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自分で作った自分でやったっていうのがシンプルに嬉しい人
バッドボーイバッドガールのみなさま、お元気ですか?
おとめ座A型のqbc、栗林です。遊んですごした幼年期を追えて、少年、青年、をなんなく乗り越えて、いつのまにかはてさて中年期にさしかかってきました!
晩年! の足音が聞こえてまいりますね。ぐぐぐ。
というわけで、それでも私は少年くらいのころから同じくらいの頻度、時間を使って音楽を聞いています。最近好きなのは、なぜかまたBisとsyrup16gを聞いたりしていました。
音楽は、そうですね。最近は楽曲提供が面白いですよね。
花譜というバーチャルシンガーという、VTuberの肉体を持ったシンガーがいるのですが、(おととし? の紅白でまふまふさんが歌った「命に嫌われている」という曲を作ったカンザキイオリさんがメインで楽曲制作してた歌手なのですが)、その花譜ちゃんに岸田繁さんが楽曲提供した「愛のまま」という作品があるんですが、50も近くなったくるりの岸田さんが、20歳のバーチャルシンガーに曲を書くというのも面白いですね。いつか中島みゆきさんに曲を書いてもらうのでしょうか。
というわけで完全日記型まえがきの完成です! 無名人インタビューゴッ!!!!!
【まえがき:qbc・栗林康弘(無名人インタビュー主催)】
今回ご参加いただいたのは かしこ(菓子獣) さんです!
現在:私は「したい」と思ったら「できる」んですよね。
qbc:今、何をしている人でしょうか?
かしこ:今は専門学生です。あんまり詳しくは言わないでおくんですけど、医療の専門学校に通いながら、音楽制作をしてます。
qbc:何年生ですか?
かしこ:3年生です。
qbc:音楽自体はどれくらいされているんですか?
かしこ:最初は作ってたんじゃなくって、ただ歌ってただけなんですけど、歌自体は中三の終わりぐらいから、してます。6年ぐらいですかね。
qbc:今は作曲もされてるってことですかね。
かしこ:そうです。作曲自体は3年ぐらいですね。
qbc:音楽活動自体を始められたきっかけって?
かしこ:「千本桜」って曲あるじゃないですか。小学生の時にあれを聴いて、最初はこういう曲を歌う人になりたいって思って、中三から歌うのを始めて。
それをやっていくうちに、作る方になりたいなと思って、専門入ったあたりから、作り始めるようになりました。
qbc:音楽は何を使っていらっしゃるんですか?
かしこ:私、パソコンは一応持ってるんですけど、設定が全然うまくいかなくって。昔からずっとスマホで作ってます。「GarageBand」っていうアプリ。
qbc:すぐ作れました?
かしこ:いや、最初は全然で。使い方とかも調べないとわからないから、YouTubeとかで解説とか見たりして、だんだんやっていきました。
qbc:作ってるときってどんな気持ちですか。
かしこ:楽しいですね。
qbc:どんな楽しさなんですか。
かしこ:作ってるときは、面倒くさい作業が多いんですけど。でも例えば、こういう曲作りたいっていうのがあって、それが完成したときって、やっぱり達成感っていうんですかね、1から自分が作ってるんで、やっと投稿できるっていう嬉しさがありますね。
qbc:作詞作曲をされているんですよね。どういう順序で音楽を作っているんですか。
かしこ:最初の頃は、詞とリズムを同時に作ってから、伴奏を打ち込んでたんですけど、最近はもう、とりあえず伴奏の曲を作ってから、詞とリズムを当てはめていってます。
qbc:なんでそういうふうな形になったんですか?
かしこ:最近変わったんですけど。その理由が、作りたい音楽のジャンルが変わってきたからで。
最近はどっちかといえばヒップホップ系が作りたいなと思って。ヒップホップ系って、やっぱラップとかだと、ビートがあって、その後に歌詞をのっけるじゃないですか。だから、最初にそのビートっていうか伴奏を作って、その後に歌詞とかリズムを乗っけるようにしました。
qbc:どっちのやり方が早く作れるんですか?
かしこ:個人的には今の作り方の方が早いです。
qbc:作品によってバラバラだとは思うんですけど、大体どれぐらいできるものですか。
かしこ:1から、打ち込みと録音も全部含んだら、3時間ぐらいですかね。絵とかも自分で描いたりするんで、その絵も含めたら6時間ぐらい。
qbc:それって早い方なんですか。
かしこ:多分早いんじゃないですかね。
スマホで作ってる分、編集とか、できること自体が少ないんで。だからそこまでこだわれない。なので早いと思います。
qbc:絵は何で描いてるんですか?
かしこ:絵もスマホで描いてます。「ibis paint」ってアプリです。
qbc:どうですか、やられてみて。
かしこ:すっごい見てもらえているわけではないんですけど、Twitterとか他のアプリでも友達ができたり、そうやってコミュニティが広がっていくのはすごい嬉しいです。
qbc:どんな嬉しさ、どんな楽しさなんですかね。
過去に経験したことのある楽しさですか?
かしこ:ないですないです。やっぱ学校とかでできる友達って、基本的に作詞とか作曲とかってしてないと思うんですよ。どっちかと言えば、みんな好きなアーティストはいるけど、それは聴きたいだけのアーティストで、自分が音楽を作ってるとかじゃ全然なくて。
でもネットとかだとやっぱり、投稿したら反応をくれたりとか、活動してる人と作曲の話をしたりとか、すごい楽しいなと思います。
qbc:大げさに言って、人生の楽しさのレベルが変わったってこと?
かしこ:変わりました。私は特にしたいこととかがないんで、音楽以外。専門学校も、別にそれがしたいわけじゃなくって、医療系なんで、一応国家資格なんです。その職に決めたのも、自分が音楽を仕事にできるとは思ってないんで、そうなった時に、やっぱ資格とかあった方が、音楽しながら生活しやすいかなって思ったからで。
あと、音楽が一番、何やってても楽しいなっていうふうに感じていて。そういう意味では、人生は変わったかもしれないです。
qbc:よくすぐに作れましたね。言い方あれですけど。
かしこ:まあ、形はどうであれ、作れたのは作れましたね。
qbc:なんで出来たんだと思います?
かしこ:私、基本、ピアノとかギターとか、しようと思ったことはあったんですよ。実際に、ギターは安いの買ったりとか、知り合いのところでピアノ習ったりとかしたんですけど、全然楽しくなくて。音楽好きだと思ってたけど、全然出来ないなって思ったんですよ。練習したいっていう気持ちが一切なくて。
そのときに、なぜか作詞作曲はスムーズに始められて、難しかったけど出来たのは、本当に楽しかったからなんだろうなと思って。向いていたのかなと思います。
qbc:やってる領域が広いじゃないすか。作曲だけでも、作詞だけでもない。さらに、自分自身でも歌われる。
その辺ってどうなんですか?
かしこ:どうせ作るんだったら全部自分でやりたいなと思って。
絵とかも、描くの好きだし、正直依頼するお金もそんなないですし。だったら自分で描きたいように描いた方が、理想の完成形に近づけるんじゃないかなと思って。
qbc:自分の中で、「自分これできるんだ」って一番驚いたことって、音楽制作の中で何かありますか?
かしこ:作曲の部分ですかね。なんか、想像してたよりはできたみたいな。
qbc:普段はどんな音楽を聞いてたんですか。
かしこ:最初、「千本桜」って言ったじゃないですか。元々が、やっぱそこからなので、ボカロすごい聴いてたんですよ。ボカロっていうよりも、電子音楽系がすごい好きで。
それに加えて、私の住んでるところがすごい田舎なんですけど、田舎ってやっぱり車移動が多いんですよね。だから、お父さんとお母さんの車の中で流れてる曲とか、今になって思えば影響されてるなって思って。
お母さんはどっちかといえばスカ(Ska)っていうジャンルが好きで、お父さんは普通にRADWIMPSとか、そっち系が好きなんですよ。そういうのをずっと車で聴いて育ってきたんで、そういう要素もプラスされてるのかなとは思います。
qbc:そうなんですね。電子音楽って、どんなものですか? ボカロはわかるんですけど。
かしこ:ざっくり言うと、ギターの生音とかじゃなくって、打ち込みの音っていうんですかね。そういうエレクトロリックな感じの音。
アーティスト名で言うと、「Mall Boyz」とか「STARKIDS」とか、最近好きで聴いています。
qbc:ありがとうございます。音楽性についてお聞きしたいんですけど、どんな音楽をやられているんですか。
かしこ:最近変わったって言ったじゃないですか。そのきっかけが、さっき言った「Mall Boyz」なんですけど。
私よく、夜中とかにYouTubeでいろんな音楽を聞くんですよ。そのときに、「Mall Boyz」を見つけてびっくりして。「すっごい!」って。こんな音楽があるんだなっていうのを知って。私が作りたい理想系に近くて。そこから、ハイパーポップっていうジャンルがあることを知って、他にも色々聴くようになって、で、自分でも作ってみようと思った、って感じです。
qbc:一言で言って、どんな音楽が好きですか?
かしこ:スピード感があるのが好きです。
qbc:聴く場所はどこがいいですか?
かしこ:歩いてるときとか、電車の中とかですね。
私今通っている専門学校が、電車で1時間10分とかかかるんですよ。そのときに電車の中で聞いたりとか、そっから学校まで歩いているときとかに行きます。
qbc:音楽の探し方についてなんですけど、どうやって探すことが多いですか。
かしこ:YouTubeですね。関連とかから探します。
qbc:サブスクはあんまり使わない?
かしこ:前は使ってたんですけど、私はサムネとかも見て決めたいんですよ。CDとかパケ買いするタイプなんで。そうなったらYouTubeってダーッて一覧で出てくるんで、そういう要領で探していってます。
qbc:絵も描くっておっしゃってましたけど、ビジュアルはやっぱり重要なんですかね。かしこさんにとって、絵はどういうポジションなんですか。
かしこ:結構大事だと思ってます。昔だとそうでもないのかもしれないですけど、今ってみんな音楽をネットで聴くじゃないですか。ってなった時に、ボカロとか特になんですけど、動画とかこだわってる方が多くて。
そもそも音楽って、例えばYouTubeとかだと、タップしてから流れるじゃないですか。そうなってくると、最初ってやっぱ絵で惹きつけないと、そもそも再生してもらえないっていうのはあります。
あと、CDをパケ買いしてて思うんですけど、CDのデザインとかって、中身の音楽を視覚的に表していると思うので、やっぱり見てもらうためには重要だと思います。
qbc:その考え方はどこから来たんですか? 興味を惹かないとみたいなのは。
かしこ:それは結構、ボカロを聴いて思いました。
qbc:「千本桜」を聴いたのは何歳くらい?
かしこ:小学校中学年、高学年くらいだと思います。
qbc:音楽の変遷を聞かせてもらってもいいですか。どんな音楽を聴いてたとか。
かしこ:まず「千本桜」に出会った後は、ずっとボカロを聴いてて。40mPとか、れるりりとか聴いてた気がします。でも正直あんまりボカロPには興味がなくて、この曲いいよねあの曲いいよねっていう感覚はあったんですけど、あんまりボカロPの名前は覚えていなかったんですよね。
その後は、中学生になって、歌い手っていうものがあることを知ったんです。自分が歌を始めるきっかけになったのが歌い手ですね。まふまふさんとかを聴いてました。
qbc:じゃあ、千本桜はボカロのバージョンを聴いてたってことですよね。
かしこ:そうですね。最初はボカロしか聞いてなかったんで。
qbc:「千本桜」以前に、普通の人間が歌ってる歌で聞いてたものってあったんですか?
かしこ:やっぱりお父さんが車の中で聴いていたので、RADWIMPSとか、アジカンとか、結構聴いてました。
qbc:じゃあ、自分から聴き始めたのはボカロなんですね。
かしこ:そうですね。小学生とか中学生の初めあたりは、友達の影響で、One Directionとか聴いたりもしてました。
qbc:そのあとは?
かしこ:小中あたりから歌い手を聴き始めて、高校も同じような感じで。で、専門学校に入ったあたりから、さっき言ったハイパーポップとかを聴き始めて。最近はボカロは全然聞いてないですね。
ボカロは別に今も好きなんですけど、やっぱ自分の作りたい方向性の曲を聴きたいなと思って。
qbc:ボカロからジャンルが移行したきっかけってなんだったんですかね。
かしこ:それはさっき言ったMall Boysを聴くようになったのがきっかけなんですけど。
qbc:もう「出会ったから」なんですね。
かしこ:そうですね。私、この曲でこれを始めたっていうのははっきりしてるんですよ。
ボカロ作ってた時期も、「この曲がきっかけで作り始めた」っていうのがあって。本当に1個「これだ」っていうのに出会ったら、結構すぐジャンルとか変わるタイプなんです。
qbc:音楽から少し離れるんですけど、音楽以外に趣味ってありますか?
かしこ:いやあ、絵描くことしかないですね。
qbc:それって、音楽があるから描いてたんですか?
かしこ:いや、元々描くには描いてたんですよ。例えば、好きなキャラクターの絵とか。でも今はもう、本当に自分の曲のためにしか描いてないです。
qbc:描けるものですか。
かしこ:割と。はい。
qbc:周りの人もそういう人多いんですか。そのコミュニティの中で、絵も音楽もいけますっていう人。
かしこ:いや、みんな、作詞と作曲はしてるんですけど、歌をやってますっていうよりはボカロPですとか、歌ってる人だったら、フリービートを借りてますとか、絵は借りてますっていう人が多いです。あとは、そもそも歌ってない人も多いかもしれない。
qbc:なるほど……。かしこさんはなんで出来るんですか?
かしこ:したいからじゃないですかね。
qbc:「したい」と「できる」はまた違うと思うんですけど、なんで出来るんですか?
かしこ:私は「したい」と思ったら「できる」んですよね。
逆にちょっとでもしたくなかったら、うまくいかなかったら全部嫌になるんで。例えば、明日にでももし嫌になったら、本当に全部きっぱりやめるぐらいの感じなんで。したいと思ったら頑張れるっていう感じです。
qbc:自分ではどんな性格だと思います?
かしこ:静かです。内弁慶かなって思いますね。
qbc:家族、恋人、親友とか、身近な人にはなんて言われますか?
かしこ:仲良くなったらうるさいねって言われました。
かしこさんの楽曲です!
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過去:音楽に求めることで言ったら、「聴いていて気持ちがいいこと」だと思います。
qbc:小さい頃はどんな子供でしたか?
かしこ:物を隠したりとかしてました。
例えば、おばあちゃんの車に、ちっちゃいマスコットみたいなのが置いてあるんですよね。で、田んぼとかを走ってる時に、窓を開けて、水が張ってあるところが来た瞬間に、その人形を投げ入れるとか。なんかそういうことばっかしてたみたいで。
大きくなったらそんなことさすがにしないじゃないですか。
だからなんか、「すごいいい子になったね」って言われます(笑)。
qbc:それはどうしてやるんですか(笑)。
かしこ:いや、楽しいからですかね。
qbc:それは、こっそりやるんですか。それとも見えるところでやるんですか。
かしこ:見せつけてます。
qbc:じゃあ、いないところだったら、いたずらしないってことですか?
かしこ:あー、しないですね。
qbc:他にそういうエピソードありますか?
かしこ:あの、お母さんの妹がいつも帽子かぶってたんですよ。その帽子を、もう来たら絶対に隠してました。ソファーの裏とか。しかも、1回じゃなくて見つけられた後ももう一回隠したりとか。
qbc:それ何歳くらいの話?
かしこ:さすがに4、5歳くらいだと思うんですけど。
qbc:小学校に上がる前ってことですね。それ以外に、幼稚園時代の遊びってなにかありましたか。
かしこ:幼稚園に通ってたんですけど、外遊びが好きじゃなくって。外遊びというか、みんなでする遊び。鬼ごっことか、本当に嫌で。だから例えば、1人でブランコしたりとか、三輪車乗ったりとか、教室で絵描いてたりとかする方が好きでした。なので、1人で遊んでたことが多いですね。
qbc:絵を描くのはこの頃から。
かしこ:はい。この頃からずっとしてました。
qbc:何を使ってどんな絵を描いてたとか覚えてますか?
かしこ:よくある画用紙とクーピーとか鉛筆とかだった気がします。
幼稚園のときは、オリジナルの絵というよりは、教室にあった絵描き歌の絵とか、あと塗り絵をよくやってました。
qbc:小学校時代についてお話しください。
かしこ:小学校も、友達がいなかったわけじゃないんですけど、基本休み時間は1人で過ごしたいのは変わってなくて。大体、自由帳に絵を描いたりとか、本とか読んでました。
qbc:読んでいた本のタイトルを教えてください。
かしこ:『らくだい魔女』シリーズ。あれがほんとに好きで。
今でも続いてるんですよ。今度新しいのが出ます。
qbc:ほんとだ、17周年なんだ。
かしこ:ちょっと作者の方が多分体調不良みたいで、結構間が空いちゃってて。でも最近になって新刊が出るってなって、すっごい嬉しくて。もう泣くくらい。本当に嬉しすぎて。
全巻家に揃ってるし、もちろん新刊も買います。
qbc:知ったのはいつ?
かしこ:小学校1年生とかだと思います。図書館で知りました。
qbc:なるほどね。インタビュー上、無理やりこじつけて聞くんですけど。『らくだい魔女』と今の音楽性は関係はありますか?
かしこ:ああー、ないことはないと思います。すごく遠回りにはなるんですけど、『らくだい魔女』って魔法学校の話なんですね。で、世界観は日本じゃなくて海外っぽい。カタカナの名前の子とかがいっぱい出てくるんですね。そこから私、ハリーポッターとか、魔法使いが好きになって。そこから転じて、洋画自体も好きになったんですね。
私吹奏楽部だったんですけど、洋画の曲を演奏することがあるじゃないですか。そういうのも考えると、影響を受けてるのかなと思います。
qbc:ほうほう。ちなみに、ボーカルについてはいかがですか。複数の方がいいとか、ヒップホップで言うならマイクリレーがあったほうがいいとか、男性の声、女性の声でバリエーションがあった方がいいとか。
かしこ:個人的には、あんまり男女が混ざってるのはあんまり好きじゃなくて。私結構、男性の曲が聴きたい日、女性の曲が聴きたい日っていうのがあるので。どちらかが歌っている曲の方が好きですね。
マイクリレーに関しては、いいと思います。聴いてて、いろんな人の声があった方が楽しいし、歌詞もいろんな人が書きますし。
qbc:かしこさんが音楽に求めるものってなんですか。「楽しい」って言葉が出てきたんですけど、例えば悲しげなメロディに静かに入り込むみたいな楽しみ方もあるし。
かしこ:なんか「楽しい」っていうよりは、「気持ちいい」って感じです。
例えば、失恋ソングとかを、自分の恋愛事情に合わせて聴いたりする人とかいると思うんです。それって歌詞に自分を投影してますよね。
でも私は、そうやって歌詞に自分を投影するとかじゃなくて、聴いていて気持ちいいとか、このサビいいなとか、「快楽」みたいな側面があるので。
なので、音楽に求めることで言ったら、「聴いていて気持ちがいいこと」だと思います。
qbc:そういう中で言うと、どういう気持ちで歌詞を作っているんですか?
かしこ:私、「気持ちいい」感じにするのがすごい苦手で。
その理由が、私、結構歌詞に意味を込めたいって思って作っちゃうんですよ。でもそうすると、やっぱり使える言葉が限られてくるじゃないですか。
ただ、いろんなアーティストの曲を聴いてて思うのは、歌詞にすごく意味が込められていると言うより、語感がいいとか、そっちを優先して作っている方が多いような気がしてて。見習いたくはあるんですけど、歌詞に意味を込めてしまいがちなんで、そこがちょっとあれかなと思います。
qbc:どういう歌詞世界を作りたいんですか。
かしこ:ヒップホップとかって結構強気な歌詞が多いじゃないですか。自信満々な感じの。そうなってくると、自分もそういう強気な歌詞を描きたいんですけど、私どっちかっていうとネガティブ寄りなんですね。それを全部、ポジティブにしようとは思ってないので。ネガティブの中でも、強気な歌詞をかけたらいいなと思ってます。
qbc:何か参考にしているアーティストとかいらっしゃいますか。
かしこ:歌詞に関しては、参考にしているアーティストは特にいないですね。曲に関しては、さっき言ったMall Boysとか聴いたりはしてるんですけど。
どっちかと言えば小説とか読んだりしてます。
qbc:小説は何を?
かしこ:本当に色々読むんですけど。例えば、森見登美彦がすごい好きで。
彼も要素的にはネガティブが多いんですけど、そういうネガティブの中でも強気みたいなのを参考にはしてるかなと思います。
qbc:うんうん。なるほど。
過去の話に戻りますが、中高はどんな感じでしたか?
かしこ:中高は、吹奏楽部を合計6年間してて、結構、そこの部活で仲良くなった子とかと遊んだりもしたんですけど、結局休み時間とかは本読んでましたね。
qbc:なんの楽器をやっていたんですか。
かしこ:トランペットでした。
qbc:トランペットは楽器としてどうでしたか?
かしこ:いや、正直私は好きじゃないんです。
なんかそもそも楽器ってちょっと違うなと思って。歌えないじゃないですか、シンプルに。
でも、お母さんが音楽が好きなので、吹奏楽をやってほしがってたんですよ。スカとか好きだから。それでトランペットしてほしいって感じだったんで。私は全然したくなかったですね。
qbc:あわよくばスカバンドとかちょっとやってほしかったりしたんですかね。
かしこ:そういうことを言われたこともあります。でも私は全然興味なかったですね。
qbc:歌はいつから好きだって感じたんですか。
かしこ:それはもう昔から。物心ついた頃には好きでしたカラオケとかも家族と行ったりとかして、すごく楽しかったなって記憶があります。
qbc:で、千本桜に出会って、自分も歌うってことを始めたんですよいね。実際に歌ってた時期って、何歌ってたんですか。
かしこ:ボカロを歌ってました。
qbc:何が好きとかって。
かしこ:特に有名な曲ばっか歌ってたわけじゃなくって、自分が聴いてた中で、これめっちゃ好きだなって曲で、なおかつオフボーカルが出ているものを歌ってました。
qbc:その時はもう歌い手として動画をアップロードしてたんですか。
かしこ:中3の時にはもうしてました。
qbc:今と同じ名義ですか。
かしこ:そうなんですけど、最初の方のは消しちゃってるんです。一番最初のはもうないですね。
qbc:なんで消しちゃったんすか。
かしこ:なんかちょっと友達にバレそうな時期があって。やばい!と思って消したんですよ。
そのあと、そろそろ大丈夫かなっていうタイミングでもう1回始めました。
qbc:なんでバレそうになったんですか。
かしこ:確か、その友達と繋がってるアカウントのフォロー欄とかから気づかれたのかなと思います。
ばれてもいいような友達だったらよかったんですけど、一番バレたくない人だったので、消しました。
qbc:カミングアウトじゃないですけど、やってるよっていうのは言いにくかったんですかね。
かしこ:その子には言いたくなかったです。
かしこさんの楽曲です!2
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未来:「自分でやった」っていうのが、シンプルに嬉しいじゃないですか。それが多分重要なんだと思います。
qbc:最後に未来についてお伺いしたいんですけれども。5年後、10年後、30年後、最後死ぬまでって考えたときに、どういう未来を今イメージされていますか。
かしこ:有名になれるとは思ってないので、職業にしたいとかは全然ないんですけど。やっぱ最近ネットで活動している音楽の方とか見てると、めちゃくちゃ有名じゃなくてもすごいMV取ってたりとか、インタビューを受けたりとか、記事が出たりしてるじゃないですか。自分も、普通に仕事はしながらCD出してみたりとか、ライブやってみたりとかしたいなと思ってます。
qbc:リアルで歌いたい?
かしこ:はい。
最初はリアルで歌いたいと思ってなかったんですけど、最近ハイパーポップにハマって、そういうのを見ると、顔出しとかして自分で歌ってる人って多いじゃないですか。それを見ていいなと思って、リアルで歌いたいなっていうふうに思い始めました。
qbc:具体的にハイパーポップはいつ頃から好きなんですか。
かしこ:1年前くらいですかね。
qbc:なるほど。音楽は1人でやりたいですか?
かしこ:今のところは1人ですね。まあ、趣味が合えばいいんですけど。一緒にやるってなったら、やっぱり趣味が合わないとやっていけないじゃないですか。だから、1人かなあと思ってます。
qbc:他の人が入るのは避けたい?
かしこ:いや、避けたいっていうわけではないです。もちろん、すごくこの人と組みたいって思えたら全然いいんですけど、やっぱそういう人を見つけるのってなかなか難しいじゃないですか。そう思ったら1人かなっていう感じです。
qbc:なるほど。
お仕事にするしないっていう意識に関しては、しないことが前提ですよね。これはどうしてですか?
かしこ:いやもう、別にそこまでの才能を自分に感じていないし、そんなに私は夢を見れるタイプじゃないので。現実を見ちゃいますね。
まあ普通に趣味として、できる範囲のことをやれればいいかなって感じです。
qbc:今できる範囲のことっていうと、例えば機材を買ったり、絵とかビートを発注したり、そういうことが含まれると思うんですよ。それらを実現出来るお金があったら、何をやりたいですか?
かしこ:お金があったら、まずはマイク買いたいですね。あとは、学校卒業したら引っ越すので、室内における防音ルームみたいなのが欲しいですね。
qbc:ちなみに今はどういう録音体制ですか。
かしこ:もう本当に田舎の家なんで、夜中とかに歌っても全然問題ないんです。今まで自分の部屋の中の色んな場所で録ってきて、その中で一番よかった場所でいつも録ってます。
qbc:一番いい場所、どこか聞いてもいいですか。
かしこ:あの、部屋の角なんですけど。棚があって、その棚に、ちょうど自分の口元にiPhoneの純正のイヤホンのマイクが来るように本を積み重ねている感じです。
qbc:なるほど。部屋を背にしているんですよね。壁じゃなくて。角に向かって歌ってるってことですよね?
かしこ:そうです。
qbc:何か、聴いた人がこういうふうになってほしいとか、そういうのってなにかありますか。
かしこ:私自身、さっきも言ったように、通学してるときとか歩いてるときに音楽を聴いてるんですけど、私あんまり学校が好きじゃないんですね。
でもそのときに好きな曲があれば、朝の登校中は楽しいんですよね。だからそういう、学校嫌だけど、朝に音楽聴く方とかに聴いてほしいです。
qbc:自分自身の曲は聴きますか?
かしこ:投稿した次の日とかに、一旦確認で聴きます。そのあとは、たまに聴きたいなって思ったりしたら聴くんですけど、そんなにしょっちゅうは聴かないです。
qbc:今まで、この活動をしていて一番嬉しかったことって何ですか。
かしこ:嬉しかったこと。すごく仲いい友達がいるんです。その子と遊んだ時に、ふいに「〇〇ちゃん(かしこさん)のYouTube、たまに見てるんだよね」って言われたんですよ。
私、知らなくて。私のそういう活動に全然興味ないと思ってた人が、聴いてくれてるんだなって思って、嬉しかったです。
qbc:自分で探してくれたってことですか。
かしこ:昔、始めるときに何となく言って、その時から知ってたんだと思います。
qbc:この活動は、日常的な人との繋がりとは、切り分けられているんですか。
かしこ:別れてますね。
qbc:何か理由があって分けてるんですか。
かしこ:自然に別れてます。
qbc:ありがとうございます。
もしもの未来の質問をしていて。もしも一番大事なものがなくなったら、ということについてお伺いしたいんですが。
もしも音楽がなかったら、かしこさんの人生はどういうものになっていたと思いますか。
かしこ:いやあ、音楽がないっていうか、私本当に「耳が聞こえなくなったらどうしよう」ってすごく怖くなる日があって。自分の耳が聞こえなければ、もう聞けないじゃないですか。そう考えると本当に怖くなって、夜泣いた時とかあって。
そう考えたら、音楽ないと、生きてる意味ないくらいの感じじゃないですかね。
qbc:自分に作曲能力がなかったとしたら、どう思います?
かしこ:今も別にないんですけど、まあなくても作曲してますね。
qbc:作るって重要なんですかね。
かしこ:そうですそうです。
qbc:なんで大切ですか。
かしこ:元々もの作りが好きなので。絵とかもそうですけど。「自分で作った」、「自分でやった」っていうのが、シンプルに嬉しいじゃないですか。それが多分重要なんだと思います。
qbc:なるほど。こういう曲を作りたいなっていう構想ってありますか。
かしこ:私、今年卒業予定なんですけど、卒業すると一人暮らしになるんですね。で、一応田舎から都会に出て来るんですけど。そうなった時に、やっぱ活動の範囲が広がると思うんですね。なので、去年よりも、「音楽活動、頑張るぞ」みたいな感じの曲は作りたいと思ってます。
qbc:内容として、「頑張るぞ」って曲?
かしこ:「頑張るぞ」っていうか「やってやるぞ」みたいな。
qbc:歌詞というか、楽曲の雰囲気として「やってやるぞ」っていうのを持たせたい?
かしこ:そうですね。
qbc:今何か不安なこととかありますか?
かしこ:ええ、もう不安しかないです!
新生活もそうですし、人間関係も怖いですし、なんかもう不安なことばっかりですね。
qbc:今まで専門的なお勉強をされてきたわけですけど、全然違うことをするっていう可能性は感じてらっしゃいますか?
音楽は多分趣味で続けていかれることだと思います。一方で、仕事が合わなかった時に、例えば音楽に近しいこととか、YouTubeとか、SNS関連、Webのインターネットの仕事っていうのはあるわけじゃない。そういうところに行ってしまうかもしれない、みたいな気は。
かしこ:ないですないです。資格取るんで。まあ、合わなかったら別の場所に行けばいいってところに魅力を感じて決めてる職業でもあるんで、それをやめるっていうのはないと思います。
qbc:なるほど。ありがとうございます。
自分はどういう人間だっていうふうに思いますか。
かしこ:もうめっちゃネガティブですね。
基本的に、悪い方向に考えることが多いです。
qbc:インタビュー中、ネガティブさはほとんど感じなかったんですけど。
かしこ:えー、そうですか。音楽の話だったからですかね。
qbc:ちなみに、インタビューはどうして受けていただいたんですか。
かしこ:好きなアーティストさんのインタビューとか見るのすごい好きで、私が今されたみたいな質問に答えてるじゃないですか。
そういうのを、この人こうやって音楽作ってるんだとか、ニヤニヤしながら見るのが好きなんです。そういうのを見て、自分もしてみたいなと思って応募しました。
qbc:ありがとうございます。
最後の質問は「最後に言い残したことは」というものなんですけど。これは、遺言でもいいですし、インタビュー振り返っての感想でもいいですし、読んでいる人へのメッセージでもいいです。
最後に言い残したことがあれば、お伺いしております。
かしこ:インタビュー読んで、ちょっとでも気になったらYouTube来てください。
qbc:ありがとうございます。
かしこさんのチャンネルはこちら!
あとがき
音楽がなければ生きていけなかったほうで、音楽聞きながら出勤してなかったら、私、ぜんぜん会社なんか行けなかっただろうな。
そもそも音楽聞いていても学校も会社も休みがちだったし。
休んでても結果を残していればいいだろう、と思っていたし、実際良いとされてその場所に居座っていたけど、その場所を楽しむってことをしてなかったんだから、まわりとけっきょくすれ違って、私はそこからいなくなっていたな。
むりすることないというかむりしても続かないのだ~。
【インタビュー・あとがき:qbc】
【編集:toki】
#無名人インタビュー #インタビュー #音楽 #ハイパーポップ
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