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美咲さん ✖️ BL 前編 【偏愛インタビュー】
好きなものを語りたいっっ!!
ということで、偏愛インタビューはじめました。
【第3回目のゲスト】
美咲さん
インタビューやWeb記事を執筆するフリーランスライター。
BL について語ってもらいました!
各種リンクはこちらから!
・note
・ポートフォリオ
・X (旧Twitter)
・無名人インタビュー
前編・後編に分けて、好きをお届けします。
後編は明日公開です!
聴き手:erica (無名人インタビュー・インタビュアー)
はじめに : 一番楽しいなと思うのが書くことだった人間です。
── 美咲さんは今、何をしている方ですか?
美咲: フリーランスでライターをやっています。
Web記事のテキストの作成とか。あとは、人の話を聞くのが好きで、インタビューをして内容を記事にまとめるインタビューライターとして働くこともあります。
具体的に言うと、採用系サイトのテキストを作ったり、企業紹介のパンフレットで代表の方の思いを聞いてテキストでまとめたり。
去年の6月に独立したので、丸1年になります。
1995年生まれの29歳で、20歳から9年間会社員として勤めていました。特に、広告や出版に関係するような仕事はしていなかったんですが、副業でやっていたライティングが面白くて、去年独立しました。
今回お話する内容にも結構関わってくるかなとも思うんですけど。
元々、文字を書くのと読むのが好きで。
幼少期から図書館によく行ったり、家にも本が沢山あって漫画や本に触れたりしながら生きてきました。なので、小学生の頃から自然に自分で文章を書くことが多くなった。
趣味というか、一番楽しいなと思うのが書くことだった人間です。書くこともライフワークにしつつ生きていきたいなぁと思っています。
01 : 誰かにグレーな話をしたことがなくて、ちょっとしてみたいなと思って、今日来ました。
── 美咲さんが今回お話してみたいことは何ですか?
美咲: 今回は、自分の人生においてかなりの割合を占めているBL (ボーイズラブ) について話してみたいです。
フリーランスでシフトがないので、週7日稼働するんですけど。そのうち1日は、自分のための、お金が稼がない文字を書く日にしようと決めています。1週間に6時間くらいですかね。
その6時間は、エッセイを書いたり、noteを更新したり、文芸の小説も書くので、書いて公募に応募したりしています。BLとは違う書き物の時間を取っていますね。
ericaさん、二次創作っていう文化は分かりますか?
── 知っています!
美咲: BLでは、二次創作を書いているんですが。オリジナル作品は書いていないです。
BL、それこそ二次創作は9歳の頃から好きなんですよね。20年くらい見ているので、睡眠や食事以外に人生で一番よくやっていることです。
BLには、小説を書いて製本して売る “同人誌” という文化があります。ライターの仕事とは別に時間を取って、趣味としてやっていますね。具体的に言うと、BLの小説を書いて本にしたり、ネットに載せたりしています。結構、グレーなんですけどね。
── グレーとは、どういう意味ですか?
美咲: BLは、結構抵抗ある人もいる話だと思うんです。誰かにグレーな話をしたことがなくて、ちょっとしてみたいなと思って、今日来ました。なので、キモって思ったらキモって言ってください。
── あはは(笑)。お気遣いありがとうございます!
最近は、二次創作で何か書きました?
美咲: 6月30日、ちょうど来週に、即売会っていうBLの本を売るイベントがあるんですよ。そこで売る予定があって、その準備をしています。
── ちょっとネタバレになるかもしれないんですけど、どんなストーリーを書いているんですか?
美咲: このインタビューって、みんなこんなキモい話してるんですかね? すみません(笑)。作品名は出せないんですけど大丈夫ですか?
── 大丈夫ですよ!
美咲: 2019年ぐらいから、少年誌のスポーツ漫画にハマっています。
そこに出てくる高校生二人組ABのカップリングで5年くらい本を作っていて、それを売っていますね。
── 二次創作は、そのカップリングでずっと書かれているんですか?
美咲:そうですね。
そもそも、腐女子って文化としてご存知ですか?
── GL( ガールズラブ )、BLを読んでいた時期も少しあったので、知ってますよ!
美咲: すごく不思議だなっていつも思うのが、好きなキャラクターが一緒でも、私の好きなカップリングの、AくんとBくんが固定で好きな人もいるし、Aが好きだからどのキャラクターとも組み合わせたいという人もいる。100人いれば100通りの解釈があるんです。
その不思議さがむちゃくちゃ面白いというか。永遠と興味が止まらん!みたいな気持ちで、他の人の創作をみてしまうし、自分も二次創作をやっています。これがすごく面白いんですよね。
私がABに対してこういう風になってほしいから、こういう本書いてみた、で読んでくれる人もいるんですけど。もちろんそれが地雷の人もいるし、自分にも地雷がある。その文化が面白いなっていつも思っています。
── 美咲さんは、どういった解釈になるんですか?
美咲: 腐女子の文化として、年齢制限的な表現も存在するじゃないですか。その表現込みの話をこれからしちゃうんですけど。
自分の解釈だと、先述の作品も含め、絶対原作ありき。原作の中で、関係性が深いキャラクター同士をカップリングさせたい。で、ただラブラブするのはあんまり現実味がないような気が。いや、全部現実味ないんですけど(笑)。
どうせなら、1回山場を挟みたい。それなりに思い合っているのに、すれ違って、最終的にハッピーエンドみたいな。毎年、同じようなものを作ってますね。
02 : こういう人がリアルにまだ生きていて、同人誌を毎年出してることを、私はすごく興味深いと感じました。
── 他の方も、毎年同じようなものを作るんですか?
美咲: 私もそうなんですけど、制作している人間が一緒だから、いろんなものを作れるわけじゃないというか。その人の解釈で本を作るから、その人のラーメン屋さんの味になる。すごくいい言い方すれば、スープは変わらないみたいな(笑)。麺とかは変えますけどね。
なので、ここのラーメン屋さんが好きっ!みたいな文化が、二次創作にはあります。私は結構、紆余曲折あって最終的にはハッピーエンド。あと年齢制限ありの表現も絶対2回は挟みますという形でお届けしたいというか、自分にお届けしたいなと思ってます。自分のために書いているんで。
── 他の方の解釈で、好きなものはありましたか?
美咲: あるはありますね。
でも、正直に言っちゃうと、もうABだったらABの解釈について、一番好きな表現で勝手に自分で本を作っているので。
だから、自分のラーメンが一番美味しいラーメンになってる。私は他の方のものを読めないタイプでもあります。漫画やイラストだとさっと読めるんですけど、特に文章だと、ちょっと気になっちゃうと最後まで読めないこともある。一応、本だと自分の麺が一番いいという感じになっていますね。
とはいえ、他の方のを読んだことが二次創作のきっかけになったり、「あーもう大好きこの文化」ってこれまで思ったりすることもあったので。
他の方のBLおよび二次創作で好きなものもありますね。文章が上手い人とか、「なんだこれ、自分に書けないっ」みたいなものが特に好きです。上手い書き手の本の中で衝撃的なものは、10年単位でも覚えていますね。
── 今、特に覚えている作品はありますか?
美咲: 何をトチ狂ってるんだ? みたいな話をしちゃうかもしれないんですけど。2つあります。ここからは作品名出しますね。
世代が違うかもしれないんですけど、『最遊記』っていうアニメがあって。
ご存知ですか?
── すみません、分からないですね…。
美咲: 『最遊記』は、90年代に一世を風靡したアニメです。私も若干世代がズレているんですが、40年前くらいにBL的な意味ですごく人気があったんですよね。
私も20歳くらいでハマって。二次創作の一大勢力だった作品なので、すごく長いこと同人誌を出している人もいれば、とんでもなく沢山の作品を自分のホームページにアップしてる人もいれば…。猛者みたいな人がいっぱいいたんです。20年ぐらいかけて、同人誌を100冊くらい出している人がいて、今も出し続けているんですが。その人は、自分の中で一番好きな人ですね。
シンプルに、20年続けてることって何? って思った。BLは好きなんですけど、人間って20年も同じものを続けるのって、そんなにないような気もしていて。
しかも、同人誌って基本的に売上出しちゃいけないんで。ダマでやる人も沢山いるとは思いますけど、基本的には赤字前提で想定して、本を出しているんです。だから、お金を稼げるわけでもない。本当に、趣味でやってる。
昔って、今よりもネットリテラシーが低いというか、何でも出すような時代だったんで。当時からやってる人って、ネットに自分の情報めちゃくちゃ書いてるんですよ。だから、都内に住んでて出版社に勤めてる60代というのはもう分かってるんですけど。
こういう人がリアルにまだ生きていて、同人誌を毎年出してることを、私はすごく興味深いと感じました。会ったことは、イベントで本を買って顔を合わせたぐらいしかないんですけど。その人のことはすごく感動してるし、書いている話もすごい面白いですね。
あと、『テニスの王子様』 (通称: テニプリ) というジャンプの漫画があるんですけど。
二次創作も幅広くて、原作の流れでありそうなことを書くタイプもいれば、完全にもう自分で作品を捏造する人もいる。例えば、この人にこういう病気があってとか、本当に好き勝手やるとか。逆に全部グレーだから全部オッケーみたいな世界なんですよね。
ホームページにテニプリの創作を載せていた人も好きで、かなり自由にいろんな物語を書いていました。その人の作品にも引き寄せられて、おもしろ〜い!って思いながら、高校の頃徹夜しながら読みました。変な青春時代の思い出のホームページだったので、その人は忘れられないですね。
多分、50代60代ぐらいの同じ年代の書き手さんがネットで書いてたんだなと思いますね。『最遊記』と『テニプリ』の長編小説をそれぞれ更新したり、本を作ったりしていた人たちは、記憶に残って忘れられないなって思ってます。
03 : そう思ってもらえたら、無駄というか意味分かんないことしてるけど、とりあえず楽しいなと思うので。
── お2人の解釈や書き方に、何か共通項はありますか?
美咲: 原作があるのに骨太も何もないだろって話なんですけど(笑)。結構ちゃんと文章を読んできたり書いてきたりした人が書いた文章って、読んでいたら分かるんです。骨太な話を、長編で書く人だと思います。
二次創作もいろいろあって、パッと読めるインスタントさが面白い時も全然あるんですが。すご〜く読ませる人だと、普通にグッて入っちゃうっていう。そこが2人とも似てると思いました。どちらも小説ですね。
── 骨太な作風って、美咲さんの今の作風にも影響を与えていますか?
美咲: あぁ、うわー。与えてはいます。なんか恥ずかしいですけど。そうなれてるかは分かんないですけど。
二次創作は、もう完全に別に集金してないというか趣味でやってるので、ちょっと忍んで言っちゃうんですけど。
変な文化じゃないですか。素人の、プロでもない人間が描いた漫画なりイラストなり本を買い求めてくる人が、東京とか大阪のデカいホールに集まってくるってすごく変な文化なんです。変な文化をする以上、なんか熱狂的な人が来てくれたら嬉しいし、私もその2人の作家に結構傾倒しているというか、「もう〜人生しんど〜」みたいな朝に、それを読んで「今日も頑張ろう」と思った時もあったので。そう思ってもらえたら、無駄というか意味分かんないことしてるけど、とりあえず楽しいなと思うので。
だから、読み捨てられないようにはしたいなというか。例えば、文字がちっちゃかったら読めないし、いつも漢字間違えるなってなったら多分読めないし。二次創作はちゃんとしてない文化なんですけど、ちゃんとしたものを作るなら作ろうと一応気をつけてはいますね。
── 今日も頑張ろうという思考には、どうやって辿り着くんですか?
美咲: 読んだ時に、萌えの感覚ってあります? ときめきっ萌えっみたいな。
── う〜ん。萌えはあんまりないかもしれません…。
美咲: 多分、何かを読んだ時の面白いが、ちょっとギアを変えたのが萌え。なんか面白いなっていう感覚の延長。
小説を読んだ時に、「あぁ〜いいもの読んだ!」という気持ちを、もうちょっとニュアンスを変えれば萌えになると思うんですけど。
萌えを感じた後に、マジで顔も知らない、でも同じようにBLが好きな素人の人間が作ってるって、変なの〜おもしろ〜interestingっていう気持ちが生まれるんです。その後、私も書くのは好きだし、読むのも好きだから、が〜んばろっみたいな三段変化がある気がします。
ひとりごと
ラーメンの例え、とっても面白い。
解釈は変わらないから、毎年同じようなものを書いているというお話がすごく興味深かったです。それを20年ほど続けているのは、こだわりの一杯を作ることに近いのかな。
こだわりの一杯がたくさん並ぶ空間。私はイベントに行ったことはないのですが、きっと変な、でもすごく面白い空間が広がっているんだろうなと感じました。
後編では、BLの萌え、お気に入り作品の『恋の話がしたい』、そしてBLを好きだと言うこと について語ってもらいました!後編もお楽しみに!!!
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