筑波大学ラグビー部とどう戦うか 〜傾向と対策〜
みなさんこんにちは
ついに茗溪魂を発揮する時がきた今本です
秋シーズンのプレビュー第4回はついにきました筑波大学です
とはいえ、あくまでもフラットな姿勢で記事は書いていくのでご安心を
参考記事はこちら(プレビューの関係で天理戦も入れてます)
それでは見ていきましょう
メンバー
一年生もところどころメンバーに絡んできていますね
あと気になる点としては試合ごとにメンバーがかなり変わっているところでしょうか
スタッツ
・タックル成功率のアベレージの高さ
・ラインアウトスティールの多さ
が目立っていますね
一方でスクラムは苦戦している様子も見受けられます
筑波のアタック
筑波の特徴というか、あえて言及するのであればネックになる部分かと思いますが、突出したペネトレーターが少ないという点が一つあると思います
傾向的にペネトレーター的な選手は他大学に進学するような印象があり、筑波には総合力の高い選手が来るようなイメージです
そういった特徴からチーム力を高めることになっており、個人に依存しないアタックをしているような傾向につながっているように思います
また、特に今シーズンについては特徴を言語化すると「カオス・展開」の2つのキーワードに収束されるのではないのかと思います
システムを考えてみると1−3−3−1的な傾向は見られていましたが、9シェイプに4人のFWの選手を置いているシチュエーションなどもあり、それ以外にもアンストラクチャーに近い状況でのアタックも多く見られています
その辺りは細かい取り決めよりは判断に任せているのかもしれないですね
その結果として、おそらくはバックローの選手でしょうか、9シェイプと10シェイプの合間に立った選手は正確な状況判断が求められるようなシステムであり、判断負荷は高めのラグビーをしているのかもしれません
キャリー・パス比について見てみると1:2の近似値をとることが比較的多く、中央エリアでガチガチにコンタクトシチュエーションが生まれるわけではなく、外のエリアへボールを運んでいるように見られる状況も多いです
その中でオフロードパスも多く生まれていることから、結果としてカオスな状況が生まれていたように思います
一方でオフロードパスに関して言及すると、ハマっている試合とハマっていない試合の差が顕著に出ていて、ハマっていない試合では被ターンオーバーにつながっているため、スコアまでつながっていない傾向にあります
天理戦ではその傾向が露骨に出ていましたね
スコア効率といった点でも特徴が見られており、細かくトライが生まれたフェーズについて分析をしたわけではないのですが、多くのトライが少ないフェーズ、少ないキャリー数で生まれていたように思います
アンストラクチャーを中心に少ないフェーズでトライを取り切ることができていたのは良い点ではありますが、逆に考えると「フェーズを重ねたトライが生まれにくい状況に陥っている」ということでもあり、フェーズを重ねて崩すというスタンスでのプレーがどれくらいうまくいくか、というところも注目ポイントになるかと思います
筑波のディフェンス
タックル成功率が目立つポイントですね
ミスタックルが極端に少ないわけではないのですが、総タックル数も多いため結果としてタックル成功率が9割を超えることが多いという状況になりました
タックルスキルを総評すると、総合的にみると「低くて良いタックル」ということができるかと思います
1stタックラーが低く入り、2ndタックラーが上に入るというダブルタックルの基本に忠実なタックルスタイルを貫いていると思います
一方、ルール的にも選手の安全管理的な面にもリスクになりうるプレーも散見されており、いわゆる「グラスカッター」気味に低く入っている状況もいくつか見られています
倒すという観点のみで語るとすれば極端な問題は出てこないかもしれませんが、ルール的な面で見るとグラスカッターは危険なタックルとしてカウントされることもあり、また頭部が下がったタックルにもなりうることから選手を危険に晒すことにも繋がります
また、相手を倒すという部分では達成していたタックルですが、2ndタックラーがジャッカルを狙うために相手を引き倒すようにしている場面も見られており、その要素によって前に出られる場面もありましたね
ディフェンスラインの上がり単体を見ていくと極端に前がかりになる様子はあまり見られていません
むしろ、少し押し込まれるシチュエーションも見られるくらいには相手からのプレッシャーを受けていたということでもあります
フラットなパスで切られそうになる場面もあり、ディフェンス側として苦手なプレーというのもいくつかありそうです
筑波のピックアッププレイヤー
HO 平石颯
桐蔭学園出身で、昨年度までは三重ホンダヒート所属の肥田選手のサブに入ることが多かった選手ですが、総合的な能力は肥田選手に負けず劣らずの水準を誇っているように思います
まず走力という観点から
近代的なHOの選手はランニングも求められることが多いですが、その点平石選手は十二分のレベルを示しています
自身のランからチャンスメイクをしたり、そのままトライを取り切ったりと体の強さと速さを兼ね備えた選手でもあります
同時にフィールドプレーにおいても体を張る選手であり、タックル・ボールキャリーにも優れた面を見ることができました
一方、ラインアウトのスローイングを細かく見ていくと少し向上の余地があるようにも見受けられます
もちろんリフター・ジャンパー側の課題もあることとは思いますが、成功率100%には至っていなかったことからラインアウトのクリーンキャッチの割合に関してはもう少し改善することは可能かもしれません
BK3 髙田賢臣
近年スターティングメンバーに定着してメインのキッカーも務めている浦和高校出身の選手ですね
筑波大学入学当初は蹴球部に入っていたことも有名なことかと思います
1つ目の注目するポイントとしてはキックスキルです
チーム事情もあってかハイパントキックを蹴るシーンはそこまで見られていない同選手ですが、ロングキックを蹴る機会が多く精度や距離も文句なしかと思います
同様にプレースキックに関しても成功率は上がってきているように感じます
筑波は過去キック成功率がネックになることもあったため、かなり重要なファクターになってくるかと思います
2点目としてそのランニングスキルも注目していきたいですね
去年出場していた試合を見ても、極端にランニングでチャンスメイクをしていた印象はなかったのですが、今年は自身が走り切ったり味方に繋いだりとアタックシステムにおいても重要な役割を果たしていたことがわかります
スピードも昨年から速くなっているようにも見えますし、スキルアップしていた様子が見受けられます
ディフェンスに関してはそこまで気になる要素はないかと思うので、もし今後伸び代を見ていくとすれば、ハイボールの処理やBK3のコントロールなどミクロなスキルに関して伸ばしていくことでさらに良い選手になる可能性が見えてくるかと思います
筑波と戦うには
FW戦で圧倒する
残念ながらアタック面、ディフェンス面においても個の力でその場を打開できるような選手は筑波では目立っていません
地道なプレーを堅実にこなす選手はいるんですけどね
そのため、アタックにおいてFWで押し勝つことができれば相手ディフェンスにプレッシャーを与えることができるとともに、ブレイクダウンへのプレッシャーを低減することも可能になってくるかと思います
同時にプレッシャーの低減によってアタックにテンポを出すこともできます
ディフェンス側として筑波に相対する場面を考えると、こちらでもFW戦が重要になってきますね
BKがスキルフルでランナーとしても優れている選手が多いことからも、まずはFW戦でプレッシャーをかけることで戦略的にも心理的にもプレッシャーをかけることができそうです
相手を引きつけたパスでディフェンスを切る
筑波はじわりじわりと前に出てくるディフェンスシステムである一方で自身のレンジに入ったボールキャリアーに対しては早い段階でタックル姿勢を作る時も見られます
そのため、相手の細かい動きや細かいパスワークを苦手としているイメージがありますね
表裏を使ったアタックについても、相手をある程度引きつけることができればより一層効果のあるアタックを組み立てることができるかと思います
単純にFWの選手からBKにボールを供給するだけであれば筑波も対応してくるのですが、特にFWの選手がタックル姿勢に入るタイミングが早いこともあり、スイベルパスを適切なタイミング・適切な深さで放ることができればギャップが生まれてチャンスに繋がることもあるかと思います
ハイボールの競り合いに持ち込む
これに関しては蹴る側=アタック側のキッカーのスキルによっても左右される要素であるとは思うのですが、筑波はあまりハイボールの競り合いに関して強気に出ていない印象があります
高身長のBKが少ないことが要因か、そもそものコーチングの部分かはわかりませんが、少なくとも筑波はアタック時にハイボールでエリアをコントロールしているようには見えませんでした
そこで一つの戦略としてハイボールをエリア獲得兼アタック継続の手段として用いることで、アタックを効果的に継続させることができるようになる可能性は十二分にあるかと思います
まとめ
茗溪魂抑えめで書いたのですがいかがだったでしょうか
個人的にはかなりフラットな立場で書くことができたと思っています
とはいえ、昨年度は年越しを果たしながらもベスト4という結果で終わった筑波大学が今年はどんな成績を残すのかはとても楽しみですね
今回は以上になります
それではまた!
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