「リレントのビジネスモデルだけじゃない」大東建託 オープンイノベーション推進者に聞く、「Unito」を協業先として選んだ理由
「暮らしの最適化の追求」をパーパスに掲げる株式会社Unito。今回は大東建託株式会社 事業戦略部にてオープンイノベーションをご担当される遠藤 勇紀さんに、Unitoとの出会い、そしてオープンイノベーション推進の想いや今後のビジョンについてお伺いします。
ー大東建託の新規事業部門へ転職。Unitoモデルの実現を目指しオープンイノベーションの提案。
大東建託のオープンイノベーションを提案された経緯を教えてください。
最初はオープンイノベーションについての担当ではなく、新規事業担当として大東建託に入社しました。そんな中、様々新規事業の一つとして、実は「Unitoのようなサービスを始めたい」と思ったことが、オープンイノベーション活動を提案したきっかけです。
以前、たまたまUnitoのWebCMを見たことがきっかけでリレント(*1)というサービスを知り、「これは不動産業界で絶対来る」と強く感じました。Unitoはいわゆるサービスアパートメントやリレントの方式で、収益物件の利回りを上げる新しい座組を作るモデルなので、多くの不動産アセットを持つ企業なら「リレント」のビジネスモデルをスケールできるのではないかと思っていました。
*1:帰らない日は家賃がかからない料金システム「リレント」:入居者が帰らない日を事前にunitoに申請すると、家賃が減額され住んだ日数分になる料金システム。Unitoが特許を取得済みのビジネスモデル。
しかし実際に調査を進めたところ、Unitoがリレントに関するビジネスモデル特許を取得していることや、システム面で手間がかかることが分かりました。そんな中で、大企業にはできないスピード感で事業を作りたい。また「ぜひUnitoのモデルを一緒にできないか」という想いで、Unitoとの協業を提案しました。
協業だけでなく、大東建託のオープンイノベーションの推進を提案をされたと伺いました。
おっしゃる通り、入社時にはまだオープンイノベーション部門が存在していませんでした。オープンイノベーション部門の提案を決意した理由は、事業戦略部として事業開発や新規事業制度を運営する中で、大東建託で新しい事業を生み出すためには、社内の制度に加えて「新規事業に長けているスタートアップ企業と協業する」ことの必要性を感じたからです。
当社には不動産というアセットと資金がある。社内だけでなく、社外でシナジーのある方に出資することで新規事業の創出をしていきたい、という想いからオープンイノベーション活動の提案に至りました。
オープンイノベーションの推進を始めたあと、どのような流れで弊社に声をかけていただいたのでしょう。
ちょうど去年の冬頃に、たまたまUnitoの株主の方にご紹介いただきました。活動を始めたばかりで、ネットワークが限られていたため、この出会いはとてもありがたかったです。その後、近藤さんとお話をさせていただき、お会いしてから約1ヶ月半で出資が決まりました。Unitoは私の提案したオープンイノベーション活動における第1号目の出資先です。
ー リレントのビジネスモデル、サービスのコンセプト、そして印象的だった代表取締役 近藤の描く事業成長のストーリー
Unitoにご出資いただいた決め手は何ですか?
まず、大東建託ならではの「不動産アセットを活用して協業できるスタートアップ企業」という軸で、自分自身がCMでの認知やユーザー登録で日々案内を受けていたことでユーザー側の目線も持っていたこともあり、Unitoが理想的なパートナーだと感じご出資させていただきました。
大企業で新規事業を進める立場として、「ゼロから事業を立ち上げる」のではなく「既に価値の提供が実現している企業」に投資し、協業という形で事業を立ち上げることはリソースを最適化する意味で非常に有効だと考えています。
そういう観点でも出資を通じてお力添えしながらお互いに成長する関係性が、僕自身が新規事業担当として大企業にいる意味の一つだと考えています。御社の資金調達のタイミングも含めて、Unitoとの出会いは非常に幸運だったなと感じています。
また代表取締役の近藤さんの考え方がすごく好きです。
最初のお話で市場規模の大きさだけで戦うのではなく、ニッチなマーケットで確実にトップを取るための明確なストーリーを描かれていました。そして資本政策に関しても、すごく細やかにご自身の体験談を基にお話をしていただきました。
リレントのビジネスモデルも、サービスのコンセプトもすごく良い。これらは協業による事業の勝率を高めるための組ませて頂く相手として「ベスト」であると感じたことが大きいです。
リレントモデルの新規性や将来性にどう期待してますか?
コロナ禍を経て、ホテル業界の「一本足打法」はリスクが高いということが、期せず証明されたのではと考えています。同時にインバウンドや国内旅行需要が止まった際の影響の大きさは、不動産業界にとっても教訓となりました。
その点、リレントを導入したサービスアパートメントやホテルレジデンスは、リスクヘッジの観点からも非常に安定感がある。当社がUnitoと協業することで、ホテル事業から賃貸物件への転用が可能なモデルを提供でき、投資家にとってもリスクを軽減する選択肢が増えると考えています。
当社が御社と協力している物件は基本的にサービスアパートメント(賃貸+宿泊)として運営できる攻めの運用を想定していますが、将来的には完全賃貸として転用し守りの運用も可能な設計になっています。
Unitoはこれまでになかった不動産の新しい価値を生み出すスタートアップ企業で、大東建託と組むことで転用の柔軟性が高まる。その結果として、投資家にとってもリスクヘッジの選択肢が広がる点が非常に面白いと感じており、その事業開発を二人三脚でご一緒出来たらと思っています。
遠藤さん、ありがとうございました。
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