得業察知 #4 エゴサーチ
さがしてもみつからないのに
そういって目を伏せたのはきみだった
けれど、僕は知っていた
ただ、さがしていないだけなのだと
きみは、僕を探すその一言を知らない
僕は、僕のことを世界の誰よりも知っているから
僕が僕を探すのは、世界中の誰よりも、簡単だよ
だけどきみは、いつだって
その小さな枠の中にきみの知っている何かをチマチマとぶち込んでいるだけなんだ
ねえしってる?
僕が誰なのか
その言葉が、なんなのか
きみは僕のことがわかるのかい?
きみは、ぼく、なのかい?
どうなんだい?
しゅっしゅっしゅっと、スマホをいじる
彼女は必死に僕をみるのに
滑り落ちてく僕のエゴ
しゅっしゅっしゅっと、スマホをなでる
彼女はせっせと僕を追うのに
入り込みたい僕のエゴ
さがしてもね、みつからないんだよ
そういって、僕は、目の前のきみをみつけている
重ならないのは誤りなのか
用いられない悲しみの中
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