Second Pain-28
建速 誉「その傲慢な女の過去は?」
どうしよう…!もう駄目…!!
清鐘 弘鷲「あのさ、傲慢って言うのやめていただきたいな。嫌いになるわけないでしょ。実花沙ちゃんは実花沙ちゃんだし。過去のことを相当悔やんで今の実花沙ちゃんがあるんだよ。実花沙ちゃんにどんな過去があろうが失望するわけないでしょ。本当は人を傷つけて喜ぶような子じゃないってわかったし。…いや、実花沙ちゃんは最初から優しい子だよ。それに、傲慢なのはあんたの方だ!」
建速 誉「なっ…!?」
えっ…!?
金藤 実花沙「弘鷲さっ…!?」
清鐘 弘鷲「実花沙ちゃん…、辛かったね…。たくさんの人に裏切られて…、君の優しい心を悪用する人がたくさんいて…」
金藤 実花沙「…!」
清鐘 弘鷲「本当に…、本当に辛かったね…。君はあんなにも頑張っているのに…、何事にも汗をかいて努力してるというのに…、君の努力を知ろうとしない人、いるもんだね…。君の頑張りや悔しい気持ちも読めたよ、実花沙ちゃん」
金藤 実花沙「…、そ、そんなこと…」
清鐘 弘鷲「君は本当に頑張ってるよ。…それに、君は過去の過ちとちゃんと向き合っている。君がクレヴィーナスである事実を受け止めているように。でもね…、もういいんだよ。もう同じ過ちをしないと心から決めれば…、それでいいんだよ。これから先、どう生きるか…、それが大事。今からが何より大事なんだから。俺もさ、いろんな人に迷惑かけて君と何度も同じ気持ちに何度もなったよ」
金藤 実花沙「弘鷲さんも…?」
清鐘 弘鷲「俺もさ、ワルだった時期あるし?まぁ、言える範囲で言うと…、中学…、いや、小学生の時からかな?授業よくサボってたし、かくれんぼもズルしてたことがあってさ。後は…、兄上たちに悪戯したこともね?…それよりさ、今を…、これから先もさ、俺たちらしく生きよう?ね?」
私を抱きしめる弘鷲さんの手、とても温かい…。
清鐘 弘鷲「君が人を信じられなくなるの無理もないよ…。数え切れないほどいろんな人に裏切られて苦しかったんだよね?」
金藤 実花沙「…」
清鐘 弘鷲「この涙は優しくした分傷ついた君の心の叫び…、SOS…。俺がみんな受け止めるよ」
弘鷲さんは微笑みながら私の目から溢れる涙を指で拭ってくれた。
金藤 実花沙「うっ…、ぐすっ…」
清鐘 弘鷲「あはは!君は本当に泣き虫さんだな…。よしよし…。もっと泣いてもいいんだよ」
弘鷲さん…。
清鐘 弘鷲「でも、そんな簡単なことで嫌いになったりしないよ。実花沙ちゃん、俺のこと、信じてよ」
金藤 実花沙「…」
…信じてあげたい…。
だけど…、
どうすれば信じてあげられるのか…。
いろんな人に裏切られすぎてもうどうしたらいいのかわからない…!!!
信じたいのに…!!
花都 美彩「深く考えるな実花沙!実花沙を必要と…、実花沙を大切にする人がいるんだ!僕たちのようにね!」
美彩…?
地鳴 明吾「Second Painのリーダー…!お互いに過去の痛みをわかち合ったじゃないか!」
明吾さん…?
月ノ宮 奏那他「私たちのこと、いつも元気づけてくれる、優しくて頼もしい私たちのリーダー…!!それに、この前悪口言われた時、真っ先に怒ってくれた!!今でもその勇敢な姿を覚えてるよ、実花沙ちゃん…!!!」
奏那他さん…?
清鐘 弘鷲「何十年も辛い思いをしてきたね…。でも、ここからはさ、俺たちと楽しい思い出をつくろうよ?」
弘鷲さん…?
金藤 実花沙「楽しい…、思い出…?」
清鐘 弘鷲「うん!…辛い思いをしてきた分さ!」
左胸の痛みがひいていく…?
建速 誉「あらあら、そんな簡単なこと言っていいのー?ドルチェパワーも、何も持ってない人に向かってさ!」
清鐘 弘鷲「安易に言ってるんじゃ…、ない!!!」
ヒュンッ!
建速 誉「わっ!?」
誉さんの不意打ちを防いだ!?
清鐘 弘鷲「これからいっぱい喧嘩することもあるかもしれない…。それでも、俺、実花沙ちゃんと一緒にいたい!!太陽のような笑顔を曇らせたくないんだ!!!」
太陽…!
…、そっか、私、太陽のようにみんなを明るくできるようになりたかったんだ…!!!
花都 美彩「誉、お前にはわからんだろうがよ!友達が簡単に友達を見捨てたりするもんか!」
清鐘 弘鷲「俺たち、これからも笑い合うんだ!!!」
金藤 実花沙「笑い…合う…?」
清鐘 弘鷲「うん、そうだよ」
金藤 実花沙「…、死にたいって思うことがあるかもしれない…」
清鐘 弘鷲「俺が励ますよ」
金藤 実花沙「本当にこの先も喧嘩しちゃうかもしれない…」
清鐘 弘鷲「絶対に仲直りする」
金藤 実花沙「愚痴ることがあるかもしれない」
清鐘 弘鷲「俺もだよ。一緒に愚痴って嫌なことなんか忘れよう!」
金藤 実花沙「完璧主義だからどうしても完璧にできないと苦しむことがあるかもしれない」
清鐘 弘鷲「俺が君を肯定する。君は誰よりも頑張り屋さんだよ。完璧じゃなくても大丈夫だよ」
金藤 実花沙「1人で寂しくて泣いちゃうことがあるかも…」
清鐘 弘鷲「涙を拭って抱きしめる。…そんな悲しいこと考えないでさ、君と笑い合いたいんだ」
ソーダ海岸でクレヴィーナスだった時…、千寿たちも似たようなこと、言ってくれたっけな…?
クレヴィーナス「…、私にも…、いつか…、みんなと笑い合える…、その時が来るかな…?」
花都 美彩「当たり前だ!生きていればいいこともあるもんだ!簡単に友達を見捨てたりするもんか!」
薔薇島 千寿「何があってもわたくしたちは実花沙さんの味方です!!実花沙さんがわたくしたちの味方であったように…!」
薔薇島 大和「今度は僕らの番ですね」
クレヴィーナス「…!」
…いつか、いつか、みんなと笑い合える日が…!!
建速 誉「ふん、だからなんなのさ!!」
清鐘 弘鷲「ぐっ…!!」
花都 美彩「くっそぉ…!!誉ぇ!!!」
地鳴 明吾「僕たちは悪しき力に…!屈しない…!!」
金藤 実花沙「弘鷲さん!!!みんな!!!」
まずい!そろそろ弘鷲さんの方にも限界が…!!!
建速 誉「さーて!これで4人一気に…!」
月ノ宮 奏那他「!!!」
金藤 実花沙「待ちなよ…!!!」