理想論を言えば好きな人とだけコミュニティを作ってその中で生きられたらいい人
私qbcは父親が死んだ時に喪主やって、おばあちゃんちの実家で死んだから、秋田の本荘というところでお葬式だったんですよ。私は23区内じゃないけど東京都下(03じゃない地域ね)で生まれ育ったんで、そういう生活環境人間関係から見たら、もう十分に秋田県本荘市というのは「田舎」というものだったんですけど。
そのお葬式で、近隣の方がお通夜にきていただいたんですけれども、もー訛りがきつくて何を言っているのか分からない。分からないのに喪主として挨拶全員にする、という謎体験をしました。人生で、後にも先にもこれで最後でしょうこんなことをするのは、と思いながら。
で、うちは母vsおばあちゃんのバトルの構図があったんで、私の母は先に東京帰っちゃって、おばあちゃんと一緒にお葬式の後始末なんかしてたんだけど、その時にお金ないから、香典のお返しを半返し(香典の金額の半分の物で帰す)じゃなくて、もっと少ない額のお返しにしようと提案したところ、おばあちゃんが「そんなことしたらこの土地で生きていけなくなる!」と半分叫びながら言っていて、あー地方で暮らすというのはこんなもんなんだな。
東京で生きることは名無しで生きるようなもんであって、隣に誰が住んでるかなんて分からんのよね。世間というものは崩壊してると思う。
というか、東京で生まれ育った私は世間というものが、コミュニティというものが、分からんのよ。いや待てよ何も東京で生まれた云々関係なく、私自身がそういうことに無頓着なのかもしれぬ。嗚呼。
ということで訳のわからぬままに無名人インタビューgo!!!!!
【まえがき:qbc・栗林康弘(無名人インタビュー主催)】
今回ご参加いただいたのは 棚橋祐介 さんです!
https://www.instagram.com/t.h.y.s
現在:好きなのは内観と哲学と、人間観察です。
ナカザワ:棚橋さんは今何をしている人ですか?
棚橋:山形県の西川町で地域おこし協力隊として活動をしている傍ら、自分の本質を見つけるセッションというのをやっています。合わせて天然石の販売、占い、霊視もしています。大まかに言うとそんな感じですかね。
ナカザワ:まず、地域おこし協力隊としては具体的にどんな活動をされているんですか。
棚橋:株式会社CASEという会社に所属して、地域おこし協力隊として派遣されています。一言で言うと、空き家活用、移住定住の促進ですね。
ナカザワ:空き家の活用はもともとご自身で希望されたミッションなのでしょうか。
棚橋:会社が地域から委託を受けて、指定の事業をやってくれる人を集める、という流れで派遣されているんです。入口としては、空き家を活用して自分のやりたいことをやりませんか?というものでした。僕は教育に興味があるので、寺子屋を空き家でやりたいなと思っていました。
ナカザワ:なるほど。今は寺子屋を運営されているんですか。
棚橋:いえ、ちょっと会社の事情で、6月に西川町に派遣されて、まず社員教育をやりました。
ナカザワ:所属している会社の社員教育ですか。
棚橋:そうですね、その後に会社としての方向性を修正する期間に入ったので、町に対してはまだ教育に関する活動ができてない状況です。
社内のメンバーを中心に教育をしているんですけど、なぜ働いてるのか、なぜ生きてるのか、そういう問いかけをしていました。これは、僕がやってるセッションにも関連する問いですね。
ナカザワ:自分の本質を見つめ直すセッションは具体的にどういったものですか。
棚橋:社内教育の中でもやってるように、なぜ生きるか。なぜ生まれたか。どうありたいか。どう生きたいか。自分とは何者であるか。この五つの質問を深めていくというのが自分の本質を見つけるセッションです。
ナカザワ:社員教育とおっしゃっていたので、今は社員の方に向けて実施することが多いと思いますが、いつから、どういった方に向けてされている活動なんでしょうか。
棚橋:このセッションの名前で再構築したのは1週間前ぐらいですね。
ナカザワ:あ、最近なんですね。
棚橋:そうですね。僕、「在り方」っていう言葉が好きなので、それを取り上げたセッションはコロナ前ぐらいからやっています。
オープンチャット、ブログ、instagramで集客していましたし、そのとき一緒に働いていた人も友人知人も受けてくれていましたし、幅広くいろんな年代の人が受けてくれていました。深堀り、内観、自分を深く知る。といったようなところですね。
ナカザワ:ありがとうございます。他に、天然石の販売や霊視といったキーワードが出てきたんですが、この辺りは具体的にどういったことをされているんでしょうか。
棚橋:天然石はほぼ置いているだけになっちゃってるんですが、instagramのアカウントと、BASEでは販売しています。
占いも、昔は頑張って集客していたんですけど、今は占いでお金をもらうということはやってないですね。話のタネ、ツールとして使ってます。
ナカザワ:占いはどういったものですか。
棚橋:占いと一口に言っても、皆さんそれぞれ捉え方が違うと思うんですけど、霊視も占いの手段の一つですし、カードリーディングもそうですね。タロットは今使ってないんですけど、オラクルカードっていうカードだったりとか、星読み、星座占い、あとは四柱推命とか、九星気学とか、統計学的な占術もありますね。
その中で、僕はどちらかというと霊視、感覚的なものを使った占いをしています。昔は手相、人相、顔相もやっていたし、タロットカードを引いていたこともあるし、マヤ暦っていう暦を使っていたこともあるし、数秘術も少しだけかじっていましたが、今は霊視と手相ぐらいに絞っています。
ナカザワ:商売ではなくて、コミュニケーションツールなんですね。
棚橋:そうですね。あとはそれを使って人事、採用もやっています。
ナカザワ:人事で占いを使うというのはあまり聞いたことがないですね。
棚橋:占いというよりは霊視の感覚的な部分を使っています。
うちの会社でミートアップをよく開催してるんですけど、人数が多いと参加者全員と話せるわけではないので、うちの会社に合うか合わないか、感覚的な部分での判断をしています。
僕も普通に社員の立場として参加しつつ、代表が話してる間に全員の画面を見に行って、みたいな。
もちろんそれが採用の全てではないですけど、ひとつの要素として見ていますね。
ナカザワ:なるほど。
収入を伴う仕事としては株式会社CASEから西川町に派遣されている状況かと思うんですが、先ほどのセッションも仕事としてやられてるんでしょうか。
棚橋:そうですね、これは料金設定しています。
ナカザワ:ご自身の中で仕事、働く以外にやっていて楽しいことはありますか。
棚橋:僕が好きなのは内観と哲学と、人間観察です。
ナカザワ:普段から内観してるっていうことですか。
棚橋:そうですね、内観を日常にっていうのが僕のテーマの一つです。
ナカザワ:ちなみに、哲学が好きっていうのは、どういった意味なのでしょうか。理論を学ぶんですか。
棚橋:僕の中で哲学という言葉の定義は問いを立てることなので、何でもいいですね。なぜ今ここで喋ってるかっていうのも哲学の一つなので、誰がどう言ってるかとかは全然興味がないです。人それぞれの中に哲学があるはずなので、その人がどう考えてるか、僕がどう考えるかが大事かなと。
ナカザワ:問いを立ててその答えについて思いを巡らせるみたいな。
棚橋:そうですね。誰かと話すのでもいいし。
ナカザワ:なるほど。あと人間観察が趣味って言うことですけど。
棚橋:それを目的に外に出ることはないですけど、関わる人を観察することが多いです。
深くまで見るというよりは、イベントや買い物に来てくれる人に対して、こういう感じの人なのかな、みたいなことを考えるのが面白いです。
ナカザワ:人間観察のときはどこを見ることが多いんですか。
棚橋:非常に難しいですね。感覚的な部分で見ていることが多いので、その人の目の動きが、とか、所作がこうで、とか、そういう判断軸ではないです。面白そうな人を見ていますね。
ナカザワ:面白そうな人。
棚橋:interestの面白さですね。なぜこの人はこうしたんやろ、という。生き様というか、そういう生き方を選択している理由ですね。
ナカザワ:なるほど。
棚橋:インナーチャイルドって言われたりするんですけど、過去のトラウマみたいなもので。幼少期、保育園、小学校、中学校、そういうころの家庭での出来事とか、学校での出来事が消化されずにずっと渦巻いて今に影響しているっていうのが僕の基本的な考え方なんですね。
だから、なんでそういう行動に出るんかな、なんでそういう発言になるんかな、なんでそういうことになるんかな、という問いに対して、この辺が原因になりそうやな、と考えるのが面白いです。変な趣味ですけど。誤解を恐れずに言うと楽しんでいます。人によりますけどね。どうでもいい人って言ったら言い方おかしいですけど、別に見たいと思わない人もいますし。
過去:間に入るのが得意なんですよね。緩衝材というか、橋渡しというか。
ナカザワ:棚橋さんは子供の頃、どんなお子さんでしたか。
棚橋:どれぐらいの子供の話ですか。
ナカザワ:覚えてる限り古いものはいつでしょうか。
棚橋:そしたら、幼稚園ですかね。
恥ずかしがり屋さんでした。おしっこに行きたい、が絶対に言えなかったんですよね。それが僕のインナーチャイルドというかトラウマの映像の一つなんですけど、みんなの前でおしっこを漏らしてしまって自分で掃除するっていう映像がはっきり出てくるんですよ。
ナカザワ:はい。
棚橋:でもみんなを引き連れて遊ぶ、っていう面もあったので、1人ぼっちではないですね。これをやろう、と声をかける一面もあったし、縁の下の力持ちも好きなんですよね。
ナカザワ:今もその恥ずかしがり屋さんの目もあるんですか。
棚橋:今はあまりないですね。
ナカザワ:学生時代はどんな学生でしたか?
棚橋:小学校はちょっと幼稚園の影が見えていたんですけど、中学校高校は生徒会長やるぐらいの人でした。
小学校とかまでは全然そういう様子はなかったんですけどね。中学校で担任の先生に、生徒会やってみるかって言われてやったところから始まって、文化祭の指揮者をやったりとか、生徒会長になり、高校はキャプテンやったりとか、そうなってきましたね。
ナカザワ:中学校の先生は、なぜ生徒会をやってみないかって言ったんだと思いますか。
棚橋:なんででしょうね。間に入るのが得意なんですよね。緩衝材というか、橋渡しというか、取りまとめ的な。
ナカザワ:生徒会とかリーダー的な立ち位置にいることについて当時はどんな気持ちだったんですか。
棚橋:そのときは天狗でしたね。人を見下すようなところもあったので、一目置かれてドヤ顔みたいな感じですね。
ナカザワ:それは生徒会長とかになってからの変化ですか。
棚橋:そうですね。あとは、引いて見るというか、ちょっと斜に構えていることが多かったですね。通知表の中にも書いてあったんじゃないかなと思います。斜に構えるところがありますって。
ナカザワ:生徒会長とかやってることに対して、周りからどのように言われたんでしょう。
棚橋:本音はわからないですけど、「すごい人」みたいな感じですよね。会長になれるのは棚橋くんでしょ、という雰囲気はありましたね。高校のバドミントン部もそんな感じで部長になってましたし。
できないことはやらない、できることだけやるっていうのが方針なので、そつなくこなすタイプでしたね。できることしかやらないんで。うまくのらりくらりとやってきました。
ナカザワ:できないことはどうしてたんですか。
棚橋:どうしたんでしょうね、スルーしてたんですかね。人に渡したりとか。
ナカザワ:なるほど。高校卒業後は大学行って、お仕事に就かれるという感じですかね。
棚橋:そうですね。教員免許を取るために大学に行って、大学の1回生からやり始めたユニクロのバイトが面白くなってユニクロに就職しました。
ナカザワ:ここで教育が出てくるんですね。
棚橋:中学校のときはただ、教員というものに憧れて教員になりたかったんですけど、大学に行って、教職の授業を受けて、面白くないなと思ったんですよね。面白くないというか、ぱっとしないな、と。あとはユニクロの方が面白かったので、ユニクロを選んだんです。社会人でユニクロで2年半働いた後に、スピリチュアルな世界にも出会って、この国の教育が時代に合ってないっていうことに気づいて、作り直したいというか、時代に合うものにしていきたいという考えが出てくるようになりました。
ナカザワ:なるほど、まず、ユニクロはどういうところが面白かったんですか。
棚橋:スピード感ですかね、会社の。時代に適用しようというスピード感とか。社長の意見が売り場に反映される早さも面白かったですし、やったことが評価されるという早さもあったので、どこまで評価されるかやってみようと思って、ユニクロの社員になることを決めたんですよ。
最後は店長になりました。
最初の半年で店長の資格は取れたんですけど、その後の半年、現実と理想のギャップに悩まされる日々がしんどくて、そこからがまず第1の地獄の日々でした。その後いろいろ立て直して、1年後に店長にならせてもらったんですけど、店長は半年だけやってやめました。
僕の場合は最後の1年は店長になるための研修というか練習というか、勉強をして1年間活用したんですけど、なかなかそういう人はいないので。
ナカザワ:店長になることを狙って入る人はそもそもいないんですか。
棚橋:最初、全員が店舗に配属されるんですよ。店長を目指して、店長になってから本部に行くのか海外に行くのか、そういう仕組みでした。今は変わってる部分もあると思うんですけど。
ナカザワ:店長になったあと辞めたのはどんなきっかけだったんですか。
棚橋:辞める半年前、店長になってすぐのときに、大阪でアルバイト時代から繋がりがあった仲のいい同僚がビジネスをやり始めたんですよ。それに誘われて、大阪に戻って、一緒にビジネスをやり始めました。その時間を作るためにやめたって感じですね。
ナカザワ:ビジネスっていうのはどういったものだったんですか。
棚橋:一応ちゃんと物はあったんですけど、ねずみ講に近かったですね。
ナカザワ:ユニクロよりもそのビジネスを選んだのはなぜだったんですか。
棚橋:金と地位と名誉を求めて。
ナカザワ:そちらの方が金と地位と名誉が得られるっていうことですか。
棚橋:金が地位と名誉になると思ったからですね。
ナカザワ:なるほど。ちなみにスピリチュアルな世界との出会いはいつごろの話ですか。
棚橋:それはそのビジネスをやり始めて半年ぐらい経ったときですね。2018年の6月にユニクロをやめたんですよ。そのあと、2019年の1月にスピリチュアルに出会いました。
ナカザワ:きっかけは何だったんですか。
棚橋:そのときはビジネスをやっていたので、人との繋がりを増やすために交流会に行ってたんです。
そこで出会った男の子がスピリチュアルな感覚というか、相手の人の名前からその人のエネルギーとか、過去とか、今を読み取る能力のある子だったんです。そのとき、僕もそれがわかる、わかるというかそういう感覚をずっと持ってたっていうことに、その人のおかげで気づいて、自分の中にもそういうスピリチュアルなものがあるんやっていうところに気づいたのがスタートでした。
ナカザワ:内観とかその時自身を見つめるっていうところにも関わってくるんですか。
棚橋:そうですね、でもそれはその後かな。2019年の9月ぐらいから内観というか、自分とは何者であるかみたいな部分を深める講座を受け始めましたね。それと同時期に、インナーチャイルドを癒す、認める、深堀りしていく、ヒーリングの講座も1年間受けたんですよ。
ナカザワ:その間はずっとご友人とビジネスをやっていたんでしょうか?
棚橋:ビジネスは2019年の3月に辞めました。スピリチュアルに出会ったときに、このビジネスは良くないって思ってやめました。やり方が良くなかった。
もう今はそのビジネスも解体されて、路線を修正されたトップリーダーの方も多いです。上層部の人も、この仕組みは良くないって言って辞めていった人も半分ぐらいいるんじゃないかなと思います。
そのあと、大阪で出会った方が山形に移住したっていうのを聞いたんです。
2023年の4月に、友達の結婚式に行ったんです。そしたらその会場にその方も来ていて、その後お茶でもしようか、ということで山形の話を聞いたんです。で、6月から地域おこし協力隊の新しい募集が始まるから、っていう話を聞いて、じゃあ行きます、と。それで今に至ります。
ナカザワ:じゃあ行きます、ぐらいな感じだったんですねですね。行くのを決めたときは何をされてたんですか。
棚橋:そのときはユニクロにいました。ユニクロは3回入り直してるんですよ。一回やめて、ビジネスやって、ユニクロに戻って、コーチングの個人事業主になって、コロナになって、またユニクロに戻って。
ナカザワ:なるほど。
棚橋:そのあと辞めて山形に来たので、とりあえず3回辞めています。
ナカザワ:辞める入るに対して結構フラットな感じなんですね。
棚橋:そうですね、ユニクロは、どこに行っても同じ仕事なんで。多少の店舗の大きさの違いで店舗のルールはあるんですけど、それだけ覚えれば同じ仕事なんですよね。
ナカザワ:なるほど。そのまま、山形行っちゃおうかなっていう。
棚橋:行っちゃいました。
未来:好きな人とだけコミュニティを作ってその中で生きられたらいい
ナカザワ:今後の活動も含め、ご自身として未来に対してどんなイメージをお持ちですか。
棚橋:つい1ヶ月ほど前に婚約したので、その方との未来がまずあって。
今作ってるセッションも一緒に構築してくれていて、LP作ったり、毎日投稿しているリールの内容を見てくれたりしているんです。
オンラインでそういうセッションをしつつ、いろんなところを飛び回りながら生きていきたいなと。ちょっとした有名人になってセミナーに呼ばれるとか、講演会をするみたいなことはやってみたいと思っています。
ナカザワ:飛び回るのは物理的にですか。
棚橋:そうですね、対面のセッションもありだと思います。
ナカザワ:住む場所としては、今は山形だと思うんですけど、移る予定はありますか。
棚橋:山形はちょっと雪が多くて、動きづらくなりすぎちゃうので、西日本がいいかなと思っています。西日本か雪の少ないところですね。
ナカザワ:地域おこし協力隊の任期までは山形にいらっしゃるかと思うんですけど、その先はまた移動するんでしょうか。
棚橋:地域おこし協力隊は1年ごとの更新で、最長で3年なんですけど、それを待たずでもいいかなと思っているぐらいです。
ナカザワ:なるほど。地域おこし協力隊の中の活動の中で、当初想定されていた教育分野のゴールは今どのような状況ですか。
棚橋:リアルな話をすると、今あんまり会社とまちとの相性が良くなくなっていて、継続していくのが現実的ではない可能性もあり、人生の方向性を模索している途中ですね。
ナカザワ:最終的に、どういった人生にしたいですか。
棚橋:同じビジョンとか目的、目標を持った人たちのコミュニティを作りたいと思っているんです。自然派の考え方、自給自足というか、できるだけ生活にかかるお金を抑えて、食べ物をシェアしたり、物々交換したり、なんなら欲しい人にあげる。それが巡り巡って自分のところに帰ってくるという世界、コミュニティ。実際にそういう生活ができる人たちの中で生きていきたいと思っています。子育てもシェアしたいですし。
ナカザワ:目指すライフスタイルは現時点ではどのぐらい達成されてますか。
棚橋:1割ぐらい、1割もあるかな…。ほぼお金でのやり取りですし。
ナカザワ:お金が地位だと思っていたときとは全く違う考え方なんですね。
棚橋:そうだったからこそ逆に、ですね。お金に対してネガティブだった時期が長いので。
ネガティブになったのは社会人なってから、お金というものを自分で生み出すというか、稼いで使うようになってからですね。
2020年に自己破産もしているんですよ。事業で失敗して、というわけでもないんですけど、そのときに使ったお金も含めて負債が重なって。だから払うのも怖いし、もらうのも怖いし。払ってもらうのも怖いし。自分がすすめた結果人がお金を払ってるのも嫌で。自分にお金がないから、その人もお金がないんじゃないかって思い込むんですよ。
ナカザワ:なるほど。
棚橋:人がこんなことにこんなにお金を使うはずがない、みたいな思考も入ってしまうので、営業ができないんですね。自分が本当にいいと思ってるものでないといいって言えないです。
ナカザワ:ありがとうございます。棚橋さんにとって、山形に住もう、というのはどういう思いで選択されたことなのでしょうか。
棚橋:在り方っていう言葉が好きって僕言ったと思うんですけど、在り方をもとにした生き方の選択っていうのをテーマにしているんです。
僕は在り方を、意識を置きたいもの、というふうに定義をしているんですね。僕の在り方は、気楽に面白楽しくなんです。
ナカザワ:はい。
棚橋:だから、面白そうか楽しそうかっていう判断軸で選択するんです。例えばこのインタビューを受けるのが面白そうか楽しそうかっていうのを、判断軸にしてるんすよ。ただそれだけです。
こんなことを得られそうだから、みたいなのは副産物かなと思っていて。山形に行って教育ができそうっていうのは副産物、思考の部分だなんです。だから、感覚的な部分。「いややな」って思うか、「ええやん」って思うか、できるだけそれだけで判断するようにしています。
ナカザワ:なるほど。実際に山形に行ってみてどうでしたか。
棚橋:めっちゃ面白かったですね。思っていた教育ではない教育をすることになりましたけど、自分がやりたい方向性の教育というか、社員の在り方、生き方を見直すことになりました。
会社や社員一人一人がミッション、ビジョン、バリューを設定する段階だったので、僕のやりたいと考えている人生の方向性の問いかけができる機会で、とてもおもしろかったです。今は一旦それを設定して全社でそれを揉んでいく段階に入ったので、1人1人の面談の時間は減ってしまったんですけど、いい経験をさせてもらったと思っています。
今は会社と役場の間でいろいろいざこざがあるので、大変ではありますがそれも含めて良い経験かなと。地域おこし協力隊をやめても会社には残って人事労務で働こうかなと思ってもいるし、会社もそれでいいと言ってくれているので、そこからでも自分のやりたいことの延長線上にあることが続けられるかなと思ってもいるので、いい方向にはいるんじゃないか、あるんじゃないかなと思ってます。
ナカザワ:ありがとうございます。棚橋さんはそれまで縁がなかった場所に暮らしてる方でもあるなと思っていて、実際に、いわゆる地域、都会ではない地方に関わることに関してはいかがでしたか。
棚橋:田舎暮らしをしてみたいとは思っていたんですよ。でも40歳ぐらいになってからかなと思っていたので思ったより早くなりました。
地域に対してどう思ってるかという点では、誤解を恐れずに言うと、近所づきあいがめんどうくさいなって。理想論を言うと好きな人とだけコミュニティを作ってその中で生きられたらいいと思っているので。もちろん、共存なので、いろんな考え方の違う人がいるのを受け入れてその中で生きていく必要はあると思うんですけど。もっと付き合える人を選べたらいいのになと思うことはあります。
ナカザワ:なるほど。
棚橋:自分が生まれた家だったり、生まれた場所だったりを大事にする、それを受け継いでいくという風習があるじゃないですか。今はそういう色は減ってるかもしれないですけど。
そうじゃなくて、ここに住みたいと思うところがあるんやったらそっちに行ったらいいと思うし。伝統も人との繋がりも大事だけど、そこに強制感を持たせるんじゃなくて自分がもっと好きなところを選べる世の中になってもいいんじゃないかなと思ってはいます。
ナカザワ:なるほど。
棚橋:僕も生まれは田舎なので、当時は違和感を持たずに子供会とかいろんな集まりに参加していたんですよね。ただ、いろんな考え方に触れてから山形に来て、それをより強く思っています。
別に今あるコミュニティを否定するわけじゃないですけど、もっと選択肢があってもいいんじゃないかなと思っています。
ナカザワ:ありがとうございます。
あとがき
地域で暮らすことを肯定的に捉える人、そして、そのことをアイデンティティにしている人、とても増えているなと感じます。
そんな中での、今地域にいる人のインタビューでした。
いる場所や仕事、人など人生において優先させるものは一人ひとり違いますが、棚橋さんは「自分である」ことを前提として生きる人。自然と働き方もいる場所も変化し続けていくなかで、流れつき、そしてまた次の場所に移っていく過程の中で山形があったんだと思います。
ちなみに余談ですが、いわゆる田舎なまちの人と話すとよく、「ユニクロが遠い」「もっと近くに欲しい」と聞きます。
みんなが欲しいものが売っているのか、みんなが買えるものが欲しいのかわかりませんが、ユニクロに行ける状態にあることは都市生活の水準を示す何かになっているのかもしれません。
【インタビュー・編集・あとがき:ナカザワ】
#無名人インタビュー #インタビュー #自己紹介 #スピリチュアル #地方 #ローカルな人