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不快なメール

【意味怖】タイトル:不快なメール

▼登場人物
●青木修二(あおき しゅうじ):男性。16歳。高校生。
●江西祐樹(えにし ゆうき):男性。16歳。高校生。
●クラスの女子:普通のクラスメイト。奈多絵をいじめる。A~Cと記載。
●仰木奈多絵(おおぎ なたえ):女性。16歳。不快なメールを、自分をイジメた全ての友達に送る。実は霊だった・・・みたいな感じでOKです。

▼場所設定
●学校:普通の高校のイメージで。

NA青木修二でよろしくお願いいたします。
(イントロ+メインシナリオ+解説=2624字)

イントロ〜

皆さんこんにちは。
ところで唐突ですが、皆さんは友達から送られてきたメールに、何か不快なものを感じた事はあるでしょうか?
今回はそんなメールの話・深読みをすると意味怖の内容になってしまうメール…をテーマにしたホラーストーリーをご紹介します。

メインシナリオ〜

ト書き〈高校〉

俺は青木修二。今年16歳になる高校生だ。
今日、俺たちのクラスに転校生がやってきた。
名前は仰木奈多絵。
そこら辺にいる普通の女子高生といった感じ。
別にそれほど可愛くもなく、器量は普通。
スタイルもまあまあだった。

奈多絵「初めまして、仰木奈多絵です。皆さんどうぞよろしくお願いします」

ト書き〈打ち解けられない〉

普通の感じの女子だったので普通にクラスに溶け込めるかと思ったが、彼女には1つだけ問題があった。
それは…

奈多絵「えと…あの、えと…あの…」

彼女が極度の引っ込み思案だったこと。
何を言うにもはっきりせず、返事も曖昧で、自分から誰かに何かを言おうとする時も、決まってグダグダとなり、コミュニケーションがほとんど取れなかったことである。

女子A「なんかさー、あの子の話聞いてるとムカつかない?」

女子B「ほんとよねぇ、何聞いても返事曖昧だし。ていうかさぁ、あの子、コミュ障なんじゃないの?」

女子C「こうなったらさぁ、もうあの子無視してやんない?あの子もなんかウチらと話してるとき無理してる感じだしさぁ、ウチらもあの子と喋んなくなったら気が楽になるんじゃない?」

女子A「だね。そのほうがお互いメリットあるし、疲れなくて済むし、いがみあわなくても済むようになるもんねー」

こんな感じで奈多絵は段々と女子の間で疎外されていった。
いわゆるイジメだ。
こういうイジメは男子の間にも影響してくる。

江西「なぁ、ちょっとアイツからかってやんない?なんかまだあいつクラスに打ち解けてないみたいだしさぁ、こういう刺激があった方が打ち解け易くなるんじゃねw」

こいつは江西祐樹。
普段は普通の奴だが、ちょっとでも弱い者を見つけると、イタズラ心でほっとけなくなる質(たち)。

青木「やめとけよ。可哀想だろ」

わいわいガヤガヤ言ってたが、結局、奈多絵は男子からもイジメられた。

ト書き〈イジメがピタッと止まる〉

そんな或る日。
イジメがピタッと止まった。
もう奈多絵が転校してきて数ヶ月が過ぎた頃。
彼女もだんだん慣れてきたのか、男子女子問わず、打ち解けられるようになってきた。
そしてお互いにメール交換し合うようになる。

ト書き〈奈多絵からのメール〉

女子A「お、奈多絵からだ♪」

(メール内容)
この前はコンサートのチケットありがとね♪
やっぱイケメンアイドルのコンサートって最高〜お♪
前橋、沼田くん、チッキン、大好き!

前橋(まえはし)、沼田くん、チッキンというのは、イケメンアイドルグループのメンバー。

だが、このメールを貰った女子はその日に死んだ。

ト書き〈翌日〉

そして翌日。
奈多絵は昨日から、体調不良で学校を休んでいた。

女子B「あ、奈多絵からだ」

(メール内容)
はぁ〜汗
生理痛って言うのも辛いしー
ねぇね、今度さぁみんなで一緒にカラオケ行かない?

そのメールを貰った女子は、その日に亡くなった。

ト書き〈数日後〉

それから数日後。
また奈多絵からメールが来た。

女子C「はっ、奈多絵から?!」

(メール内容)
まだ治らないんだー
もうちょっとしたら学校いけるかも
うぉ〜、前もし寝てたら
もっと早く治ってたかもしれないのにね

女子C「なに、このメール…?」

又、このメールを貰った女子はその日に死んだ。

ト書き〈後日〉

江西「なぁ、なんかヤバくねぇか…?なんでこう立て続けに俺たちのクラスメートが死んでいくんだよ?」

青木「ああ、だよな…」

その日、江西にも奈多絵からメールが届いた。

(メール内容)
今日、さっぶいし〜〜
猫もコタツで丸くなるってホントだね
今あたしんちのコタツの中で、飼い猫のミケちゃんが丸くなってるよ

江西もその日に死んだ。

解説〜

はい、ここまでの話でしたが、皆さん【意味怖】の内容に気づいたでしょうか?
それでは解説していきます。

今回のテーマは「ぎなた読み」でした。

ぎなた読みというのは、日本語で書かれた文章の中で、語句の区切りを間違えて読む事です。
俺は「弁慶読み」とも言われ、結構、昔から知られる読書・読解の際によく見られる習慣とされています。

例えば、こんなものが「ぎなた読み」に含まれます。
・キン肉マン→金、肉まん
・お共逹→音も、立ち
・撲滅しよう→僕、滅しよう

他にもいろいろな例がありますが、このような感じで、読点を付ける事によって全く意味が違う文章になる・意味合いを持つ、そういった語句やフレーズの事をぎなた読みと指す事があります。

この「ぎなた読み」の特徴を踏まえ、奈多絵から送られてきたメールに注目してみましょう。

● この前はコンサートのチケットありがとね♪
やっぱイケメンアイドルのコンサートって最高〜お♪
前橋、沼田くん、チッキン、大好き!

この内容では「最高〜お♪前橋、沼田くん」の部分に注目し、この僅かな文章内に隠された「裏の意味」を取ってみて下さい。読点や余計な脚色を外します。
→「お♪前橋、沼田」
→「お前橋(まえはし)沼田(ぬ…)」
→「おまえはしぬ…」

同じように見ていきます。

● はぁ〜汗
生理痛って言うのも辛いしー
ねぇね、今度さぁみんなで一緒にカラオケ行かない?

→「辛いしー」「ねぇね」
→「しーね…」

● まだ治らないんだー
もうちょっとしたら学校いけるかも
うぉ〜、前もし寝てたら
もっと早く治ってたかもしれないのにね

→「うぉ〜、前もし寝」
→「お前もし寝(ね)」
→「お前も死ね」

● 今日、さっぶいし〜〜
猫もコタツで丸くなるってホントだね
今あたしんちのコタツの中で、飼い猫のミケちゃんが丸くなってるよ

→「さっぶいし〜〜」「猫」
→「し〜〜猫(ねこ)」
→「し〜〜ね…」

こんな感じで、ぎなた読み出来るのが分かります。

転校生の仰木奈多絵は、転校仕立てでイジメられました。
そしてイジメられた怨みを、このぎなた読みを隠したメールに込めて晴らした訳です。

この仰木奈多絵という名前の中に「ぎ・な・た」が隠されていたのに気づいた方は、おそらく今回のテーマにもすぐ気付いたかも知れませんね。

皆さんも、友達から届いたメールの中に少し違和感を感じた場合、また何となく不快な感じを覚えた場合は、少し注意して読んでみると良いでしょう。
もしかするとそのメールは「別の意味が隠されたメール」かも知れませんから。

動画はこちら(^^♪
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