Second Pain-24
清鐘 弘鷲「はい、ここが中庭!…結構雑草ボーボーで…」
金藤 実花沙「これはやりがいがあります!」
清鐘 弘鷲「おぉ!?」
金藤 実花沙「わたくし、小学校の頃、休み時間にグラウンドの雑草を抜きまくってたことがあるんです!」
清鐘 弘鷲「おぉ!それはいいこと聞いた!偉いね、自分からやったんだ?」
金藤 実花沙「はい!わたくし1人だけでしたが…」
清鐘 弘鷲「そうか…、小学校もう卒業してたからなぁ…。一緒にやりたかった…」
金藤 実花沙「は、はぁ…」
清鐘 弘鷲「なんならさ、俺とやらない?あたり一面ボーボーだし…。実花沙ちゃん1人だと流石に大変っしょ?」
金藤 実花沙「えぇ!?いいんですか手伝っても…」
清鐘 弘鷲「いいのいいの!別に手伝うなっていうルールないんだし、そもそも俺らん家だし!むしろ、父上も母上もこういうの大歓迎だよ」
金藤 実花沙「…!」
なんか胸がとくんとくる…?
…、
前職のこと。
金藤 実花沙「作業服の分別終わりましたー」
事務員「ちょっと金藤さん、どうして廃棄必要がこんな大量になるの?」
金藤 実花沙「え?」
事務員「基準が厳しすぎるんじゃない?」
金藤 実花沙「…」
元の工程に戻れたのはいいけど、
帰任先の工程内の人間関係がよろしくないということから帰任以降雑用を任されていた。
大量の作業服の分別、何回やり直しさせられたことか。
…私1人で。
事務員「こんなに出ないんだけど…」
金藤 実花沙「えぇ!?」
…何回も何回も。
説明不足だったくせに。
監督すらしなかったくせに。
ストレスなのか体力的に負荷がかかったのか左胸がすごく痛くなった…。
事業所長代理「金藤さん、ネガティブに考えないでよ、みんな教えてくれてるんだから」
金藤 実花沙「(は?事務員の女は何も悪くないってこと…???)」
上の人に言っても適切に対処してくれなかったし。
清鐘 弘鷲「実花沙ちゃん…?大丈夫?」
金藤 実花沙「あっ、ごめんなさい!」
清鐘 弘鷲「ううん。前職は1人でぜーんぶやり直しさせられてたもんね。…向こうの説明が悪かったのにね…。上の人も駄目じゃん!どうせめんどくさかったんだよね…。…でも、これは実花沙ちゃんは悪くないんだから!気にしない気にしない」
金藤 実花沙「…!」
…胸がまたとくん…と来た?
共感してくれる人が…いるの…???
金藤 実花沙「弘鷲…、さん…」
清鐘 弘鷲「まぁまぁ、わからないことがあったら聞いてもいいんだよ!何100回聞いても俺、怒らないし!それに俺も説明不足なところもあるかもしれないだろうし…、そばにいるからさ」
金藤 実花沙「は、はい!…よいしょっ!」
清鐘 弘鷲「おやおや、素手か…。怪我しないようにね」
金藤 実花沙「はい!」
…早速弘鷲さんと中庭の草むしりを始めた。
金藤 実花沙「…えいっ!!」
清鐘 弘鷲「おぉ、抜くの速い!!俺なんかまだ10本なのにすごいね!」
金藤 実花沙「えへへ、ありがとうございます!こういう作業好きで…、自信…持てるかも…」
清鐘 弘鷲「うんうん!そういうことか!もっと自分に自信を持ちな、実花沙ちゃん」
金藤 実花沙「はい、精進します!」
しばらくして…。
清鐘 弘鷲「よーし!こんなもんか!」
金藤 実花沙「本当はわたくし1人でやらないといけないのにありがとうございます」
清鐘 弘鷲「いいのいいの♪むしろこっちがありがとうだし!…おっと、そろっとお昼ご飯の時間だね」
金藤 実花沙「早速料理…、あっ…」
清鐘 弘鷲「料理は苦手かい?」
金藤 実花沙「は、はい…。冷凍食品や既製品を電子レンジであっためて食べるものでしたから、1人暮らしの食事は」
清鐘 弘鷲「そうか…、それでも頑張ってご飯用意してたもんね。実花沙ちゃん、今度は姉上と料理してみないかい?」
金藤 実花沙「はい!」
清鐘 弘鷲「よし!早速電話…、…あぁ、姉上!…ということで…、おっけ!…キッチンに来てほしいって!俺が案内する!俺これから次の動画投稿に向けて愛論君と打ち合わせするからさ」
金藤 実花沙「は、はい」
動画投稿…?
清鐘 歌鳥「はーい!よく来てくれたね!雑草むしりお疲れさーん!」
金藤 実花沙「かとりん!今日は何作るの?」
清鐘 歌鳥「料理が苦手な実花沙でもできるカレーライス!」
金藤 実花沙「カレー…、ライス?」
清鐘 歌鳥「私さ、これでも簡単なものならある程度作れるよん♪」
金藤 実花沙「一緒にやりたい…!」
清鐘 歌鳥「よーし!やろう!!」
私たち2人でカレーライス作りに励んだ。
金藤 実花沙「かとりん、弘鷲さん、動画投稿とかって言ってたけど…」
清鐘 歌鳥「ああ…!あいつはインフルエンサーでもあるんよ!ユニゾンワールド初の歯科ユニットやな。 愛論っちと組んでるって」
金藤 実花沙「すごい…!!」
清鐘 歌鳥「弘鷲、学生時代はアイドルしてたんよ!」
金藤 実花沙「ひゃあ…!それでもすごい!こんなすごい人に診てもらってたんだ…」
清鐘 歌鳥「ほんとになんでもできるんだよ!私の自慢の弟でもあるんだから♪今度弘鷲たちのチャンネル教えるから見てね♪」
金藤 実花沙「うん…!」
この後、私たちはお昼ご飯を楽しく食べた。