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妻に感情に鍵をするのは何もいいことじゃないっていうのを言われた人

タイトルに一切見受けられないですが、ドイツと動物保護の話もあります。
いや、人物インタビューって、タイトルむずかし。むずかしいなあ。むずず。まあもう諦めたんですよ、その人ぜんぶをタイトルに封じこめるのはさ。むり。その人を表すことは。
なので、これは、その人の人生の一面を、サっとなでた「空気」です。香りです。残り香です。
もし、その人が部屋にいて、その部屋から出ていった。
それで、私だけがその部屋に入る。
そうすると香りがしたかもしれない。するのかもしれない。
なんだ? 誰だ? 誰がいたのか? 私は、誰がその部屋にいたかは知らない。
メモ用紙に、黒く長くインタビューがびっちり。文字が書かれている。
それを読む。
その時に、鼻先をくすぐった香り。
それがこのタイトルだ。
全部じゃない、その時のインタビューに漂った雰囲気をなぞった匂いがね、この言葉にはたちこめていると、いいな。
ねえ。じゃあ無名人インタビューゴッ!!!!!
【まえがき:qbc・栗林康弘(無名人インタビュー主催)】

今回ご参加いただいたのは クヴィオ さんです!

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instagram:https://www.instagram.com/almqvist1996/


現在:その1ヶ月で私ドイツで全然暮らせるなっていうのを確かめたので、2021年の10月に1年ワーキングホリデーで滞在して。その後はずっと妻と暮らしてって感じです。

🐳くじら:今、何をしている人でしょうか?

クヴィオ:ドイツでパン屋の販売員をしています。ドイツに来たの自体は2年前なんですけど、今の仕事を始めたのは2023年の1月の終わりぐらいからですかね。

🐳くじら:どういう経緯で今のお仕事に就いたんですか?

クヴィオ:最初の1年間はワーキングホリデーのビザで、ドイツだとミニジョブっていう月500ユーロぐらいまでは時給換算で働けて、その分は税金かからないよみたいなのがありまして。ワーキングホリデー中それだったらできるよっていうのでそのミニジョブを1年間やってました。

🐳くじら:はい。

クヴィオ:その後は何らかの仕事を見つけてビザ下りるだろう、みたいなのを考えてたんですけど、自分ちょっと時間というか期限にルーズなところがありまして、間に合わず。ワーキングホリデーのビザが切れた後って1回ドイツを出ないといけないんですね。ドイツがEUなので1回ロンドンに出国して、短期滞在のビザなし渡航が認められる90日のためにまた戻ってきて、そのうちに契約を見つけて、今パン屋で働いてるんです。

🐳くじら:ロンドンで今のお仕事を見つけたんですか?

クヴィオ:違います、ロンドンには1回旅行で3日だけ行ってみたいな。帰ってきたとき入国時には、短期滞在のビザ無し渡航は日本人のパスポートを持ってる人は90日できるので。皆さんもドイツ旅行のときは90日以内なら滞在できます。

🐳くじら:そうなんですね。

クヴィオ:なんですよね。よく言われてるかもしれないですけど日本のパスポートってやっぱり強くて。

🐳くじら:はい、90日間結構長いんですね。

クヴィオ:そうなんですよ、意外と長くてびっくりした。てっきり1ヶ月くらいかなと思ったんですけど。
ドイツ来た理由とか、多分聞きたいですよね。

🐳くじら:はい、お伺いしたいです。

クヴィオ:日本にいたときに語学学習用のアプリがありまして、それで今の奥さんと知り合ったんですね。

🐳くじら:はいはい。

クヴィオ:それが確か2019年の12月ぐらいで。じゃあ会えたらいいねみたいな話をしているうちに2020年になり、ご存知の通り、コロナで国が閉じ、世界が閉じた(笑)。

🐳くじら:ああ…(笑)。

クヴィオ:それで1年後に、さすがに当時我々、私が25歳で、妻が26歳だったので。付き合うにしても会いもせず1年以上もっていうのは難しい、みたいな話になったので、私が1回2021年の4月に1ヶ月、日本でしてた仕事を1回ちょっとお休みもらって
ドイツ旅行というか、暮らしてみて。
その1ヶ月で私ドイツで全然暮らせるなっていうのを確かめたので、2021年の10月に1年ワーキングホリデーで滞在して。その後はずっと妻と暮らしてって感じです。

🐳くじら:お相手は、ドイツの方ですか。

クヴィオ:ドイツ人です。あと1人、いわゆる連れ子というのがいて、10歳に今なってるんですけど。25歳でドイツに渡り、急に8歳の娘を持つという(笑)。そうですね、まあいいかって。今はもう10歳なので、若干ややティーンエイジャーに足を突っ込み始め(笑)。

🐳くじら:奥様は語学学習の講師の方だったっていうことですか?

クヴィオ:語学勉強のアプリのラングメイトっていうのがありまして。妻が1回日本に来てたんですね。言いようによっては多分Tinderみたいなアプリでもありまして、近くにいる人と繋がれるというか。僕が日本語を喋れるっていうのがあるじゃないですか。向こうが例えば英語を話せて、英語を学びたい人に教えられるので、日本語を話したい人と英語を話したい人が、いわゆるマッチングするみたいなアプリですね。半分ナンパ目的もあったんすけど、確かに(笑)。

🐳くじら:ドイツでの暮らしはどうですか。

クヴィオ:何でしょう、僕自身食べ物に頓着がなくて、何でも食べて美味しいって言うタイプなので全然食べ物も困らず。しいて言うなら、私は今、村に住んでまして。でかい家を探そうということで。そうすると公共交通機関がないんですよ、どうしても。

🐳くじら:はい。

クヴィオ:ドイツはかなり車社会なので、それこそちっちゃいバスが、2時間に1本片道だけ来るみたいな。そのちっちゃいバスっていうのがこの近辺の全ての村を縫って幹線バスが通るところに行くみたいな感じなので。それに乗って近くの幹線道路沿いの村に行って、そこからさらに村の幹線道路のバスに乗ると、大きい市に行ける、みたいな。
私が住んでるのがヴォルフスブルクっていう市の近くでして、サッカーの長谷部がいた。フォルクスワーゲンの工場があるんですけど、住んでるのがその近くの村なので。

🐳くじら:どれぐらいの規模の村なんですか。

クヴィオ:村に住んでるのが、多分300人もいないんじゃないですかね。

🐳くじら:結構皆さん知り合いみたいな。

クヴィオ:うん、まあ…。でも別にそんなに親しくもならないんですよねドイツでは。日本だと、なんか2.3回会った人のことを友達って言えたりするじゃないですか。

🐳くじら:ええ。

クヴィオ:ドイツだと本当友達っていうのにかなりのプロセスを踏まないといけなくて。でも友達って言えるぐらいまでになるとすごい色々よくしてくれるんですけど、近所の人っていうレベルだともうあんまり縁がないといいますか。

🐳くじら:へえ。

クヴィオ:例えばスポーツクラブとか、地域のやつがあったりするじゃないですか。そういうのに入って一緒に何かやってたりするとすごいすぐ仲良くなれるんですけど。村が村なので狩猟クラブとサッカーチームぐらいしかないんですね。いわゆる狩りじゃないすけど、マタギみたいな。

🐳くじら:はい。

クヴィオ:野球派なのはそうなんですけど、狩猟のほうは、それはちょっと、ちょっとなって思うじゃないですか(笑)。なので入れなくて。鹿とか狩ってて、そういう小さい村なので。

🐳くじら:今はもう奥さんと娘さんと一緒に暮らされているんですか。

クヴィオ:そうです。あと犬もいますけど。

🐳くじら:ご結婚されてるんですか。

クヴィオ:2023年の10月にしました。また結婚もちょっと面倒臭くてですね。多分「ドイツ 結婚」とかでGoogle検索をするとわかるんですけど、まず役所に行っていろいろ確認されるんですね。本当に偽装結婚じゃないのか、みたいなのを結構確認が入って。日本だと婚姻届出しました、おめでとうございます、で終わるじゃないですか。まずそれの予約を取って、そしたら結婚式っていうか、調印式みたいな感じでサインを書くんですね。

🐳くじら:はい。

クヴィオ:その式の予約を取らないといけないんですけど、それが大体埋まってるので2、3ヶ月ぐらいかかるんですよ。なので結婚しようって決めてから半年ぐらいかかり、プロポーズしてからだと10ヶ月になりました。

🐳くじら:なるほど。それでようやく今年の10月に結婚されたんですね。

クヴィオ:はい、ようやく。
妻がせっかくだからでかい結婚式をしたいって言ったんで、ちょっとお金貯めるかって言ってたんですけど、私が結婚すると当然配偶者ビザがおりるので。いつまでも労働ビザで契約更新とかでいちいち手続きするのが面倒臭いので、配偶者のビザを取ろうっていうので結婚したみたいなとこあるんですけど。

🐳くじら:なるほど。

クヴィオ:別に、どうせやること変わらんしええやろって言って。

🐳くじら:では今は配偶者ビザに切り替えたんですか。

クヴィオ:やっとこの間結婚式をして、役所に結婚したよっていう届け出をした後に、ビザの書き換えのために役所に行って。1ヶ月半ぐらい経ってやっと昨日ビザの許可が出たよっていうのが届きました。

🐳くじら:本当に直近ですね。

クヴィオ:ドイツは役所の仕事が非常に遅いんで、確認すげえしてるんだろうなとは思うんですけど、それにしても遅いな。例えばパスポートは日本だと1週間で出るじゃないですか、申請して。ドイツだと2.3ヶ月かかるんですよね。そういうところで何か文化の違いなんだなっていうのがありました。

🐳くじら:お仕事はどうですか。

クヴィオ:仕事は、パン屋の店員ってコンビニ店員みたいなレベルなんで、商品のパンを棚から取って袋詰めとか。今週は、ちょっとパン焼くシフトの練習みたいなのをしてるんですけど。それも別に我々が生地を練るわけじゃなくて、冷凍された生地を、ちょっとカボチャとかの種とかつけてオーブンに入れて、そうするとオーブンが全部焼いてくれるので、大したことはないんですけど。

私の仕事場が偶然老人ホームみたいなところの隣なので、そこの入居者の人と家族がお茶しに来たりするんですね。パン屋に併設でカフェみたいなとこがあるので。そういうのを見るとこういう家族の時間っていいなっていうのは、ぼんやりと思いますね。

🐳くじら:ええ。

クヴィオ:さっき言った通り、私の職場も街ではなく村に近いところ、大きめの村なので、そういう所ってやっぱり年取った人の方が多いんですよね。そういうなんかうさんくささ全開で言うなら、家族の繋がりみたいなのを見ると、なんかいいなって思いながら仕事しています。

🐳くじら:ドイツ語でお仕事されてるんですか。

クヴィオ:そうですね。当然、年取った人は英語なんて喋れないので。私が住んでるのが旧東西ドイツの東西の国境ぐらいのところなんですね。なのでちょっと歳いった人、同僚で50代ぐらいの人とかに話聞くと「英語わかんないわ、ロシア語は勉強したんだけど。まあロシア語も覚えてないけどね。」みたいな話をされるんですね。

🐳くじら:では結構ドイツ語でコミュニケーションは取れているんですか。

クヴィオ:そうですね、来る前にも東京外語大のウェブサイトでちょっと勉強しました。さっきも言った通り、来た当時8歳の娘は当然英語なんて勉強してないんで、娘とコミュニケーション取ったり。あと私が所属してるドイツの地域の野球チームに行くと、当然みんなドイツ語喋ってるんで。

🐳くじら:クヴィオさんご自身についてお伺いしたいんですが、ご自身の性格について周りから何と言われることが多いですか。

クヴィオ:性格ですか。そうですね、ちっちゃい頃から優しいまこちゃんと呼ばれ続けて育ってはいるんですけど。ただ、ちょっと身の上話にはなるんですけど、高校入学したぐらいからちょっと鬱を患いまして。

🐳くじら:はい

クヴィオ:それでしばらく長い長い闇の中をさまようみたいなことあったんですけど。家庭としては、いわゆる中流家庭で育ちまして、金銭に困ることはなく。ちょっと父親が稼ぎが良かったので、本当にそんな感じで育ちつつ。
塾にも行かせてもらい、私も勉強をそんな苦に思わなかったので。中学も受験したんですけど、中学受験では3校受けて全部落ちて。中学時代に高校受験のために3年間ほぼ塾に通い続け、高校受験は逆に全部受かり。これは未だに人生の自慢の一つなんですけど(笑)。高校名とかは、別に出さなくてもいいですよね。

🐳くじら:はい。伏せて大丈夫です。

クヴィオ:これちょっと自慢みたいに聞こえるんでしょうけど、東京にある国立の男子校に通いまして、これ一個しかないんですよね。

🐳くじら:調べたら分かってしまう(笑)。

クヴィオ:自由な校風で男子校だから同級生と馬鹿なことしかせず、だったんですけど。何でしょうね、次の大学受験もあるみたいなのをちょっと考えすぎたりして、なんかいろいろ思い悩んでるうちにちょっとうつ病になり、みたいな。
先生方のかなり大きなサポートもあり、高校は3年で卒業することができたんですけど。ただそしたら当然大学、周りはみんなそれこそ東大とか行くんですよね。そんな中で自分は3年間、家にこもり勉強もそんなできず。ただ周りと同じぐらい頭がいいみたいなプライドが微妙にあり。あまり他の大学に行こうとも思えず、じゃあできる勉強をちょっとずつしようって思っても当然手につかないのでっていうので、3年浪人しまして。

🐳くじら:はい。

クヴィオ:夜間生の大学に1回受かったんですけど、その後も大学の授業もやる気が起きず、1回留年しまして。その次の年に退学を届け出て、そこからアルバイトしかせずみたいな感じですね。フリーターですよね、いわゆる。
フリーターなのに塾講師をやってたんですけど。どうなんだろうとは思ったんですけどね(笑)。しかも個別なので。

🐳くじら:へえ。

クヴィオ:近所にある塾で。でもさすがに大学中退したやつ取らないだろうって思って面接に行ったら、「あ、じゃあ採用です」みたいな。こんなやつに生徒任せていいんですかとか思っちゃったんですけど、仕事は仕事なので何も言わず(笑)。

🐳くじら:はいはい。

クヴィオ:そんな感じで塾講師で2年ぐらい働いて、これがさっき言ったあの1ヶ月休みもらった仕事です。その後ドイツに来たって感じですね。

🐳くじら:ちょっと話は戻りますが、優しいまこちゃんと言われて育ったって仰っていた、具体的なエピソードとかありますか?

クヴィオ:大したことじゃないと自分では思うんですが、人当たりがいいのかもしんないです。エピソードの話はあんまり出てこないんですけど。

🐳くじら:はい。

クヴィオ:まあ気が利くとは言われますね。確かに、今働いてる場所は年取った人が多いので、物を運べないとかあるじゃないすか。そういうので、何か聞かれる前に持ってったりすると、ありがとうとか言われますよね。ちっちゃい頃とか、当然、男子児童ってみんななんかもう悪ガキみたいなのしかいないじゃないすか。

🐳くじら:そうですか(笑)

クヴィオ:そんな中で唯一私だけ、女子児童のお母さんたちにすげえよくされる(笑)。まこちゃんは優しいから、みたいなのを常に言われる。いや、自分ではあんまり何してるかわかんないんすよね。私も頭の中はガキなので(笑)。女子児童も別に私の前で私がいいやつだ、みたいなリアクションしないので知らないんですけど、どうやら彼女らは家では私のことをよく話しているらしく。1回なんでか知らないですけど、友達の母親から、「まこちゃんは王子様だから」とか言われたんですよ。

🐳くじら:おお。

クヴィオ:なんで?っていう(笑)
でも、妻からはけっこう社会性を学んでないとかもとも言われます。あと、妻からよく言われるのは家のことをすることを全く知らない、学んでないみたいな。

🐳くじら:家事とかってことですか?

クヴィオ:そうですそうです。最近言われるのは、そうですね、例えば洗濯物が溜まってるとしましょう。

🐳くじら:はい。

クヴィオ:そうすると私は今まで妻のところに行って、洗濯物溜まってるけど、みたいなことを言うんですね。すると、いや自分でやれよと言われるんですよ。確かにって思うじゃないすか(笑)。でも頭ん中に家のことを自分でやるっていうのがなかったんですよね。
母親が専業主婦で家のこと全部やってたんで。そうすると、言えば母親がやるみたいなのが当たり前になっていたっていうのはありますね。

過去:妻には感情に鍵をするのは何もいいことじゃないっていうのを言われて。そこからちょっとずつ感情を表に出すようにしたら鬱も快方に、というのはありますけど。

🐳くじら:性格から過去の話をご自身で話してくださいましたが、改めて、小さい頃、幼少期ってどんな子供でしたか。

クヴィオ:自分では思ってて、でも周りには全く言われないんですが、自分ではちょっとだけ一歩引いちゃうみたいな。一番クラスの中心みたいな男子児童にくっついて遊ぶけど、自分の意見はそんなに言わない、みたいな感じだった気がしますね。

🐳くじら:でも周りからは特に言われたりしたことはない?

クヴィオ:多分、そんな言われるようなことでもないんじゃないですか?それこそそういう方が中心的な奴は本当は楽じゃないですか。あんまり何も言わないみたいな。

🐳くじら:なるほど。

クヴィオ:でもちょっとキレるときがあったかもしれないですね、私は。キレる子供。キレて例えば物を壊すタイプっていうのはあったかもしれないですね。

🐳くじら:例えばどういう記憶がありますか。

クヴィオ:一番強く怒られたのが、たまに男子児童の中で挑発して回るみたいなやついるじゃないすか。そういうやつに、別に仲悪かったとかじゃないんすけどそいつにやられて、僕がカチンときちゃって。何言われたかとか全然もう覚えてないんですけど、キレちゃって。当時両面が開いて鉛筆削りとかが入ってるタイプの筆箱あるじゃないすか。なんかちょっと開くやつみたいな。

🐳くじら:長方形のやつですかね。

クヴィオ:それをそいつが持ってたんで、それをもうマジでキレて、床に投げつけた上で踏んでぶっ壊したんですね。

🐳くじら:うん。

クヴィオ:自分もいくら頭に血が上ってても当然気づくじゃないすか、俺やばいことしたなって思ったんですよね。それでトイレに閉じこもるという。そしたら当然友達が出て来いよとか言ってくるんすよね。大変だ先生呼んでるぞ、みたいな。そうすると便器の上に立って、上からひょこっと顔を出して「嫌だね。」って言ったらしいんですよね(笑)。キレるガキだなっていう。

🐳くじら:それはいつ頃の話ですか。

クヴィオ:これは確か小学校3年ですね。その後そういうクラスの中心的な悪ガキたちが「嫌だね。」って言うのが流行るっていうのもあった。

🐳くじら:(笑)

クヴィオ:当然私の母がそいつの母親に謝りに行ったんですけど、偶然その相手の母親もそんなすごくやばい親とかじゃなく。「や、うちの息子も何か言ったみたいだっていうのは聞きましたから。それはこちらこそすみませんでした。」っていうので和解したんですよね。私が住んでたのが世田谷区で、その中でもちょっと高級住宅街みたいなとこだったんで。悪い言い方をすると民度が良かったんですよね。すごい悪い言い方ですけど(笑)。なのでどこの親もある程度裕福である程度余裕があって、みたいな家ばっかだったんでそんなでかい問題という問題が起こらず、というのがこういう感じのエピソードを作ってるので。

🐳くじら:キレちゃうっていうのは、その後はどうでしたか。

クヴィオ:それが、中学に入る前に父親に言われたんですよね。父親も小学生の頃そういうところがあって。それで周りとうまくできなかった時があったけど、自分が堪えられるようになれば別に何も起こらないから。そもそもキレることもそんな大したことじゃないだろうし、自分が成長すれば何とかなる、みたいな話をされたんですね。
それで中学入って最初の1週間ぐらいのときに、同じ小学校で一緒に地元の中学上がった同級生がいて、そいつが1回キレたんですね。そのときの「あいつキレてる、うわ…。」みたいな周りの異様な雰囲気を目の当たりにして。他の小学校から上がってきた人もいるじゃないすか。そういうのを目の当たりにして、俺がまたキレたら周りからすげえ変な目で見られるかもしれない、みたいな恐怖じゃないですけど何かそういうプレッシャーを感じまして。

🐳くじら:はい。

クヴィオ:それで、気をつけようって自分で思って。そこから、それこそドイツ来るまではキレなかったですね、多分。
それに関して、妻には感情に鍵をするのは何もいいことじゃないっていうのを言われて。そこからちょっとずつ感情を表に出すようにしたら鬱も快方に、というのはありますけど。
確かに今思うと、感情を表に出さないことで、人間関係は円滑にはなったかもしれないが、結果として鬱を引き起こしたのかもしれない、みたいなのは思ってますね。

🐳くじら:高校の時に鬱を?

クヴィオ:そうです。高校1年の2学期始まったらもう全然学校に行けなくなり、朝起きれないんですよね。学校行かなきゃっていうのは頭にあるんですけど、体が動かない。

🐳くじら:そこから全然行けなかったんですか。

クヴィオ:出席日数があるから登校だけはしてくれ、みたいなのを先生から言われるんですよ。じゃあわかりましたって言って、朝、1限だけ行って、その後は授業で教室で寝てるか保健室に行かせてもらって保健室で寝てるか、みたいな。運がいいことに先生方もすごい良い人ばっかりで。保健室の養護教諭の先生もすごいよくしてくれて、多分そういうノウハウじゃないですけど経験もあるんでしょうね、多分。

🐳くじら:授業中寝てたんですか。

クヴィオ:そうです。先ほども言ったようにすごい自由な校風なので。中高一貫で私は高校だけなんですけど、中学時代はそれこそマリオカートを授業中に通信でやるみたいな高校だったらしく。

🐳くじら:え、授業中に?

クヴィオ:マリオカートDSってあったじゃないですか。その授業中に机の下で、DSのマリカを8人で通信するみたいな、そういう中学だったらしいので。寝るぐらいはどうとでもなる(笑)。

🐳くじら:先生はそれを容認してるんですか。

クヴィオ:容認はしてないですけど、無視をしている。うるさいと注意するけど静かにマリカをしてる分には、別に授業を淡々と進める(笑)。彼らは別に学校の授業を聞かなくても、東大に行こうとするタイプの学校の人たちなので、塾には行くんですよ。塾で勉強して、学校ではもう遊んでるんです。学校の授業より、塾の課題やる方が多いみたいな。いいのか悪いかは置いといてですね。

🐳くじら:高校1年の2学期ってことは夏休みの後ですか。

クヴィオ:そうです、夏休みの後です。

🐳くじら:高校入ってからそれぐらいの頃に、ご自身の中で変化というか、きっかけがあったんですか。

クヴィオ:きっかけっていうので最初に思い当たったのは、部活入りたいなと思ってハンドボール部に入ったんですね。ハンドボール部の夏の3年の先輩が引退した後の遊びのサッカー大会みたいなのをやったときに、ふと2年の先輩に何か言われたんです。全然もう覚えてないんですけど。

🐳くじら:はい。

クヴィオ:サクッと言われたその一言がなんかすごい重く感じて、それからハンドボール部に行けなくなり、そこからうまく学校にもいけなくなりみたいな感じで。でも別に、大きなきっかけだったとは思わないんですよね、それは。言った通り、もともと中学時代から勉強ばっかして、高校入ってからも絶対良い大学行くんだと思って、スタートから塾行き始めちゃったんですよね。そうするとなんかうわ全然できないわ、全然何もできないってなったときに、結構心がポキッとなるみたいな感じだったんじゃないすかね。

🐳くじら:そこからのご自身の気持ち的にはどんな感じでしたか。

クヴィオ:頭の中ではわかってるんですね、学校に行かなきゃいけない、というか学校には行った方がいい、が正解なんですけど。それこそ、勉強もしないと、いい大学に行かないと良い人生が送れないみたいな固定観念といいますか。
それがすごくずっと頭の中にあって、その結果やらなきゃいけないことが目の前にあるのにできない、そういう自分を責めたり、やらなきゃいけないっていうので頭がいっぱいになったり、みたいなのが多かったですね。

🐳くじら:高校卒業されて、浪人されてっていう中で鬱の状態の変化とかはありましたか。

クヴィオ:大学入らなきゃっていうのはずっと思ってしまっていたんで。2017年に大学に入学する前、だから2016年までは本当もう、俺は予備校行かなきゃ学習塾も行かなきゃ、みたいなのでなんかもうひたすら頭がいっぱいで。でもかといって当然鬱は良くなってないので、予備校いけない、ワーッていう。
例えば御茶ノ水の予備校に行ってたので、浪人1年目は当然同じ高校の同級生も何人かいたんですよね。だからそいつらと飯食いにだけ行って、午後の授業の前に帰って、ていうことはしてましたね。2年目は同じ予備校に行ってもどうせ行けないだろうっていうので環境を変えるために学習塾みたいなところに行ったんですけど。

🐳くじら:はい。

クヴィオ:当然学習塾もそんな行けねってなったりみたいな。3年目に私がちょっとオタクが入ってるので、アイドルマスターシンデレラガールズっていうコンテンツがあるのを知ってますかね。

🐳くじら:すみません、ちょっと存じ上げないです。

クヴィオ:そういうコンテンツがあってライブツアーがあるっていうんですね。それでも私はお金がない。うわ、周りはバイトしてるからツアーに行けるけど私にはお金がないっていう。それでバイトしよう、何か変わるかもしれないって思って、2017年に神宮球場でバイトを始めました。野球が元々好きだったので。
神宮球場で働いてると大学生が普通にいて、言っちゃ悪いですけどいわゆる私の同級生たちが行ってたような大学じゃないタイプの大学にいた人たちが、普通に楽しそうに話しとかしてるのを見て。

🐳くじら:うん。

クヴィオ:良い大学行くことって、楽しさに直結しないんだろうなっていうのは何となく思い始めて。それと同時に自分の中のプライドの面が、いやこいつらと同じレベルのことをしても別にいい人生かどうかわかんないだろうっていう頭の中で葛藤が始まって。でもその結果、夜間の大学でもいいかっていうので1個受けて、そこで一応大学生生活に入るという。

未来:完全に世界を閉ざしてしまうと、どうしようもなくなっちゃうので、ちょっとずつでも、それ自体がかなり難しいかもしんないすけど、身分、顔と名前がわかる人とコミュニケーション取るのって大事なんだろうなっていうのが、鬱だったときの自分で変わるきっかけになったので。

左からヤド、エラ、イナリ

🐳くじら:ありがとうございます。すみません、時間になってしまったので、未来の質問に入っていこうと思います。
5年後10年後、あるいは死ぬときまでを想像していただいて、未来についてどういったイメージをお持ちですか。

クヴィオ:私が今犬と暮らし始めて、いろいろ新しいことを知ったんですよ。私の妻が今ドッグトレーニングを勉強してて、一緒に動物保護関連の話をいろいろ知るようになったんですよ。それで今私ペスカタリアンていって、肉を食べないんですね。魚介と野菜と卵乳製品は食べてるんですけど。

🐳くじら:はいはい。

クヴィオ:妻はベジタリアンですけど。私はちょっとまだ日本行って魚食べたいなって思っちゃったんで、選択を後悔しないために次に日本行くまではとりあえずペスカタリアンでいようっていう状態です。そういう観点で見て、一概に言っちゃうんですけど、日本に住んでたときって全然そういうのを知れなかったなと思いまして。私は日本で生まれ育って日本という国が好きなので、日本でもそういうのをみんな知るようになったらいいなと思って。ちょっとそういう活動をしていきたいなっていうのが5年10年、その先のちょっとフォーカスみたいなのにあります。

日本でも犬飼ってる人って多いので、それこそ犬のトレーニングのYouTubeのチャンネルとかを作ったら面白いかなと思って、いろいろ計画はしてるんですけど。あとは、日本ではまだ殺処分とかもあるじゃないすか。

🐳くじら:はい。

クヴィオ:それはそれとして殺処分するしないというよりも、その前に結構日本ってペットショップの文化がありますよね。棚に並んでて、みたいな。あれ、私も別に普通だと思ってたんですけど、話を聞くと、まあまあ残酷な話で。ああいうちっちゃい子犬って世界をまだ知らないわけじゃないすか、赤ちゃんと同じで。

そんな中でいろんな人たちが覗き込んできて急に抱っこされたりって結構ストレスらしいんですよね。そういう話を聞いたりすると、人間よりも犬とか猫とかの精神安定の方が大事だなと思い始めたんですよ。
ていうのを考えると、日本で犬とか猫がそうなっててストレス感じてるのはかわいそうだなとは思ってます。ちょっと話がまとまってなくてすいません。

エラ、この子はクヴィオ家の犬ではなく里親として家族を探していました

🐳くじら:いえいえ。ご自身の未来そのものについてはどんなイメージですか。

クヴィオ:多分、働いている間はドイツで過ごす予定です。で、ドイツの農家の家ってすごいでかいんですよ。家があって、牛の酪農家とかだったら牛の小屋もあるわけじゃないですか。そういうでかい農家で、家族がいなくなったところとかって、普通に売りに出てたりするんですね。
当然田舎なんですけど、そういうところを買って、動物保護施設とか自分たちでそういうのを作ったりしたいなっていうのは我々夫婦としてすごいフォーカスとしてあって。

🐳くじら:なるほど。そういうイメージを、今持たれている。

クヴィオ:そうですね。これは絶対にやりたいっていう。

イナリ、この犬はルーマニアで悪質な繁殖家(子犬を作っては売る人)が耳が聞こえなく売れないという理由で動物保護施設に連れて来られたそうです

🐳くじら:もしもの未来質問ですが、もしクヴィオさんが奥さんに出会っていなかったら、どういう人生になっていたと思いますか。

クヴィオ:本当にそれはちょっと考えた事があって。出会って初めて私、フリーターでも少なくとも働こうと思ってたんですよ。出会わなかったらそれこそ働かないというか、ニートにでもなってたんじゃないかと思うんですよね、何も希望がなかったので。

私は高校生時代に理系だったのでとりあえずそっち方面の大学に入ったんですけど、大学生活も何もやる気が起きず、興味もそんなに出ず勉強にも身が入らず、せっかく入れたのにできない、みたいな。まだその時期は結構鬱がひどかったので、もう何もしなくていいや、みたいな気持ちになってたんですよね。その中で少なくとも何かやれと父親に言われ、当時彼女だった妻にも、お金なくてドイツに来て会えたりしないんだったら、私達関係続けられないよね、みたいな話をして確かに、と。
だからちょっとずつ働いて、ちょっとずつお金を貯めて渡航費にして、みたいな。だから本当に特に希望も持たずニートにでもなり、父親が働き終わるまで財産を食い潰してとかになってたかもしんないですよね。
正直私はその未来が見えててすごい嫌だったんですけど。

🐳くじら:奥さんと出会ったアプリを使おうと思ったのは?

クヴィオ:元々海外に旅行に行きたいというのはぼんやりと思っていて。親の金潰す気満々ですけど(笑)。でも知り合いが各地にいて案内してもらったり、それこそ泊めてもらえたりしたらお金も浮くし、みたいなので。運のいいことにある程度ではありますけど、英語が分かってコミュニケーションが取れるので。アプリで英語も書く機会が増えるので上達して、ラッキーだなと。

🐳くじら:やっぱり奥さんに出会ったことが大きな転機でしたか。

クヴィオ:本当にそうですね。過去に彼女がいたこともあるんですけど、元カノの悪口言うやつめっちゃ気持ち悪いんですけど、それまでって、私がうつ病で何かできなかったりしたときに愛想を尽かされてたんですよね。自分のせいではあるんですけど。妻の場合は「お前はうつ病を持ってるんだからできないのはしょうがないかもしれない。でもそこからまた何もしないんだったら何も変わらないだろう。」って言われて。ちょっとずつ付き添ってくれたんですよね。本当に偶然いい人に巡り合えたって感じです、私は。それは人生で一番のラッキー、幸運ですよね。

ガンギマリの表情ですが、遊んでる時の犬の表情のいいサンプルらしいです

🐳くじら:最後の質問なんですが、最後に言い残したこと、読者に向けてでも自分に対する気持ちでも、あればお願いします。

クヴィオ:鬱病の人って結構いるとは思うんですよ。そういう人って閉じこもっちゃうじゃないすか。だから外に出ろとは言えないんですよね、外に出るのが一番億劫なので。そんな中でもXとか掲示板とかで知らない人にだけ話してても、それって繋がりにはならないと思うんですよ。少なくとも顔と名前を知ってる人とコミュニケーションを取るのって結構大事だと思うんですよね。
妻も存在してたかは知らなかったんですよ。正直、ベルリンの空港に着くまで。本当はいなかったりすんのかなとか思ったりしたんです、心の中で(笑)。でも完全に世界を閉ざしてしまうと、どうしようもなくなっちゃうので、ちょっとずつでも、それ自体がかなり難しいかもしんないすけど、身分、顔と名前がわかる人とコミュニケーション取るのって大事なんだろうなっていうのが、鬱だったときの自分で変わるきっかけになったので。変わったかどうかは知らないですけど、少なくとも何かできるようになったので。っていうのが一つと、

くじら:はい。

クヴィオ:動物愛護のものなので、これも言いたくて。パグとかブルドッグって鼻短くてぶさかわみたいに言われてるやついるじゃないすか。ああいうのって、鼻の息するときに何かブヒブヒじゃないですけど音聞こえるじゃないですか。あれってすごい苦しいらしいんですよね、彼らにとって。でも知らないからぶさかわとか言っちゃうじゃないすか。命をペットにするのって、別にそれ自体はいいことだと思うんですけど、何も知らないでそれをするのってすごい無責任だと思うんですよ。

今、劣悪な環境で子犬作っては儲けるみたいな悪い繁殖家から救出されたコリーを飼ってるんですけど、彼は目が見えないんですよ、近親のかけ合わせのし過ぎで。そういうこともあって考えたときに、まず何か調べることって大事なんですよね、絶対。それに対して、それこそトレーニングとかもそうなんですけど、何も知らないでかわいいからって飼うと、ちょっと残酷なんですよっていうのは言いたいですね。

イナリはクソガキですがかわいいです

🐳くじら:犬のトレーニングから学んだことってありますか?

クヴィオ:例えば、1匹の犬にうまくいったからって全部うまくいくとは限らないんですよね。人間もそうじゃないすか、こいつの勉強の仕方全然合わない、みたいな。そんな感じで犬によって個性があるので。

🐳くじら:クヴィオさん自身もトレーニングされてるんですか?

クヴィオ:いや、妻が勉強してるので、そこからいろいろ教えてもらったり。ドイツにマーティン・ルター(Martin Rütter)という宗教改革の人みたいなカタカナ文字をしてるドッグトレーナーがいるんですけど、その人がすごく良いトレーナーなんですよね。ドイツで一番、世界で一番って妻は言うんですけど、すごい有名でなんならトークも面白くて。その人が言うんですよね。犬を見てそれで何が合うかのトレーニングを考えないとどうしようもないんだって。

🐳くじら:へえ。

クヴィオ:自分で考えてやろうとするタイプの、例えば柴犬とかってそういう独立心が強いタイプなんですよ。そういう犬に、飼い主の言うことをとにかく聞いて、それが一番喜びを覚えるみたいな牧羊犬タイプのトレーニングを柴犬に押し付けても、ただ何も聞かないで自分の好きにする柴犬が出来上がるだけ、みたいな話で。なるほどなって思いました。

エラはこんなに可愛らしいですが、40kg以上あります

🐳くじら:見るっていうの犬種を見るってことですか?

クヴィオ:犬種によって大まかな特徴があるので、それでどの犬が自分達に合ってるかを選んで、さらに個性を見てトレーニングをする、という感じです。犬種がこれだからこうだっていうのも、それこそ日本人は勤勉だっていうようなもんで。大量にいるだろう日本人で何もしねえやつ(笑)ていう。それって確かにって思いますし、面白いなと思いました。あと大事だなと。

🐳くじら:今は奥さんと一緒にお勉強されているんですか。

クヴィオ:そうですね、妻が勉強したことを聞いてなるほどなって相槌を打つのが多いですけど。私は何も知識がないので、そうなんだって思いながら。でもそれってこうじゃない?みたいなのを言うと、勉強してるのでちゃんと説明してくれて、ありがたいなと思いますね。
私が今、3匹の犬と暮らしてるんですね。その犬がさっき言った通りの、目が見えないやつと、耳が聞こえない白いルーマニア出身のやつがうちの二匹なんですね。あと1匹が、我々が里親で新しい家族を探してるみたいな犬がもう1匹いて。ルーマニアの路上上がりの。

ヤド、Japan(ヤーパン、ドイツ語で日本の意)とDoitsu(ドイツ、日本語でのドイツのローマ字表記)の初めの二文字ずつをとってJado(ドイツ語読みのJはYと同じ)でヤドです。コリーにはコリー眼異常という遺伝性疾患を引き起こす遺伝子を持っていることが多く、盲目の犬の割合が多いです。眼が見えなくても犬は走れますが、それを知らないままブリーダーが子犬を生産し続け、日本のシェルターに行き、殺処分ということも当然あり得ます。

🐳くじら:奥さんだけじゃなくて犬との出会いでも結構変わった部分がありますか。

クヴィオ:そうですね、犬の散歩ってどうしてもしないといけないので、そうするとやっぱ自然に外に出るんですよね。それも結構私には良く働いて、私のうつ病も快方に向かって。
結構犬がいると、インスタのよくあるイラストの投稿とかで見たんですけど、なんかいい話系の。犬ってやっぱり家の中で糞尿をさせるのも嫌じゃないすか。だから散歩に連れて行くので、自分から行きたいってくるんですよね。まだたまにベッドで鬱がひどい時があるので。そうすると自分から来て、ベッドの端に頭を乗せて動かなくなるんですよね。かわいいんですけど。それでじゃあわかったよ、行くよって。何かすると気持ちってちょっと晴れて考えることが変わるので、そういうので切り替えられて、結構うまくいったりしますね。

🐳くじら:わかりました。ちょっとお時間が来てしまったので、インタビューはここまでにしたいと思います。ありがとうございました。

クヴィオ:ありがとうございます。

あとがき

インタビュアーの🐳くじらも辛い時期に海外に行って、すごく救われたことがあったので、クヴィオさんのお話も共感する部分がたくさんありました。

辛いと思うことって本当に人それぞれだなと思います。とんとん拍子に大学を出て日本で社会人生活している多くの人は、海外での暮らしなんて考えられない、そんな勇気は出ないと言います。その反面、大学受験などがきっかけで鬱を患ってしまったクヴィオさんは、ドイツに訪れてパートナーさんと生活し、動物保護活動に関わろうとしている。とても軽やかに環境の変化に馴染んでいる印象でした。

提供していただいた写真も、豊かで美しい自然と溌剌とした犬さんたちの表情が印象的で、動物たちにもとても良い環境なのが伝わってきます。今後の動物保護の活動、ご自身の体調を第一に、ご活躍をお祈りしています。今回は無名人インタビューにご参加いただき、ありがとうございました!

【インタビュー・編集・あとがき:くじら】

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