
~早い稲田(いなだ)と同志の刈り立て~『夢時代シリーズ』より冒頭抜粋
~早い稲田(いなだ)と同志の刈り立て~
…分厚(あつ)く成り立つ純心(こころ)の列(ならび)は過去に立たせる不快を投げ付け、幻想(ゆめ)と自己(おのれ)の経過(じかん)の界(かぎり)に〝未知…〟を追い出す神秘(ふしぎ)を保(も)った…。幻覚(ゆめ)の日々から身憶(みおく)を保(も)ち出す暗(やみ)の純心(こころ)は気配を高らめ、幻覚(ゆめ)に湧き立つ乱心(こころ)の盛(さか)りは一人(ひと)の延(なが)さを忍ばせ始めた…。過去に見出す気憶(きおく)の裾には自己(おのれ)の気色を遠くに見定め、幻(ゆめ)と故縁(えにし)の生憶(きおく)の内実(なかみ)は人間(ひと)の孤欲(こよく)を透して往った…。
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…俺は母に「仕事に行く」と言って家を出るのかと思いきや、玄関に座り込み、自分の靴、又スリッパに居た蟻の駆除に躍起に成って居た。と言うか、仕事へ行く前に風呂でも入ろうとしたのか、何かまだ少し時間的に余裕があったので家で事をしようと思って居たら、その蟻の駆除に行き当たり、そのまま没頭し始めたのである。
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…無知の生憶(きおく)に無倣(むほう)が仕上がり、白亜(しろ)い独理(ドグマ)の火照りの許容(うち)には見様見真似の過去(むかし)が仕上がり、一人(ひと)の個録(ころく)が明日(あす)を求めて自由に弄(あそ)べる人形(かたち)を尊(たっと)び、広く棚引く小宙(そら)の活き血は自由を顕す繁みに堕ちた…。不純の自主(あるじ)に奇妙を欲しがり幻覚(ゆめ)の残骸(むくろ)は空気(しとね)を見落せ、分厚(あつ)く成り立つ神秘(ふしぎ)の仕種は分業(ノルマ)を弄(あそ)べる不純に阿り、白亜(しろ)く毛嫌う無知の八性(おろち)は快無(オルガ)を掌(て)にして奇妙に阿り、男女(ひと)の寝間から家録(かろく)を見出す漆黒(くろ)い街への純化を識(し)った…。意味の裾から見送り始める男性(おとこ)の素顔は光沢(ひかり)を掌(て)にして、幻(ゆめ)の絵面(えづら)を過去に懐ける無言の集成(シグマ)を静味(しずみ)に蹴落とし、非道(ひど)い分業(ノルマ)を芥(あくた)へ翻(かえ)せる不幸と幻覚(ゆめ)との呼吸の跡(あと)には…、昼に下がれる純心(こころ)の素顔の過度に着かせる境地を識(し)った…。朗(あか)るい途切れの宙(そら)の許容(うち)から悲惨を掌(て)に見た悪しき疲れは、男女(ひと)の弾みに過去を織り成す幻覚(ゆめ)の自主(あるじ)の自念(じねん)に程好く、過去の規律(おきて)を分業(ノルマ)に与(あず)ける無業(むぎょう)の男女(ひと)から孤独を顕せ…未完(みじゅく)ばかりが素顔を絵にする見様見真似の自主(あるじ)を打った…。過去に忘れる白亜(しろ)い壁(かべ)から孤独と現行(いま)との一通(とおり)の総ては、意味を忘れてお道化(どけ)て弄(あそ)べる旧い人形(かたち)の身欲を毛嫌い、夜(よる)の星から純心(こころ)を取り巻く現行(いま)と自己(おのれ)の素面(すがお)を識(し)った…。一人(ひと)の無形(かたち)に自己(おのれ)を立たせる旧い化色(けしき)と欲の跡(あと)には、過去(むかし)に過ぎ去る身重の総理(すべて)が自由に連れ添う自主(あるじ)を掌(て)に取り、幻覚(ゆめ)の静寂(しじま)に人形(かたち)を安(やす)める孤高の目下(ふもと)の自主(あるじ)を観て居る…。男性(おとこ)と女性(おんな)の過録(かろく)の許容(なか)から奇妙に懐ける〝身重〟の景色は、幻覚(ゆめ)と自己(おのれ)に価値を湿らす経過(とき)の分業(ノルマ)に自己(おのれ)を好(よ)く観て、分厚(あつ)く成り立つ神秘(ふしぎ)の人壁(かべ)には自由を掌(て)
にした気憶(きおく)が発(た)った…。一人(ひと)と暗黙(やみ)とが分業(ノルマ)を表し、嗣業に欲張る小言を観るのは、不自由から成る孤独の成果(はて)への〝過去〟を審(しん)じた芥(あくた)であった…。一人(ひと)と現行(いま)との古録(ころく)の残香(かおり)は生憶(きおく)に静まる〝自由〟を見て取り、白亜(しろ)い自主(あるじ)に自己(おのれ)を這わせる古都と生憶(きおく)の連写(れんしゃ)を識(し)った…。
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