中二病演劇というのをやっている人
むかしむかし、ある村に、幻想(げんそう)という名の若者がいました。幻想は「中二病演劇」という不思議な芝居を始めた人でした。
村人たちは最初、幻想のことを変わり者だと思っていました。「なんで大人になってまで、そんな子供じみた空想にふけるのか」と、みんな首をかしげていたのです。
幻想の演劇は、闇の力を操る魔法使いや、封印された古の剣を求める勇者、異世界からやってきた転校生など、現実離れした物語ばかり。大げさなセリフと大袈裟な動きで、村人たちをびっくりさせていました。
ある日、村に凶作の危機が訪れました。人々は不安に怯え、希望を失いかけていました。
そんなとき、幻想が立ち上がりました。「みなさん、僕たちで『豊穣(ほうじょう)の祭り』という芝居をしましょう!」
村人たちは半信半疑でしたが、他に案もなく、幻想の提案に乗ることにしました。
幻想は村人たちを配役しました。農夫たちは「大地を司る精霊」に、漁師たちは「海の王」に、子どもたちは「風を操る妖精」に扮しました。
そして、壮大な物語が始まりました。精霊たちが力を合わせ、邪悪な「荒廃の魔王」と戦い、最後は village 全体の想いを一つにして、魔王を倒すというストーリー。
演劇が進むにつれ、不思議なことが起こりました。村人たちが役になりきることで、本当に力が湧いてきたのです。諦めかけていた気持ちが、希望に変わっていきました。
芝居が終わるころには、村人たちの目は輝き、エネルギーに満ちていました。そして驚いたことに、その年の収穫は例年以上に豊かなものとなったのです。
それからというもの、村では困難に直面するたびに、幻想の「中二病演劇」が行われるようになりました。現実離れした物語が、人々に勇気と希望を与え、困難を乗り越える力となっていったのです。
後に幻想はこう語りました。「中二病的な想像力は、現実を変える力があるんです。大人になっても、心の中の中学2年生を大切にすることで、私たちはどんな困難も乗り越えられるのです」
そして「空想の翼で現実を飛ぶ」ということわざが、この村から広まっていったとさ。
めでたし、めでたし。
と思う2024年10月22日0時50分に書く無名人インタビュー920回目のまえがきでした!!!!!
【まえがき:qbc・栗林康弘(作家・無名人インタビュー主宰)】
今回ご参加いただいたのは 工藤ギンペー さんです!
年齢:38
性別:男
職業:中二病をエンタメ化しています
現在:どっちかっていうと芸人とか、バンドマン志向が強くて。自分で書いた台本で自分で主演やりたいみたいな。
qbc:
今何をしている人でしょう。
工藤ギンペー:
中二病演劇というのをやっております。
qbc:
はい。どのようなものなんですかね?
工藤ギンペー:
そうですね、なんか簡単に言うと、漫画とかアニメとかっていうのは子供のとき憧れると思うんですけども、そういったものをちょっと大人になってもいまだ続けてやってみようみたいな。それをしかも具現化して、演劇、舞台の上でちょっとやってみようみたいなことをやってますね、活動として。
qbc:
舞台っていうのは?
工藤ギンペー:
演劇の舞台です。
qbc:
劇団をやられてる?それとも1人芝居です?
工藤ギンペー
そうですね、劇団に所属してまして、そこで1人芝居。そこで発表会があるので1人芝居をメインに、一応2人とか3人もやったりしております。
qbc:
なんかお笑いのステージとかそういうんじゃなくて、完全な演劇のステージ?
工藤ギンペー:
お笑いのステージも立ったことあるんですけど、メインとしては演劇というカテゴリーなのかなぁと。
qbc:
これ、どんな感じのことをされるんですか?
工藤ギンペー:
あぁ、中二病ってそもそもご存知ですかね?
qbc:
あ、説明していただきたいですね。
工藤ギンペー:
はい。主に中学2年生ぐらいに発症する、なんですかね、病とまではいかないですけど。なんかその思い込みみたいな感じで。自分には特別な力があるんじゃないかとか、
昔組織の殺し屋だったんじゃないかとか。あとはアニメの影響や漫画の影響を受けて、これ自分ちょっとやりたいなみたいなことを思い込んでしまうという、ちょっとね、かわいそうな状態の子たちが中二病で。大人になってくると、だんだんそういうのって抜けてくるんですけども、それを今大人になってもやってみようというもので。
その中二病演劇っていうのは、主に中二病って最近言われてるテンプレみたいのが、右手に包帯を巻き、眼帯をつけ、なんか自分には特別な力があって暴れてしまうみたいな。そういったことがテンプレ的な中二病なんですが、そういったキャラクターを僕はやってまして。闇の工藤という名前で。それを、舞台上ですね、闇の工藤というキャラクターで、僕がやりたかったもの、例えば何でもいいんですけど、ドラゴンボールとかジョジョの奇妙な冒険とか幽遊白書とか、そういったものを自分で演じてみたいなってことで、舞台上で表現してたりします。
qbc:
毎回決まった演目なんですか?今お写真を見させていただいているんですけど、毎回台本は違うものなんでしょうか?
工藤ギンペー:
そうですね、毎回違いますね。最初は童話ベースで、その中二病っぽくしたらどうなるんじゃろうみたいな感じでやってたんすけど、最近は結構オリジナルの台本を作ったりしますけど。毎回台本書いて。そうですね、10本ぐらいはやってるんじゃないですか。
qbc:
キャラクターは一緒で、台本が違う?
工藤ギンペー:
そうですね。闇の工藤というキャラクターで、毎回台本が違う。
qbc:
なるほど。やってるときの気持ちってどんな気持ちなんですか?
工藤ギンペー:
気持ちですか?やっているときの気持ち…正直、なんですかね、浄化されてるっていうのが一番かなと思います。
なんだかんだその20代ぐらいまで中二病で、子供から、小6からなので。そっから10年ぐらい封印してたんですよ。やっぱりすごい恥ずかしいし、黒歴史なんでこういうのって。
でもやっぱりある日、ふらっと10年越しに人に喋った際に、「それ面白いね」って言ってくれて、結構。その感性とか考え方とか、その子供の中二病の黒歴史とかそういうの。やってみたらいいじゃんと思って、いざやったら結構ウケて。
その瞬間、なんか自分の何かその封じられていた恥部みたいな部分が、浄化されたなみたいなのはやっぱありますね、やってて。
qbc:
何分ぐらいで、どういう筋書きのお芝居をされるんですか?
工藤ギンペー:
そうですね、主に8分から18分ぐらいの間で。なんかツンデレ的なキャラなので、ツンデレ的な感じと、その文言を中二っぽくするみたいな感じですね。ももたろうだったら、鬼が来るぐらいでいいんですけど、悪鬼羅刹の軍勢が攻め込んでくるみたいな、ちょっと言い回しとかを変えて、中二病風に。
あとは、戦闘シーンがどうしてもやりたかったので、アクションみたいな感じで立ち回りみたいなのを挟んでます。
それで、あと音響とか照明を入れます、なんか本当に派手な感じに。
qbc:
笑いが起きてるんですか?それとも何が起きてるんですか?
工藤ギンペー:
笑いが起きてます。笑いが起きてるのと、あと何か結構自分で言うのもあれですけど、ちょっと結構派手めな動きをするので、人によっては、かっけぇ!みたいな感じで見る人もいますけど。いろんな感情が結構人それぞれ。読み手によって違うという、ちょっとカオスな演目ですね。
qbc:
どれぐらいやられてると仰いましたっけ?
工藤ギンペー:
中二病演劇自体はまだ2年ぐらいです。
qbc:
感触としてどんな感じなんですか?
工藤ギンペー:
感触としては、ウケはいいんですけど。やっぱりそれとは別にプライベートでその闇の工藤というキャラでイベントとかに遊びに行ったりしてるんです。そういう、創作ファンタジー系のイベントっていうのか、好きな格好でみんなでワイワイ集まるようなイベントみたいなのに、結構そういうのにも闇の工藤で参加するんです。そっちでは結構ウケがいいというか、みんなに結構知っていただくことはあるんですけども。
ちょっと舞台となると、確かに評価はいただくんですけど、現状としてあまり知名度的には…。ちょっと舞台というハードルが高いせいか、あんまり人には認知されてないから。そういった状態ですね。
qbc:
兼業ですかね?
工藤ギンペー:
兼業です。
qbc:
なるほど。これまでどうして来られたんですか?
工藤ギンペー:
30で劇団に入ったんですよ。中二病演劇は2年前なんですけど、劇団入ったのは30ぐらいで、あとは本当にもう宙ぶらりんに生きてたというか。なんならもうなんか命なんて…
qbc:
会社員にはなってない?
工藤ギンペー:
会社員に、なったこともあります。でももう何か社会に生きられないなという。社会の一員になるのがすごく難しい。もう命でも断とうかなぐらいのことを思ってて。
でもちょっと最後に、人を楽しませるのがやっぱり好きだなってことに気づいて、プライベートで。ちょっと人楽しませる何かをやってみたいなって思って。今の劇団で、コントとかもやってるよみたいな感じの触れ込みで、誰でも来ていいよみたいな感じだったんで、試しに行ってみたら、ちょっと馬が合ったので。
その中で、最初はすごい台本とか一生懸命頑張ってたり、普通に稽古とかしてたんですけど、何て言うのかな、僕自身の実力もあれなんですけど、なんかその、はまってないというか。これで本当に食っていけるんだろうかとか。これでやっていけるんだろうかっていうのが、自分のなんか芯となるものが無くて、1回休止みたいな感じになって、1年間。そうですね、1年ぐらいは。
ある日、そういうコスプレって言ったらあれですけど、創作のそういう妖怪の格好だとか悪魔だとかファンタジーの恰好とかでパフォーマンスしてる人たちを見たときに、こういうのやってみたいなって思って。
で、そのときのパフォーマンスってどっちかというと音楽に合わせて踊ったり音楽なしで戦ってるんですけど、もう完全にその自分で肉声で喋って、その立ち回りもしてっていう。っていうものをちょっとやってみたいと思って、今に至るみたいな感じですね。
qbc:
いや、かっこいいですね。
工藤ギンペー:
いやいや、とんでもないです。
qbc:
私46で、インターネットを好きな世代だと、テキストサイトっていうところからね、インターネット始めた人間から見るとね、よくぞ生き残ってくれたと思って。
工藤ギンペー:
そう、僕も結構インターネット初期勢なんですよね。チャットとかやってた人間なんで。
qbc:
チャット(笑)中学生とかでやってた感じですかね?
工藤ギンペー:
小学ぐらいで、インターネット来たときにデビューした感じなんで、Windows 95で。チャットとかフラッシュとかの時代です。そのときにもう既に中二病だったんですよ。
qbc:
いや、そうなんですよね~。ニコニコ動画、ニコ生とかは何歳?
工藤ギンペー:
ニコニコ動画、確か19、20ぐらいですね。全盛期の頃はそれが本当に来たばっかぐらい。
qbc:
闇の工藤じゃない、それ以外の時は何してるんですか?
工藤ギンペー:
なんか本当に、創作…なんか難しいなこれ。コスプレと言うとちょっとね、結構火種が飛んでくるんで、難しいんすけど。コスプレはコスプレなんですけど、世の中にコスプレとオリジナルのコスプレっていうジャンルが今あるんですよ。
コスプレっていうとその2次元の版権物の、みたいなイメージがあって。創作コスプレっていうのは、闇の工藤とかみたいにオリジナルで自分のキャラクターを作って、服装とかも自分で用意して撮影会するみたいな。
でもこれをなんかコスプレって言うとちょっと怒る人たちもいるから難しいんですけど。創作という…創作衣装、創作キャラクター。
qbc:
でかくなりすぎたんですね。
工藤ギンペー:
そうですね。そういうイベントが東京では結構ちらほらありまして。自分もそういうイベントを開いたり、あとTRPGのイベントとかも開いたりしたりしてますね、普段。
世界観というか、オリジナルの世界観作ってみんなで撮影会しましょうみたいなこともちょっと企画したりしてます。
qbc:
え?オリジナルの世界観って、闇の工藤と仲間たちみたいな写真とか?
工藤ギンペー:
そういうのもやってます、3つ世界観作ってまして。簡単に言うと、もう一つの幕末みたいな、ファンタジー幕末みたいなやつと。あと中華ファンタジー、封神演義とかそういうね、西遊記みたいな。あと最後に闇の工藤だと、魔界っていうのを作ったんですよ。それのなんかドレスコードみたいなのをみんなで用意して。魔界だったらその闇っぽい、悪魔だとかね、キョンシーとか骸骨なんかの。幕末の方だったら、和風の。そういうので世界観を作ったりして、それに合わせてみんなで撮影しようとか。そういうのを企画してますね。
qbc:
1日どれぐらい遊んでるんですか?遊んでる時間は?
工藤ギンペー:
いや、もう遊びっていうのは、この活動を含めないんであれば、僕遊んでないですね、ほぼ。この活動を遊びというのであれば、ほぼ…家帰ってからだから、1日3時間ぐらいですかね。
qbc:
活動は何なの?ごめんなさい、私は遊びと仕事と生活みたいに分けちゃったんですけど。
工藤ギンペー:
僕どっちかというと、もうなんかね普通に普段お金を稼いでやってることは、もう生き残る生命維持活動で。本当はこっちで、今やってる活動でやっぱり金銭を得たいんですよね。
qbc:
なるほどね。
工藤ギンペー:
はい。っていうふうに思ってるんですけど、でも金銭得れるレベルじゃないけど、仕事と称して自分は結構やってる意識が強いかもしれないです。
qbc:
そのお金を払うからこのキャラクターやってくれっていうのと、タダでもいいからこの舞台に立たせてやるみたいな、闇の工藤でやってくれって言うんだったら、どっちを選ぶんですか?
工藤ギンペー:
これ難しいっすね。
qbc:
しかもお金もらえる方は気に入らないシナリオなんだとしたら?
工藤ギンペー:
そうそうそうそう、それはありますね。確かに僕、劇団入ってますけど普通役者さんとか劇団の役者さんって、当たり前だけど人の台本をいただいて人のキャラクターになるっていうのが常なんですよね。僕、それが嫌で。どっちかっていうと芸人とか、バンドマン志向が強くて。自分で書いた台本で自分で主演やりたいみたいな。
となると、確かに難しい質問ですね。いや、なんかよっぽど合ってとかならいいんですけど、自分で気に入った脚本とか自分で気に入ったキャラクターとか。
工藤ギンペー:
気に入らないけど、一晩で50万もらえるとしたら?
qbc:
あ~、それは難しい…いや、でも50万だったらやるかもしんないっす。ただ、そうですね、やるかな~、それがなんか自分の勉強にもしかしたらなるかもしれないんで。ただ拘束時間に応じて。一晩でっていうならいいんですけど、それが何か、1年コースとかと言われるとちょっときついなって感じです。
qbc:
じゃあ、50万とは言わず、一晩3万ぐらいで。一晩3万で毎日やっていいよって言ったら全然いい仕事だと思うんですよ。でも気に入らないんですよ。その場合だったらどうですか?
工藤ギンペー:
気に入らなかったらやらないと思うんですよ。例えば、イケメンの役をやってくれと言われたらちょっと僕すごい抵抗があるので。
qbc:
1ヶ月とかならできる?
工藤ギンペー:
いや~、でもイケメンとか無理ですよ、さすがに。町人とかならいいんですけど。
工藤ギンペー:
一日とかだったらいい?3万で。
工藤ギンペー:
いやぁ、やらないですよ。やらないですね、たぶん。自分でやっぱやりたくないものはやらないな。
qbc:
でも闇の工藤がどんどんグレードアップするんですよ?その3万によって。
工藤ギンペー:
いやぁ、でも魂が削れてくなと思って。そして残るなと思って、なんか。本当にやりたくないものはやらないですよ。
qbc:
闇の工藤は、ストーリー的に終わりがあるものなんですか?
工藤ギンペー:
僕が老けたらもう終わりなんじゃないかなとは、ちょっと思ってます。
qbc:
ストーリーは?
工藤ギンペー:
ストーリーとしては終わりはないです。闇の工藤の本体が死なない限りは。本体が老いない限りは闇の工藤は多分ずっと続けてると思います。
qbc:
ドラえもんの最終回的な、ネットミーム的な最終回は想像してないんですか?
工藤ギンペー:
いやぁ、一切。そうですね、今のところは今やってることが楽しいというか、なんか情熱が注げるのと。終わりはもうすぐ来るなとは思ってるんですけど、いい年なんで。ただちょっと、今は今のことをなんかやりたいなみたいな。
qbc:
性格は周りの人からなんて言われます?
工藤ギンペー:
ひねくれてるのと素直、っていうのが結構来ますね。うん。
qbc:
どういうところがひねくれてるんですか?
工藤ギンペー:
いやあ、やっぱり考え方が…なんていうだろう。結構、輪に入れないってのが一番強いんですけど。例えば、誰かを祝いたいってなって、みんなでビデオレター取ろうよってなったときに、僕ビデオレターはちょっと取りたくないんでって拒否反応を示したり。本来みんなでワイワイできることが、なんかすごく拒否反応を示してしまうことが結構ありますね。
qbc:
自分では性格どう思ってます?
工藤ギンペー:
僕も、やっぱひねくれてるし素直に喋ってしまうなって思うのと、あと人の輪にはやっぱり入れないなと思いますね。別にそんなの我慢してやりゃええやんっていうのがあると思うんですけど、結構。さっきのね、1日3万でいいからやってみたらとか。でも、やっぱりやりたくないのはやりたくないなっていうのはあるんで。そう。
qbc:
闇の工藤がいなくなったら、その本人はどうなるんですか?
工藤ギンペー:
僕ですよね。僕は、いやそれは…どうなんだろう。闇の工藤がいなくなったら、そうですよね、もうなんていうか、アニメとかゲームとかちょっとそういうのに闇の工藤がそうなったらいいなと思ってる面があって。
そのまま僕の実写は消えるけど、そういう電子上の世界とかで生きてくれればいいなって思ってます。僕自身は闇の工藤はもうやらないかもしんないけど。
qbc:
今、私が話してるのは何の工藤?
工藤ギンペー:
あ、僕は工藤ギンペーです。
過去:ただイベントで遊びに行っても、なんか将来性というか、あれがないなと思って。そこで中二病を1回思い悩んだときに、そういうのに出会って、中二病演劇ってのを作り始めて。
qbc:
過去について、ただの工藤さんに聞くんですけど、子供の頃はどんな子供でした
工藤ギンペー:
なんか小3ぐらいまでは、自然とか動物とか好きな、いたって、自分で言うのもなんですけど、純粋無垢な子供でしたけど。小6ぐらいから、新選組というのに出会って。自分が新選組の隊士なんじゃなかろうかということを、思い込んでしまい。そこから、どんどん中二病の扉の開きが出てきて。ことあるごとにアニメのキャラだと思ったり、ことあるごとにその不思議な能力が使えるんじゃないかとか、みたいなことを延々と妄想してました。
qbc:
幕末の新選組?
工藤ギンペー:
そうですね、新選組ですね。幕末の。
qbc:
末裔みたいな感じで?
工藤ギンペー:
いやぁ、もう隊士だと思ってました、自分を。
qbc:
なるほど。
工藤ギンペー:
ちょっとよくわかんないですけどね、現代なので。現代だけど隊士だと思い込んでて。
qbc:
そこの部分の何かSF的な仕組みとか仕掛けは無く、そのまま?転生したとかそういう設定とかは?
工藤ギンペー:
あ~、もう、一切なく。もう普通に自分は隊士だと、なぜか…。そうですね、そんなに考えてなかったんだと思います。
qbc:
ストーリーのギミックなしで?
工藤ギンペー:
はい。
qbc:
普段はどんな感じだったんですか?新選組として?
工藤ギンペー:
普段はですね、新選組として…まず沖田総司っていうキャラクター、キャラクターというか実際の人物がいて、新選組最強であり病弱で、優しいけど強いみたいな。三段突きという必殺技を持ってて。最初これ僕なんじゃないかってちょっと思ってしまい。でも後から、オリジナリティが欲しいと思って、なんか野村斬刀剣という名前を自分につけて。その後に羽織、父親がなんか京都で3000円ぐらいのなんかすごいしょぼい感じの羽織をお土産で買ってきてくれて。それを着て家の中を徘徊し。
あと宿泊学習みたいので、北海道で、木刀じゃなくてなんか木の刀みたいのが売られてるんですよ、修学旅行の当時。それを買ってきて、それを装備して野村斬刀剣というキャラになり、家の中を徘徊し。
学校では、あの小学生が使う運動会のハチマキを、鉢金の代わりみたいな新選組が使う。で、鉢巻を巻き。で、シャツを、後ろから腰巻じゃなくて、あのシャツの腕の部分を脇の下から通して、首のところで結ぶみたいな、そういうたすき掛けもどきみたいなことを
やって、登校してました。
あとは、よく武士言葉使ってましたね、小学校の時。
qbc:
なんか周りから止められなかったんですね。
工藤ギンペー:
いやぁ、変な格好してるなこいつとは思われましたけど。なんかやっぱ小学生だから、そこまでなんか別に理詰めもしてこないし。
qbc:
その、野村さんはオリジナルってこと?
工藤ギンペー:
あぁ一応、野村利三郎という隊士がいるんです、実際に。これ、ひねくれ者のあれだと思うんですけど、メジャーなものをちょっとディスる方面にきてて。やっぱ新選組で沖田総司ってもうメジャーもメジャーなんで。野村利三郎さんって方はページの最後ぐらいに載ってるようなキャラで。あ、このキャラクターにしようと。
でもそのまま使うのはダサいので、何かオリジナリティを出そうと思って、当時ファイナルファンタジーっていうゲームがありまして、それのオーディーンっていう召喚獣みたいなのが斬鉄剣っていう剣を使うんですよ。それで、斬鉄剣かっこいいと思ったんですけど、斬鉄剣そのままパクリだったらダサいという何かよくわかんないロジックに基づいて、刀が好きだったから野村斬刀剣になったんですよね。
qbc:
なるほどね。当時、ファイナルファンタジーいくつ?
工藤ギンペー:
たしかⅢですね。
qbc:
Ⅲやってた…なるほどね。中学生の頃はどんな感じ?
工藤ギンペー:
中学生は幽遊白書に出会うので。
qbc:
オリジナルの連載?
工藤ギンペー:
いや、漫画だと思います。ジャンプ版ではなくて、漫画の単行本があったので。確かそうですね。
qbc:
あぁ、連載じゃなくてね。
工藤ギンペー:
そう、幽遊白書を漫画で見て、飛影がいたんで、あ、これはもう自分だと。これはもうやるしかないと。
qbc:
やっぱ蔵馬ではなかったんですね。
工藤ギンペー:
あぁ、蔵馬ではなかった、やっぱね。蔵馬じゃない。僕はやっぱりちょっと違いますよね。
飛影とか、あとは死々若丸とかそこら辺がやっぱ好きでした。
qbc:
やっぱり満載だよね、確かにね。
工藤ギンペー:
そうそう。闇の工藤は、もうまんま飛影なんですよ。あれを、やってるんですよね要は。飛影が本当に大好きで。
qbc:
包帯で抑えてるんだっけ?
工藤ギンペー:
そうですね。忌呪帯法っていう包帯で巻いて、邪王炎殺黒龍波を。ただやっぱメジャーがやだっていうその拒否反応もあったんで、なんかすぐにやめたというか。なんか包帯じゃなくてハンカチを巻き始めるっていう、よくわかんない行動をしてました。
そこからなんか飛影じゃなくて、後の巻に出てくる刃霧要っていうキャラクターがすっごい好きになって。スナイパーっていう、なんかサイコロとか小さいものに念を込めて指で弾くと弾丸みたいなのが飛んでくっていうキャラクターなんですけど、仙水一味の。それに憧れて、自分もサイコロを20個ぐらいポケットに入れたりして。そういうのとかをやったりしてました。中学1年生は、ですね。
でも、2年3年だとまた変わってくるんですけど、やってることが。
qbc:
何があったんですか?
工藤ギンペー:
2年になるとチャットが確か来るので。インターネットについに自分で初めて手で触れるので、インターネットをめちゃくちゃやってて。やっぱチャットがすごい大好きすぎて。
qbc:
チャットはどこで?なんかチャットする場所ってさ、いくつかあったじゃない。
工藤ギンペー:
あぁ、ありましたありました。最初は好きな漫画のホームページに行って、そこのチャットルームみたいなとこにいたんですけど、後半からは普通のチャットだけのサイトみたいな、チャットルームが無数にあるサイトみたいなところに行って、そこで自分の自キャラを7人作ったんですよ。7人作って、それを使い分けて遊ぶってことをやってました。
qbc:
へぇ。何が原因だったんだろうね?
工藤ギンペー:
うーん、新選組ですかね。
qbc:
新選組は、なんで新選組になった?
工藤ギンペー:
当時、小学校の間でなんか武士の末裔マウントみたいのがありまして。自分の家系が武士だったらちょっとみんなに自慢できるみたいな風潮があったんですよ。それがすごいなんか悔しくて、自分が武士の家系じゃないってことを知ったんで。
qbc:
なんか有名な武将じゃなくても?
工藤ギンペー:
そうそう。武将じゃなくても、なんか武士家系ってあるじゃないですか。調べたら自分は武士家系じゃなかったみたいで。すげえそれが悔しくてって思ってたときに、その悔しいのストレスのピークのときに、新選組に出会うんですね。新選組って、武士の人もいますけど結構武士じゃない人たちが多いんで。だけど心は侍であるというかっこよさ、潔さみたいのが、かえってなんかすごいそれがマッチしたんですよね。そこからなんかもう、いろんなものに憧れてしまうという、そういう感じの癖になりました。
qbc:
中学生のその後は?
工藤ギンペー:
中学生はそれで7人のキャラクターを作って駆使して。そこから何かいろいろいっぱいありすぎるんですけど、ブラウザゲームみたいなのでなんか自分の軍団みたいのを作って。
その後は高校生になって、そこからまたチャットとかやりつつ、冥界の闇王子というキャラクター、これは前からですけどすごい闇属性が好きになって。
で、テニス部に入るんですけど、ドクロのバンダナを頭に巻いたり、黒のよくわかんない服装で部活出て、しこたまめちゃくちゃ怒られて。で、テニス部やめて…でもそれくらいかな高校生は。
で、高校卒業して、なんかV系バンドにハマり。髪を縮毛矯正にして、バンドやってないのになんかバンドボーカルみたいな。バンド活動みたいなていで、なんかプラプラと生きて。で、メイド喫茶にハマり。
qbc:
これは高校卒業してから?
工藤ギンペー:
そうですね、そのときはそうですね。
qbc:
高校卒業後は?
工藤ギンペー:
高校卒業後は札幌でネットカフェのバイトしてました。一応シナリオライターになりたいっていうのがほんのりとした夢があって。そのお金貯めるのもあって、それが東京にしかないって話なんで、そうっすね、やりつつみたいな。
qbc:
なるほどね。いいところだね、札幌もね。
工藤ギンペー:
そうですね。
qbc:
V系バンドは何が好きだったんですか?
工藤ギンペー:
もう当時だったらDIR EN GRAYとかガゼットとか、アンカフェっていうのが一番好きでしたね、本当に。その3つぐらいかな。あとはいろいろ聞いてましたけど、でもその3つが好きで、特にアンカフェってのが一番好きでした。
qbc:
その頃はあんまりそのキャラクターにはハマってない?
工藤ギンペー:
そうですね。逆に、アニメのキャラだとか、不思議な力使えるっていうのがやっぱダサい、ダサいっていうかなんか一応大人になったんで、そういうのはダサいな、卒業しようみたいな。逆にもう、そういうのはいいじゃんみたいな、妄想はいいじゃんって。妄想はしてるけど、いいじゃんって感じで、逆にもう、現実世界にあるものに憧れて。
qbc:
これはこの状態が何年ぐらい続いたんですか?
工藤ギンペー:
それが19歳から…上京するのが22歳のときぐらいなので、19から22ぐらいまではもうちょっとそんな感じでした。ゴリゴリにV系でした。
qbc:
てか、髪の毛の色は?
工藤ギンペー:
でも髪の毛は縮毛矯正だけなんですよ。縮毛矯正だけで、黒色がなんか好きだったんで、黒い髪の毛の鬼太郎みたいな感じでした。片目隠れてるみたいな。
qbc:
東京へは何しに来たんですか?
工藤ギンペー:
東京は、そのシナリオの学校が東京にしかなかったので。
qbc:
あ、ちゃんと行くんだ!なるほど。
工藤ギンペー:
そうです、ちゃんと行きます。そこからはもう中二病は一切やってないです。
qbc:
あ、中二病は出ない?
工藤ギンペー:
出なかったですね、なんか不思議と。たぶん生活が過酷すぎて、遊びの余裕がなくなっちゃったんじゃないかなと思うんです、急に。
qbc:
じゃあ学校行ってバイトしてたってこと?
工藤ギンペー:
そうですね。
qbc:
東京はどの辺に住んでたんですか?
工藤ギンペー:
東京というのを、僕やっぱ何も知らないしアホだったんで、東京のその学校行ったときに、寮紹介してあげるよと言われて、東京と思ったら神奈川だったんです。東京スチューデ◯トハウスって名前なのに神奈川だったんです。でも学校は中目黒にあって。
qbc:
へ~、いいとこだね。
工藤ギンペー:
僕しかも、金貯めたって言うけど寮の資金が確か最初に40万ぐらいかかって。生活のお金がなくて、もうなんか3万ぐらい握りしめてやってきたんで、俺死ぬなって思って、ずっと毎日学校までは自転車で行ってたんですよね、ママチャリで。
qbc:
え?
工藤ギンペー:
2時間ぐらいかかりましたね。そんな生活なんで、もうなんか中二病のちゅの字も出てこなかったですね。
qbc:
2年?
工藤ギンペー:
そうですね、2年制でした。
qbc:
どうだったんですか?
工藤ギンペー:
いやあ、過酷でしたね。ただただ過酷。
qbc:
その進退はどうなったんですか?シナリオライターとして。
工藤ギンペー:
でも全然何も。何もでしたね。全然何も、一応を学べることはありましたけど別に何かに繋がったかっていうと、そんなこともなく。
今、自分で台本書いてるけど、それに生かされてるのかというとそんなこともなく。そう、真面目にはやってたんですけどね。真面目にはやってたんですけど、なんか、こっちのノウハウと中二病演劇台本のノウハウちょっと違うなみたいな感じでした。
あと、どっちかっていうと小説専門だったんですよ。シナリオもやるけど、どっちかというとうちは小説専門の学校だよみたい感じで。正直やっぱりその小説ってのが合わなかったんでしょうね、自分に。卒業しましたけど。
qbc:
なるほどね。その後は?
工藤ギンペー:
その後はもうずっと、なんかもう死んだ魚のように…。いや、違う。その後ちょっとなんかバイト先で、いきなり難癖をつけられて、そのバイト先の店長とか会社の方もそれをなんかかばってくれなくて。で、1回病んじゃって辞めちゃって。で、ずっとニートしてて。
qbc:
ニートできないんじゃない?
工藤ギンペー:
そうです。ニートしかけて、それでもう出てけみたいな感じになっちゃって。家主的にはお金払えないんだったら。って思って、1回出て行く前に、なんでか知らないんですけど、ギアの無いママチャリで姫路まで行ったんですよね。
qbc:
東京から?
工藤ギンペー:
はい。野宿しながら。それで関西行って姫路も行ってきて、1ヶ月ぐらいでまた戻ってきて。そこでなんか、仕事探そうってなりました。一応家主の人には誓約書書いて。まだ滞納しちゃってるんで、必ず払いますって言って。それで必死に仕事探して。
qbc:
いや、何があったの?ママチャリで姫路まで行って戻ってきて。
工藤ギンペー:
いや、なんなんですかね。なんかそのときに、ほぼ野宿で生活してて、なんか命の大切さみたいなのと、あと、足怪我しちゃったんですよね、コケて。思いっきりコケて片足怪我して、最終的に箱根から足を引きずりながら一時間ぐらい歩いて帰ったんですよね。自分ところに。そんときに、なんかの世間の厳しさというか、地獄さみたいな、自分でもうどうにかしないといけないなみたいな状況があって。
qbc:
ご飯を食べるお金はあったの?
工藤ギンペー:
いや、でももうほとんどハンガーノック状態だったんで、なんか本当菓子パンってわかりますかね。なんかチョコチップ菓子パン6本入りみたいな、あのコンビニとかにある。
qbc:
あぁ、カロリー高そうなやつね。
工藤ギンペー:
そう。あれとかをなんかポリポリ食べたり、水飲んだり。路上生活者みたいな感じです。
qbc:
何日ぐらいかかった?
工藤ギンペー:
行きで16日ぐらい。でも、ほぼこいでたから15日ぐらいですね。多分。まぁ戻りで15日みたいな。
qbc:
その後は?
工藤ギンペー:
で、帰ってきて映画館で働いて。映画館辞めて。
qbc:
25、6ぐらい?
工藤ギンペー:
そうですね。25、6ぐらい。で、1回就職するんですが…あ、違う。職業専門学校に入り、職業専門学校でプログラミングとかの勉強をし。
qbc:
行政がやってるやつ?
工藤ギンペー:
あぁ、そうです。行政がやってるやつ。ちゃんと国からお金もらえたり何なりする。
それでやって、プログラミングとかパソコンの操作みたいなのを教わったんですが、そこも別に何か就職斡旋するわけではないので、別にそのまま卒業して。そのまま一応何でもないところに就職して。そうですね、就職して、そこの社長さんがちょっと怖い人だったので、すぐにいらついてなんかハサミとか投げてくる人だったんで、さすがにちょっと、いや無理だと思って。そこでもなんかまた病んじゃって、辞めて。
そこでもうこれは、もう命を絶つしかないなと。俺はもう社会で生きられんとなってたときに、ちょうどさっき言ってた劇団を見て。なるほど、ちょっとやってみるかと思って、話聞いてちょっと馬が合ったので。もう1回ちょっとやってみたいなと思って。
そうですね、必死こいて台本とかやってたんですが、ちょっと芽が出なくて。芽が出ないし、なんか軸みたいなのができなかったので、1回活動休止してからの、そういう創作の世界、創作コスプレとかの世界に出会って。自分でそういうのを演劇としてやりたいと。笑いと感動とかを混ぜ合わせた感じでやってみたいと思って、今に至るみたいな感じですね。
qbc:
10年ぐらいってことだよね?今に至るには。
工藤ギンペー:
そうですね。入ったのが30ぐらいなので、約8年ですね。
qbc:
ご両親からはどういうふうに育てられた?
工藤ギンペー:
両親からは、なんというか割と…別になんかね、虐待とかはされてないし、普通に育てられました。死ぬも生きるも自由みたいな。どういう道進もうが自由みたいなやってくれてました。
そんな感じだから、別に特別な仲良いわけでもないし、特別不仲ななわけでもないし。連絡はほぼ取ってないし、今どこで何やってるかは、わからないですね。気づいたら何かフィリピンとかにいたりする場合あるので、親が。
qbc:
兄弟は?
工藤ギンペー:
兄弟はいますけど、そっちは完璧に仲悪いっすね。もう自分が中学ぐらいから、口きいてないんじゃないかな。根本的に合わないんですね。
qbc:
どうして闇の工藤が生まれた?
工藤ギンペー:
あ~、劇団入って…闇の工藤のこの中二病演劇は2年ぐらいなんですけど、闇の工藤は5年ぐらいやってるんですよ。で、なんでそれが生まれたかっていうと、自分の昔の中二病エピソードを喋って、すごいみんなにウケて、それやったらええやんみたいな話になって。で、試しに、何かそれっぽい中二病キャラみたいな、飛影っぽい感じじゃなくてなんかキザな、わかんないけど、なんかその文言とかそういうのを中二病っぽくする感じで。試しにその劇団の人とラジオみたいなのやって、過去の中二病エピソードとか話したら結構ウケて。
で、そこから、札幌でその創作コスプレイベントみたいのがありまして。そこで闇の工藤と称したんですけど、服装が僕が実際してた中二病の服装で。で、やってみたら結構楽しい感じになって、本格的にこういう活動をしたいなみたいなのを、その5年前に思って。それで東京に帰ってきてもそういう、なりきりコスプレできるイベントが結構ちらほらあって。そのときになんか僕、凝り性なのもあるんですけど、もっと認知されやすい感じでやりたいなと思ったときに、たまたま中学校の学生服があったので、黒の学ランが。
qbc:
自分の?
工藤ギンペー:
自分のです。今僕が闇の工藤で活動してるのって、リアル中学校のときの制服着てるんですよ。
qbc:
え~。
工藤ギンペー:
そう。体形が合うっていう。それで、これだ!と思ってこのベタな感じのやつでやってみようって東京で試しにやってみたら、この学生服で右腕包帯で眼帯、そしたらめちゃくちゃこれすっごいウケる!って味をしめていろんなイベントで遊ぶようになったんですけど。でもただイベントで遊びに行っても、なんか将来性というか、そんはものがないなと思って。そこで中二病を1回思い悩んだときに、そういうのに出会って、中二病演劇ってのを作り始めて。そういう感じですね。
qbc:
転換点質問っていうのをしてて。ターニングポイントですね。なんかいくつ置いてもいいんですけど、自分の人生のどこら辺におけます?
工藤ギンペー:
いやぁ、難しい。でも難しいな。一個目は確実に劇団入ったときですね。
qbc:
30?
工藤ギンペー:
うん、30。正確に言うと29の終わりですね。29の終わりぐらいに。11月か。
qbc:
死ななかった時ですね?
工藤ギンペー:
そう、死ななかったときですね、完璧に。死なないでちょっと最後の一発かましてやろうと思ってるぐらいが。そう、だから今の団長さんに出会ったのが、人生のターニングポイントじゃないかな、本当に。
で、そこから…何年後だろうな、2017年ぐらいなのかな。その中二病の話をしたときにウケたとき、が第2ターニングポイントで。
qbc:
30いくつぐらい?
工藤ギンペー:
そうですねー、32とかなのかな、33そこぐらいで。
qbc:
早いですね。中二病ね、今また流行ってる感じするけど。
工藤ギンペー:
いや、そうなんですよ。だからそう、やっぱり一発どうにかできんかなっていうのは、ちょっとありますね。
qbc:
いや、黒歴史とともにね、やっぱりみんな持ってる。
工藤ギンペー:
そう。あとまぁ三つ目のターニングポイントは、もう2022年の6月ぐらいかな。その創作演劇とかたくさんして、中二病演劇作ろうって決めたときですね。パフォーマンスしようと。自分の闇の工藤で、遊びに行くだけじゃなくて、なんかパフォーマンスをしようと、舞台の上で。なんかそこがもう、一番のどピーク。
qbc:
リアル中二学ラン?
工藤ギンペー:
そうですね、リアル中二学ランですね。
qbc:
よく着れましたよね。
工藤ギンペー:
そうですね。ただ足が、最初やったときはズボンも履けたんですけど、ズボンを今履けなくなっちゃったから、下だけちょっと違います。上は本当に学ラン。
qbc:
すごくない?でもそれでも。体形的にも。
工藤ギンペー:
そう、体形的にも変わってないんだなぁと思って。全然ピチピチじゃないですし、本当にちょうどいい。
未来:月もう本当に15万でいいです。15から20でいいんで、もうそれだけでずっと自分の好きなことを作り続けられたら、結構死んでもいいんじゃないすかね、そのまま。
qbc:
未来についてちょっと聞いていきたいんですけど。5年10年30年、最後自分が死ぬっていうところまでイメージして、その未来について今どういうイメージを描けますか?
工藤ギンペー:
未来…それは願望ですか?それも何か現実的な?
qbc:
2つあるんだったら、2つ。
工藤ギンペー:
どうなんだろう…。でもなんか今、2つの感情があって。楽しい反面、なんかすごい焦ってるなって。忙しいが焦ってるなって思って。それが時々窮屈になるときがあるんで、なんか普通にFIREして、そんな贅沢しないで、自然とかに囲まれて毎日のんびり暮らしたいっていう。そんなのもあるんですけど。でもそれはもう、ほんとに老後とかでいいのかなって思ったりもするし。
でもだから、どっちかというと、今こうやって自分のコンテンツを楽しんでくれてる人たちがいるし、コンテンツに興味持ってくれてる人もいて、なんかそれって人のために楽しいことを作るっていうのがすごい好きなんで、それで願わくば、忙しくてもいいので金が欲しいですね。
なので未来は、やっぱり自分のコンテンツだけで、別にそんなビッグマネーとかじゃなくても、月もう本当に15万でいいです。15から20でいいんで、もうそれだけでずっと自分の好きなことを作り続けられたら、結構死んでもいいんじゃないすかね、そのまま。それが自分の未来かもしれないです。
qbc:
いや、かっこいいですね。
工藤ギンペー:
ありがとうございます。やりたいことたくさんあって。もちろんキャッシュフローを考えなくちゃいけないんですけど、なんか闇の工藤でスタンプやったら面白いなとか、闇の工藤でどっかの誰かがアニメーション化とかゲーム化してくんないかなとか。それってなんかキャッシュフローじゃなくて単純にやりたいこと、具現化したいことがたくさんあるんで。そう、それはすごいありますね。
qbc:
あ、昨日下北沢にいたんだ。
工藤ギンペー:
そうですね、いましたいました。
qbc:
私、三茶なんで。
工藤ギンペー:
あ、そうなんですね。下北沢は1ヶ月に1回ファンタジー市っていうのがあって。
qbc:
月1でやるの?
工藤ギンペー:
はい、月1でやってるんですよ。ファンタジー市ってのがそこで。
qbc:
あ!そこで見れる?
工藤ギンペー:
一応、見れるっていうか、僕はそこは遊びに行ってるだけなので。
qbc:
あ~、ステージは持ってないんだ。
工藤ギンペー:
ステージは持ってないです。でもステージも、月1で僕は荻窪でやってます。月1でやってますし、今度のデザフェスも両日出ますし。デザインフェスタっていうでかいイベント。
qbc:
出るって、あれ何かステージがあるの?
工藤ギンペー:
あるんですよ。デザインフェスタってあれ、ショーステージパフォーマンスエリアっていうのがあって。
qbc:
そうなんだ!
工藤ギンペー:
そうです。それこそハンドメイドだけじゃないんですよ。ずっとパフォーマーが常に1日通してやってるっていう。
qbc:
へぇ。でも最近で言ったら、やっぱそのVTuberとかその辺りっていうのは、駄目なんですか?
工藤ギンペー:
機会があればやってみたいですね。なんか別にそんな毛嫌いしてるわけではない。でもそれだったら、なんか自分の実写でYouTuberでいいかなみたいな。一応YouTube活動もしてるんで。そう、でもまだいいかな。
qbc:
なるほどね。いやなんか、すごいオールドインターネットっていうか。最近のインターネットって、ちゃんとしてる人が多い感じがして、ちょっと困ってたんだよね。
工藤ギンペー:
そうですね。アンダーグラウンド感は一気になくなりましたよね。SNSやネットが身近にあるというか。
qbc:
そう。みんなインターネットをやることによって、こんな弊害が起きると思わなかった。
工藤ギンペー:
あ~そうですね。それはわかります。僕も今、昔の黒歴史を振り返るのを作ってるんですけど、そのときにその当時のインターネットへの思いみたいなのをめちゃくちゃ書き出してますね。僕にとっての聖域だったみたいな。あんまメジャーの存在じゃなかったかな。
qbc:
お金は動いてるんだけどさ、お金じゃないものが動いてた時代の方が面白かった。
工藤ギンペー:
そうですよね。そうそう、あって。
qbc:
悪いことじゃないんだけどさ。私もそれでそれで稼いでる部分もあるんで、言えないんだけど。
工藤ギンペー:
あぁ、難しいとこですよね。ニコニコもそう、初期の頃がすごいなんかカオスな感じあってすごい。
qbc:
そりゃもう、本当ね、こんな面白い遊びなかったよっていう。
工藤ギンペー:
そうですよね。そんな、時代とともに不変はないんだなってことを最近学びました。
qbc:
まぁ本当インターネット、人が多くなるとつまんなくなるっていうのはやっぱ。
工藤ギンペー:
コンテンツとかそうですよね。そうなっちゃうんですよね、それは。
qbc:
でもそれはしょうがないよねっていう。
工藤ギンペー:
そうそう、難しいとこですよね。生活とか。
qbc:
そうそうそうそう。それを目当てにね、その面白いもの作ろうって人たちもいるし。最終的にお金になりそうだからっていうね。
工藤ギンペー:
そうですね、難しい。深夜バラエティーがゴールデン来ちゃうみたいな。なんかこけちゃうこともあるけど、そこでどうにか生き残るところがね、難しいとこですよね。でも確かあのときへの憧れが結構。
qbc:
でもさ、やっぱなんか結構昔のインターネット、インターネット古参の語り部みたいなのが何か仕事として成立するんじゃないかなと思ってて、最近。今の大学生とか知らないわけですもんね。
工藤ギンペー:
そうですね。そもそもフロッピーディスクを知らない世代がもう出てきてますからね。
qbc:
まあね、パソコンを持ってない世代も多いわけだから。パソコン持たないのがそんな珍しくないし、フラッシュっていうもの自体が存在しなくなってきてるわけだから。
工藤ギンペー:
知らない人増えてきて。
qbc:
で、配信が当たり前じゃなかった。ただ、ラジオはね、ネトラジの時代とかさ。
工藤ギンペー:
あ~、ありました。
qbc:
でもチャットだよね、やっぱね。掲示板、チャット。
工藤ギンペー:
掲示板、チャットはもう本当にそうで、主流でしたね。だから伝わらないんですよね、チャットってのが。もうなんかLINEで、LINEとごちゃごちゃになっちゃう感じがするんで。多分伝えても本当わかんない。
qbc:
チャット分からないの?
工藤ギンペー:
多分チャットもわからないと思います。LINEでええやんみたいな感じになっちゃうんで。
チャットって言ってねっつっても、なんかLINEでしょう?みたいな感じになっちゃう。
qbc:
マジか。
そうね。だからヤフーのディレクトリ型の検索とかさ、Googleの前の世界を知らないっていう。検索もそう、登録型のリンク集、リンク集を知らないんだよね、多分ね。
工藤ギンペー:
そうですね。リンク集とかキリ番とか。
qbc:
(笑)そんなんだって、20年ぐらい前の話だからね。
工藤ギンペー:
そうですね。絶対にわかんないっすね。そもそも、もうなんかね、ホームページを見るっていう習慣も、ちょっと薄れてきてる子たちがやっぱ多いし。もうYouTubeでいいじゃんみたいな。
qbc:
なんか、同世代のそのインターネット古参の人たちってそういう会話とかしないの?
工藤ギンペー:
確かにあんまりしないですね。僕の世代ってどっちかというと、僕が中学校で触れてるから、多分その人たちって20代とかで触れてる人たちが多いから、若干ずれがあるし。あとその言い方悪いですけど、普通の人ってインターネットやらなかった時代なんで。
qbc:
あ~、まぁそうね。
工藤ギンペー:
そんな話してても、「いや、なんかよくわかんない。メールはしてたよ」ぐらいしか言われないというか。
qbc:
インターネット老人会か。絶対必要だと思うんだけど。
で、もしもの未来の質問っていうのをしてるんですけど。もしも、闇の工藤が生まれてなかったらどうなんですか?
工藤ギンペー:
あ~、難しい…でも、闇の工藤に結局行く…いや、どうなるんだろう。そもそも演劇とか…いや、無理だな、多分結婚とか普通の生活できないです。多分YouTuberとかやってるんじゃないかな、適当な。適当なYouTuberとか、多分なんかお笑いとかやって、細々となんか適当にやって生きます。多分、人間社会では生きるのはなかなか難しいと思うんですけど。
qbc:
自分の柱がない芸人みたいになってるということ?
工藤ギンペー:
いやあ、多分そうだと思います。なんか確かに闇の工藤に出会う前はシナリオとか書きたいって思ってたし。まだ変なことしたいとかも、多少はあったので。それか、のたれ死んでます、多分。やっぱ29で命絶ってると思います。
qbc:
中二病キャラって他にいないんですか?その界隈っていうか。その競合の人とか。
工藤ギンペー:
いや、それを中二病って言うと悪口になっちゃうので。なんか中二病っぽいコンテンツでやってる人たちは、たくさんいますけど、その中二病とはうたってないというか。中二病ってうたってるのは、多分僕ぐらい。わかんないですけど、いるかもしれないですけど、僕ぐらいだと思います。一応僕、最近共演する人、好きにキャラクター作ってね部門と、自分でキャラクター作れない部門の人たちがいて。好きにキャラクターを作ってください部門の中二病のキャラクターの子たちと、また好きに僕がキャラクター作ってくださいっていうお願いされてる方は、僕で何か新たな中二病のキャラクターを作ったりしたりはしてます。プロデュースってわけじゃないんすけど。そういう意味ではちょっと生み出しては一応います。
qbc:
じゃあもうなんか、中二病劇団みたいなものは何か見えそうなんだ?
工藤ギンペー:
そう、多少はできかけてはいますね。
そもそもデザフェスで毎年1年に1回やってるのは、1人舞台じゃなくて、複数で9人ぐらいでやってるので。そっちはそんな感じだし、最近なんかがっつりしたものを3人ぐらいでやったりしてるんで。なんか複数でやることも増えてきました。
qbc:
最後の質問は、最後に言い残したことはっていうので、遺言でも、読者向けメッセージでも、インタビューでの独り言でもいいですけど、最後に言い残したことがあればお伺いしてます。
工藤ギンペー:
難しい。最後に言い残した事か。難しいな。読者に言えるほど偉い立場ではないんで、自分に言うと…。演劇って結局赤字なので、時々嫌になるし自分のやってることを信じれなくなってくるんですけど、でもやっぱりやってよかったなって思いますし、好きだから続けてるんだろうなって思いますので、なんかその気持ちが嫌になるまでは、ちょっとでも好きな気持ちが残ってる限りは、悔いのないようにやっていきたいですね。多分それが本当にお金になったとき、財産になるんじゃないのかなというふうに思っています。
qbc:
ありがとうございます。
あとがき
戦え!!!!! 人生を!!!!!
【インタビュー・あとがき:qbc】
【編集:mii】
#無名人インタビュー #インタビュー #中二病 #厨二病 #工藤ギンペー
マガジンで過去インタビューも読めますよ!
インタビュー参加募集!
いただいたサポートは無名人インタビューの活動に使用します!!