愛は流れる
劇場版マクロスΔ 絶対LIVE!!!!!!を観に行く前,この作品はワルキューレがライブやってみんなハッピーな感じになるんだろうなと思っていました.実際,テレビシリーズの方はワルキューレのMVあるいはPVみたいな感じで,お話自体はイマイチだったし.戦術音楽ワルキューレ自体も劇中の音楽ユニットとしてこのまま終わるんだろうなと思っていました.けれど,たまたまニコ動でワルキューレ2ndライブの各楽曲の動画を目にして凄く感動して,その円盤を買った口でした.
それで,軽い気持ちで劇場版マクロスΔを観に行ったのですが,瞼を腫らして劇場をあとにしました.予め『【Amazon.co.jp限定】「劇場版マクロスΔ 絶対LIVE!!!!!!」 ボーカルソング集 3rdアルバム Walkure Reborn! [初回限定盤] [CD + Blu-ray] (Amazon.co.jp限定特典 : メガジャケ ~初回限定盤/通常盤 共通絵柄~ 付) 』を買っていたのですが,アルバムの最後の方になるとほとんど泣きそうになりながら聴いています.合わせて買った『【メーカー特典あり】 「劇場版マクロスΔ 絶対LIVE!!!!!!」 オリジナルサウンドトラック [CD] (メーカー特典 : ミニクリアファイル 付)』とでプレイリストを作り,地方民なので車移動中はそれらの楽曲を聴いています.
ただ,絶対LIVE!!!!!! を振り返ってみると,これはキャラクター主体のお話だったのだなと思ったりします.じゃあそうでなかったのは何だと問われると,超時空要塞マクロスの第27話『愛は流れる』を思い出します.この時は地球人類がどうこうという,いわゆる大きな物語の話だったのだなあと.
『愛は流れる』を特記するのは,『滅び』を目の前で見せられたからなのです.『宇宙戦艦ヤマト』でのガミラスによる遊星爆弾での攻撃は,物語の時系列的には割とゆっくりと進んでいったものだと思います.なので,地下都市を建設してそこに退避する時間的余裕がありました.視聴者はその結果を知らされることになります.それに対して,『愛は流れる』においては,ボドル基幹艦隊からの軌道爆撃によって,いわゆる『地球』が一瞬で全滅することを目にすることになります.そして,ここで劇中歌『マイ・ビューティフル・プレイス』.リンクした動画の 7:30 頃.
それを観た時,『悲しい』と感じました.その頃,『愛は流れる』の放送日は1983年の4月24日とあって,そのとき私は高校1年生でしたが,その時期は冷戦下でした.ある意味で戦時下であったと言えますし,もし第3次世界大戦が勃発すれば,それはイコール核戦争であって,それが全面的なものになれば我々は滅びるのだろうなという意識がありました.それは時代精神であってマクロスの制作スタッフも共有していたはずで,ボトル基幹艦隊からの軌道爆撃のイメージは全面核戦争そのものでした.
それに重ねて,劇中歌『愛は流れる』.リンクした動画の 17:08 頃からですが,反戦歌をバックに,まあ狂気ですね(褒め言葉).
冷戦の集結と共に,こういう人類がどうとかという大きな物語も消え去ってしまいました.歌は世について世は歌につれ,もう滅びとかいいんで,ワルキューレの曲聴けるの幸せですよ.