Second Pain-29
建速 誉「…は?」
金藤 実花沙「待ちなよ!私の友達ディスっといて頭もうプッチンって来たんだけど?」
建速 誉「本当のことを」
金藤 実花沙「あんたは何もわかっていない!弘鷲さんたちは…、違う!!!」
建速 誉「何が違うの?」
金藤 実花沙「…わかんないの?あんたは口だけ。弘鷲さんたちは行動で示してくれてる。だから信頼できるんだよ!!!」
清鐘 弘鷲「実花沙ちゃん…!!」
そうだ、誉という女はほんっとに口だけばかりで何もしなかった…!!
謝ることを知らない。自分の非を認めることも知らない。ベテランのおばさんからパワハラされてもめんどくさがって見て見ぬふりをして何もしてくれなかった。
キャリアコンサルタントのくせにみんなみんな取締役の結奈さんに面倒なことを押しつけていたんだ…!!
逆に弘鷲さんたちは…、口だけじゃないんだよ…!!!
金藤 実花沙「まぁ、この前弘鷲さんとちょっぴり喧嘩しちゃったけどさ…、なんか、なんかさ…、胸がとくんとくる…!そういうもんなんだよ、信頼関係って!!」
清鐘 弘鷲「うん…!仲直りするともっと…、もっと…、胸がとくんとするの…、俺も!!!」
私と弘鷲さんはお互いに顔を見ながら頷いた。
建速 誉「何も力がないくせに!!」
金藤 実花沙「は?これからあんたに対抗するし!…あっ!!」
実家に戻る前にアイスクリームの女神様から渡されたエモーショナルパフュームが…!!
キラリーン!!!
花都 美彩「ドルチェパワーコロンが出現した…?!」
月ノ宮 奏那他「キラキラしてる…!!」
地鳴 明吾「これはもしや!?」
清鐘 弘鷲「実花沙ちゃん!」
金藤 実花沙「よーし!このグラスっぽいのにセットしてっと…。…力を解き放つぞ!…そーれっ!!!」
キラキラキラキラ…!
金藤 実花沙「?」
建速 誉「武器は?生身で戦うの?」
あれ?槍でもベースでもハンマーでもサーブルでもない?
どこにあるんだ?私の武器…。
月ノ宮 奏那他「あるよ…、実花沙ちゃんの左手首に!!」
金藤 実花沙「…!これは…?」
数珠…?
清鐘 弘鷲「素敵な数珠だね…!」
月ノ宮 奏那他「神秘的…!」
花都 美彩「そうか…、如来様の孫でもあるもんな…!!」
地鳴 明吾「えっ!?すごい!また詳しく聞かせてください!!」
黄金に輝く数珠…!
でも、どうやって戦うんだろう?
建速 誉「くっ!ここで…!!!」
金藤 実花沙「…やっ!!!」
ピカーン!!!
建速 誉「わぁっ!?」
数珠から雷が放たれた!?
地鳴 明吾「す、すごい…、実花沙さん、優勢だ…!!!」
金藤 実花沙「なんかよくわかんないけどさ〜、ほんっと友達ディスるのやめてよね。私を憎むのは別にいいんだけどさ、私もあんたのこと滅茶苦茶憎んでるから!信じてた分!!あんたのような悪人、極楽浄土に行かせないから!」
建速 誉「きぃーっ!!!」
ドカンドカン!!
建速 誉「なんて強いの…!?」
金藤 実花沙「如来の孫を甘く見ないでよね!…私がみんなを浄土に連れて行って幸せにして…、あんたのような最低な奴は別のところに連れて行ってあげるから!!浄土とは違う…、冷たくて暗い世界!!じいちゃんに裁かれろ!!そして、水でも被ってろ!!!」
シュバッ!!
そう、私は歌神の孫でもあり如来の孫でもある。
おばあちゃん…、おじいちゃん…、
力を貸して…!!!
建速 誉「お、おのれ!!」
花都 美彩「あと、お前のこれまでの音声、ビデオ通話を通して結奈さんに報告してる!!お前はどこまで実花沙を傷つければ気が済むんだ!この逆恨み野郎!!!」
建速 誉「!?」
地鳴 明吾「証拠がある以上、どこに行ったってあなたはもう逃げられないぞ!!!」
みんな!ナイス!!
建速 誉「このっ!!!」
金藤 実花沙「ちょろい!!」
ヒュンッ!
建速 誉「よ、避けた!?」
花都 美彩「これぞ元ラスボスの力!」
月ノ宮 奏那他「も、元ラスボス!?」
花都 美彩「ああ、クレヴィングのリーダーだったしな」
月ノ宮 奏那他「そういうこと!?それなら強いね…!」
清鐘 弘鷲「元ラスボス…、確かに。ますます実花沙ちゃんに興味が湧いてきたよ!」
そうそう!元ラスボスの威厳を守らなければならないしね!
金藤 実花沙「ふっ!」
…えっ?
バク転…しちゃった!!
すごい…!身体も軽い!!
あれか?
アニメの戦闘美少女というやつ?
それみたいに動ける!!!
建速 誉「うぐ…!!」
金藤 実花沙「クレヴィングのリーダー、クレヴィーナスとして優輪さん…、なつ姉…、かとりん、美彩のメンタルをボコボコにして追い詰めたあんたを許せない!!!」
建速 誉「ぐぉっ!?」
金藤 実花沙「能力のせいで色々あって…、歌えなくなって苦しんだこともあったけど…、これからは過去の後悔じゃなくて未来のために私は歌う!!ラ〜♪」
私の歌声…!!
地鳴 明吾「キタキタ!女神の歌声!!!」
月ノ宮 奏那他「すごく優しいオーラ!」
花都 美彩「すごいぞ!」
清鐘 弘鷲「実花沙ちゃん…!!」
私の歌声に合わせて弾幕がどんどん放たれていく!!
ドカドカドカーン!!!
建速 誉「うぎぃ!?」
金藤 実花沙「んじゃそういうことで!バイバーイ!!南無南無…、南無南無…、はっ!!!」
ゴロゴロドカーン!!!
建速 誉「うわぁ!!!」
誉さんのトライデントを破壊した。
ドルチェパワーを悪いことに使うから脆くなったんだね。
マジでダッサ…。
金藤 実花沙「んで?まだやんの?」
建速 誉「ちっ…!!!」
ヒュンッ!!!
地鳴 明吾「あっ!逃げた!?」
月ノ宮 奏那他「ひとまず降参してくれたみたいだし…」
清鐘 弘鷲「また現れるかもね…」
金藤 実花沙「う、うん…。みんな、そ、その…、ありがとう…。私のために怒ってくれて…」
地鳴 明吾「そんなのいいんですよ!」
月ノ宮 奏那他「実花沙ちゃんがいなかったら私たち、やられていたかも…」
花都 美彩「ほんっと手強かったぜ…」
金藤 実花沙「…、ごめん、弘鷲さん…」
清鐘 弘鷲「あ、いや、ぶ、無事でよかったよ実花沙ちゃん!」
ぎゅむっ!!
金藤 実花沙「!?」
清鐘 弘鷲「ふふ、可愛い…。食べたくなるじゃん」
金藤 実花沙「えっ!?」
清鐘 弘鷲「あはは、ほっぺ真っ赤!可愛すぎ!!」
金藤 実花沙「わ、待って!弘鷲さん!!!」
花都 美彩「おいおい何しとんねん!?」
清鐘 弘鷲「狙った獲物を逃がさないのは妖怪のポリシーだよ?それに…、勝手に家から出てきたお仕置き♪」
金藤 実花沙「え、ごめんなさーい!!!」
清鐘 弘鷲「んふふ…。許さないよ?…んじゃ、いただきまーs」
わーっ!キスしようと迫ってきた!?
月ノ宮 奏那他「こら!弘鷲!そんなことして!!」
地鳴 明吾「実花沙さんを困らせちゃって…!実花沙さんいなかったら僕たちコテンパンにされてたんだし!今回のことはパーにしなよ!いや、するべき!!」
清鐘 弘鷲「えー?どうしようかなー?」
さすがは親子。すぐに抱きついてくるんだから…。
ピコン♪
花都 美彩「おりょ、僕の方にトークが来とる!」
月ノ宮 奏那他「あ、取締役の結奈さんからこの後、事実確認をした後に清鐘家で謝罪と事情聴取など今後についてお話したいことがあるみたい」
地鳴 明吾「あちゃー」
花都 美彩「でしょうね」
清鐘 弘鷲「おけ、父上と母上に連絡しとく!」
この後、結奈さんからお話があるようだ。
でも…、
…はぁ、助かった…。