球根|海外生活×エッセイ

アジアに駐在帯同中|母|関西人|マーケター|誰に話すでもない、とりとめもなく考えることについて|名前は、厳しい環境の中でも養分を蓄え、大きく伸びていこうという希望を込めて。

球根|海外生活×エッセイ

アジアに駐在帯同中|母|関西人|マーケター|誰に話すでもない、とりとめもなく考えることについて|名前は、厳しい環境の中でも養分を蓄え、大きく伸びていこうという希望を込めて。

最近の記事

日本の暮らしは過酷だ

年中夏服で過ごせる地域に住んで最近常々思うことは、タイトルの通り。「なんとまあ、過酷でコストのかかる土地で、あそこまで国を発展させたものか」と本気で感心する。 よく、四季があることはメリットとして語られるように思う。もちろん、良い側面は沢山ある。季節が移ろうことが、私たちの生活にもたらす影響は、日本で無自覚に過ごしているよりも遥かに大きいと気付くことができた。※またいつかこれについて記事を書きたい。 ただし私たちは、四季を感じるために膨大なコストを支払っている。 まず、

    • 成敗!「アイデンティティクライシス」

      駐妻(帯同家族)に起こりやすい「アイデンティティクライシス」とは何か。この言葉はなんだかかっこいいので、至るところで使われている。しかし、定義が曖昧でモヤモヤする。そこで、私なりに定義しなおしてみた。今、私はこの状態を脱しつつあると思うので、現時点での考えを共有する。 代表的な使われ方 この言葉が駐在帯同家族に使われる場合、「自分の意思や希望とは関係なく(主にパートナーの都合で)言葉が通じない外国での生活を突然始めることにより、自分のできることが急激に減り、自信を失うこと

      • 育児に「尊厳」という身ぐるみを剥がされて

        出産後の生活は、これまでの自分とは全く違うものになった。 例えば、これまで隠すべきものだと思っていた乳房を夫の前でも晒すことが当たり前になったり、外出が減ることで自分の身なりに気を使わない日々が続いたり。 これらはほんの些末な変化に思えるかもしれないけど(実際、生命が誕生したことと比べると些末ではある。変化することが多すぎる)、自分の尊厳を無視するこの生活には戸惑いを覚えた。 自分の尊厳は、「新しい生活の最適化」のために、いきなり無くなってしまったのだった。 化粧品会社に

        • 「生きた証を残す」って、つまりどういうこと?

          今日は、風に揺れる藤のような紫の花を見かけ、ふとおばあちゃんのことを思い出した。 今年の初めに亡くなったおばあちゃん。小さい頃から大好きだったおばあちゃん。おばあちゃんがもうこの世界にいないという現実が、今でも信じられない。それでも、それが事実。この不思議な感覚に、生と死の意味について考えさせられる。 おばあちゃんと過ごした時間はかけがえのないものだった。でも、日常の中で思い出すことはほとんどない。涙を流すこともない。 おばあちゃんが、私たちが悲しむことを望んでいたとは思