課金アイテム
タイトル:課金アイテム
「はぁ。…お金、ねぇなぁ…。どっかに落ちてないもんかなぁ。8000億円ぐらい欲しいよねぇw」
世の中には何兆円持ってるヤツも居る。
いわゆる勝ち組?
ワーキングプアの世界が今の日本だ。
成功するヤツは成功するし、
しないヤツは一生掛かったって成功しない。
俺もこれまで、人並みに努力してきたんだ。
外で一生懸命働いてきて、
学生時代はバイト3つ掛け持ちもして、
それから大学出たって良い所なかったから
専門学校にも行って、資格も取って、
その資格を活かせる職場で働こうなんて思ってた。
でもちょうどそんな時に精神病に罹っちゃって、
資格を活かせる職場はみんな書類選考ではねられたw
「はぁ〜〜、ほんっと!全くうまく行かないもんだ」
自宅ワークもずっとやってきたけど、
クライアントはみんな泡のように消えてしまう。
それにそこで稼げるお金にしたって、全部水物。
稼げる時も確かにあったけど、
稼げない時期の方が遥かに長い?
そんなとき両親が他界してしまい、
俺は固定資産税すら払えなくなる。
そんなこんなでもう精根尽き果ててしまい、
今は燃え尽き症候群のよう。
介護福祉士もして
努力していた時期は10年ほどあったけど、
あれで自律神経失調症・パニック症になってしまい、
俺の場合はそこで
外で働くことに終止符が打たれたようだった。
「いろんな人の人生があるよ、ホント」
公園のベンチに座っていた俺。
もう未来に何のアテも無い。
「女に生まれてたら、こんなとき活力も湧いたりしてきてたのかなぁ…」
変な事まで考えるようになる。
今の時代、女の方が生きやすい。
YouTuberになろうともしたけど、やっぱり女の方がどうも。
なかなか男で売れるのは難しいもんだ。
そこで活かせるそれなりの実力が無くてはね。
そんな時、ふと地面を見た。
「ん?…あれ、お金か?」
100円が落ちている。
ラッキーとか思ってそれを拾った。
ちょうど思いっきり喉が渇いていたので、
さっき買えなかった自販機にもう1度戻り、
ジュースを1本買った。
「ん〜ウマイ!!」
人として当たり前の生活すら
出来なくなっていた俺には、
これだけの事でも本当に有難い。
飲みながらふと横を見ると、
また地面に金が落ちている。
100円だ。
それを拾うと、またその先に100円が落ちていた。
また拾うと、またその先に100円が落ちている。
それからずっと金を拾っていると、
「え?500円だ」
今度は500円玉が落ちていて、
その500円のターンがずっと続く。
そしてまたその500円を
拾いながらずっと歩いて行くと、今度は、
「え??1000円?」
1000円札が道端に
寝かされるようにしてちゃんと置かれている。
その1000円札を見た時に妙に思う。
それなりに風が吹いているのに、
その1000円札はびくともしないように
ちゃんと道端に置かれている。
まるで固定されたかのようにそこにある。
「……なんだろ?」
でも欲望には勝てず、
やっぱりその1000円札を次は拾って、
これまでと同じように歩き続ける。
1000円札を拾い続け、
手元には結構な金が貯まった。
「すごい…これだけあればしばらく…」
人間は欲望の生き物なのか。
やはりそれだけ手元に金があっても、
まだ他に無いかと探し続ける。
するとあった。
「な、1万円!?」
もう驚いたを通り越して奇妙な世界だ!
1万円札が順々に並べて置かれ、
それがずっと向こうまで続いてる。
相当間抜けな人間にしたって、
これだけ金を落とす事って普通ないだろう。
でも俺は誰かに取られる前に、
それを全部拾い集めてやろうと必死になった。
こうなると集中力がモノを言い、
少し周りが見えなくなるのだ。
気づくと、アパート前まで来ていた。
「ゴク…」(唾を飲む音)
俺は誰かに見つからないようにそっと歩き、
周りの気配に敏感になる。
1万円札はまだ落ちている。
拾って行くと、階段を上り、誰かの部屋の前まで来た。
そこまで1万円札がちゃんと並べて置かれていたのだ。
でも、ドアの前にあった
最後の1万円札を取った瞬間のこと。
俺の体は電子分解するように
パッと消えてしまった。
(部屋の中でゲームをしてる男)
男「よ〜し育ったなぁ!こんだけ課金すりゃ、誰かに負けることもそう無いだろう♪」
俺は今、ゲームの中でコイツのために戦っている。
動画はこちら(^^♪
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