真面目だなって言われるけど、それは私が猫かぶりだからの人
猫好きですか? 猫は私は好きでも嫌いでもない感じですかね。
うちの実家はめちゃくちゃ猫がいて、母親がボランティアでどんどん猫をもらってきたんですね。常時15匹くらいいたんじゃないのかな。
エサ代はボランティア団体からもらっていたように思います。
で、そういう中で生活していたので猫は好きでも嫌いでもなくなったと。
いやまあ、好き嫌いで言ったら好きではあるかもしれませんが、なんか別に珍しくないかなって。日常的というか。なんていうか猫好きの人が言うような猫の好きさではない感じ。猫を飼いたいとも思わないし。
それで、私は寝てると猫が寄ってくる体質なんですね。
これって、実はコツがあって。それは、無でいることですね。
猫に関心を示さない。そうすると寄ってくると。
今、コンセプトで「聞かれ上手」について考えているんですが、この聞かれ上手と猫が寄ってくる感覚は似ていると思っていて。たぶんね、関心の無さ、というものが実は人間関係において重要なのではと(猫の話をしていたのでは?)
とまれ、ともあれ。
猫は意外とね、無関心でいたほうが寄ってきますよと。構われたり、干渉してきたりするのが面倒だったりするわけですね。というか、関心は、振り向いてほしいという欲求から生まれるもんだというのを知っているのやもしれまえぬ。
いいこと? 生きることは学ぶこと、無名人インタビュー今日もしゅっぱつします!!!!!
【まえがき:qbc・栗林康弘(無名人インタビュー主催)】
今回ご参加いただいたのは 蕗 さんです!
現在 : 人と話すときとか、その人に合った猫をかぶるというか、自分だけが知ってる自分を守れてるのが安心するし、相手にとっても、それが一番差し障りないかなって思うようになってます。
のの:蕗さんは今何をされている方ですか。
蕗:今年から社会人になって、会社員として働いてます。
のの:どのようなお仕事ですか。
蕗:一応開発職で、ソフトとかを作るような仕事です。なんですけど、まだ2ヶ月ぐらいしかたってないんで、まだお勉強の途中というか、全然お仕事というお仕事はまだ全然してないです。
のの:なるほど。その開発っていうのは、それまでにもそういう勉強をしてこられて、そのお仕事をされてるって感じですか。
蕗:いえ、全然違うことを大学ではやってて、私は生き物のことを勉強してました。大学院まで行って研究してたんですけど、生き物に関われるお仕事ってあんまりなくて。全然分野違うけど、理系職っぽいものって感じですごくざっくりとした感じで、受かったところにぽっと入ったみたいな感じです。
のの:その仕事を始める前と、今初めて見た後で、何か印象の違いとかってありましたか。
蕗:そうですね。仕事に対するイメージの違いはなかったんですけど、私が女子高に行ってたので、社会に出たら、理系って男性の方がすごい多くて。私がいる会社の部署は、開発職の人はほぼ男性なので、全然環境が違うなっていうのは、すごい感じました。
のの:なるほど。何か趣味とかはありますか。
蕗:趣味はそうですね。はい。本を読んだりとか、映画見たり写真撮ったりですね。
のの:なるほど。最近読んだ本で面白かった本とかありますか。
蕗:そうですね。社会人になってからすごい本読む時間が減ってしまって、家にある自分が持ってる本を何回も何回も、元々読み返すタイプなんですけど、最近はさらにそれが加速してしまって。私が一番小さいときから好きだったのが、荻原規子さんって方の書籍なんですけど。その人の空色勾玉っていう一番代表作なんですけど、もうずっと読み返してます。好きです。
のの:どういう内容のお話なんですか。
蕗:ちょっと変わってるんですけど、古事記を元にした、日本風ファンタジーって言うんですかね。そんな感じで、神様とかがいる時代のお話です。
のの:なるほど。そういうジャンルの本が結構好きですか。
蕗:そうですね。ファンタジーがすごく好きで、小学生とか中学生にかけても、ファンタジーしか読んでなかった時期があって。荻原さんはすごくメジャーな方ではないんですけど。ハリー・ポッターとか、あとはちょっとご存知かどうかわかんないんですけど上橋菜穂子さんっていう、児童文学の方の本とか。海外のいろんなファンタジーもすごく好きで、いっぱい読むんですけど、私のすごく好みのファンタジーが、ちょっと狭いのかもしれないんですけど。
のの:はい。
蕗:新規開拓が元々すごい下手で、ずっとずっと本当に好きで、昔から読んでるやつを何回も読み続けるみたいな感じで、ずっとその辺の本たちを読んでます。
のの:なるほど。映画も何回も見たりとかが多いですか。
蕗:そうですね。本ほどではないんですけど、映画も結構好きなやつは何回も見ますね。
のの:今は趣味か仕事かって言ったら、どっちの方に重きを置いてますか。
蕗:そうですね。時間はもちろん、お仕事の方が多いですけど、就活してたときも働くために生きるのがやだなって思ってて。生きるために働くから、お仕事はすごく大事なんですけど、一番楽しいものじゃないと駄目っていうふうには思いたくなくて。もっと大事な、何か自分の好きなこととか、そういうのがあってそれをやるために、生活もあるしって感じで働くのかなって自分の中では思ってたので、今は趣味の方に気持ちが動いてますね。
のの:写真を撮るのも好きっておっしゃってたんですけど、それは外に行って撮ったりとかですか。
蕗:そうですね。すごくちゃんとした趣味ってわけでもないんですけど。カメラ本格的にやっていらっしゃる方とかって、すごい遠くまで行って、こういう写真撮りたいって撮ったりしはると思うんですけど、何かそこまでではなくて、近所に散歩に行ったついでに、雲の写真撮るかとか、雑草の写真撮るかみたいな感じで。
あとは身近な人と出かけるときとかにちょっとカメラ持っていって、その人撮ったりっていう感じです。そんな感じで写真撮ります。
のの:写真を見たりするのも好きですか。
蕗:そうですね。写真を見るのも好きだと思うんですけど、撮ることほどの情熱というか、気持ちがぼっとくる感じはなくて。今までに自分が撮った写真とかも結構見返したりとか、他の人とのLINEのアルバムとかも見返すことはあるんですけど。
本とかだと好きな作家さんずっと追いかけたりするんですけど。写真は誰かのを見たりとかそういうのよりは、自分で写真を撮るという作業というか、動作が好きみたいなところがあるのかもしれないんですけど、撮ることの方が好きです。
のの:蕗さんは周りからどんな子だねとか、どんな性格だねと言われますか。
蕗:そうですね。よく真面目だなって言われるんですけど、それは、私が猫かぶっているからであって。自分は大体は上手いこと猫かぶれてるんだなって思いますね。すごいそれはよく見てくださってるなって。
のの:実際はそうではないんですか。
蕗:そうですね、自分では真面目じゃないなって思ってて。真面目ですねって言われたときに、いや、実は私はこういうとこもあって、こんな部分もあるんで真面目じゃないんですって言うんですけど。
それが真面目ってことですよって言われちゃって。でもなんか、確かにそういう考え方もあるのかなと思うんですけど、すごい適当に考えちゃうところもあるので。うまく猫かぶれてるなって思います。
あとは何か、よく気にしいというか、ネガティブというか。そう直接的に言われることはなくて、みんなもうちょっと気をつかって、何か気遣いができるねとか、そういうふうには言ってくれるんですけど、私はすごいネガティブなんで、そういうこと言われても、私ってネガティブだなみたいな感じで考えてしまうんで。人に何かネガティブだねみたいなことを言われると、それは本当に自分でもそうだなって思いますね。
のの:なるほど。猫かぶってるっておっしゃってたんですけど、ずっと猫かぶったままでいいというか、本当は猫かぶらずにいたいとか、そういう想いとかはあったりしますか。
蕗:なんかやっぱ中学生ぐらいのときって、どうしても私のことは誰も分かってくれないんやって私は絶望してたんですけど、なんか猫をかぶるっていうのが、そのときはすごい悪いことというか。周りの人に見せてる自分は本当の自分ではないんだみたいな。ずっとそう思ってたんですけど、そういう時期を脱して、今になってみると、猫をかぶることが逆に大事なんじゃないかなって思うときがたまにあって。自分のことを一番よく知ってるのは自分っていうのは昔からずっと変わらないんですけど、自分だけが知ってる自分を、別に簡単に人に見せなくてもいいやんというか、それは自分の中だけに、置いといて。自分だけが知ってればいいかって思うようになったんです。
今は、人と話すときとか、その人に合った猫をかぶるというか、自分だけが知ってる自分を守れてるのが安心するし、相手にとっても、それが一番差し障りないかなって思うようになってます。
過去 : クラスで気の合う人たちと一緒にはいるんですけど、でもその中でも端っこにいとかないと、ここでは落ち着かないみたいな感じになってしまって。
のの:蕗さんは小さい頃はどんなお子さんでしたか。
蕗:そうですね。今よりはもっと、はつらつとしているというか。私は長女でお姉さんだったんで、すごい調子に乗ってるというか、おませさんみたいな感じで。幼稚園のときとかもなんですけど、誕生日が早かったので、周りの人たちよりもちょっと大人やと自分でも思ってたんですよ。
のの:はい。
蕗:なので、すごいみんなの前に出ることもそんなに苦じゃないし。リーダーになるとかっていうのもやってましたね。よく前にしゃしゃり出てくるみたいな感じの子で。家でもやっぱりお姉ちゃんだったんで、妹とかにはすごい偉そうにしてたらしいです。
のの:ご自身ではそんな記憶はありますか。
蕗:そうですね。幼稚園のときだったと思うんですけど。二つ下のちっちゃい子たちが遊んでるところに、「お姉さんが遊んであげようか」みたいな、何様やねんって感じですよね。でもそんな感じで積極的に声を掛けに行ったりするタイプだったのは、ちょっとだけそういう記憶も自分の中にはあります。親とかそのときの担任の先生とかから、あなたはしっかりしてたよ、ちゃっかりしてたよ、と言われたのが、ちょっと記憶と混ざってるのかもしれないですね。
のの:小学生ぐらいになられてからは、変化とかありましたか。
蕗:小学生の間も、もうちょっと明るい感じだったと思うんですけど、その辺りですごい自分が本が好きなんやってことが分かってきて、小学生のときとか学級文庫ってありましたか?
のの:ありました。
蕗:学級文庫って私の小学校では、結構学期の間でも何回か変わったりしてたと思うんですよ。変わるたびにとりあえずめぼしい本を読んでからじゃないと、友達と一緒に遊びに行ったりとかせずに、教室でずっと読んでたんですよ。
のの:はい。
蕗:それを先生が心配して、「あの子は友達がおらんのか」って思っちゃったらしくて。でも同じ同級生の子とかが、「この子はとりあえず本読んでからじゃないと、こっち来ないから」みたいな感じで、分かってくれてて。そのぐらいから、みんなと一緒に遊ぶっていうのは嫌いじゃなかったんですけど、本を読むことがとりあえず、すごい優先されてしまって。周りに本読んでる子って全然いなかったんですよ。
ゲームしたいし外で遊びたいし、漫画読みたいみたいな子が多くて。私の家がすごい厳しかったんで、ゲームとか一個も持ってなくて、漫画も駄目って言われて買ってもらえなかったんで、本が好きになったのってそういうのもあると思うんですけど、とりあえず本だけが娯楽やったんですよ。
のの:はい。
蕗:ずっと本読んでて、そのときの私が思ってたのは、ゲームとか漫画うらやましいなって心の底で思いつつ、それを認めるのがちょっと癪で。なんや子供っぽいもんで遊んでって思ってたので。本読み始めていろんなことが重なって、なんか周りの子たちのことをちょっと小馬鹿にしてるというか、斜め上から見てるみたいな感じで。小学校3、4年生ぐらいからは、そんな感じになって、5、6年生のときにはちょっと、フンみたいな感じでしたね。もちろん猫はかぶるんで、表面上は仲良くしてるんですけど。心の中ではちょっと周りの子たちをふふんって、私の方が大人なんだからねって思ってました。
のの:放課後も本を読んでましたか。
蕗:放課後は結構すぐ家に帰ってきなさいってお家だったので、小学生の頃、放課後に友達と遊んだのって多分、片手で数えるくらいなんですよ。すごい最初の頃、皆誘ってくれるんですけど、私が何回も断るんでちょっと駄目なんですよって言うと、そっかそっかってなって。それを知らない子が私を誘ってくれると、今まで断られたことがある子たちが、いやいやあの子は放課後遊べる子じゃないからって言ってくれて。そうなんや、みたいな感じで広がっていっちゃって、余計になんか私の前で遊びの話をするのがちょっと申し訳ないみたいな感じになったりして。放課後も、すぐ家に帰って、本当は友達と遊びたいとかもあったんですけどそれが無理なんで、とりあえず本読みたいんですけど。
のの : はい。
蕗:通信教育っていうのを家でやってまして、チャレンジとか、そういう感じのやつをやりなさいって言われてたんで、とりあえず宿題やって、チャレンジをして。終わってからじゃないと、自分の好きなことができなかったんで。母は専業主婦だったんでずっと家にいたんですけど、とりあえず宿題と勉強やんなさいと言われてて。ちょっとやだなって思いながらやって、できるだけ早く終わらして、本読むみたいなのやってましたね。でもそれまでの時間がすごい長いなって思ってました。すぐ読みたいのになって。
のの:家族の仲は良かったですか。
蕗:そうですね。すごく特別良かったかって言われたら、自分ではそんなことないかなって思ってたんですけど。大きくなってから他のお家の話とかを聞くと、なんかすごい仲がいいというよりか、すごいウェットな関係だったんだなって思うようになって。姉妹ずっと一緒の部屋で、ベッドを二つくっつけて一緒に寝るんですよ。
あんまり大きくなるまでそういうことを意識したことなかったんですけど、本当にプライベートは全然ない家で。常に誰かと一緒にいるみたいな感じで、だいぶ大きくなるまで、お風呂とかも姉妹で一緒に入ってたんで。部屋余ってんのに、なんで一緒におるんかなっていうのは、高校生とかになってから気づきましたね。喧嘩とかはしてたんですけど、会話がないとかそういうお家の話も聞いたりしたんで、それから比べたら仲がいいっていうか。悪く言うと過干渉というか、そんな家やったんやなっていうのは改めて考えると思いますね。
のの:ありがとうございます。中学生、高校生ぐらいになってからは、何か変化とかはありましたか。
蕗 : 中学生のときは本当にいろいろなものに絶望していたというか。小学生のとき、友達とも遊びたかったなっていうのをずっと自分の中で意外と気にしてたみたいで。中学生になってからも放課後とか土日とかに友達と遊ぶってこともほとんどなくて。高校生になると、部活終わった後にちょっと友達とコンビニ寄ってアイス買うとか。それはあったんですけど、それぐらいしかほぼなくて。特に中学生のときって、中学校の校則がすごい厳しかったりとかしたんで、どこか寄るとかそういうのもできなくて、やっぱり中学生ぐらいって、私だけじゃなくてみんなすごい揺れる時期なんで。
友達関係とかがみんな揺れてて。私はすごいその渦の真ん中にいるみたいな感じではないんですけど、それの余波を受けて。特に、すごく巻き込まれたわけじゃないのに、人間関係のことをずっと考えてました。なんか悩むというか考えてました。
さっきもお話したみたいな、「猫かぶってるから、私には本当の友達はいないんだ」とか、「全てを見せられるのが本当の友達なんだ」みたいなことをずっと思ってて。それと全く正反対のところにいる自分、みたいなのに1人で絶望してて。
のの : はい。
蕗 : 高校生ぐらいになるとちょっと諦めがついてくるんですけど、それでもやっぱり、どんどん小学校のときより中学校。中学校のときよりも、高校っていうふうに上がるにつれて、明るくてみんなの前に立っても大丈夫、みたいなのからはどんどん離れていて。どっちかというと教室の隅で静かにしてる、前にはとりあえず出たくないし。クラスの中で賑やかにしてる子たちがいたらうらやましいなって思う反面、ちょっとああはなりたくは別にないけどなって結構ひねくれてましたね。中学のときよりは、高校のときの方がちょっと大人になって。でも仕方ないかっていう感じで諦めてました。そんな感じでした。
のの:なんかその絶望してた時期があって、前に出なくなったというか、そういうのがきっかけだったんですかね。
蕗:そうですね。中学校のときとかって前に出ないとは言いつつも、小学校のときからの同級生がそのまま中学校に上がってきてたりするんで。そんなにみんなの立ち位置とかが変わらなくて、おとなしくなってるけど、前に出てた頃の私を知ってる人たちとかもいっぱいいたんで。学級委員長とかもやってたんですよ。
のの : はい。
蕗:それをやってても別に変だと思われなかったんですけど、高校生になると地元の子たちだけじゃなくて、他の市町村とかからも、いろんな人たちが集まってくるんで。そうなると、あれなんか友達ってどうやって作るんだっけみたいな、仲いい人たちと一緒にいるってどうやるんだっけみたいな感じで。クラスで気の合う人たちと一緒にはいるんですけど、でもその中でも端っこにいとかないと、ここでは落ち着かないみたいな感じになってしまって。元々私の技術的にそんなに明るくできるわけじゃなかったのかもしれないんですけど、小学校の時はもう何も考えずにやってたのが、ちょっと大人になって考えるようになった、みたいな感じです。
のの:ありがとうございます。高校卒業されてから、その大学を生物の学部に進まれたと思うんですけど、その学部に進もうと思ったのって何でですか。
蕗:元々田舎の方に住んでるんですけど。ちっちゃいときから、自然に触れることが多いというか。犬飼ってたんですけど、よく犬を毎日散歩させるのに一緒に付いて行ってて。
植物の名前とか、生き物の名前とか。何かこういう動物は何かこういう動きをするけどそれは何でなんだとか。
そういうのに元々興味があって、しかも詳しかった人だったんで。犬の散歩のときに一緒に行きながらすごいいろんなこと教えてもらったりしてて。多分そこからすごい生き物に興味を持つようになって。その大学はやってることが面白そうだったのと、あとこれはちょっと仕方ないことなんですけど、生物の分野って最近だとDNAとか、そういうまだ分かってないことをやっていくっていうのが、学問の普通の流れだと思うんですけど。
のの:はい。
蕗 : 昔やられてた動物1匹とかがやってる、なんかこういう行動をするのはこのおかげだからとか、そういう勉強じゃなくて。やっぱり最近は細胞とかDNAとか、なんかそういう細かい話が主流なんですよ。なんですけど、私はやっぱそっちに興味が全然なくて、動物1匹の話、そういうレベルでの話を勉強したかったんで。でもそれができるところってちょっと少なくて、探したらそこだったっていう。そういういろいろなものがきっかけで、こないだまで行ってた大学に入ることに決めました。
のの:本が好きだと思うんですけど、そういう方に進みたいなとは思わなかったんですか。
蕗:すごく思ってたんですけど、文学とかそういうものにもすごく興味はあって。なんですけど、それを勉強として、こう…やれるかなって思ったときに、お仕事決めるときにもよく言われる方がいらっしゃると思うんですけど、好きなことを仕事にしてめっちゃ良かったって思う人と、仕事にしたら、好きなことが好きって思えなくなっちゃうみたいな。
本読むのとかすごく好きなんですけど、それを強要されたりすると楽しめなくなるかもって感覚が多分あって。そっちを多分無意識的に避けて来たのかなって思いますね。
のの:なるほど。大学生活はどうでしたか。
蕗:大学はすごく楽しくて。中高ももちろん楽しいところはあったし、過去の自分のことを、あの時期楽しくなかったから、みたいなふうに思うのは嫌なんですけど、それでもやっぱり大学の自由さというか、同時に厳しくあるんですけど、高校みたいに授業が決められてて、何時から何時まで絶対いなきゃいけなくてとか、そんな感じじゃなくて。自分で授業を決められて、ある程度の制限はあるんですけど、その中で自分の好きな勉強ができて。中高のときはすごい真面目な部分もあったので、授業なんて絶対休んじゃいけないみたいな、宿題忘れるなんて持ってのほかみたいな感じだったんですけど。
蕗:大学はすごく自分の責任で、やれれば何でもいいなって言う感じで、すごく気楽な気持ちになって。最初は決められてないのがすごい怖かったですけど、最後自分で決められるんだなっていうのがものすごく気分が良くて。研究を含めて、自分が本当に興味があることをとことんできるみたいなのがすごく楽しかったですね。
のの:大学院に進まれたのも研究したかったからですか。
蕗:そうです。大学院の入試とか、就職活動のときもよく聞かれたんですけど。私は動物1匹のレベルで勉強できるって思って入ったら、細胞とかの話の講義がすごく多くて。なんか思ってたんと違うなってなって。大学4回生のときに研究室に入って研究したんですけど、これが私のやりたかったことかって思って。なんか大学4年もいたのに、ほぼ1年ぐらいしか自分の好きなことできないんやなって思って。
のの:はい。
蕗:もう足りてないから大学院行こうって思って大学院に行きました。
のの:大学院に行って、そのご自身のしたいことってできましたか。
蕗:そうですね。動物の行動とか生態とか、そういう分野での研究をやらせてもらえたので。大学院の2年間の研究はすごい楽しかったですね。苦しくもあったんですけど、結果が出ないみたいな感じで。でもそれも含めて、すごくそういうアカデミックな場所に自分の身を置いて、ズブズブになってできたのはすごい楽しかったですね。
未来 : 人生って何が起こるかわかんないけど多分どうにかなるでしょうって無理やりポジティブな自分を引っ張り出してきて、ネガティブな自分を堂々としながらやって行くのかな
のの : 5年後10年後、あるいは死ぬときまでを想像してもらって未来についてどういったイメージをお持ちですか。
蕗:そうですね。基本的にネガティブなんで、とりあえず漠然とした不安がずっと多分あって。それは中高生ぐらいからずっとあるんですけど、社会人になるまではずっと不安で。でも社会人に1回なってみると、まだなって3、4ヶ月とかなんですけど、いろんな人がいるんだなっていうのがちょっとずつ分かってきたというか。私はすごい、ここまで絶対浪人はしちゃ駄目だし、留年なんてもってのほかだし、みたいな感じで1回もストップせずにずっとストレートで行くことが大事なんだって思ってストレートで来た人間だったんですけど。
のの:はい。
蕗:でも世の中には、いろんな理由で1年お休みしたりとか、ちょっと立ち止まって考えたりとか。あるいはすごい失敗して、一度は立ち行かなくなってしまった人たちとかがたくさんいて。そういう人たちも会社の上司とかにいるんですよ。でもそういう人でも一応今の状態になるまでずっと生きてきたんだなって思うことが、何回かそういう機会があって。
もちろんそのまま不安が不安としてあるんですけど。もしかしたら、そこまでめちゃくちゃ真剣に考えないといけないようなことが、これからずっと永遠に続くわけでもないし。何回か不安をすごく感じる、人生の岐路みたいなのがたまには出てくると思うんですけど。それで失敗したからといって、その後もうどうにもならずにすぐに死んでしまうのかっていったら、そんなわけではないんだなっていうのが、ちょっとずつ分かってきたんで。
自分のネガティブなところは、嫌いでもあるんですけど、それをすごく悲観したりしすぎずに、私ってちょっとネガティブだよねみたいな感じで思いつつ、人生って何が起こるかわかんないけど多分どうにかなるでしょうって無理やりポジティブな自分を引っ張り出してきて、ネガティブな自分を堂々としながらやって行くのかなっていうふうに、フワッとした感じで最近は、思うようになってきた気がします。
のの:もしも蕗さんが猫をかぶる性格じゃなかったら、どんな人生になっていたと思いますか。
蕗:猫をかぶる性格じゃなかったら、すごい良いところと悪いところがあるなって思ってて。猫かぶるのって、私はそういう選択をしたんですけど、それをされるとちょっと壁を感じるって人も実際いて。私もそういうこと言われたことあるんで、猫をかぶらずに人と接することができてたら、周りの人の力を借りてできたこととかがあったのかなっていうふうに思ったりすることがあって。なんでも1人でやんなきゃとかなっちゃうタイプなので、それがなかったら、できてたこともあっただろうなってちょっと惜しく感じることもあります。逆にその猫かぶらずにいたら、人間関係でもっともっと失敗してたことも、もしかしたらあったかもしれないなって。小学生の頃のまま調子に乗った感じでいて、でも人との距離は近くて、もうちょっと可愛げのある人になってたかもしれないですね。そんなふうに思います。
のの:ありがとうございます。何か死ぬまでにこれだけはしてみたいってこととかありますか。
蕗:そうですね。小さい時に禁止されてできなかったこととかは、ずっとやりたいんですけど、なかなかできてないことがいくつかあって。ケーキをホールで1人で食べてみたいなってずっと思ってるんですけど、ちょっと年齢的にも遅いなとか、そういうしょうもないこととか。あとは、好きな作家さんとかに、ファンレターを書いてみたいなってそれもずっと思ってるんですけど。いざ書いて、書くまではいけるんですけど出すのができなくて。その人に読まれることを想像しても、あーってなっちゃうし、読まれずにどっかに置かれることを想像してもワーッてなっちゃうんでなかなか勇気が出なくて。
でも、この無名人インタビューもずっと受けるか受けないかみたいな、ずっとワーワーやってて、でも今回実行出来たんで。死ぬのがあと何年後かわかんないんですけど、50、60年後ぐらいになったら、もうちょっとさすがに図々しくなってできるのかなって思うんで、その辺ですかね。
のの:無名人インタビューを受けようって行動できたのって何かきっかけとかあるんですか。
蕗:社会人になってしばらくして、疲れが出たのかちょっと体調を崩してお休みをいただいたんですよ会社から。なんで、平日の何も無い日なんて、そんな体調崩さない限りはないぞって思って。なんでちょっといつもと違うことしてみようかなって思って、深夜テンションで申し込んでしまって。後で昨日の私はなんてことしてしまったんだ!と思って。でも、すごく申し込んでよかったです。
のの:ありがとうございます。今もお仕事休まれてるんですか。
蕗:そうですね。1週間ぐらいのお休みをもらったんで、ゆっくりしなさいって言われて、ありがとうございますって言って、お家でダラダラしてます。
のの:もう最後の質問になるんですけど、最後に言い残したこととか、これだけは言っておきたいことってありますか。
蕗:やっぱりなかなか、全く知らない方に、自分の赤裸々なお話をする機会ってなかったので、事前に無名人インタビューするとこんないいことがありますみたいなのを読んだんですけど、すっきりするとか、気持ちの整理ができたとかっていうのを見て。そうなんだって思ったんですけど、こんなにすっきりすると思わなかったですね。良かったです。
のの:ありがとうございます。
あとがき
蕗さんはとても可愛らしい方で、すごく癒された1時間でした。相手の人に合わせて猫をかぶることって誰にでもできるわけではなくて、これってすごく蕗さんの長所なんだろうなと思いました。これからの人生にも不安なことって沢山あると思うのですが、蕗さんのペースで乗り越えていってほしいなと思います。本当に癒しパワーを沢山もらいました。ありがとうございます。
【インタビュー・文字起こし・編集・あとがき:のの】
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