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滝が見たい。 そう言ったのは恵(けい)だった。 田舎の山道を車で登るとなると骨が折れるかと思ったが案外そんなことはなかった。 海沿いの街に生まれ育った私たちにとって山道は新鮮だ。 道の左右には棚田がどこまでも続いている。 もう秋が始まろうというのに棚田にはまだ青々とした苗が植えられていて、ところどころ田植えをしているトラクタの姿が見える。 一面緑の景色の中を赤のスポーツカーで走るのは色で世界を切り裂くみたいで爽快だった。 どうせだからと思ってレンタカー屋で一番高