので、考えて、言葉を知って、それでそれをきっかけに自分の考え方が変わってくみたいなのが多いです。

qbc:
なるほど。趣味とか好きなことは何ですか?

さゆき:
趣味は観劇なんですけど、チケットも高いので最近あんまり行けてないです。

qbc:
どんなお芝居を見に行くんですか?

さゆき:
ちょっとこれ言うと引く人もいるんですけど、宝塚とかOSK日本歌劇団とかいわゆる男役さんがいる歌劇の世界っていうんですか。ああいうのが好きです。

qbc:
どれぐらい好きなんですか?

さゆき:
20年ぐらい前は、うつ病で死にそうなのにフラフラしながら、宝塚に年間2〜30回ぐらい行ってて、結構宝塚から遠いところに住んでるんですけど、新幹線乗って行かなきゃいけないような。

qbc:
そうなんですか。

さゆき:
はい。

qbc:
ネットは何を見てるんですか?

さゆき:
ネットは主に人の意見を見るのが好きなので、SNSをチェックしてることが多いですね。インスタとか、スレッズとか、noteとか、そういうのを見て、人の考えを見て、自分の考えを深めていくみたいなのが多いです。

qbc:
人の意見を見る時に、例えば自分と同じように統合失調症だったり、そういう人を見たりするのかそれとも、例えば就活生を追いかけるのかとか、どういう人の意見を見てますか?

さゆき:
統合失調症の人はあんまり見なくて、自閉症スペクトラムとか、発達障害の人が多いですね。見るのは。

qbc:
どうして見るんですか?

さゆき:
やっぱり自分のことを客観視したいので、人を見て代わりに客観視するみたいな「自分もそういうところあるな」みたいなのを勉強したりとか。

qbc;
役に立ちますか?

さゆき:
役に立ちますね。ものすごく役に立ちます。

qbc:
例えばどんなことが役に立ちましたか?

さゆき:
発達障害を抱えてる人って、自分のこと全てを他人が分かってくれないと気が済まないみたいな人達が多くて、本当にそういうことを書いてる人がいて、他人が全然自分のことを理解してくれないってでもよく考えたら、健常の人だって全部を他人に理解してもらうことなんて出来ないじゃないですか。他人に全部理解してもらうなんて無理なんだなと思ってそういうのを見ながら、そういうことを考えたりしてます。

qbc;
それは最近思えるようになったことなんですか

さゆき:
最近ですね。前は本当に全部を理解してほしいと思ってて、自分のことを一生懸命話してたんだけど、最近はそういうことがなくなりましたね。

qbc:
ご自身の性格について人からなんて言われたりしますか?

さゆき:
性格は生真面目だって言われます。

qbc:
生真面目ってどういう意味でしょうか?

さゆき:
約束は守るし、神経質に。というか、多分病的なんだろうと思います。多分病的に神経質なので真面目そうに見えるんだろうと思う。

qbc:
具体的にどういうところが神経質なんですか?

さゆき:
例えば、今日もあるサイトの地域のニュースっていう何かライターさんが書いてるやつを見たんですけど、年末年始のゴミ出しの日の記事だったんですけど、その日付が間違ってるのに気がついちゃって、年始のゴミ出しが始まる日が間違ってて、それに気がついて、それを配信してる元の会社にわざわざ電話かけて「間違ってましたよ」って言って、すごいなんか、自分生真面目だなと思って。

qbc:
自分自身ではどういう性格だと思うんですか?

さゆき:
神経質でやだな、と思ってます。

qbc:
何故ですか?

さゆき:
もっと器の大きい人間になりたいんだろうと思う。細かいことをちょこちょこ考えて、なんていうのを細かい重箱の隅を突くみたいなことをしない人間。そういう器の大きい人になりたくて、神経質な自分が嫌なんだろうと思う。他人を許したいんだと思う。

qbc:
「他人を許したい」?

さゆき:
細かいことで怒らずに「そういうこともあるよね」っていう感じで他人のことを大らかに受け止められる人になりたい。

qbc:
そう思う理由があるんですか?

さゆき:
だって他人に対して大らかになった方が自分が生きるのが楽じゃないですか。人のことを怒ってるよりは。

qbc:
どういう意味でしょうか?

さゆき:
ちょっと話がずれるかもしれないんですけど、発達障害の二次障害みたいな、昔のことや嫌な記憶が思い出されて仕方がないフラッシュバックっていう状態があって、そのフラッシュバックが酷かった時期があって、その時にどうしても他人を許すってことが出来なくて、何十年も前のこととかを突然思い出して、子供の時、人形で遊んでて、ご飯の時間になって「それ片付けなさい」って言われたのに、お人形でずっと遊び続けてたら母にお人形を捨てられるっていう事件があって、それが何年経っても許せなくて、ある晩突然腹立って腹立って母の首を絞めようとしたことがあって、突然思い出されて。だからそういうの苦しいから、他人を許さないよりもう許していった方が楽だなと思って。自分が苦しくない。

qbc:
なるほど。自分が苦しいってどんな気持ちですか?

さゆき:
腹立たしい気持ちなんて抱えてても幸せじゃないし、なんて言ったらいいのかな。なんか思いますね。思うんだけど上手く言葉にできない。

qbc:
では好きな食べ物でも聞きますか。

さゆき:
食べ物ですか。お菓子。お菓子ばっかり食べちゃいます。

qbc:
何のお菓子ですか?

さゆき:
チョコレート系とか好きですね。

qbc:
チョコレートって色んな種類があるじゃないですか、何がお好きなんですか?

さゆき:
ダイソーとかで前売ってた100円のトルコ産のチョコレートにハマって、安いし、それをずっと食べてました。


過去:「私もう働かない」って言った気がします。「就職しない」って。

qbc:
過去について聞いていきます。さゆきさんの子どもの頃はどんな子供でしたか?

さゆき:
子どもの頃はとにかく集団行動が苦手で、毎日うちに帰ると、泣きながら当時飼ってた犬に、毎日辛かったことを泣きながら報告するっていうのが日課でした。

qbc:
何歳ぐらいの頃ですか?

さゆき:
小学校の時ですね。小学校の3〜4年生の頃とかだと思います。

qbc:
何が辛かったんですか?

さゆき:
もう集団行動自体が辛いんだと思う。集団でいること自体。いじめられたりすることはあんまりなかったんだけど、もう団体行動自体が辛いんだろうと思う。

qbc:
団体行動の何が辛いのか。

さゆき:
何が辛いとかも具体的にはなくて、やっぱり人といることが辛いんだろうと思う。それしかない。具体的に何が辛かったかって言われても他人といるのが辛かったとしか言いようがない。

qbc:
今は辛くないんですか?

さゆき:
今は辛くないです。この前子ども食堂のボランティアに行ってきて、8人ぐらい人がいたけど、その中で辛くなかったですね。

qbc:
もうちょっと子どもの頃、幼稚園とかもっとちっちゃい頃ってどんな子でしたか?

さゆき:
保育園に通ってたんですけど、保育園を登園拒否してて、よくおじいちゃんに自転車に無理やり乗せられて連れて行かれたりとかお父さんに無理やり車に押し込められて連れられて行ったりしてました。

qbc:
何が辛かったんですかね。

さゆき:
やっぱり集団行動じゃないですか。他人といるっていうことが耐えられなかったんだろうと思う。

qbc:
その時なんか当時好きだった遊びってどんな遊びですか?

さゆき:
絵を描いてたんだろうと思います。絵を描くのが好きだったので。だから1人で描いて遊ぶ、みたいなことです。

qbc:
ちなみに、今はどんな絵を描いたりするんですか?

さゆき:
たまに書いて自己満足するだけです。

qbc:
なるほどね。何で描くんですか?

さゆき:
特に道具は持ってないのでボールペンで適当に描いて「ボールペンで一発描きした割に上手に描けたなハハ」って感じです。「楽しかったな」みたいな。

qbc:
どんなものを描くんですか?

さゆき:
結構少女漫画チックな人の絵とか、それこそ歌劇の世界が好きなので宝塚とか、そういう絵っぽい絵を描いたりしてます。

qbc:
なるほど。中学校の頃とかどんな感じでしたか?

さゆき:
中学校は、部活は卓球部でダラダラしてました。お茶しか持ってきたらいけないのに、ジュース持って行って飲んだりとか、部室でミーティングするとか言いながら漫画読んだりとか、私の時は、学校が隔週週休2日とかだったと思うんですけど、勝手に週休3日にして、週に1回休む日っていうのを作ってました。週5日学校行かなきゃいけないじゃないですか。それが辛いので、自主的に週休3日とかにしてました。1日休むっていう。自主的にズル休みするっていうのをしていました。それで何とか登校拒否を免れるっていうんですか。多分週4日にしてなかったら多分5日行けって言われたら、多分登校拒否になってたと思う。

qbc:
学校自体は行ってたんですか?

さゆき:
運動は全然出来なかったんですけど勉強は好きだったので。運動は本当に出来なくて、中学校の時に1回骨折した時に、体育を見学するじゃないですか。ただ普通に参加してる時は1だったのに、見学してる時は2が付いてすごくショックで、自分はただ見学してる人よりも下なんだって思ってすごいショックでした。

qbc:
高校は?

さゆき:
高校は行ったけど人間関係が上手くいかなくて高校2年生の時に中退しました。

qbc:
なるほど、その後はどうされたんですか?

さゆき:
その後は、今は大学行くための資格が高卒認定とかいう名前じゃないですか。当時大検って言ったんですけど大検のスクールに行って、そこで勉強して大検取って大学に行きました。

qbc:
高校はなんで辞めたんですか?

さゆき:
修学旅行に行くのが嫌だったんです。知らない場所っていうのも当時嫌だったし。そんな親しくもないクラスメイトと3泊4日とか一緒にいなきゃいけないのか辛くて。それで行きたくないなと思って学校休み始めたらズルズルズルズルズルズル休んじゃって。それでもう「辞めたいな」と思って。

qbc:
大学では何を勉強したんですか?

さゆき:
大学は文学部の国文学科です。

qbc:
何を専攻されたんですか?

さゆき:
国文で現代文学ですね。卒業研究で村上春樹の研究をしました。

qbc:
なんで村上春樹だったんですか?

さゆき:
当時はそんなこと思わなかったけど自閉症チックな子どもだったみたいなのが何かの作品に書いてある部分があって、そういうところが多分自分の自閉症スペクトラム発達障害とちょっと何か感じるところがあったんだろうと思います。村上春樹の閉じこもってる感じっていうか。

qbc:
そうすると、大学の後は何をやったんですか?

さゆき:
大学卒業するのに一生懸命で力尽きて、卒業した後にうつ病とかになっちゃって、結局就職もせずにずっとうちにいて、当時は結構ネットでモノを転売すると、儲かってた時代だったのでそういうのでお小遣いを稼いでました。それこそ村上春樹の初版本とかを初期作品の初版本とかがブックオフ行くと100円とかで売ってるので、それを何千円とかで売る。そういうのやったりとかしてました。

qbc:
就職をしようっていうのは全然無かった?

さゆき:
全然無かったですね。当時なんで働かなきゃいけないのかが分からなくて、お金さえ稼げればいいんじゃないのかみたいなのがあって、会社に行く意義が分からなかった。

qbc:
周りの反応とかってどうでしたか?

さゆき:
当時は家族以外と接触しなかったので、あんまり反応は分かんないですね。家族は別にしょうがないみたいな感じでした。

qbc:
「しょうがない」というのは?さゆきさんが何かおっしゃったんですか?

さゆき:
「私もう働かない」って言った気がします。「就職しない」って。そしたら「ふうん」みたいな感じだった気がします。ちっちゃい時から変わってたので、そういうこともあるんだろうみたいな感じだったのかもしれない。

qbc:
食事をしたりとか経済的な部分があるじゃないですか。そういうものに関しては何も言われなかったんですか?

さゆき:
言われなかったですね。せどりでお小遣いぐらいは稼げてたので「自分のお小遣いがあればいいよ」みたいな感じだったので。甘い親ですけど。

qbc:
お小遣いを自分で稼いでるから生活費を面倒見てくれみたいな感じ?

さゆき:
そうです。

qbc:
それが何年ぐらい続くですか?

さゆき:
途中1年半ぐらいパートとして働いたことはあったんですけど、トータルでもう20年ぐらいですね。

qbc:
アルバイトをしたのはいつですか?

さゆき:
20代の半ばぐらいですね。やっぱり人間関係がダメで団体行動が出来なくてクビになりました。マイペースすぎて。

qbc:
その間の20代30代40代はどんなことをして過ごしていたんですか?

さゆき:
ずっとパソコンとかスマホを見ていた記憶しかない。

qbc:
20年前ですよね。

さゆき:
20年前だからパソコンですね。パソコンを見てた。

qbc:
20年前パソコンで何を見てたんですか?

さゆき:
ずっと自分がせどりで稼いでるじゃないですか。どういうのが売れるんだろうってリサーチですね。そういうのをやってましたね、趣味で。

qbc:
あと何を見てたんですか?

さゆき:
あと何見てたんだろう。記憶にない。多分、過集中しやすいタイプなのでやり始めると1つのことしかしないので、ずっと研究してたんだと思います。何が高く売れるのかっていうのを。

qbc:
20年前だと例えば2ちゃんとか見てましたか?

さぬき:
見てないです。そういうのは苦手なので見なかったです。

qbc:
ニコニコ動画は?

さゆき:
見ない見ない。全然見ない。

qbc:
ブログは?

さゆき:
ブログはちょこちょこ見てて、知能検査を受けたことがあるんですけどその時に目で見たものを処理するのが苦手だって言われたので、動画とかが苦手みたいであんまり動画とかは見ずに、本当に文字だけのやつを見てました。

qbc:
そのブログってアメブロとか色々ありますけどどのブログを見てたってあるんですか?

さゆき:
アメブロじゃなくて、FC2ブログ? 何か昔流行ってませんでしたか?

qbc:
そうですね、でもあれは特にジャンルがあるわけではないですよね?

さゆき:
FC2のいわゆる病的な人を見てて、精神科医にそういうことはやめなさいって叱られました。影響されるからやめなさいって。

qbc:
昔のあれで言うとドクター林さんとか見てなかったんですか?

さゆき:
見てないです。

qbc:
存在は知ってる?

さゆき:
知らない。

qbc:
大体同じような20年間が続いてるんですか?

さゆき:
そうですね。ずっと同じような生活ですね。自分で20年間同じ生活してて飽きないのがすごいなと思っています。

qbc:
人生を一応振り返っていただいて、何か転換点とかありましたか?

さゆき:
やっぱり去年心理関係の資格を持ったご住職に出会ったことですね。さっきも言ったけどその方の影響が大きいですね。面白い人で、お寺に生まれたわけじゃなくて、普通の家庭に生まれたのにお坊さんになってっていう人なので、波乱万丈で面白い人で、その人と話していて影響を受けました。

qbc:
その方はどんな方だったんですか?

さゆき:
一般の家庭に生まれて、思うところあって得度して、跡継ぎのないお寺を継いだという方なんですけど、継いだお寺が田舎すぎて檀家さんも少ないし、葬儀のお布施とかも極端に安くて食べていけなくなって知り合いがいる訳でもないのに私が住んでいる市に出てきて支院を作ったっていう。
私はそのご住職が私の住む街に出てきた直後くらいから知っていますけれど、「あても無く出てきて本当にやっているのかな?」という私の心配をよそに、人柄の良さで地元の葬儀社何社かに気に入られて順調に檀家さんを増やしているみたいです。
そういうのを見るとコミュ力ってやっぱり大事だなって。

qbc:
両親からどのように育てられましたか?

さゆき:
両親からは普通の子として育てられましたね。普通の子として育てられて、辛かったですね。「あんたに変わったところなんか何もない」みたいな感じで「気のせいだ」って言われて、自分変わってる気がするって言っても、自分はずっと大丈夫って言われて。

qbc:
『普通』と『変わっている』ってその人その人の基準であって、全然分からないので、さゆきさんのおっしゃる『普通』って何ですか?

さゆき:
『普通』は、何でしょうね、幻想なのかな。そう思っちゃうこと「普通がある」って思うことが。よく考えたら。

qbc:
その人その人の中の『普通』はあるんで、幻想とかじゃなくて、自分が思う『普通』って何なんですか?

さゆき:
やっぱりみんなと上手くやって普通に小学校中学校高校大学卒業して、就職して、結婚してみたいなごくごく普通の、でも私は子供の時からそういうのが出来ないだろうなっていう自覚があった。

qbc:
でも結婚とか就職とかとりあえず就職しなくていいってなった時点で普通じゃなくてもいいよってなったんじゃないんですか?

さゆき:
ですね、その点では親に感謝した方がいいのかもしれないし感謝するべきなんだろうと思う。普通だったら許されないと思う。普通っていうか、他の親のところに生まれたら許されなかったかもしれない。

qbc:
なるほど。


未来:やっぱり人付き合いをしたいんだろうと思う、実は。子どもの時とかあんなに嫌だと思ってたのに、人間関係を築きたいんだろうと思う。

qbc:
もしもの未来について聞いていきたいんですけど、5年10年30年40年、もう最後自分が死ぬっていうところまでイメージして、今どんな未来を思い描いていますか?

さゆき:
とりあえず、おばあちゃんになったら1人でお散歩しながらすれ違う人に「こんにちは今日は寒いね」って積極的に話しかけて雑談してるみたいなおばあちゃんになりたいと思ってて。お喋りでかわいらしいおばあちゃんになりたい。

qbc:
なんで人付き合いが苦手とかあんまり人と一緒にいたくないみたいな話から急にそういうキャラクターにブレたんですか?

さゆき:
もう自分の認知の歪みが解消したとしか言いようがなくて。

qbc:
なるほど。

さゆき:
そうですね。それも別に心理関係の資格を持ったご住職がこうした方がいいよなんてアドバイスしてくれたわけじゃないんだけど、その人の人付き合いの上手さみたいなのを見てたら、すごいと思って。

qbc:
人付き合い?

さゆき:
そのご住職が、本当に感じのいい人付き合いをする人なんです。そういうの見てたら、面白いなと思って、自分も真似してみようと思って。

qbc:
それを未来について考えると、段階的にどういう風にしたらいいんでしょうか?

さゆき:
とりあえず社会復帰はしなきゃいけないんだろうなと。社会復帰っていうか20年無職続けてるんで復帰出来るのかどうなのかも分かんないんですけど、一応今は投資である程度色々お金を工面出来ているのすぐに何か仕事に行かなきゃいけないっていうわけじゃなくて、例えば障害年金が打ち切りになったとしても、今本当に状態がいいので打ち切り危機に瀕してるんですけど、でも投資で何とかなってるので多少はすぐにものすごく急がなきゃいけないわけじゃないしこんなこと言ったら駄目なんだけど母の年金もあるし、今のところは食べていけるので、とりあえず、人に慣れるっていうところから始めようかなと思ってて。人に慣れてみて大丈夫だったら就労支援みたいなところに行こうかなと思ってて。

qbc:
投資はどれぐらいリターンがあるんですか?

さゆき:
本当はコロナ禍前からやってたんですけど、ちょっと大きいお金をうちの建て替えのために必要になることがあって、コロナ禍前に持ってた安く買った投資信託とか売っちゃったのでものすごく利益が乗ってるわけじゃないんですけど。

qbc:
なるほど、とりあえず生活に困る状態ではない。

さゆき:
困るってことはないです。

qbc:
もしもの未来の質問っていうのをしていて、もしも人付き合いが上手い人だったら何をやりたかったですか?

さゆき:
本当に人付き合いも上手くて、才能があったら宝塚入りたかったです。すごく人間関係大変そうじゃないですか、女ばっかりで、すごくいっぱい人いるし。もしもそうだったら、なりたかった。

qbc:
なるほど。宝塚自体はいつからお好きだったんですか?

さゆき:
20〜24年ぐらい前かな。NHKで昔放送があったんですけど、ああいうの見て好きだなと思って。

qbc:
何かきっかけがあったんですか?

さゆき:
ちっちゃい時からアニメのベルサイユのばらが好きで見ていて、NHK見てたら宝塚のベルサイユのばらの放送があるんだと思って見て、ハマった感じですね。とにかく少女漫画チックなものが好きなので。

qbc:
見てるとどんな気持ちになりますか?

さゆき:
現実を忘れられる。空想するのが好きなので、自分が結局何も成し遂げてなくて何も持ってない人じゃないですか、私って。そういうのを忘れられるっていうのかな。

qbc:
いやでも普通に何かお金に困ってない時点で、全然良いような気がするんですけど。

さゆき:
お金に困ってなくてもやっぱり寂しい気持ちがあるんじゃないですかね。人付き合いはしたくない、苦手なんだけど本当はしたいっていう気持ちが多分あったんだろうと思う。

qbc:
では、もしも結婚してたとしたら、今どうなってると思いますか?

さゆき:
結婚してたとしたら、多分発達障害の子が生まれてきたと思うんです。なので発達障害の子の気持ちは分かってそれなりに楽しくやってたんじゃないかなって気がします。苦労っていうのかな、自分の子ども時代のことが分かる、発達障害のことが分かってるから、子どもとの関係はそれなりに上手く出来てたんじゃないかなって気がします。でも多分その子も全く働かないことになるんだろうと思います。なんか難しいですね。

qbc:
お話をお伺いしているとポジティブに捉えたら楽しそうな生活なんですけど、ご自身は何か悲観的に捉えてそうなところがあって。

さゆき:
ポジティブなんですけど、基本的に。なんか最近物足りないなと思い始めて今まではそれですごく満足してたんです。投資でそれなりにちょこちょこっとお金があって、そういうのに満足してたんだけど、最近は満足出来なくなってきました。

qbc:
なるほど。何が足りないと思いますか?

さゆき:
やっぱり人付き合いをしたいんだろうと思う、実は。子どもの時とかあんなに嫌だと思ってたのに、人間関係を築きたいんだろうと思う。

qbc:
なるほど。

さゆき:
やっとその人間関係が築けそうな状態に自分がなったっていう感じがあります。今まではとても人間関係なんか築けない人間だったと思う。

qbc:
なるほど、ありがとうございます。最後の質問はですね、最後に言い残したことはありますか?っていうもので、読者向けメッセージでも遺言でもいいし、感想みたいな、つぶやきみたいなものになっても良いんですけど最後に言い残したことがあればお伺いしております。

さゆき:
やっぱり人って、ひとりで生きていけないんだなと思って。ひとりで、家族の内だけで生きてるつもりだったけどそれじゃ結局物足りなくなってくるんだなと思った、人って。

qbc:
ありがとうございます。


あとがき

がんばるぞ!

【インタビュー・あとがき:qbc】

【編集:さめこ】

#無名人インタビュー #インタビュー #無職 #障害者年金


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