ポッカリと空いた宇宙。
一回きりのこの人生で見つめるすべてが愛しくわたしを揺らすのだけど、すべてははじまっていないのに、すべてはもう終わっているような心地で、ときどき、この世界にいる。
根暗なので、本性はとても無口なのだけど、だいたいだれかといると言葉が遊びだして、おしゃべりに花が咲いて、わたしは声を枯らしている。
まじりあえなくても、触れ合えなくても、ひとつに満ち足りたこの世界のなかで、ときどき、グッと、近くで熱や生命のにおいを感じると、その生々しさにびっくりするのだけれど、笑いながら握り潰したり、泣きながら優しく抱きしめたり、疑いの目を向けながら、信じたいと手を伸ばし続けたり。
そんな、人間が放つたくさんの雑音のなかに宿る静かな静かな音を聴いて、豊かに眠り、豊かに生きる。
人々が静かに育てた大切な光が、わたしに語りかけてくるのをここで、聴く。
一回きり、だと。
一期一会、だと。
だからこんなにも、繋がり、生きて、生きては繋がり、だけどどれほど生きて、生きても、たったひとりでここにいて、宇宙の夢をみている。
豊かに溢れる音のなかの、永遠の静寂を聴きながら、静かに、ここで。
それは、無数の星空が、胸のなかでうたっているようなことだと、そんな風におもう。
その豊かさを、無数からの呼びかけを、それにこたえない自分のこころを、ぽっかりと空いた、とても自由な空間を、虚ろ、と、ひとはそう呼ぶのかもしれない。
そこは、なんにもないけど、なんでもある空間。
この世界の盲点で、この世界を見つめているすべて。
わたしの愛しい、反対脳。
爪先立ちで眺めて、くるりと反転したら、きっと星空を飛ぶように歩いている。
地球、というのは、わたしにとってはそんな場所♪
その虚ろさえも、創造の魔法。
2019.10.31
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地球に暮らす、さやかより♡
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