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Photo by
kyatapy
おかしな便座
東京某所の公衆トイレにおかしな便座があると聞いて、早速駆けつけた取材班が目にしたものは、4トンはくだらない大量の大便だった。
「隊長!吐きそうです!」
「我慢するな、出せ」
隊長は嘔吐を許可する。長年のキャリアから、ここは一度吐かせておくべきだと判断したのだろう。
画像を作るのが面倒なのでテキストで申し訳ないが、うんこで"埋まって"いた。
鼻孔にツンとくる刺激臭を除けば、実質カステラと変わらなかった。
通常であれば、ここは撤退の一手だ。
しかしここは歴戦の隊長。出す指示も一味違う。
「溶かすぞ。うんこを溶かすんだよ」
「しかし、溶かすと申しましても」
臆病風に吹かれるへっぴり腰の隊員の尻を隊長がフェザータッチ。さすがにこれは指導の時間だ。
隊長は全体に向かって指示を仰ぐ。
「俺がもし、戦国武将だったら」
こいつぁ二時間コースだぜ。そう思った矢先、隊長から飛び出したのは意外な言葉だった。
「うんこに毒を盛り、領地を奪うんだ」
この人は僕たちとは"違う"。僕たちがやっていることはうんこバスターズ。
この人のそれは"うんこ道"。志が全然違うものだった。
漠然と思ってた。僕も将来年をとったら、惰性でうんこにドリルをかける大人になって、それが大人になるってことなんじゃないかって。
でも違ったんだ。
大人っていうのは、こういう判断が土壇場でできる人間になることだ。
そのことを、隊長は教えてくれた。
隊長は先週時給が上がったらしく、これで最低賃金よりかはもらえるらしいとのことだ。
〜完〜
書いた人:青木