マインクラフトに向くサーバーを考える
前置き
最近、Discordのサーバー内でマインクラフト(統合版)が流行っているらしい。その中で、サーバーのメンバーがRealmsとかいうマイクロソフトが提供するサービスに入った。
Realmsは簡単に言うとMicrosoft公式が提供するサーバーシステムで、招待リンクさえあれば参加できる便利なものだ。月額940円で使える。
だが、このRealmsは10人までしか入れないという弱点があり、自分が参加できる人数が空いていなかった。
そこで、マインクラフトサーバー(統合版)を作り、そこに招待するという策がある。自宅にサーバーを作るという策もあるが、やはり費用が高くつく。そんな中で頼りになるのが「VPS」だ。
まずVPSって?
さっきから何回も出てきている「VPS」。こいつはどういうやつなのかというのを軽く説明しよう。
VPSとはVirtual Private Serverの略で、簡単にいうと一つの物理サーバーの中にサーバーを作り、そのサーバーを個人や会社に提供するサービスのことを指す。
テンプレートと呼ばれるものがあり、Minecraftのサーバー用のソフトをまとめたものや、UbuntuなどのOSのみのパターン、WordPress(ブログ用ソフト)などがテンプレートとしてまとまっている。
代表的なサービスにはConoHa VPS、Xserver VPS、WebARENA Indigo、Ablenet VPSなどがある。
マインクラフトのテンプレートがある「VPS」はConoHaやXserver VPS、さくらインターネットなどが提供しており、それぞれに利点と弱点がある。それぞれのサービスを比較しようというのが今回の話だ。長そうなので今回は二回に分けていく。
各VPSとRealmsとの比較
では早速比較していこう。
今回はMinecraft Realms、ConoHa、Xserver、さくらのVPSをそれぞれ比較していく。
Minecraft Realms
マインクラフト公式が提供しているマルチプレイサービス。150個の「マーケットプレイス」(有志によって作られたワールドやスキンを購入できる統合版の機能)のなかでの多くのコンテンツが楽しめる。さらに統合版RealmsはPS5 / PS4 / Xbox / iPhone / Android / Windows / Amazon Fireのデバイス間でクロスプレイができるというのが特徴。
ConoHa for GAME (ConoHa)
ConoHaとは、レンタルサーバーの「WING」や、多くの用途向けのテンプレートを備えるGMOインターネットグループが提供するホストサービス。この中でゲームに特化した「ConoHa for GAME」は、マルチプレイに関する設定不要の「テンプレート」が多数用意され、サーバーを構築してからすぐに遊ぶことができる。
テンプレートとしては、Minecraft(統合、Java、Forge対応)、Rust、ARK、Zomboid、CS:GOやテラリアなどがある。
ConoHaの特徴
使っただけ払えばいい、時間課金システム
ConoHaには他のVPSにはない時間課金システムが選択できる。例えば、フレンドと時間を決めてプレイすれば、費用も安く収まる。
学生に優しいConoHaチャージ
ConoHaチャージは、事前にコンビニなどでサーバーの代金を支払えるプリペイドサービス。500円からチャージが可能で、支払い方法にはクレジットカードはもちろん、Amazon Payやコンビニ決済が使える。
もしものデータ消失にも安心!自動バックアップ機能
ConoHaでは、マイクラのサーバーを自動でバックアップしてくれる機能をオプションで選択できる。バックアップ専用のストレージが備えられており、100GB、300GB、600GBの中から選ぶことができる。
ConoHaの料金
では料金を見ていこう。今回は毎月払い、3か月払い、年払い、時間課金で見ていく。
4GB(10人以下)
4コア + 100GB SSD
毎月払い(長期割引パス使用) | ¥2,408/月
3ヶ月払い | ¥6,365/3ヶ月(月換算 ¥2,122)
年払い | ¥12,674/年 (月換算 ¥1,057)
時間課金 | ¥7.3/毎時、最大¥3,969/月
8GB(11人~)
6コア / 100GB SSD
毎月払い(長期割引パス) | ¥4,828/月
3か月払い | ¥12,753(一月あたり¥4,252)
年払い | ¥25,421 (一月あたり¥2,119)
時間課金 | ¥14.6/時、最大¥8,083/月
自動バックアップ
100GB ¥363/月 | ¥0.7/時
300GB ¥1,210/月 | ¥2/時
600GB ¥2,420/月 | ¥3.7/時
ConoHa VPSは、我々のような学生がマイクラサーバーを作るときや、バックアップ機能でデータ消失をなるべく抑えたい人におすすめだ。
さらに、時間を決めれば安くなる時間課金があるため、使い方次第でコスパが良くなる場合がある。
Xserver VPS (エックスサーバー)
エックスサーバーは、大阪に本社を置く高速なレンタルサーバーやVPS、ドメインやSSLなど、インターネットの中心を支えている企業。ネットワーク障害に強く、パフォーマンスに優れているのが特徴。
Xserverの特徴
高パフォーマンス
プロセッサーにAMD Epyc(AMDのサーバー用CPU)を搭載し、ストレージにM.2でおなじみのNVMe SSDを採用することで、スピーディな処理ができるようになった。
選べるアプリイメージ
XserverはMinecraftのほかに、多彩なゲームのサーバーやアプリ、Webサイトを動かすための「イメージ」が豊富にある。
UbuntuやArch LinuxなどのOSのみのイメージはもちろん、Stable Diffusion(AIイラストを作るためのソフト)、Rubyなどのプログラミング環境、LAMP(Linux + Apacheサーバー + MariaDB + PHPのバンドル)、MinecraftのForge(MOD)、Java、Rustなどの多くの使い道がある。
Paidyの後払いでコンビニ払いが使用可能
Xserverはクレジットカードのほかに、Paidyの後払い決済にも対応している。利用料金に+390円加算されるが、クレジットカードを持たない(持てない)学生にはかなり便利。
Xserverの料金
ではこちらも料金を確認していこう。毎月払い、12か月払いの二つの金額を見ていく。
(割引なしの通常価格)
4GB
4コア / 100GB SSD
毎月払い | ¥2,200/月
年払い | ¥21,600/年(一月あたり¥1,800)
8GB
6コア / 100GB SSD
毎月払い | ¥4,400
年払い | ¥43,200(一月あたり¥3,600)
ConoHaよりはコスパは劣るが、性能に特化したマイクラサーバーを作りたい方におすすめだ。
さくらのVPS(さくらインターネット)
さくらインターネットは、大阪に本社を置く日本のホスティングサービス企業。あのフリマアプリの「メルカリ」などもサービスを使用しており、VPSや共用サーバー、メールサーバーはもちろん、AIに特化した高火力サーバーなども提供している。
さくらのVPSの特徴
使いやすいコントロールパネル
クリック一つで、OSの再インストールや再起動、(難しいかもしれないが)コマンド操作などをブラウザから操作できる。
多彩なOSと「スタートアップスクリプト」
本VPSは、Ubuntu、Debian、Arch Linuxなどの主要OSはもちろん、Rocky LinuxやAlma Linuxなどのサーバー用OS、KUSANAGI(Webサイト作成に特化したOS)なども選択できるのに加え、マイクラサーバーの自動構成やさまざまな機能を自動設定する「スタートアップスクリプト」があり、初心者にも便利。
さくらVPSの価格
では料金を見てみよう。月額と年額で比較した。
また、リージョンと呼ばれる地域によって価格に差がある。
支払い方法は、クレジットカード、銀行振込、請求書によるコンビニまたはPayPayなどのバーコード決済(手数料550円、4GB以上のサーバーの場合手数料無料)がある。
4GB
4コア / SSD 200GB
毎月払い
石狩サーバー | ¥3,520
大阪サーバー | ¥3,740
東京サーバー | ¥3,960
年払い
石狩サーバー | ¥38,720 (月換算 ¥3,227)
大阪サーバー | ¥41,140 (月換算 ¥3,429)
東京サーバー | ¥43,560 (月換算 ¥3,630)
8GB
6コア / SSD 400GB
毎月払い
石狩サーバー | ¥7,040
大阪サーバー | ¥7,480
東京サーバー | ¥7,920
年払い
石狩サーバー | ¥77,440 (月換算 ¥6,454)
大阪サーバー | ¥82,280 (月換算 ¥6,857)
東京サーバー | ¥87,120 (月換算 ¥7,260)
さくらのVPSは、選べるリージョンやスタートアップスクリプトで設定を楽にしたい、またPayPayでの請求書払いも対応するため、そちらも考慮している方におすすめだ。
ここまでで今回はおしまい。
次回はこの中から何を選んだのか、おたのしみに。