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一方、うたげさんたちは…。
薔薇島 千寿「とても悲しい物語ですね…」
祭祀 うたげ「そう。ヘレ・エーポスは悲しい生涯だったのよ…。2000年前に彼女を屍という苦しみから解放したんだけどね…」
うたげさんが耳の横の髪飾りに指差しました。
薔薇島 千寿「?」
祭祀 うたげ「彼女が成仏する前にこれをプレゼントされたの。古代の素材なんだけど、2000年以上経った今もこうして形が崩れることなく残っているのよ」
薔薇島 千寿「すごいですね…」
祭祀 うたげ「まぁ、学生時代の卒業論文で彼女のことについて書いていたからね」
薔薇島 千寿「それほどうたげさんにとっては印象深い人物なんですね…」
祭祀 うたげ「そうね。あの子は向こうの世界で何をしてるのかしらね…」
薔薇島 千寿「…そうですね…、安らかに過ごしているといいのですが…」
祭祀 うたげ「さて、そろそろ…、ん?」
薔薇島 千寿「どうかなさいましたか?」
祭祀 うたげ「外で何かが起こっているみたい…!外に出るわよ!」
薔薇島 千寿「は、はい…!!!」
千寿たちは外に出ると…!?
祭祀 うたげ「…!!!」
薔薇島 千寿「え…?」
アグリアス「来ると思っていたよ」
薔薇島 千寿「あ、あなたは…、この前…」
アグリアス「そうだね。君とはこの前会ったね。…でも、これはほんの軽い挨拶に過ぎない」
薔薇島 千寿「…!?」
アグリアス「薔薇島 千寿、散々僕らの邪魔をしてくれたみたいだね」
薔薇島 千寿「…、僕ら…?」
アグリアス「おっと、自己紹介がまだだったね。僕はアグリアス。クレヴィーナス様の理想郷を創るために動いている者」
薔薇島 千寿「…!!」
なんということでしょう!
アグリアスは宣戦布告をしてきましたよ…!!
あれ、うたげさんの様子が…?
祭祀 うたげ「あなたは…?」
アグリアス「…!この感じは…!!」
祭祀 うたげ「ど、どこかで…、感じたことが…!!」
アグリアス「なんだ、なんだお前は…!!」
薔薇島 千寿「お会いしたことがあるんですか!?」
祭祀 うたげ「い、いえ…、で、でも…、ど、どこか…」
アグリアス「ええい!お前を見てると心臓がバクバクしてたまらない!!お前なんか消し去ってやる!!!」
祭祀 うたげ「やめて!ヘレ!!!」
アグリアス「!!!」
薔薇島 千寿「!?」
え…?
アグリアスが…?
ヘレ…???
ヘレ・エーポス…!?