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#オペア留学2:30万円で海外生活。夢を叶えた先で出会った新たな夢とは
オペア:30万円で海外生活。夢を叶えた先で出会った新たな夢とは
毎年、ある制度によって数多くの若者たちが見知らぬ土地へ旅立ちます。彼らの目的は、他人の子供を育てること。一見奇妙に思えるかもしれないが、これが「オペア」という名の冒険の始まりです。
こんにちは!あもかです。インタビューシリーズ「世界へ飛び立て!」では、留学中の私”あもか”が、インタビューを通してみなさまに、世界中いろんなところで活動する人たちの声をお届けしていきます。
目的はただひとつ!
「読んでいただいたみなさまに、元気を、パワーを与えること!」
です。
激しく楽しんでいってくださいね!!!!!
さて、さっそく冒頭で出てきた「オペア」について。
オペアとは、若い外国人が海外の家庭に住み込みで子どもの世話をしながら、文化体験と語学習得の機会を得るプログラム。単なる「育児のための国際交流」ではなく、その実態はもっと深くなっています。
オペアの特徴:
- 初期費用が安い(渡航費や保険込みで20-30万円程度)
- 滞在費が安い(家賃・食費は無料)
- 子育てをしてお金がもらえる(アメリカの場合、週215ドル以上)
- 最大500ドルまでの学費補助で現地やオンラインの学校に通える
-アメリカの場合、最低1年、最大2年滞在できる。
オペアは家族の一員として迎えられ、日常生活を共にします。子供たちの笑顔、親との信頼関係、異国の文化に浸る毎日。それは映画のワンシーンのような瞬間の連続です。
もちろん、言葉の壁やカルチャーショック、ホームシックなど、苦労も多くあります。しかし、その苦労があるからこそ、この経験が特別なものになることでしょう。
「オペアの冒険:異国の家族と紡ぐ成長物語」
みなさん、こんにちは。今日は、私たちが体験したオペアという素敵な冒険について、お話しします。あみさんとわたし、2人の経験を通して、オペアの世界をのぞいてみましょう。
想像してみてください。見知らぬ国で、新しい家族と暮らし、異文化に飛び込む冒険を。それが、オペアなんです。
あみさんの物語
サンフランシスコから北に車で30分。2023年の2月、一度たたれた夢を諦めきれず、オペアという制度で形を変えて、憧れの大陸に足を踏み入れた女性がいた。あみさん、22歳。
ディズニーをこよなく愛し、アメリカで稼いだお金の多くはグッズやディズニー旅行代に消えるほどの本格ぶり。はっきりした性格で、気配りができる姉御肌の彼女は、現地就労というアメリカで見つけた新しい夢に向かって進み続けている。いったいどんな人生を歩んできたのだろうか。
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夢の種が植えられたのは小学4年生の時だった。
幼少期のあみさんは、若いときに教会に通っていた祖母の影響で、英語に興味をもつようになった。彼女は世界への憧れを抱き、積極的に英語を勉強するように。彼女の心は次第に海外という大きな夢に向かって育っていった。
彼女の夢は、ただの憧れではなかった。
「小学校4年生のとき、歌やダンス、パフォーマンスを通じて国内外で公演やワークショップを行うヤングアメリカンズが学校に来たんです。」
ワークショップを受ける6年生たちを見て、これがやりたいとあみさんの心に火をつけた。そこで、異国の文化や言葉に触れ、彼女は心の中に確かな目標を持つようになった。「いつか海外に住みたい」そんな思いは、10年以上かけて育まれる。
家庭内は不穏な空気が流れ、スポーツやバイトに向き合う学生生活
東北地方で育ったあみさん。幼いころからバレエに没頭していた。「母に勧められたから。何度も辞めようと思ったけど、やめるチャンスを失い、気がつけばいまも、アメリカでどうにかバレエに関われないか探しています」そう語っていた。
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高校は野球部のマネージャーをしながら、自営業を営む祖母のもとでアルバイトもした。休みの日は朝8時には家を出て、夕方5時まで働くことも。しかしある日、「それは仕事じゃない。家事手伝いだ」と父に言われ、口論になる。そこから1年間、必要最低限以外は口を聞かない生活が始まったのだ。
そんな中迎えた高校2年生の冬。就職や進学など、まわりは少しずつ進路を考え始めるようになった。
四年制大学に進んで、そのまま日本で就職して欲しいと願う母親と、2年間東京の短期大学に通って、3年次に海外の大学に編入して向こうで卒業したいと願うあみさん。
スポンサーである父を説得するため、1年以上ぶりにまともに顔を合わせた。そして、「どうしてもこの専門学校に行きたい」告げると、「やりたいことならいいんじゃないか」と賛成してもらえた。
「意外でした。タカが外れたかのようにこの1年間の話もして、今までのわだかまりも少し解けた気がしました。」
コロナ禍に上京し、制限はあるものの、キラキラした生活だった。
東京での大学生活は、あみさんにとって新たな挑戦の連続だった。
「英語での授業で、わからないし、ついていけない。周りの友人がどうやってそこまで流暢な英語を身につけたのか、最初のころは苦しかったです。」
劣等感を抱えても、決して諦めることはなかった。月に一度のディズニーランドでのひとときが、彼女の心をリフレッシュさせ、東京での生活を支えていた。
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しかし、短期大学の卒業を控え、アメリカの大学に編入しよう!と準備を始めた矢先、思わぬどんでん返しに遭う。
「やっぱりだめだ」
家族が反対し始めたのだ。
やっぱり諦めたくない。夢に向かってついに動き始めた。
金銭的、家族の反対を受けて、編入の夢は諦め、そのまま短大を卒業することにした。しかし、どうしても、アメリカに住みたいという夢が消えることはなかった。
なんとかしてアメリカで生活できないか。
そう思っていた年明けのある日、オペアを知った。
「これだったら、貯金が少ない自分でも参加できると思いました。」
ワクワクが戻ってきた瞬間だった。短大2年目の夏休みに入ってから、小学生の時に通っていた学童保育で保育経験を積み、車の免許をとり、プロフィールを作成して本格的にオペア留学に向けて動き始めた。
夢の大陸:アメリカでの新たな日々
2家族からオファーをもらい、何度も話し合いを重ねた結果、日系二世のパパと、ヨーロッパ系のママ、未就学児の子どもが2人の家でオペアをすることになった。
そして2022年2月。卒業式に出ることなく、アメリカへ旅立ったのだ。
アメリカに到着すると、あみさんは新たな環境と生活に直面した。
「不安は全くなかったかといえば嘘になります。でもそれ以上に、ずっとアメリカに行くのが夢だったから、渡米前はワクワクが溢れていました。いざこっちでの生活が始まると、今すぐ日本に帰りたい!と思うほどのホームシックはありませんが、慣れない環境でのストレスやカルチャーショックはたくさんありましたね。」
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まず思い出したのが食問題。日本食もたまに出るものの、脂っこい料理が多く、断る勇気もなく食べ続けたら胃もたれすることがよくあったらしい。ストレスの少ない食事を心がけるようにして、カレーや白ごはん、野菜を自炊して食べるようにしている。
それと接客態度の違い。「いい意味ですごい適当です。日本ほどトイレや電車が綺麗で安全なわけではないし、飛行機でお茶を頼んだら、熱々のお茶が足にこぼれて、めちゃくちゃ暑いのにOh Sorry と軽く終わらされてびっくりしました。」
やはり文化の違いは感じるようだ。筆者も、ご飯が餃子だけだったり、車がないとどこにもいけなかったり、路上駐車が当たり前の文化だったり、ささいなことで日本との違いを日々感じている。
あみさんがアメリカに来た際、ホストキッズは「イヤイヤ期」真っ只中だった。自分の子どもを産むのが怖くなるほど、何をしても、近づくだけで拒絶された。
次第にその困難も楽しさに変わっていった。「そうか。嫌なんだね。いくらでも待つよ。ってひたすら無になって関わりましたね。」そう微笑むまぶたの裏には、相当の工夫があったはずだ。
彼女はアメリカの文化に溶け込み、子どもたちと過ごす時間の中で、自分自身も成長していった。
彼女の1日は7時15分から始まる。
子どもを起こして、朝食や準備を済ませて、ランチを持たせた上で学校へ送り出し、放課後の遊び相手とお風呂や寝かしつけをする。
シフト制で、土日も仕事のことが多い。
英語力はどうやって身につけたのだろうか。
「はじめは私も何をしたらいいか迷いました。ドラマを見たり、本を読んだり、いろいろ試しましたが、実戦に勝るものはないと気づいてからは、ひたすらホストファミリーや彼氏や友人と話すようにしています。」
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筆者は正直、オペアでは劇的に英語力が伸びることはないと思っている。完全英語の環境下でホストファミリーと過ごしていると、子どもとの会話で使う簡単なフレーズや、リスニングは求められるものの、正直ボディランゲージでどうにでもなる。
同年代とディスカッションできるレベルやビジネスレベルにするには、中学英語レベルの文法や単語をある程度知った上で、外に出る環境を作り、話し続けるしかないと思っている。
子育てをして、想像以上の大変さで自分の子どもを産むなんて無理だ。とみんな通る道がある。あみさんも、わたしもそのうちの1人だろう。
あみさんの気分転換は、オフをいかに充実させるかだった。学校に通ってできた友だちや、SNSやアプリで知り合った多国籍の友人たちと出かけたり、稼いだお金でディズニーに推し活をしたり。明日から頑張ろう。と思えるよう時間をかけてリフレッシュ方法を探していた。
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そして彼女は、「子育ては無理だ」と思いながらも、1年半も育てると愛着が増し、日々の小さな変化に感動を分けてもらっている。
「子どもが3歳だったとき、イヤイヤ期が終わり、急にすれ違った人に大人ぽい口調で話しかけたり、お手洗い行ってくるね。というと、ちゃんと手を洗って拭くんだよって言ってきたり。(笑)大変だけど飽きないし、愛着も湧いて可愛さが増すばかりです。」
住み込みで生活費がかからない分、お給料も週休215ドルから(イントラックスの場合)という低賃金。果たしてどうやって生計を立てているのか。
「え、全然足りませんよ(笑)でも日本時代の貯金には手をつけず、こっちで稼いだお金だけで過ごすようにしています。うちのファミリーは家の車を自由に使わせてくれるし、ガソリン代も出してくれて、お願いしたら日本食も買ってきてくれるので、なんとか生き延びています。」
オペアはみな、1年間の任期終了が近づくと、家族やエージェントから2年目を延長するかどうか聞かれる。日本に帰る人、家族を変える人、同じ家族と過ごす人、選択は人それぞれ。あみさんはここでもう1年過ごすことを決めていた。
「もともと2年のつもりでアメリカに来たんです。2年目更新のときに家族を変えるか悩みましたが、0から慣れないといけないリスクもあるし、周りの友人は意地悪な家族・相性が良くない家族になって苦労しているのも知っていたので、同じファミリーでの延長を決めました。」
1年半経って、これから思い描く未来とは
1年目は慣れるのに必死であまり旅行に行けなかった。オペアとしての残り半年は、マイアミやメキシコを旅したい。と話してくれるあみさん。その先の未来はもっと大きな夢を抱いていた。
「学生としてアメリカに残って、いずれは就労ビザで働くのが今の目標です。ホストファミリーが学生生活をサポートしたいと言ってくれているんです。学費はピンキリで、何百万もします。人とコミュニケーションをとるのが好きなので、ホスピタリティ系の勉強をして奨学金も借りて叶えていきたいです。」
「実践型の自分が、コツコツと座学を受けられるのか。一生アメリカに住みたいわけでもないし、正直不安はあります。」
満面の笑顔の裏にも、葛藤や孤独を感じる瞬間が何度かあった。あみさんの物語は、彼女の夢と努力の積み重ねによって描かれている。
彼女の人生は、様々な挑戦と経験を通じて、輝かしい未来を築いていく過程そのものであると言えるだろう。
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あなたの中の冒険心に火をつけて
オペアは、単なるベビーシッターではない。自分の人生を根底から変える、壮大な冒険だ。
最近何か物足りなさを感じていないかい?
あなたの中にも、きっと眠っている冒険心があるはず。海外に住んでみたい、そんな夢がある方は、オペア留学を考えてみてはどうだろうか。
あみさんや私の経験が、あなたの中に秘められた可能性を呼び覚ますきっかけになれば嬉しい。オペアという選択。それは、あなたの人生を思いもよらない方向に導くかもしれない。
その一歩を踏み出す勇気はあなたにもあるはず。
オペアの世界は、驚きと発見、そして成長の連続である。きっと、想像以上の経験があなたを待っているはず。一緒に、新しい世界への扉を開いてみよう。
#インタビュー #オペア #ベビーシッター #海外 #留学 #子育て
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