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~正夢(まさゆめ)・女性(おんな)の生利(しょうり)~『夢時代』より冒頭抜粋

~正夢(まさゆめ)・女性(おんな)の生利(しょうり)~
 ここぞとばかりに狙いを見定(さだ)めて女性(おんな)の暴露(ぼうろ)は寝耳を欹て、休む間も無く旧(むかし)の主観(あるじ)を幻想(ゆめ)の景色へ誘(さそ)って行った…。不幸を遮る一人(ひとり)の八頭(おろち)は幻覚(ゆめ)の要(かなめ)を概(おお)きく見積もり、安い孤独を具体(からだ)に発(はっ)する宙(そら)の既命(いのち)を遠(とお)に諦め、一幻(ゆめ)の恋路へ集中出来ない吝嗇(せこ)い自主(あるじ)を捩って往(い)った…。孤独の両刃(やいば)は無機に襲られ旧(ふる)びた身欲(よく)から経路が跳ぶのは、杜撰な展開(ながれ)に虚無が活き尽(き)る虚構の総理(すべて)の暁(あかつき)だった。発声(こえ)に従う一女(おんな)の活き血は憖(なま)じ姿勢(すがた)を画(かく)して居乍ら、幻想(ゆめ)に跳び込む従直(すなお)の所以(ありか)を到底掴めぬ暁にも在り、未婚の夫婦を運好(うんよ)く遮る都会の灰汁(スープ)を掬って在った…。未知に対して未憶(みおく)に落ち込み、落胆するまま陽(よう)を観るのは、無己(おのれ)の不様を不幸に意図する不穏の未完(みじゅく)を独走して居り、幻想(ゆめ)の過去へと覇気を掌(て)にした未従(みじゅう)の感覚(いしきの転歩(あらわれ)だった。―――人間(ひと)の価値から宙(そら)が活き出し幻覚(ゆめ)の自主(あるじ)に手紙が着く頃、風邪を引き込む脆弱(よわ)い体裁(かたち)が小鳥を相(あい)して気楼に転がり、使えぬ京都の流行(りゅうこう)等から現代人(ひと)の活き血を愚行(おろか)に振った…。白夜の人杜(もり)から名誉が拡がり幻(ゆめ)の快無(オルガ)を景色へ描(か)いて居ても、夢中に気取れる幻(ゆめ)の体裁(かたち)は快無(オルガ)に従い不装(ふそう)を画(え)にして、脆弱(よわ)い独語(かたり)を目の当たりにする不相(ふそう)の合図を固めて逝った…。幻(ゆめ)の空虚は誤算を許さず不義を幻見(ゆめみ)る無想の許容(うち)には、無己(おのれ)の同調(シンパ)を久しく通れぬ孤島の雀躍(おどり)が段々遠退き、不景(ふけい)を掌(て)にした児(こども)の両刃(やいば)は無知を切り裂く無頓に在った。白亜(しろ)い粉から日々が過ぎ去り魅惑の内(なか)から気楼が発(た)つのは、自己(おのれ)の許容(うち)にて精神(こころ)が与(くみ)する夢中の朝日の傀儡だった…。
 一心(こころ)が空転(ころ)がる無欲の豪華は自己(おのれ)の賛美を無為へ消し去り、自己(おのれ)の詭弁を信仰(まよい)へ沿わせる不意の自主(あるじ)へ生育(そだ)て始める。不幸の同調(シンパ)が紅(くれない)から出て白夜の精華(はな)が咲くのは、…人間(ひと)の生果が無己(おのれ)を知らさぬ「浮き世離れ」の傀儡でもあり、不意に供(とも)する魅惑の輩は、都会の延命(いのち)にすんなり凄める既知に良く似た知識に在った…。孤島の上面(うわも)に傀儡(どうぐ)が立ち去り無己(むこ)の自主(あるじ)が滔々往くのは、斜交いながらに人間(ひと)へ対せる神秘(ふしぎ)育ちの無頼に良く似て、旧い一女(おんな)の不幸を観るのは目下(ふもと)に並べる不倫であった。旧い躾が女性(おんな)に跳び発(た)ち一幻(ゆめ)の従順(すなお)が真顔と成る頃、無己(おのれ)の利欲(りよく)が心境(こころ)に還るは無効の事実と同じであった。精神(こころ)に酔わせる流離いばかりが一幻(ゆめ)の主観(あるじ)に結託し始め、分厚(あつ)い独走(はしり)が宙(そら)を往くころ無断の快無(オルガ)が理性を打った。精神(こころ)の許容(なか)では既応(きおう)が跳び発(た)ち無垢の栄華を「真顔」に識(し)るのは、一女(おんな)の界(かぎり)が氏名を借り出す人物(もの)の快無(オルガ)の表れだった…。
      *
 …中田ためらから転じ、
 性
 きことわ(?)
 名
 しょうこ
 と成った女が居た。
 二〇一四年六月一六日~一七日に見た夢に出て来た女の子。本来(ふだん)はつんつんして居て近寄り難(ちかよりがた)そうで、初めて会った時は、俺の事も彼女は何とも思って居ないように気丈を振舞って居たが、夢の中で夢を見た俺が、その夢のお陰で、夢の中の現実に強く成れた時から彼女は俺に対して好意を寄せるように成る。
      *
 後戻りの無い不幸の寡に一女(おんな)の体裁(かたち)が過敏と拡がり、旧い小寺(こでら)を端(はな)に匂わす無彩(むさい)の色香(しきか)が暖気を呼んだ。無類の小敗地(アジト)に精神(こころ)が安(やす)まり旧(ふる)びた景色が銀杏(いちょう)と併(あわ)さり、幻覚(ゆめ)の旅路へ凡庸(ふつう)と見守る不要の思乱(あらし)は野退(のっぴ)き成らずも、暗(やみ)に拡がる不遇の四季(きせつ)は素潜りから観た流行(ながれ)を識(し)った。精神(こころ)の四季(きせつ)が不頼(ふらい)を装い不意に狭まる奈落を詠む時、無己(おのれ)の〝小敗地(アジト)〟を凡庸(ふつう)に得るのは精神(こころ)成らずの不覚であった。過去の四季(きせつ)に自由が拡まり先立つ流行(ながれ)が「都会」を見る頃、暗(やみ)の許容(うち)にて輝く四季(きせつ)は無為に沿(そぐ)わぬ挨拶だけして、分厚(あつ)い四季(きせつ)の外界(アウト)等には八倒して居る紫(むらさき)さえ在る。紫色した不遇の四季(きせつ)は陰府(よみ)の時期にて悶取(もんど)り打つ儘、一女(おんな)の棲家を感覚(いしき)に返して固陋の撤廃地(アジト)を収集して居た。無形(かたち)を忘れて陰府(よみ)を観るうち白紙(こころ)の許容(うち)では昨日が屈(くっ)され、男性(おとこ)と女性(おんな)の暗(やみ)に紛れた不倖と孤独は絵図に割かれて、旧い悪魔を自由に射止める不安の総てを牛耳り出せた。女性(おんな)の名(めい)から悪魔が跳び立ち不応(ふおう)に捕まる孤独の暗(やみ)には、日昇(ひのぼ)りから観る不生(ふしょう)の小敗地(アジト)が無意(むい)を拡げて白紙を見限り、旧い夜原(よはら)を独りで通れる人間(ひと)の四季(きせつ)を堪能して居た。有形(かたち)の無い儘〝四季(きせつ)〟が流行(なが)れて「不幸」を呼び込む寸出(すんで)の思乱(あらし)は、白亜(しろ)い護衛(まもり)に未知を得るまま渡会(とかい)を識(し)り得た魔性(ましょう)を保(も)った…。白亜(しろ)い伸びから空虚が馴らされ不応の小敗地(アジト)に女性(おんな)が居る後(のち)、跡(あと)を断たない人間(ひと)の孤独は列(れつ)を描(か)き出す無想を知った…。精神(こころ)の労苦を重々二重(かさ)ねて〝夜半(よわ)の小人(こびと)〟を翌朝(あさ)に観る時、二性静(ふたりしずか)の個性の暗(やみ)から寸出(すんで)の労途(ろうと)が突出して居た…。精神(こころ)の正理(せいり)を生理へ費やし宙(そら)の身許を朗(あか)るい観るのは、孤踏(ことう)の過憶(かおく)に男女(ひと)を費やす向日の朝日の傾きのみにて、柔い裸体(からだ)を感覚(いしき)へ返せる無断の気色に通底して居た。向日に見るのは無機に揃えた女性(おんな)の具体(からだ)で、白亜(しろ)い景色に四季(きせつ)が通じる旧い自覚(かくご)の誤算の限りに、紺(あお)と純白差(しろさ)の幻想(ゆめ)の周りを身欲(よく)に掲げた脚力(ちから)へ葬り、慌ただしいまま男女(ひと)を温(ぬく)める固陋の小敗地(アジト)を真逆(まさか)に観て居た。幻(ゆめ)の人から女性(おんな)が転じて姓名だけ見た気熱(きねつ)が拡まり、微温(ぬる)まる幻(ゆめ)から尾行が付くのは病(やまい)に倒れた少女であった。人間(ひと)の御託に美声(こえ)が高鳴り傅く文句は地中に在らねど、安い空虚に感覚(いしき)を観るのは不断に争う浄化であった。固陋の人陰(かげ)から新夜(しんや)が跳び出て温(ぬく)い所以(ありか)を人体(からだ)に添えても、幻覚(ゆめ)の〝夜半(よわ)〟から自由に羽ばたく無機の所以(ありか)は新参ばかりで、陰府(よみ)の空虚に露天(ろてん)を観るのは「女性(おんな)の無邪気」の成果であった。過去(かこ)の一幻(ゆめ)から労苦が這い出て精神(こころ)の丈夫に寡が発(た)つ内、幻覚(ゆめ)に捕まる私牢(しろう)の多くは夢限(むげん)に損ねる感覚(いしき)を見た儘、二重(ふたえ)の両眼(まなこ)で正義を感じる孤独の独気(オーラ)を推算(すいざん)して居た…。涼風(かぜ)の間(ま)に間(ま)に白亜(しろ)い空気は三日(みっか)に消え失せ、幻(ゆめ)の魔物は減退ばかりで、相(あい)する〝両眼(まなこ)〟に愛児(まなご)を観送(みおく)る精神(こころ)の理性(はどめ)が概(おお)きく成った。一女(おんな)の形が病苦を報され脆弱(よわ)い体裁(かたち)に無己(おのれ)を識(し)る内、暗黙(やみ)と現行(いま)との緩い間(あいだ)に徒労が敷かれて加減を成すのは、使えぬ京都の商売上手を死中(しちゅう)に置き遣る寡であった。幻(ゆめ)の未覚(みかく)を変じて成すうち気楼の鈍(くもり)は未知を映えさせ、幻覚(ゆめ)の観送(おく)りに加減を識(し)らない旧い軒端を暗(やみ)に遣りつつ、旧来独語(むかしがたり)に一女(おんな)を煩う「宙(そら)の旅人(たびと)」が夢中に死んだ…。開口して生く空気(もぬけ)の暗(やみ)には旧来独語(むかしがたり)の音頭が改め、幻想(ゆめ)の葦から奇妙を紐解く旧来独語(むかしがたり)の徒労を知った…。気楼の最中(さなか)に真芯(ましん)が産れて旧(ふる)びた寝言は夜半(よわ)を培い、〝併せ鏡〟で無心を描(えら)んだ女性(おんな)の真心(こころ)は情緒を看破(みやぶ)り、師匠を識(し)らない作家の正体(からだ)は気性(きしょう)を緩めて斬新だった…。賭けをして生く人間(ひと)の生気は白亜(しろ)い弄(あそ)びに憤慨しながら、幻視(ゆめ)の端(はし)から精気の端まで「人物(もの)」の初歩(いろは)を斬新(あらた)に観て居り、融通利かずの宙(そら)の信仰(めいろ)は希少を静めて無論を打った…。一女(おんな)の自覚(かくご)が具体(からだ)を緩めて試算を呈する不覚の幻(ゆめ)には、旧い数多が恰好(かたち)を遮る一幻(ゆめ)の八光(おろち)が残光(ざんこう)して在り、孤高の正義を優(ゆう)に紐解く男女(ひと)の労苦を試算に置いた。孤高と精神(こころ)が弄(あそ)びを観るうち思考の従直(すなお)は欲芽(よくめ)を採り置き、無心に拡がる一心(こころ)の準備は精華(はな)を拡げた無心を呼び付け、相(あい)する者から人物(もの)を見て採る不応の果実にまったりしながら、…虚無に導く懺悔の悪魔は悔恨ばかりを性根(しょうね)に据えた…。私労(しろう)の幻(ゆめ)から性(せい)を見るうち幻(ゆめ)から性(せい)を見るうち尻尾を振り生く不装(ふそう)の九尾(きゅうび)は、脚色(いろ)の許容(うち)へと虚構を三重(かさ)ねる旧い小敗地(アジト)を精神(こころ)に絶やせて、不浪(ふろう)に誤る御託の正義を正理(せいり)に見守り矛盾を突いた…。
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