無名人インタビュー:元シングルマザーで超楽しそうな来年50歳の人
私が勝手に抱いていた シングルマザー=不幸というイメージ <たいへん失礼。は見事に打ち砕かれた。たゆさんは楽しそうだった。楽しそうだなってこと以上に大事大切なことありますか? ありまえんせん! ちょっとまって顔を洗ってきますね。礼儀正しくしたいからです。それはそう。
ということでひれふすべきたゆ・たうさん回です。初代ガンダムの知識がないとダメかもしれませんね。ほら、人間を楽しむにはさ。知識がさ。情報がさ。立体的にさ。自分の視野、自分の同時代人だけじゃダメになってってて、点じゃなくて線でさ、点と線でそれにさらを結ぶと立体になってさ、それで三次元的理解でしょ。さらにそれに時間ってベクトルもつけてあげて、これで四次元でしょう。複層のレイヤーを複数のナラティブで複眼のコンテンツを作るわけです。
ということでハマーン・カーンさん回よろしくお願いします! 君はピンクのボブカットを見る。
今回ご参加いただいたのは たゆ・たうひと さんです!
qbc:どんなインタビューにしていきましょうか?
たゆ:記事読んでると、最初に何話したらいいでしょうって、みんな言ってるくせに、ポンポンポンポン出てくるじゃん。
そんなこと、あり得ねえと思って。別に、面白いこと言ったりしないと思うけど。何にも浮かんでこない。
qbc:それでは、今、何をされている方なのてしょうか?
たゆ:平日の朝は、誰かが必要だったら弁当を作って、駅まで送って。帰ったら寝てます。
qbc:ご家族と暮らしていらっしゃる?
たゆ:4人で。主人と、娘と息子が。成人して、今年から2人とも社会人で。
上の子は2年目で、下は今、研修中で。面白いって言ったら変だけど。上のほうが、ちゃんとした仕事に就いていると思ってたら、わりとブラックな会社だったみたいで。下の子の会社が、休みとか、勤務体制が、だいぶしっかりしてて。上の子の職場のアラが見えたっていう。
qbc:たゆさん、年齢、お伺いしてもいい?
たゆ:来年50歳です。インタビュー受けてる人みんな若いなと思って。
qbc:最近は、20代が多いのかなっていう感じですね。
たゆ:私、自分の中で、いつも気持ちは42歳ぐらいなんだと思う。人に年齢を聞くじゃない? で、いくつって言われて、あーそうなんだ、もっと若いと思ったーって言いながら。あれ? あんまり変わんないじゃんっていうことが、よくあって。自分と同じぐらいの年齢の人聞いて、あ、けっこういってるんだって思っちゃう。だから、自分を、自分の年齢より若く見てると思うんだよね。
qbc:年齢を忘れがちってことですか?
たゆ:あと1つ問題なのが、旦那さまは同級生なんだけど、私、早生まれで。1月なんですよ。彼は6月で、7ヶ月ぐらいしか違わないから、彼の方が先に50歳になるじゃないですか。そしたら、自分も50歳と思って、50歳って言っちゃう。
qbc:(笑)
たゆ:しまった! 1個ちっちゃいんだって思って、自分の年齢を勘違いしたまま、半年間、過ごしちゃうっていうか。1つだけだから、訂正するのもなんかね、いや、別にいいじゃんって思うじゃない? 相手は。だから、そこがジレンマっていうか、イラつくところ。そういうふうにさ、年齢を気にするようになったところが、オバチャンだよね。
qbc:いつから気にされてます?
たゆ:旦那さまと結婚してからだね。私、2回目なんで。
qbc:最初の結婚は?
たゆ:24歳。3年ぐらいで離婚して、7年ぐらいシングルマザーやってて。ちょっと疲れちゃったから、結婚した。子ども二人いたけど、年子だったから、そう大変でもなかった。
qbc:実家にいた?
たゆ:自分で戸建ての借家を借りて。実家に帰ったら、私、何にもしなくなると思って。長女で、大人の中で育ってるから、本当に何にもしないで育ってきたんですよ。だから、やってもらって当たり前って思ってて。中高も部活やってないから、敬語も使わずに来ちゃって。そのあとニートで。本当に礼儀知らずのまま、育っちゃった。
qbc:じゃあ、18歳からニート? 遊んでたってこと?
たゆ:いちおう、短大に行って、20歳。すぐ結婚できると思ってたの。女の子だからね。彼氏もいないのに、よくもそんなこと考えたなって思ったけど。妹はとっても現実的で、だから私のことが大嫌いでした。高校入ってすぐバイトして、お金貯めて、バイク乗ったりとか、けっこう活発にしてたけど。私は、それをすることが、自分の仕事じゃないと思ってたから。だって、車運転したら、交通事故で死ぬと思ってたから。とにかく、いつも、家の外に出たら、死ぬと思ってたの。1か10しか考えられない子だったから。
qbc:リアリティがないね。結婚できるって思って、短大卒業して、どうだったんですか。
たゆ:女の子に生まれました。お嫁さんになりました。しかなかったから、その間に自分が努力しなきゃいけないとは、思っていなかった。常に、がんばらなくていい人生で来ちゃったから。
qbc:子どものころって、どんなお子さん? 性格で言ったら、無邪気?
たゆ:小学校3年生ぐらいまでは、すごい無邪気だった。誰にでも声をかける子。誰とでも友だちになれる子。そのままいけば、もしかしたら人気者路線っていうか。ちょっと前に出れたかもしれないけど。私、ものすごい羞恥心の塊で。小学校4年生になったときに、考えちゃったの。私が声かけなかったら、友だちは、私に声をかけてくれるんだろうかって。
qbc:小学校4年のときに? へえー。
たゆ:そしたら、誰も声をかけてくれなかったの。それはそうだよね。みんな、そういうタイプじゃないんだもん。私がそういう人だから、みんなも遠くにいる私の姿を見れば、声をかけてくれると思ってたけど、声をかけられなかったっていうのが、現実だよね。そこで、私は、自分がいらない人だと思っちゃったの。
もしかして今まで迷惑だった? って。そのタイミングで、小学校が西と東に別れたの。人数が増えすぎたとかで、有無を言わさず、新しい学校に移ったの。
qbc:学区自体が、強制で変わっちゃったってことですね。
たゆ:1年生のときは、アンパンマンみたいな顔のおばあちゃんだったの。だけど、若い先生に習ってる子もいて。3年生のときにようやく自分好みの先生に当たったから、ホクホクしてたのに。
qbc:そしたら、たゆさん、ちょっといいですか?
自分から声をかけないと、周りからかけられないっていうの、重要だなって思ったんですけど。そのときに、どういう気持ちになったんですか? 気づいたわけじゃないですか。
たゆ:結局、自分から声かけなくなったんだよ。だって、自分がいらないんだって思ったから、迷惑かけてるわけでしょ?
qbc:いや、そうは思わないですけど。
たゆ:その4年生のときに、私の担任の先生は、私が嫌いだったの。1年生のときに比べてもさらに、ババアだったの。ババアっていうのは、いい子しか好きじゃないのよ。
qbc:偏見じゃない?(笑)そうじゃないババアもいると思うけどね。
たゆ:そうか、じゃぁ、えこひいきの激しいババアに当たってしまったの。
qbc:当たり続けちゃったからね、そう思ったのね。
たゆ:明らかに、当たりの強い先生っていうか、顔に出るのよ。授業中、賢い子しか指さないし、ガキ大将ちっくな子とか、私みたいに、なんで?ってうるさい子どもは、相手にしたくない。私は、大人になることっていうのは、無邪気をやめることなんだって、そのとき思ったんだよね、たぶん。
qbc:うんうんうんうん。
たゆ:それで、声かけられなくなったら、出かけられなくなっちゃったの。それまで、外に出て遊んでたのに、人に見られることが、難しいことになっちゃったの。さらに、人前でしゃべったりっていうのも、声がかからないってことは、いらない、必要ないって思っちゃったから、私がすること全部が、間違いっていうか。何してんの? みたいな、陰に入っちゃって。高校に入るまで、ずっとそういう状態。だから、学校、楽しくないよね。小学校4年から6年生になるころの写真、自分の顔を見ると、すごい陰気くさいし。笑ってない。中学校に入るとさ、女の子は自分でさ、おしゃれに髪をセットしたりするじゃない? そういうことも、お友だちと会わなくなったから、髪の毛、飛び跳ねたまま、学校に行くような感じになっちゃってて。あとは、4年生の時に髪の毛切ったことが、一番の原因かも。
qbc:あー。
たゆ:七五三で1回、切ってるんだけど。またそこから伸ばして。4年生のときに切ってから、毛質って変わってくるじゃない、大人になると。癖毛がひどくて、いつも、ちょっと寝癖がついてるような。それがすごく嫌だけど、どうやって直していいか、わかんないっていうか。それまでは、髪もずうっと、今でいうツインテールにして、縛ってもらってたから。自分の髪の毛、自分でってことがなかったから、どうしていいか、わからなくて。
中学ぐらいに、聖子ちゃんヘアとかに憧れてたら、もうちょっと、自分で何とかしたかもしれないんだけど。何してたんだろうね、テレビをいっぱい見てたはずなのに。芸人が出てくるテレビしか、見てなかったのかな。
qbc:変わったのは、いつだったんですか? そういうのが。
たゆ:高校が女子校だったの。男の人のいないところに行きたいって。そしたら、女子校はもっと酷くて。化粧臭いわ、タバコ臭いわ、なんていうのかな。男の人の目がないもんだから、口汚い会話しても気にしなくなっちゃったから、もっとつきあいの幅が狭くなる。そこから、ヲタクに。
qbc:何ヲタクだったの?
たゆ:あのころは『Zガンダム』のころだよ、カミーユのころ。ただ、私はねガンダムより、エルガイム(『重戦機エルガイム』)とかマニアックなほうが、好きだったから。
qbc:でも、富野由悠季さんではあったってこと?
たゆ:そうそう。
qbc:ロボットは好きじゃないの? 何が好きなんですか、女性が好きなのって。
たゆ:私は結局、戦隊ものの中で、女の紅一点になりたい、ヒロイン願望が強いので。だから、ゴレンジャーだったら、私はモモレンジャーなの。だけど、アカレンジャーでもあるの。主役をやりたいから。
qbc:そういう見方なんですね。けっこう、戦艦に乗るじゃないですか。あれで、旅する。
たゆ:そういう機械チックなのを並べて、ラジカセとかを並べて。スイッチ押しながら「発信!」とかやったり。通信レーダーみたいなまあるいのに、ピコンピコンて付いてるやつ、赤いペンでつくって。何とかが接近してます、とか1人でやってた。だいたい通信担当なのよ、女子は。
qbc:へえー。そういう楽しみ方なんだ。
たゆ:たとえば、ガンダムみたいなのに乗っても、助けてもらう。あとは、影がある人が好きだから、私はアムロ・レイ側の人だけど、シャア・アズナブルとつながってるとか、そういう設定。
qbc:でも、モビルスーツ、乗ったりするわけじゃないでしょ?セイラ・マスさんみたいなわけじゃないでしょ?
たゆ:たまに乗るけど、途中で、入ってきてくれる、誰か。あくまでも、サイドカー的な感じで。現場にはいるけれども、助けてもらって。私だけは生き残るみたいな。
qbc:でも、ララァ・スンみたいには、ならないのね?
たゆ:死はないの、私は。
qbc:フラウ・ボウでもないってこと?
たゆ:そう。私は、ハマーン・カーンなの。
qbc:ハマーン・カーンなの?
カッコすぎると思うけど(笑)どっぷりハマるよね。
たゆ:かしずくこともあれば、常に私は偉い。笑っちゃった。そういうひとり遊びだよね。
qbc:何歳まで行ったの?
たゆ:中高って、ずっとあったよね。
qbc:ニート時代は、何をやってたの?
たゆ:デビューしたいと思って、ずーっと小説書いてた。でも、書き上がったことがないの。1ー10だから。途中で落ちちゃうの。でも、珍しく書き上がって応募したことはあるの。、20歳ぐらいのときかな。第一次選考で終わっちゃったけど。
qbc:でも、名前載った?
たゆ:某雑誌で、殺し屋の話を書いてひらさわたゆで載ったのよ。あのときから。
qbc:「たゆ」って、どうして名前をつけた?
たゆ:「たゆ」は「太夫」。花魁の。うちの祖父が、昔、漫談をやってて。太夫だったんだって。その太夫もあったし。遊女で一番偉いの太夫じゃん。なんとか太夫って言われるじゃん。下駄履いて、重い服着て、行列する人になりたいって。小説で、そういう位の人になりたいっていうことで、太夫。漢字、かわいくないから、ひらがなで「たゆう」ってしたんだけど。言いにくいから「たゆ」。そういう流れなの。
qbc:それが、「たゆ・たう」になったのは、なんでだったの?
たゆ:もともとは、「ひらさわたゆ」でやろうと思ったんだけど。noteをはじめるとき、最初、恥ずかしくて。知ってる人もいないのに。だけど、諦めきれずに「たゆ」だけ残して、「たゆたう」って言葉があるから、「たゆ・たうひと」って、そのまま。
qbc:なんか、面白いですね。素敵なお話をお伺いできて、うれしいです。
最初の結婚は、お見合いとか?
たゆ:恋愛なの。嫌いな人だった。っていうのは、私の年代って、長男長女が多くって。地元に残ってる人が多いんだよね。それで、同窓会とかも、わりとよくやってて。でも、なんで、出かければ絶対知り合いに会うっていう環境の中で、同窓会やんのかなって思ってて、ずっと行ってなかったんだけど。
私がニートのときにね、役場で臨時のアルバイトをしたの。とにかく就職するんでも、恥ずかしいのが先に立ってたから、面接に行けなかったのよ。それでニートだったから。
たまたま、その役場でバイトっていうのは、行ってみたらとか、やってみたらって、人づてだったから、ようやっと行けたって感じ?
qbc:たゆさん、すいません。嫌いな相手と、なんで結婚したんですか?
たゆ:それで、20歳になって、たまたま会っちゃったの。隣の席の嫌いなヤツに、電車で。そんで、ちょっとしゃべって。そいつがスカイラインのGTRに乗ってるって噂が広がってて。女の子だったら、あのころ、シーマに乗りたいとか。クレスタに乗りたいとか、そういう話題で盛り上がってたんだけど、わたしはまったく興味なくて。運転する気ないから。
だけど、話だけは聞いてて。で、役場にバイトに行ったら、中学時代のクラスメートが3人ぐらいいたの。
qbc:どこが良かったですか?
たゆ:ヤツは、私が好きだったらしいの、中学時代ね。友だちは、すごく仲が良かったんだけど、私は嫌いだったの。胡散臭くて。
qbc:ふーん。それで別れちゃったの? 子どもはつくったけど。
たゆ:勘違いしたんだよね、中学時代の同級生が、大きくなったら、いい男に見えちゃったんだね、そのとき。でも、結婚するつもりはなかったの。嫌いは嫌いだから。
だけど、知り合って遊ぶようになったのが22歳とか23歳とかで。自分の中では結婚する年齢は27歳ぐらいって思ってたんだけど。そこからね、もう1回、初めましてからはじまって、27歳まで結婚できるかどうか、わかんないじゃん。要は、そいつが結婚したいって言ってくるから、だったら、ここでもいいかって思って。その次の出会いがあるかどうか、わかんないから。
qbc:結婚→子ども→子ども→離婚?
たゆ:そう。そこんち、すっごくおっきい農家だったの。でも、私、仕事したくない人だからさ。やりたくなかったんだけど、しつこくやれって言うわけ。で、『渡る世間は鬼ばかり』みたいな家庭だったわけよ。とにかく、嫌になって。
子どもが七五三のときに、向こうの親が、気に入らないことがあって、私の実家に帰れ!って子どもを怒鳴ったんだよね。旦那の目の前で。これはシメたと思って。私は、それまで、出て行きたかったけど、我慢してて。毎日、そこのうちの仏壇に、どうか私と子どもを追い出してくださいって、拝んでたんだけど。
qbc:その家の仏壇に、お願いしちゃだダメじゃん。(笑)
たゆ:あんたんちの子孫は返すから、だから、私と子どもを追い出してくれって、毎日拝んでて。心静かにね。
親が怒鳴ったのを見た旦那が、ようやっと、家出るかって言ったから、なんとか、家を出て。でも、私が諦めて帰ると思ってたんだろうね。ひとりじゃ何もできない人だと思われてたから。だけど、ケンカしたときに、帰るときは、離婚だと思ってるからって言っちゃったのよ。それを受けて向こうが、最終的に離婚すると思ってんだったら、今別れてもいいんじゃない?って。そしたら、それこそ、シメたもんじゃん。子ども取れると思って。離婚しよって。そのころ、図書館でバイトしてたから、離婚に関する本を読み漁ってて。メモをつくっておけとか、手続きはどうだとか、子どもの親権とか、子どもの苗字変えるのまで、1ヶ月かかるとか。
qbc:負けず嫌いなところがある。親権はどうなったの?向こうは、すぐ手放してくれた?
たゆ:旦那は、おじいちゃん子だったの、でっかい農家の長男だったの、そんで、母親と一緒にいなかったから、結婚したときに、母親は子どもの教科書だから、離れるなって言われてて。仕事もするなって言われてたの。だから、絶対子どもの親権を取れるって自信があったから、別れるとしか言わずに。
qbc:それはね、良かったね。でも、元旦那と会ったりはしてるの?
たゆ:私はね。ただ、子どもは会ってない。同級生だから、同窓会とかに行くと、いるわけさ。行かなきゃいいんだろうけど。結婚して、子どもができたら、私の恥ずかしい、羞恥心とかが、小学校3年生ぐらいのときまで戻ったわけ。子どもとどこへでも行けるから、1人じゃないと思ったら、強かったね。母は強しとかいうんじゃなくて、人がいるっていうことが、私には。とにかく1人じゃなければ良かったから。そっから、徐々に戻ってた。
qbc:そしたら、5年後、10年後だったりとか。死ぬときに、こういう人でありたいとか。今後も、こういう気持ちで生きたいとか。どう考えてますか?
たゆ:人に嫌われたくない。
qbc:誰からも?
たゆ:うん。嫌われたくないし、邪魔したくないの。
qbc:うちの父親が死んだときに、おばあちゃんが言ったのと、なんか似てるなと思ってさ。私は東京から、喪主で行ってるからさ、おばあちゃんと感覚がちょっとずれちゃってて。ここの土地で暮らしていけなくなるから、もうちょっと、こうしたいとか、そういう言い方をしてさ。
たゆ:右へ倣えだよね。おばあちゃんは、おばあちゃんで、今までやってきたことと同じことをして、穏便に済ませたいってことでしょ?
qbc:そう。たゆさん、私、話した印象、すごく楽しい人だと思って。(笑)
人から嫌われたくないっていう言い方、今の感覚だと、ネガティブな感じがするんだけど。別に、悪いことじゃない気がするんだけどね。
どうなの? 辛いんですか? 合わせるの。どんな感じなの?
たゆ:私がこうやって、一生懸命しゃべっちゃうじゃん。それが、いつも、やり過ぎてる気がするの。ただ、私は、自分が言ってることが、相手にちゃんと通ってないような気がするから、いっぱいたとえ話を出しちゃうだけなんだけど。
qbc:でも、頭のいい方だと思いますけどよね。自己分析しちゃうんですよね、4年生のときから、そういう、ちょっと我に返ってね。本当に、気にしてなかったら、自己分析なんか、しないでしょ? いいところなんじゃないんですかね、それはね。
たゆ:とまんないじゃん。自分で書いてれば、要らないところ、端折ったりできるけど。しゃべりに推敲がないから。邪魔してんじゃないかなっていうこと。
qbc:面白い。話をお伺いして、たゆたってんなって思いながら、聞いてたんですよ。ご自身につけられたの、すごいいい名前だなと思ってて。
たゆ:あ、そう!
qbc:今の旦那さんは、どうなの?
たゆ:私、結婚前に1回だけ正社員になったことがあって。本社が関東圏で。電話でやりとりするじゃない。私の会社は事務が、私と私の上司だけだったんだけど。その上司って、本社からの電話に対して、いつも、使えねえ、使えねえって言うの。だけど、唯一褒めた人が、私の旦那さんだったの。もし、本社に転勤になるようなことがあったら、私は、彼の下につきたいっていうぐらい、私の旦那さんは、使える男だった。私の上司からすれば。
どんな人だろうって思うじゃない? たまたま、彼の電話を取ったときに、私の上司とばっかりしゃべってないで、たまには、私に電話してきたらいいんじゃない?って、またそこも上からなんだけどさ。
qbc:ハマーン・カーンだからね。
たゆ:そっからのやりとりで、私の投げかけに、乗っかってくれたわけ。顔を見たこともない人とやりとりして。その言葉のやりとりだけで、なんか、ちょっと良さげって思っちゃって。賢いって思った。私の言うことに対して、うまいこと返してくるから。頭、いいんだって思って。それで、やりとりしてて、暇だ、暇だって言うから。
そんなに暇なら、遊びに来たら?って冗談で言ったら、行くよってなって。やべって思ったの、そこで。
qbc:なんで?
たゆ:顔も見ない相手に、遊びに来いって言って、すごいブサイクだったらどうしようと思って。会う当日まで、会わない、いや、来て、来ないで、来てって。
qbc:めんどくさいね。
たゆ:結局、会ってみたら、話が合って。それまで会話は成り立ってたから、あーだよね、こうだよねって話して。そっから1週間、2週間ぐらいで付き合うことになり。
qbc:どれぐらいやりとりは続いた? 1ー2年?
たゆ:電話のやりとりは、1年ぐらいで、そのあと3年交際して、その間旦那さまは毎週、うちまで車で通ってきてたの。
qbc:たゆさん、けっこう幸せじゃない。
たゆ:私ね、わりと引き寄せができる人なの。
qbc:その人は、初婚なの?
たゆ:そう。私、子持ちだし、相手は初婚だから、別に、若いお姉ちゃんに走っていいよって。結婚する気、なかったからさ。
qbc:じゃあ、震災は遭わずに良かったってこと?
たゆ:そう、震災前なの。
qbc:良かったね。
たゆ:でも、良かったって言っちゃっていいのかね。身内がいるからさ。そうやって、逃れ逃れて来てるわけでしょ?
qbc:でも、良かったのは良かったですよ。そんな、いらん苦労をする必要は、悲しいし。
たゆ:たぶん、そういうことをしなくてもいい、星のもとに生まれたのね、きっと。
qbc:ちょっと感じてたんですけど、たゆさんは幸運の持ち主的なところがありますよね。さすがに、ハマーン・カーンになりたいって言ったときに。普通だったら、イライラすると思うんですよ、何言ってんのかな、みたいな。それを許せるようなところが、あるんですよ。(笑)その天真爛漫さ、無邪気さっていうものだと思いますよ。よりにもよって。ハマーン・カーンになりたかったって、全然それだと思います。
たゆ:シャアと対等じゃん。舌打ちがカッコいい、みたいな。
(笑)でも、ああやって、偉そうにしてたら嫌われるじゃん。嫌われちゃダメなんだけど。
qbc:ハマーンさんは、好かれてると思うけどね。楽しいと思うよ、あの人は、なんか、ちょっと助けたいって思わせるんだよね。
ガンダム見てて、良かったです。たゆさんの言ってる意味が分かって。
たゆ:あんまり、私も内容を把握してないんだけど。自分で、そういうふうに見てる。
qbc:けっこうわかってると思いますよ。ハマーンさんね。
最後に、言い残したことがあれば、お伺いをしています。
たゆ:私、犬好きで。犬を絶やしたことがないんです、家にいたとき。
一番最初に飼ったのが、小学校1年生のときだけど。その子が、高校生の時に亡くなって。そのあと、高校の友だちに、ちょうど子犬が生まれたっていう人がいて。学校に持って来てもらって。電車に乗せて帰ったんです。そしたら、そのワンコ、うちの周り田んぼだらけだから。散歩してる途中に、猫いらず食べちゃって、死んじゃったの、3ヶ月で。
qbc:かわいそう。
たゆ:また今度、友だちの親御さんが、柴犬のブリーダーやってて。くれるって言うから、もらいに行って。って言う感じで、5、6匹つながって、私がこっちに来るまで。
離婚してからは、飼ってなくて、こっち来て、犬を飼いたいと言われたんだけど。でも、都会ってみんな室内犬じゃない?外に出して、ワンワン吠える犬、あんまりいない。
qbc:全然違いますね。
たゆ:だから、外で飼うものを、家の中に入れるのって、どうなの?って思って。最初、犬を飼わせないように、うさぎを飼ったの。6年ぐらい飼って、途中で娘と旦那が、コソコソ、ペットショップに通いはじめたの。
あの2人、仲が悪かったはずなのに、週末になると毎週のように出かけてって。私に、犬のメールを送ってくるわけ。で、ポメラニアンだの、トイプーだのね。気に入った顔はなくて、ことごとく断ったら、今飼っているむーちょの写真が送られて来たときに、雪だるまみたいな写真が送られて来て。それはずるいだろって返してやったのね。そしたら、いつもと返事が違うって言って。
qbc:(笑)
たゆ:すぐ、帰って来て。ちょっとお母さん、出かけようかって言われて。ペットショップに連れて行かれて。そしたら、その、むーちょがいるガラスのところにね。家族会議っていうシール貼ってあった。これね、お母さんがいいって言ったらうちの子って、言うわけ。で、店員さんも売りたいからさ、抱っこしてみますかって言うじゃん。手のひらサイズの雪だるまだよ。しかも冷たくないの。持って帰りたくなっちゃうじゃん。
qbc:それが、今のワンちゃんってこと?
たゆ:そう。家の中で飼ってみたら、意外と飼えたっていうね。躾けるって言った人、躾けてくれなくて。
qbc:たゆさんが、躾をやっちゃったってやつだね?
たゆ:そう。甘噛みしたら、私も噛むっていうやつだよね。
qbc:無邪気だからね。(笑)こういうこと、やっちゃダメだよって、自分にもやってあげるっていうね。
たゆ:そう。
qbc:ありがとうございます。すごい楽しかったです。
たゆ:いいえ。こちらこそ、ありがとうございました。
あとがき
君はどんな情緒でこのインタビューを読みましたか? 情緒って言ってんじゃん言ってよ言えよ言ってくれないと不安で人生をコナゴナにしてしまいそう。セロテープじゃもう留めきれない。つまりメンディングテープなら留められるよ! だから、あなたのコメントって包帯で私の傷跡、やさしく押さえてね。知ってるでしょう? 私構ってもらわないとどんどん太っちゃうの。勘弁してよ!!
ということでたゆたうさん回、一言で言うと自分の世界がすごくある人でしたね。マイワールドしっかりあるじゃん! 他人の価値観から離れていって、今最高に幸せって感じじゃなかったです? 私はそう思う。あなたは? うんうん。それはそう。
明日も明後日も、私は愛されたいです! 本を捨て、町にでよう! たくさんの人と話をして、声を聞いて、ちいぽけな自分の考え方から自由になっていこう!