創作アルバイト募集6
■給与
時給:1,800円(夜間手当込)
※試用期間中は時給1,500円
■勤務地
夢霊堂(むれいどう)
(影谷市幻影町1-9-8)
■交通
最寄り駅:影ヶ浜(かげがはま)駅から徒歩12分
※最寄りのバス停「幻影橋」から徒歩5分
■時間
22:00〜翌6:00
■業務内容
・夜間の来客対応と館内案内
・特定の時間に「心霊写真展示室」の照明の点検
・館内の巡回および不審者の確認
・お客様が滞在している間のカメラ監視システムの操作
・「幽霊案内」の準備(特別な時のみ)
■待遇
・制服貸与(和風の館内着)
・業務後の軽食支給(館内の食堂にて)
・交通費全額支給
■採用対象者
・心霊現象やオカルトに興味がある方(必須ではありません)
・夜間勤務に抵抗がない方
・落ち着いて行動でき、臨機応変に対応できる方
■注意事項
・来館者に対しては礼儀正しく接してください。業務中は個人的な話題を避けること
・「心霊写真展示室」は開放時間に注意し、無断で入室しないこと
・巡回中、特定の音や声が聞こえた場合は無視して進むこと(必ず他のスタッフに報告)
・お客様が「異常な行動」をした場合は、すぐに上司に連絡してください
25歳女性の体験談
影谷市の郊外にある「夢霊堂」でのバイトは、最初は単なる好奇心から始まった。心霊現象やオカルトに興味があった私は、実際にそれらに関わる仕事をしてみたいと思い、このアルバイトに応募したのだ。時給は1,800円、試用期間中は1,500円。深夜勤務で体力的にはきついが、わずかとはいえ不思議な体験ができるかもしれないと思った。
私の仕事は、夜10時から翌朝6時まで、来館者の対応や館内案内、「心霊写真展示室」の照明点検、館内の巡回、そして監視カメラの操作が主な業務だ。制服は和風の館内着で、初めて着たときは少し背筋が伸びる思いがした。
初日は特に何もなく、ただ来館者に館内を案内したり、展示物の説明をしたりして過ごした。訪れるお客さんたちも、心霊現象に興味津々な様子で、私も少しずつ仕事に慣れていった。だが、時が経つにつれて、この仕事には想像以上の「不気味さ」が待ち受けていることを知ることになる。
2週間目のある晩、私は廊下を巡回していると、突然耳をつんざくような音が響いた。それはまるで誰かが笑っているような、しかしどこか冷たい響きだった。心臓が高鳴り、思わず後ずさりした。その音がどこから聞こえるのか、恐る恐る廊下の端まで行ったが、誰もいなかった。心霊現象を扱う場所で、こんなことが起こるのは日常茶飯事なのかもしれないが、私の心は不安でいっぱいになった。
その晩の仕事は何事もなく終わったが、私の中に不安の種が植え付けられた。翌日、同じシフトの先輩にそのことを話すと、彼女は不敵な笑みを浮かべながら「そういうのがこの仕事の醍醐味なんだよ」と言った。彼女は平然としているように見えたが、私にはその言葉が逆に怖かった。
数週間が経つうちに、私は「夢霊堂」の独特の雰囲気にすっかり慣れていた。だが、ある夜、私は廊下の端で視線を感じた。振り向くと、薄暗い影が一瞬だけ見えた。心臓がバクバクと音を立て、動けなくなってしまった。その影は、私の方に向かって近づいてきているように思えた。
しかし、すぐにその影は消えてしまった。私は何が起こったのか理解できず、恐怖と混乱に包まれた。次の日、同じく心霊現象に詳しい仲間にこのことを話すと、「気にしない方がいい。ここでは時折そういうことがある」と言われたが、私の心には恐怖が残った。
それ以降、私は毎回のシフトが憂鬱になった。今まで感じていた好奇心やワクワク感が、いつの間にか恐怖に変わってしまったのだ。影が見えたことや声を聞いたことを思い出すたびに、仕事中も緊張が走る。お客さんに対してはいつも礼儀正しく接していたが、心の中では不安が渦巻いていた。
結局、私はこのバイトを続けることができず、約2ヶ月で辞めることにした。心霊現象の世界に身を置くことが、実際には自分自身を脅かす結果になってしまったのだ。この経験から、私は精神的な疲労感や不安障害に悩むようになり、しばらくの間は夜の暗い道を歩くことさえ怖く感じるようになった。あの「夢霊堂」での経験は、私にとって決して忘れることのできない闇の記憶となった。
心霊現象やオカルトに興味を持つ人には刺激的な体験かもしれないが、私にはその代償が重すぎた。今でも夢の中に現れるあの影を思い出すたび、あの時の不気味な感覚が蘇る。だからこそ、興味本位でこのような仕事に挑戦することは、慎重に考えるべきだと強く思う。
負った傷病:
精神的な不安障害やパニック発作、不眠症