見出し画像

Boris Bidjan Saberi:インダストリアルな美学と職人技が生む究極のウェア

ファッションの世界には、流行に左右されず独自の哲学を貫くブランドが存在する。Boris Bidjan Saberi(ボリス・ビジャン・サベリ)もそのひとつだ。2007年にブランドをスタートさせ、アヴァンギャルドなデザインと職人的な技術を融合させたコレクションを展開している。

ドイツ生まれのイラン系デザイナーであるサベリは、伝統的なクラフトと現代の機能性を組み合わせ、他にはない独自のスタイルを確立。ワークウェアやミリタリーの要素をベースにしながらも、緻密なパターンワークやハンドメイドの加工技術によって、唯一無二のシルエットや質感を生み出している。そこには、単なる装飾ではなく、実験的な手法や素材選びが反映されており、まさにアートと実用性の境界線を曖昧にするようなアプローチが見られる。

Boris Bidjan Saberiの特徴を語る上で欠かせないのが、独自の染色技術と経年変化の美学。ブランドのアイテムには、手作業による染色やウォッシュ加工が施されており、時間が経つにつれてその表情が変化する。新品の状態が完成形ではなく、着ることで個々のスタイルに馴染んでいく。まるで履き込んだレザーシューズのように、持ち主のライフスタイルを反映しながら進化していくのが魅力だ。

また、Boris Bidjan Saberiには2つのラインがある。メインラインの「Boris Bidjan Saberi」は、実験的なカッティングやアートピースのようなデザインが特徴。対して、「11 by Boris Bidjan Saberi」は、よりスポーツウェア的な視点を取り入れ、日常に取り入れやすいストリート寄りのアイテムを展開している。どちらのラインにも共通するのは、無骨でありながら洗練されたシルエットと、職人技が光るディテールへのこだわりだ。

Rick OwensやCarol Christian Poellと並び、アンダーグラウンドなモードを代表するブランドとして知られるBoris Bidjan Saberi。その服を纏うことは、単にブランドのロゴを着るのとは違い、その哲学や世界観を共有することを意味する。流行を追うのではなく、自分のスタイルを確立したい人にこそ、このブランドの魅力が響くはずだ。

Noteにて書かせて頂いた題材を中心に
Spotify for Podcastersにてお話させて頂いております。

https://open.spotify.com/show/3StuESpZ1Xhez8oCs3ZTPn

神奈川・三浦海岸に位置するビンテージ・セレクトショップ「UNKNOWN」の
オーナーによるラジオ番組。

古着と言う知識だけではなく
ファッション・音楽・アートなどに通ずる世界カルチャーを中心に
流行りや時代の進化を音源や思想を通しながらお話ししています。

音楽はオーナー自身が発掘した
世界のカセットテープ音源・レコードを中心に流させて頂いております。

ここから先は

1,916字 / 5画像

¥ 300

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?