「若いうちにがむしゃらに働け」をオッサン武勇伝だと感じる人へ伝えたい、当たり前の事実
働き方改革が叫ばれる一方、昨今SNSなどでベンチャー界隈の年長者の皆さんからは盛んに、
・20代のうちに猛烈に仕事を頑張って成果を出すべき
・若いうちに苦労しないと後で苦労する
といった「若いうちにがむしゃらに働け」論が発せられている気がします。
若い人の中にはこういう話に対して、
・今の時代に合った働き方でいいでしょ
・年寄りの時代錯誤
・自分たちが苦労したからといって押し付けないで
といったように「結局、武勇伝語りや、自慢話、説教したいだけでしょ」と思うこともあるかもしれませんし、その感覚もよくわかります。
(※今回のテーマは、主にベンチャーやスタートアップにいる若い方対象で書いております)
アドバイスが精神論や武勇伝に聞こえてしまう?
まず前提として、私自身も「若いうちにがむしゃらに仕事すべき」論には賛成です。
・若いうちは量をこなすことで、いずれ質に変わる
・器用にやろうとするより、失敗しながら学ぶ。急がば回れ。
・若いうちに理不尽を経験しておけば、よっぽどのことがあっても負けない
といったことはよく語られていますし、私も概ねそのような感じに思っています。
ただ、若いうちから効率を重視して働いて、結果を出してしまう優秀な人がいることも事実ですし、こういうアドバイスが、時として精神論や武勇伝的に捉えられてしまうケースがあるのもわかります。
でもって、私は成功者でもなんでもないので、そういう類の話ではなく、精神論ではない誰が言っても変わらない「若いうちにがむしゃらに働く」べき「当たり前な理由」をお伝えしてみたいと思います。
多くの人に共通して起きる「当たり前の事実」
歳を重ねると、多くの人に高い確率で共通して起きることは、
①歳を重ねるにつれて、確実に体力が落ちる
②仕事以外にも、優先しなければいけないことが増える
です。
これ考えてみたら、めちゃくちゃ当たり前のこと(笑)
ただ、私自身も若い頃にはこんなことは実感もないし、想像もしたこともなかったので、今になって結果論で「ああ、20代がむしゃらに働いおいてよかったな」と思うことだったりもします。
①に関しては、説明不要かとは思いますが、20代の頃は元気だし、無理もできるので、正直そんなこと言われても、実感が湧きません。
だからこそ、「多少無理して頑張ってもいい」本当に本当に貴重な期間だと、思ってもらえるとよいと思います。
なお、体力だけでなく記憶力なども減退してきますので、物量(仕事量)や体力勝負では若い人に全く敵わなくなってきます。
なので、30代すぎてもなお「仕事量や根性で勝負!」とならないように20代で仕事量をこなしておくべき、とも言えます。
②については、主に自身の健康や家族だったりしますが、これは、夫婦や子供のことだけでなく、自分が歳を取れば、親も歳をとるので、介護などの可能性も高まることなども含まれると思います。
「優先しなければいけないことが増える」と書きましたが、単純に子供が小さい時期はあっという間だから、たくさん時間をつくりたい、とか「優先したいことが増える」というポジティブな意味でも捉えてもらってよいかと思います。
つまり、
・若いうちのほうが、仕事に集中して時間を投下しやすい
というだけのことで、この方が効率的だし、後が楽じゃない?ということ。
「何かを犠牲にしなきゃいけない人生」を送らないために
ある時、知り合いで、お子さんもいるベンチャー企業の女性部長さんが
「管理職になってしまった方が、子育てしながら働きやすい」
と言っていたのですが、コレすごく真理だなと思っています。
若い頃に頑張っておいて、仕事以外に時間を使わなければいけないタイミングにおいて、組織や会社において重宝されている状態になっておく。
また、自分がコントロールできる範囲が増えれば増えるほど、色々なものの優先順位を自分でつけられるし、犠牲にしなければいけないものを最小限にしていけると思います。(もちろん、会社によっては責任ある立場だと、それによってより忙しい…という場合もありますが)
組織に属しているならば裁量権が大きい方がいいし、きれいごと抜きにお金で解決できることは、めちゃくちゃたくさんあるので、若い頃頑張っておいて、若い頃と同じ時間働いても、より高い報酬が得られる状況になっておいた方がよいと思います。
私自身は、仕事も、家族も、趣味もどれも犠牲にしない人生を送りたいと思っています。
そのためには、自分自身がコントロールしたり、選択できる範囲ができるだけ大きい状況になることがとても大切だと思っているし、若い頃頑張っておく、というのはそれに多少なりともつながるのではないかな?と思っていますし、
昨今の若い人達が、手にいれたいと思う生活を送るためには、むしろ「20代がむしゃらに働いておく」のが近道かもしれません。