大学授業一歩前(第14講)
第14講を担当していただいたのは、明治大学政治経済学部の武田巧先生です!!私の友人が武田先生のゼミに所属しており、ご紹介して頂きました。先生そして、友人のK君ありがとうございます。この場を借りてお礼申し上げます。
はじめに
Q:ご自身のプロフィールを教えてください。
A:武田巧(タケダタクミ)。政治経済学部教授。担当科目はマクロ経済学、ミクロ経済学など。東京都中央区出身。ニューヨーク州立大学バッファロー校及び本学商学部を卒業、その後本学大学院を経て、2000年に本学政治経済学部着任。学部の国際交流委員長、教務主任などを経て、現在は大学全体の副教務部長。中国の北京外国語大学講師、米国コロンビア大学客員研究員などを歴任の他、2008年より外務省での採用試験委員、研修所講師を兼務。
オススメの過ごし方
Q:授業のオンライン化に伴い、時間にゆとりが出来た学生におすすめの過ごし方を教えてください。
A:時間という資源は希少であるがゆえ、好きなことを好きなだけやろうと思っても、そうは行きません。年齢を重ねるにつれ、そのことを実感します。例えば沢山の言語を習得したいと思っていても、時間に限りがあるがゆえに、学ぶ言語を選択せざるを得ません。したがって、もし時間にゆとりがあるなら、この機会に是非、何でも良いので、好きなことを見つけて、没頭して下さい。幸せな時間になるはずです。
必須のスキル
Q:大学生に必須のスキルをどのように考えますか?
A:この機会に世界中の大学が必修科目にしているCritical Thinkingの力を磨いてみるのはどうですか。物事を批判的に捉えることで、真実を見分けられる目を養って下さい。大学教育を受ける一つの目的は、大本営発表やフェークニュースに騙されない、踊らされない人間になることだと思います。コロナ禍をめぐる疑わしい話が世の中を駆け巡っているので、何が真実であるかを徹底的に調べ、考えてみませんか。
学ぶ意義
Q:先生にとっての学ぶ意義とは何でしょうか?
A:自らの可能性を広げることです。学ぶことには、常に新たな発見があり、常に新たな出会いがあります。とにかく楽しいですよ。そして、世の中が激しく変化していく中で、そうした変化にしっかりと向き合うだけの知識を身に付けておくと、未知との遭遇にも対処ができ、楽しめるのではないでしょうか。
オススメの一冊
Q:オススメの一冊を教えてください。
画像は新潮文庫『ペスト』カミュ著、宮崎嶺雄訳
画像は岩波文庫『世界の十大小説』サマセット・モーム著、西川 正身訳
A:専門書以外との条件であれば、皆さんは今、まさに歴史の教科書に刻まれるであろう時間を過ごしているので、このコロナ禍に関わって、何が真実か徹底的に探ってみるのはどうですか。次のパンデミックに備える意味もあると思います。過去の歴史を遡るのも有益だと思います。カミュの『ペスト』が読まれているのは、まさにその理由だと思います。同時に心を癒す時間も必要です。専門書を含むノンフィクションばかりを読んでいた私が文学にも目覚めたのは、サマセット・モームの『世界十大小説』を手にした時です。世界的な名作でさえ、自分がまともに読んでこなかったことを実感したからです。以後、様々な出会いを楽しんでいます。
学生へのメッセージ
Q:メッセージをお願いします。
A:新型コロナウィルスは確かに災難ですが、大きなチャンスに変えることもできるはずです。全教員は今、オンライン授業の準備で大忙しですが、毎日新たな発見もしています。私の科目の履修者には日本国外に足止めされている学生もいます。また、いままで物理的に不可能であった生田の学生も私の授業を履修しています。更には、連休明けには米国の大学向けに、日本経済に関する講義をオンデマンドで提供しました。毎回の授業の後の質問はこれまでの数倍で、時間は掛かりますが、丁寧に答えているつもりです。いずれも今までなかなかできなかったことです。オンライン授業が新たな可能性を広げています。そして、こうした新たな可能性は、ポストコロナの社会ではいわゆるニューノーマルになるのではないでしょうか。皆さんには是非、この時期だからこそ、新たな可能性を見つけて、それを広げて欲しいと願っています。そして、皆さんと会える日が一日も早く来ることを願っています。
おわりに
今回は明治大学の武田先生にご協力頂きました。お忙しい中のご協力ありがとうございました。
まだまだ多くの大学はオンライン授業で、なかなか友人や先輩などに会う機会が少ないと思います。そんな本の友人を探してみても良いかもしれませんね。それでは次回第15講は6月26日に投稿です。皆さまお楽しみに!!