Second Pain-23
金藤 実花沙「ほぇ…」
清鐘 歌鳥「さてさて!ここに座っといて〜!ママとパパ、呼んでくる!!」
…、
数分後…。
清鐘 小鳥「あら!弘鷲、可愛い子を連れてきたわね!」
清鐘 弘鷲「あ、母上!この子が金藤 実花沙ちゃん!」
清鐘 小鳥「あぁ!巨匠の娘さんね!すっごい美人じゃなーい!」
ぎゅむっ!
金藤 実花沙「!?」
清鐘 小鳥「さすが巨匠!こんな可愛くて美人な娘さんがいるなんて!!」
わーっ!?抱きついてきた!?さすが親子!!!
あと、アマるん、巨匠って呼ばれてるんだね…!?
金藤 実花沙「く、苦し…」
清鐘 小鳥「あら、ごめんなさいね!」
清鐘 光洗「よくぞおいでくださいました」
清鐘 小鳥「あっ!光洗!」
イケメンが現れた…!
清鐘 光洗「ことちゃんが突然抱きついてきてごめんなさいね。悪気はないので…」
清鐘 小鳥「ごめんねー!」
金藤 実花沙「あ、いえいえ」
清鐘 小鳥「あ、私、清鐘 小鳥って言います!ことちゃんって呼ばれてるの!」
金藤 実花沙「よろしくお願いいたします」
テーブルには私の隣に弘鷲さん、反対側には小鳥さんと…、
清鐘 光洗「申し遅れました。僕が清鐘ファミリーの父、清鐘 光洗と申します」
あら!お父様だったんだ!
金藤 実花沙「わたくし、金藤 実花沙と申します。本日はどうぞよろしくお願いいたします」
清鐘 小鳥「あらら、実花沙ちゃん、面接じゃないし、気楽でいいのよ!」
清鐘 光洗「僕たちが面接官みたいですね」
清鐘 小鳥「ほんとほんと!面接官になった気分だわ〜!」
金藤 実花沙「はっ…!」
清鐘 弘鷲「あはは!父上と母上は優しいから大丈夫だよ」
清鐘 光洗「礼儀正しい方ですね」
金藤 実花沙「そ、それほどでも…」
清鐘 光洗「ふふ、謙虚ですね。歌鳥、お客人にお茶とお菓子を」
清鐘 歌鳥「はーい!」
スタタタ…。
清鐘 光洗「さて、本題ですが…、お話は弘鷲からだいたい伺っていると思いますが改めて」
清鐘 小鳥「私ね〜、昨日腰を痛めちゃって…。すんごく強い奴と戦っていて…、なんとか追っ払ったけどさ〜、その反動なのか腰が痛くなっちゃった…。うぅ…」
金藤 実花沙「す、すんごく強い奴…、大丈夫ですか!?」
清鐘 光洗「ああことちゃん…。よしよし…」
清鐘 弘鷲「父上、続きを」
清鐘 光洗「そうでしたね。…アマルネさんから事情を伺っているのですが…、まだ転職活動中でしたよね?」
金藤 実花沙「…はい」
清鐘 弘鷲「あんなに一生懸命なのにまだ内定もらえてないってさ…。実花沙ちゃんの何がいけないんだろうな?」
金藤 実花沙「鬱で退職したから余計に不利になったのかと…」
清鐘 光洗「えっ…」
清鐘 小鳥「鬱…!?大変だったのね…」
清鐘 弘鷲「聞いたところ、パワハラとかが積み重なって追い詰められたって…。ベテランと事務員と上司にメンタルボコボコにされたってさ…。中でも1番の原因がキャリアコンサルタントの人みたいだよ。何も助けてくれなかったんだってね」
弘鷲さんは私の背中を撫でてくれた。
清鐘 小鳥「え…?やだそれ!ひどーい!!」
清鐘 光洗「お辛かったでしょう…。…でも、清鐘ファミリー一同実花沙さんを傷つけないよう無理もさせないようお伝えしてありますので」
金藤 実花沙「ありがとうございます…」
清鐘 小鳥「何か言われたら私の方にも言うのよ!…でもさー、すんごく頑張り屋さんなのにね…」
清鐘 光洗「それはお辛い…。学生時代の成績も優秀だと弘鷲から伺っているんですけどね…。そこでです。僕たちの家事のお手伝いをお願いしたいのです」
清鐘 小鳥「うちらメイドさんとか雇ってないしね…」
清鐘 光洗「アマルネさんと連絡を取ったところ、ご同意いただいております」
清鐘 小鳥「光洗たちは仕事で忙しいしさ…、 妖怪退治と家事してる小鳥もぎっくり腰だしもうどうしよって感じ…。歌鳥もアルバイトだけど再就職してるし…。しばらく妖怪退治とかマジ休業しないとだし…」
清鐘 弘鷲「実花沙ちゃん…!お願い…!!」
清鐘 小鳥「中庭のお手入れとか全然できてなくてさ…。あとは図書室の本棚の整理とか…。やること盛りだくさんでマジで困ってます…。みんな私がやらないといけないのに…」
清鐘 光洗「弘鷲たちには休日はゆっくり休んでもらいたいですし…」
清鐘 小鳥「実花沙ちゃん、もしだったら転活しながらでも大丈夫だからさ!実花沙ちゃんに合いそうな求人この後教えるからさ!」
清鐘 光洗「お願いします!!」
金藤 実花沙「わたくしでお力添えできるのであれば!」
清鐘 小鳥「ほんと!?」
金藤 実花沙「はい。1人暮らしで培ったスキル、発揮したいんです」
清鐘 小鳥「へぇ!1人暮らししたことあるんだ!?」
金藤 実花沙「はい。退職するまで」
清鐘 小鳥「めちゃくちゃしっかりしてるって巨匠から聞いてたんだけど…、めっちゃビシバシやってくれそう!」
清鐘 弘鷲「わかるそれ!この前Second Painっていうチーム結成したんだけどさ、すごいことに実花沙ちゃんがリーダーなんだ!この前の演劇の台本も書いてくれてて演劇指導もしてくれてさ!おまけに可愛くて努力家で優しくて演じるのも歌うのも超絶上手い!!!そんな子を父上と母上は逃がしちゃう?」
清鐘 小鳥「へ〜!Second Pain結成してボランティアしてたのは聞いてたけど、実花沙ちゃんリーダーだったん!?なおさら逃がしたくない!!」
清鐘 光洗「僕も同感ですね」
金藤 実花沙「はわわ…!」
もう!弘鷲さんったら!
でも、なんか心があったまってきた…かも。
清鐘 光洗「とても真面目で優しい方だと伺ってますよ、アマルネさんから」
金藤 実花沙「い、いや、そんな…」
清鐘 弘鷲「おっと、母上、そろそろダヴィさんの話をしてあげて」
清鐘 小鳥「あぁ!そうだった!!あのね、昨日から 小鳥の友達のダヴィ兄がさ、倉庫スタッフの求人を募集しててさ!実花沙ちゃんに合いそうって思ったんだけど…、あ、これ求人票ね!」
ペラリ…。
金藤 実花沙「…!」
清鐘 弘鷲「採用人数が…、え?3人!?でもサイトで見た時、20人近くが保存してたよ…!?倍率めっちゃ高そう…!!」
清鐘 小鳥「そう!…でも、こんないつも真剣な実花沙ちゃんだし!ダヴィ兄にも実花沙ちゃんのこと、話して推薦しとくからさ!…とはいってもダヴィ兄から実花沙ちゃん欲しいって誘われたんだけどね。とにかく!これならブランクがある実花沙ちゃんでも大丈夫だと思う!」
金藤 実花沙「面接が…、5日後ですね」
清鐘 小鳥「何社も応募してきた実花沙ちゃんならきっと大丈夫よ!」
金藤 実花沙「…!受けたいです!!」
清鐘 小鳥「おし来た!履歴書とかって…ある?」
金藤 実花沙「はい。後は提出日、志望動機、本人希望記入欄を埋めて…、証明写真貼ればオッケーです!」
清鐘 光洗「さ、さすがです…!!」
清鐘 小鳥「は、早…!?じゃ、私から推薦しておくし、その後実花沙ちゃんに詳細の連絡来ると思うから!電話番号は…」
小鳥さんから言われたことをメモしていく。
金藤 実花沙「感謝いたします」
清鐘 弘鷲「とゆーかそろそろ実花沙ちゃんを空き部屋に案内しない?しばらくは泊まり込んで家事してもらうし」
清鐘 光洗「おっと、そうでしたね。内容はまた弘鷲からお尋ねください。僕はことちゃんの介護を…、立てる?ことちゃん」
清鐘 小鳥「う、うん!…よいしょっと…!!では、またね」
清鐘 弘鷲「実花沙ちゃん、おいで」
金藤 実花沙「はい…!」
早速空き部屋に案内か〜!
でも、 小鳥さんの言う「すんごく強い奴」ってなんだろう?
空き部屋に着いたのはいいんだけど…。
清鐘 弘鷲「あれ?実花沙ちゃん、どうかした?」
金藤 実花沙「…」
清鐘 弘鷲「母上が戦った相手が気になるかい?」
金藤 実花沙「あ、は、はい」
そうだ、弘鷲さんは心が読めるんだった。
清鐘 弘鷲「聞いたところによると、水を操っていたみたい」
金藤 実花沙「水…」
えー?誰だろう?
清鐘 弘鷲「母上と同じオーラだったらしいよ」
金藤 実花沙「同じ…オーラ…」
清鐘 弘鷲「そう」
金藤 実花沙「確か、弘鷲さんのお母様って現人神にして天照一族の1人でしたっけ?」
清鐘 弘鷲「そうそう!俺が妖怪にして神様…、なんとなくわかる?」
金藤 実花沙「はい、なんとなくは」
うーん、あの人は何がしたかったんだろう?
清鐘 弘鷲「俺が1番天照一族の血が濃いらしいけどね」
金藤 実花沙「ほぇ…」
清鐘 弘鷲「さて!お荷物置いたところで…、早速お願いしたいことがあるんだけど…、中庭に来てくれる?」
金藤 実花沙「承知いたしました」