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言ったところで変わらんからもう言わんでいいか人
むかしむかし、ある村に、黙守(もくしゅ)という若者が住んでいました。黙守は以前、様々なことを伝えようとしましたが、何も変わらないと感じ、「もう言わなくていいか」と、心の声を閉じ込めるようになりました。
村人たちが困っているのを見ても、
良いアイデアを思いついても、
何か気づくことがあっても、
「言っても変わらないだろう」と、
そっと黙っているようになりました。
ある日、村の賢者が黙守に語りかけました。
「声を閉じ込めることは、種を蒔かないことと同じ。今は芽が出なくても、いつか必ず育つ種があるものじゃよ」
黙守は驚きました。「でも、何度言っても何も変わらなかった...」
賢者は続けました。
「言葉は、時として雨のようなもの。すぐには効果が見えなくても、少しずつ地面に染み込んでいくもの。それに、あなたの声を待っている人もいるかもしれないよ」
後に黙守は、少しずつ自分の言葉を取り戻していきました。
すべてが変わるわけではありませんでしたが、
時には誰かの心に届き、
時には小さな変化を生み、
時には思いがけない実を結ぶこともありました。
そして黙守はこう語るようになりました。
「言葉は、種のようなもの。いつ芽を出すかは分からない。でも、言葉を投げ出すことは、可能性も投げ出すことなのかもしれません」
そして「蒔かぬ種は、芽を出さず」ということわざが、この村から広まっていったとさ。
めでたし、めでたし。
と思う2025年1月27日10時46分に書く無名人インタビュー1002回目のまえがきでした!!!!!
【まえがき:qbc・栗林康弘(作家・無名人インタビュー主宰)】
今回ご参加いただいたのは さ さんです!
年齢:30代前半
性別:女
職業:インストラクター
ミミハムココロ:
今、何をされている方でしょうか?
さ:
一応、マシンピラティスのインストラクターをしているんですけど。休職をしてオーストラリアに来ています。6年ぐらいホットヨガのインストラクターをしてたんですけど、同じ会社の中でマシンピラティスの事業部に異動をして。その6年で転勤をして出会った人の影響もあって、今オーストラリアのパースっていう所に2ヶ月だけ休みをもらってきてます。
ミミハムココロ:
2ヶ月というのは、ご自身で決めたんですか?
さ:
本当は元々「もう会社を辞めてワーホリに行こうかな」って考えてたタイミングで「サバティカル休暇」っていう、休みを取れる制度ができて。その期間です。
ミミハムココロ:
オーストラリアでの生活はどうですか?
さ:
ちょうど丸1ヶ月ぐらいになるんですけど、楽しくなってきました。最初の2週間はクリスマスホリデーというのもあって学校に行ってなくて、日本人の友達としか遊んでなくて、年始から学校に行き始めて、違う国の友達ができたりして楽しくなってきたかなっていう感じです。
ミミハムココロ:
新しい友達ができて、どういうところが楽しいんですかね。
さ:
英語はビギナーのクラスなんで、お互いそんなに英語を話せない状態ではあるんですけど。元々新しい人と仲良くなったりするのは好きなタイプなので、それだけで楽しい。みんなフレンドリーで明るいし。テキストのトピックもユニークやし、それに対するみんなの考えも日本じゃ考えられないような内容で面白いです。あとは日本だったらこんなこと思われるかな?とか、気にしちゃうけどそれもあまり気にせずいられるのも楽です。学生に戻れて最高。
ただ、日本語だったらすぐに自分が思ってることとかを伝えたり聞いたりできるけど、英語だとパって出せないのはもどかしいです。
ミミハムココロ:
お仕事以外の時間は何をされているんですか?
さ:
こっちでは仕事はしてないので学校にいくだけです。オーストラリアは今夏休みで学生は電車代バス代が全部フリーなんですよ。無料の実習スペースとか図書館とか、イベントも色々あったりするので出かけたり、家でダラダラする日もあります。友達にはオーストラリアにいるのにもったいないって言われますけど笑
ミミハムココロ:
日本にいた時の暮らしと比べたら、今の生活はどうですか?
さ:
仕事がないのが最高です。ただちょっと不便。他人と住んでるので気を遣ったり、知らない土地で言語も文化も違うし。夜中にお腹空いたなってなってもコンビニとかないし、スーパーのお菓子も安くて300円、お惣菜も1000円くらいする。今住んでる家は駅から徒歩27分、バスに乗れればいいけど本数かなり少ないし時間通りにこない、、でもなんやかんや楽しんでますまだ。
ミミハムココロ:
日本にいる方とやり取りとかはされてるんですか?
さ:
いや、あんまりしてないですね。でも、家族とか仲いい友達とかは「どんな感じ?」みたいなたまには連絡するんですけど。でもそんなに頻繁に連絡を取ってなくって。インスタのストーリーとかでこっちの様子をあげたりするので。見てくれてはいるし私的にも近況をそれで伝えてるつもりなんですよね。
あとは、日本の友達がこっちでワーホリをしててその友達と一緒に住んでるので、毎日日本人と喋ってるからなんかそこまでホームシックになってないっていうか、っていうのはあるかもしれない。「ワーホリは結構仕事が見つからない」と聞くんですけど、私今まだ休職中で日本に仕事があるっていう安心感もあるから気楽にいれるんかなっていうのも思います。仕事を探さなくていいっていう。
ミミハムココロ:
今回のオーストラリアまでに海外経験とかはありましたか?
さ:
もう旅行だけです。本当に数日。3、4日の旅行ぐらいしか行ったことがなくて。ワーホリも行こうかなって思ってたんですけど長期間で行ったことが無かったんで、このサバティカル休職がちょうど良くて。下見兼練習というか。この2ヶ月で「ワーホリしたい」って思ったら仕事を辞めてこようかなって思ってて、「もう無理やな」って思ったら戻って日本で仕事を続けようかなっていうところですね。
ミミハムココロ:
今でちょうど1ヶ月経ったとおっしゃってたじゃないですか。今もし決断を迫られたらどっちに傾いてますか?
さ:
今だったら「ワーホリしたいな」って思います。
ミミハムココロ:
それはどうしてですかね。
さ:
こっちに来てから日本人の知り合いもできたんですけど、日本の仕事を辞めてきて、2年ぐらいワーホリしてて「帰りたくないとか違う国にいってみたい」とか言ってるのを聞いて、なんか来ちゃえばいけるかもっていうのがあるのと、わたし今年31歳になるんで、ビザがもう本当にギリギリで。ラストチャンスなのもあって、ですかね。
でも来て2週間ぐらいは、全然日本の方が良いと思いました。ハウスオーナーに話しかけられても何て言ってるか聞き取れないし、学校もまだ始まってなかったしその心配もちょっとあって、英語が話せる友達ですら中々仕事が決まってないのを見たり、家とか生活とか町とかはやっぱり日本は断然便利で安全で綺麗。お正月も日本で過ごしたいなって思いました。おせち食べたい。
ミミハムココロ:
今回、このインタビューに申し込んでくださった動機っていうのでしょうか?
さ:
たまたまパースでワーホリをしているここのインタビューアーの子と知り合って、「こういうのやってて、面白いからよかったら受けてみてほしい」って教えてくれて面白そうやなって思ったし。今ちょうど自分が休職してワーホリの下見にオーストラリアにきてるっていうので、話してみようかなって。
ミミハムココロ:
ヨガを6年ほどその会社でやっているっておっしゃってたじゃないですか。ヨガをやってる時ってどういった気分ですかね。
さ:
どういった気分…普段だと用がなくてもすぐ携帯見ちゃったりテレビ見たりすることが多いんですけど、ヨガの1時間って強制的に外部情報をシャットアウトできるのがいいと思います。
あとはまあ、体も動かすのでそれだけで気持ちいいっていうのもありますね。本当に体と心は繋がってる(笑)
あとは自分がインストラクターをして誰かがヨガを好きなるきっかけになるっていうのは素敵な仕事やと思います。
仕事ではホットヨガをずっとやってたんですけど、香川県に転勤した時に、「BORN TO YOG」っていうちょっとヨガから派生した「YOG」っていう新しいメソッドに出会ったんですね。「BORN TO YOG」は結構自由なスタイルで、ハードに動くんですよね。逆転とか後屈とか少し難易度もある。こんな大人になってからでも、できないことができるようになるってのが楽しくて好きです。
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ピラティスに異動したのは会社の辞令で。私はヨガの方が本当は好きかなと思います。
ミミハムココロ:
日本でもオーストラリアでもどこでもいいんですけれど、好きな場所はありますか?
さ:
仕事で2年半ぐらい住んでたんですけど、香川の高松は好きです。気候も良くて自然が近くて、友達もいっぱいできて楽しかったんで思い出がそうさせてるのはあります。
ミミハムココロ:
先ほど「ワーホリにもともと興味があった」っておっしゃってたんですけれども、それっていつぐらいの時期ですかね。
さ:
ワーホリに興味を持ったのは香川に転勤したときに仲良くなった女の子が前にシドニーに留学してたことがあって「ワーホリでもう1回いきたい」って言ってて。その子の性格とか元々の部分もあると思うんですけど、尊敬できたり憧れるところがあって。「なんか海外にいったらこんなふうになれるんかな」って思ったり。
あとは、私京都が地元で26歳までずっと実家にいたんですけど、香川に行った時に新しい友達とかYOGに出会ったりとかして。「外に出たら良い出会いがあるんや」っていうことに気づいて。「香川に行ってそんな出会いがあったんだったら、海外に行ったらもっと色んなことが見つかるかも」って思いました。
ミミハムココロ:
今からですね、5年後とか10年後20年後、最後死ぬところまでを想像していただいてですね、未来ってどうなってると思いますか?
さ:
オーストラリアに来る前は、もうあと数年で結婚して、子供産んで、日本で家建てて、とか生活を想像してたんですけど。こっちに来てから、もしワーホリするってなったら5年後や10年後の未来すら思い浮かびません「想像してなかった未来が待ってるかも」って思う。
ミミハムココロ:
「これだけはやらないと死ねないな」みたいなことはありますか?
さ:
せっかく女の人に生まれた特権でもあるじゃないですか、お母さんになるとか妊娠とか出産の経験って誰でもできるわけではないから「子ども産みたいなあ」とはちょっと思います。
ミミハムココロ:
今行ってみたい場所とかはありますか?
さ:
あー、フランスに行ってみたいです。
ミミハムココロ:
どうしてですかね。
さ:
BTYの先生がパリに住んでて景色とかが素敵やなって思って。
ミミハムココロ:
ワーホリってオーストラリア以外も選べるんですけれども、もし「ワーホリ行ってきていいよ」って言われたらどこか行きたい国はありますか?
さ:
いや、それがちょっと迷ってて。パースもすごい良い所なんですけど、オーストラリアの違う都市にいくか、カナダのトロントもおすすめされたんでそっちもちょっと興味あるけど。でも私暖かいところの方が好きなんでオーストラリア、んー、迷いますね。
でも、それこそヨーロッパの方も行きたい気持ちもあるんですけど、そっちだったらまた全然英語じゃないしなっていうのはあります。
ミミハムココロ:
帰国して最初に何がしたいですか?
さ:
温泉とかお風呂とか入りたいです。日本は冬だと思うので。「めっちゃこれがしたいからはやく帰りたい」みたいなのは無いですね。
ミミハムココロ:
残り1ヶ月ぐらいあると思うんですけれども、どう過ごしていきたいですか?
さ:
遊びに行って、もう少し友達もできたら嬉しいですね。
ミミハムココロ:
今は誰かと暮らしてるんですか?
さ:
あ、そうです。その香川にいた時の友達が夫婦でワーホリしてるんでその夫婦と一緒に住んでます。
ミミハムココロ:
ちょっと珍しい形かなと思うんですけれども、一緒に暮らすというのはどうですか?
さ:
あー、そうですね。でもそれは意外と大丈夫っていうか、みんな学校とか仕事とかにバラけるんで、本当に寝に帰ってるだけみたいなのもあるし。
奥さんの方は社会人になってからの友達で、旦那さんの方は大学の時の私の友達で、両方ともすごい仲が良くて気も使わないし、居心地は全然いいですね。
ミミハムココロ:
最後に、今回のインタビューの感想でもいいですし、自分が最後死ぬ時の遺言だと思っていただいてもいいんですけども、何か一言いただければ。
さ:
えー、そうですね。なんか振り返ったりとか未来を想像しても、「自分の人生って楽しいな」って思いました。楽しかったし、これからも楽しみ、これからも楽しくなるやろうって思います。
あとがき
ありがとうございました。
ヨガとか瞑想とかってやったこと無いんですけど、なんか「心身が整う」って聞くんで興味はあります。片岡鶴太郎さんのイメージ。
ちょっとジャンルは違うんですけど、春休みになったら修行体験をしてみたいなと前から思っていて、最近は京都の宝泉寺のWebサイトをちょくちょく見ています。最短やと2泊からでも体験できるらしくってこれがとても魅力的なんですよ。せっかくやるなら1週間くらいやりたいんですけどね~。せっかくせっかくやるなら坊主にしてから臨みたいんですけど、まもなく社会人になるのでさすがに坊主は厳しいのかなとも思いつつ悩んでいます。だって坊主って最高に気持ち良いんですよ。
中学生の時に野球部だった僕は当然のように3年間坊主でした。でも抵抗があったのは最初の断髪前だけで、それ以降はメリットばかり感じて大好きになっていました。風呂あがりは頭にタオルをぽんぽんっとするだけでいいし、風が当たるとなんとも気持ち良いもんです。僕の家系は基本的におでこから禿げるんですが、もし突然変異で頭頂部から寂しくなろうもんなら潔く全剃りにするつもりです。というかもし僕が結婚に縁のない人生だったら、僧侶を目指すのもいいかもなあなんて思ってます。
【インタビュー・編集・あとがき:ミミハムココロ】
#無名人インタビュー #インタビュー #ヨガインストラクター #オーストラリア
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