concept:001 枕の中材
僕は、よく眠る。むしろ、眠りすぎるくらいだ。
しかし最近、加齢のせいか朝早くに一度、目が覚めてしまう。これは恐らく、枕のせいではない。しかし以前から気になっていたことがあって、市販されている枕の中材として蕎麦殻が少なくなってきていることだ。
現在、わた材やパイプ枕が多い。ウレタンフォームなどもある。あとは、マイクロビーズ…かな。自然由来の枕は、あまりない。
僕は小さな頃から、蕎麦殻の枕で眠りについてきた。幼い頃からの馴染みのある感触が、やはり一番寝やすかったのだ。ただ、中材は永劫使えるわけもなく、経年で枕を変えざるを得ない。
市販されている枕を検討するも、どこか馴染みのあるあの蕎麦殻の感触とは違い、なんだか違和感が拭えない。
昔にネットカフェで働いていた時、コーヒーをインスタントではなく粉から淹れていた。僕はそのコーヒーかすをもらって乾燥させ・を繰り返し、ある程度の量がたまったところで枕にしてみた。
これがまた、寝やすかった。弾力という訳ではないが、型を整えやすく頭が沈み込まない。後頭部がすっぽりおさまる形が整えば、それがフィット感として心地よかった。そしてそれを使って数年、またしても枕の中材を変えるタイミングがやってくる。その際にはネットカフェはすでに離職し、違う職場にいた。コーヒーかすは、もうもらえない。さて、どうするか。
次に僕が着目したのは、おがくず。とは言っても粗いものではなく粉末、パウダー状のおがくずだ。現在、この枕を使っている。
かなり前に、植物の培土の混材用にとヤフオクで大量に買っていた残りがまだまだあった。それを適当なファスナー式の布袋に入れ、さらにそれを百均で入手してきたクッションケース(ノートPCなどをバッグに入れる際、衝撃が加わらないようにするやつ)に入れて枕にした。
これもまた、なかなか良い。沈み込まない枕が欲しい僕には、この固めのフィット感が丁度いい。仄かに木の香りもして、心安らぐのもまた良し。
しかし、ここで考える。もしこの中材を次に変えるタイミングが来た際、次はどうしようかと。
さて、ここでようやく本題。
『枕の中材問題』だ。現在検討しているものは、2種類。おがくず、そして籾殻。
おがくずは、その際には今回のような粉末ではなく若干粗めの、僅かにふんわりする程度のものを考えている。そして、それはできればヒノキ材。
ヒノキの香りに包まれながら眠る、そんな想像をしてみるだけでもゆっくり眠れそうな気がするのだ。
籾殻は、その吸湿性と通気性に着目しての検討。こちらは細かめのおがくずよりもさらにふんわりする。そして、場所にもよるけれど無料で手に入る。コストパフォーマンスは、かなり良い。
そしてこの2種類、いずれの場合も同じ懸念が生まれる。繊維じたいは硬く、微細な繊維質が布地を通り抜けて頭に刺さりはしないかと。おがくずは粗過ぎればその可能性は否めないし、籾殻に至っては『禾』がある。籾殻粒の先端についている、あの細い繊維だ。ちくちくして気になってしまえば、眠るどころではなくなってしまう。
そこで以前、少しテストをしてみた。籾殻をフードプロセッサーにかけて、禾を落とそうという試みだ。結果は、上々。フードプロセッサーにかけた後の籾殻は指先に刺さる感じやちくちくした感じはなく、優しく柔らかに当たる感触が得られた。これは次期の枕の中材として、かなり有効。しかし、フードプロセッサーでは1回にかけられる量が多くはなく、しかも1回あたり3分程度を要する。枕を作る際には、どうにも手間なのだ。
ちなみにおがくずはヤフオクでそれなりの量が販売されており、粒度も様々。選択肢は多くあるので、そこから最良となりうるものを見出せば良し。
まだ未着手ではあるけれど、いずれは考えなくてはならない『枕の中材問題』。計画が着手された際にはまた、その報告は行います。
あと、同じくヤフオクでコーヒーかすは販売されているので、コーヒーかすを枕の中材として試したい方はそれも見てみるといいかもしれません。
ただし、枕にするにはそれなりの量が必要になります。枕に使うには1㌔どころじゃないと思うので、そのあたりも頭の片隅に。そしてコーヒーの色素が溶け出して、枕の中袋に着色します。それも加えて、お伝えしておきます。
参考までに。