
~未覚(みかく)に吟味(あじ)わう、孤独の暗(やみ)から気色が退(の)いた…~『夢時代』より冒頭抜粋
~未覚(みかく)に吟味(あじ)わう、孤独の暗(やみ)から気色が退(の)いた…~
精神(こころ)に息衝くモンドの交響(ひびき)が無臭を連れ添い主観(あるじ)へ解(と)けた…。未知に棚引く幻魔(げんま)の感覚(いしき)が仁王に先立ち汚名を従え、幻(ゆめ)の自然(あるじ)へ堂々巡りの「虚空」を揺らせてまったり降りた。過去に連なる七つの覇気には男女(ひと)のmorgue(モルグ)が恰も成り出し、安い上辺(うわべ)を気取りながらも〝惜しい黄名(きな)〟には意識を結び、明日(あす)の美声(こえ)から具体(からだ)が仕上がる〝虚空・遊戯(こくうゆうぎ)〟に連結して居る…。―――
文言(ことば)の界(かぎり)に流行(ながれ)が立つ時「不毛の女流」が目覚ましくも見え、在る事無い事通過して生く悲壮の文化が集合して居た。孤島の記憶に幻(ゆめ)が始まり旧い夜風に真夜(しんや)が立つのは、お決まり通りの長い寝室(ねむろ)の〝長蛇〟に巻かれる問診だった。旅の疲れを湯浴みに落して一男(おとこ)の一身(からだ)は五体を振り上げ、〝買い物籠〟から一女(おんな)を覗かす不明の安堵を叱責して居た。虚空の背後に女性(おんな)が先立ち不孝の事実に物憂い陰りが…、堂々巡りの〝発破〟の許容(なか)から一人(ひと)を観たまま大きく成り行き、人見知りに割く無業(むぎょう)の合図は真昼(ひる)の最中(さなか)の御託の界(かぎり)で、厚い展開(ながれ)に嗣業が立つのは定形(かたち)を魅せない主観(あるじ)であった。孤独の上着を思中(しちゅう)に据え置き〝未知〟の夕べに危篤が往くのは、有頂(うちょう)に晴らせる二夜(ふたよ)の界(かぎり)と「門前払いの毒牙」であった。一女(おんな)の気配に人物(もの)が発(た)ち往く幻想(ゆめ)に清閑(しずか)な娯楽の限りは、憂き世の方から無知に損なう「水と霊との斡旋」だった。帰納に絶ち生く信途(しんと)の界(かぎり)は無信の席へとその実(み)を投げ掛け、私闘に暮れ生く旧い従蛇(じゅうだ)は余程の文言(ことば)に根詰まりだった…。起死に興(おこ)せる未来(さき)の成果(はて)には男女(ひと)の八頭(おろち)が段々息衝き、不彩(ふさい)に色付く感覚(いしき)の界(かぎり)は無駄を装う信者と成った。家計の辺りに孤高が飛び乗る幻想(ゆめ)の道理は不在を遂げずに、悪しき最期をその掌(て)に掴める目暗(めくら)の主観(あるじ)を滑稽にも観て、幻(ゆめ)の一夜(とばり)へどんどん畳むは、文言(ことば)に活きない「不毛の感覚(いしき)」と怒号に伴う査定であった…。分厚(あつ)い展開(ながれ)に着る物追わずに無想の日蓋(ひぶた)が絡まり成るのは、無審(むしん)の論破で暗(やみ)が高鳴る不利な勇気の蛇足であった。操舵に射止める女神の表情(かお)から古い規律(おきて)が散々息衝き、明日(あす)の延命(いのち)へ闊歩するのは幻想(ゆめ)へ息衝く「不毛の有利」と、礎から咲く精華(はな)の長命(いのち)の二重(にじゅう)に駆られた呼び子であった。漆黒(くろ)い空間(すきま)が段々静まり不意の〝城下(じょうか)〟に人間(ひと)が降りれば、虚空の感覚(いしき)が無頼を貫く不義の進化は鮮烈だった。過去の許容(うち)から未屈(みくつ)が飛び交い走馬(うま)の速さを身塵(みじん)に保(も)つのは、宙(そら)の成果(かなた)へ浮足立ち往く未想(みそう)の〝想図(そうず)〟に相対(あいたい)して居る。虚空の葦から一女(おんな)が跳び出し一男(おとこ)の躰を未知へ退(の)け得る未想(みそう)の傀儡(どうぐ)を真傍(まよこ)に観るのは、無頼の感覚(いしき)を道化に紐解く無心の合図と相異を保(も)たない…。旧い進化の既憶(きおく)の内(なか)には女性(おんな)の既憶(きおく)が散乱して活き、幻想(ゆめ)の〝合図〟に乱歩を辿れる一人(ひと)の相図(あいず)を穢して行った…。既憶(きおく)の人陰(かげ)から身塵(みじん)が跳び出せ幻(ゆめ)の弄図(ろうず)へ人間(ひと)が立つのは、無己(おのれ)の許容(なか)から一宙(そら)を見上げる夢想の勇気に相当している。虚空の上気が結託して生く「煩悶ばかりの手数(てかず)の一幻(ゆめ)」には、未だ識(し)り得ぬ旧(むかし)の夢から一人(ひと)の進化が騒々しく鳴り、幻想(ゆめ)に見紛う奇想の八頭(おろち)と「思記(しき)」に煩う冗句を識(し)った。煙たい目をした「向日仕立ての散乱」ばかりは一人(ひと)の進義(しんぎ)を有頂に翻(かえ)され、遥か遠くへ一女(おんな)が死に往く不当の合図は絶命した儘、併せ鏡に文句を吐(は)き生く不毛の従途(じゅうと)を正しく保(も)った…。生憶(きおく)ばかりに具体(からだ)が仕上がり不調を識(し)り得ぬ身嵩(みかさ)の温度は、事始(こと)を見守る深化の翳りと仔細に羨む従途(じゅうと)を観ながら、生憶(きおく)違いの女性(おんな)の構図を残香(かおり)任せに器用に持った…。
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…何処(どこ)かの寮のような所に行って居り(泊まり込みではない)、俺はそこでパソコンの知恵袋のような事をやっており、顔も知らない相手と何か情報交換して居た。と言うか、殆ど主観の遣り取りである。
そんな中で、滅茶滅茶非常識な女性ユーザーが居り、そう言う女性ユーザーは二人居たようだったが、一人は一向に出て来なかった。俺は物凄い尿意を感じて、寮のトイレへ行き、便器内が回るトイレで小便をして居たが、或る程度、小便をしてその便器の容器に重みが付いて来るとその重みで回らなくなり、安定して小便を出来た(実際、後《あと》で目が覚めると可成り尿意がして居り、トイレへ行って居る。その時は二〇一四年六月二日の明け方四時半頃であり、その日会社へ行く父親が既に起きて洗濯物か何かを畳む・ハンガーへの付け替えをして居るような音が聞えて居た。トイレ付近から台所を覗いただけなので、父の動く姿は覗いて居ない)。
虚空・遊戯に無感が飛び交い冷たい涼風(かぜ)から躰が延びるは、「台所」に在る家族の熱気と遠い蜃気の明け渡しであり、父と蔓延る母性(はは)の揺蕩(ゆらぎ)は、幻(ゆめ)の未知から不倖を紐解く橙色した勇気に在った。確信ばかりが無己(おのれ)を流離い不頼(ふらい)の進途(しんと)を驚意(きょうい)に観るのは、幻想(ゆめ)の小唄(うた)から無想を紐解く厚い正理(せいり)に伴い独歩(ある)き、既知の孤独を未知へ見果てる無双の発破を髑髏に詠んだ…。途暮々々(とぼとぼ)独歩(ある)ける人煙(けむり)の内(なか)には陽(よう)の活歩(かっぽ)が段々遠退き、乱れた仕種を人間(ひと)に培う固陋の情緒が噴延(ふんえん)して居た。一精(こころ)の叫びが一女(おんな)を引き留め小春(はる)の日差しを一通(とおり)に抱く時、無心を掠める滑稽(おかし)な既憶(きおく)は無情に平伏し相対(あいたい)して居る。精神(こころ)の何処(どこ)かで億尾に出さない死闘の遊戯に凡庸(ふつう)が活き貫(ぬ)き、幻想(ゆめ)の傘下へ堂々巡れる浮浪の感覚(いしき)は呆(ぼ)んやりして居た。幻想(ゆめ)の無闇に久しく遅れて辻褄合うのは目下の展開(ながれ)で、憂き世に堂々空転(ころ)がり続ける奈落の深歩(しんぽ)は陽光(ひかり)を識(し)った。幻想(ゆめ)の孤独に孤独が産れて不装(ふそう)の遊戯へ男女(ひと)が往く頃、無尽に帰(き)せ生く二性(ふたつ)の煽りは孤踏(ことう)に安転(ころ)がる抑揚さえ観た…。神秘(ふしぎ)に散らばる不動の幻(ゆめ)には一人(ひと)の両眼(まなこ)が絶理(ぜつり)へ空転(ころ)がる、幻見ヶ丘(ゆめみがおか)の微かな涼風(かぜ)への思創(しそう)の遥かを驚嘆しながら、来春(はる)に仕留めた七つの精気を不毛の跡地へ引き摺(ず)り出せた。精神(こころ)の逆生(もどり)がしんどく成りつつ弱音を吐くのは真っ暗闇にて、幻覚(ゆめ)の〝跡地〟へ呆(ぼ)んやりするのは無効を期し生く精神(せいしん)だった。橙色した無傷の両刃(やいば)は身重に割かせる古傷から見て、安らぎさえ無い不毛の〝跡地〟に自在を阿る優雅を識(し)り付け、暗い表情(かお)した無適(むてき)の人輩(やから)は無意(むい)に紐解く感情から観て、一人(ひと)の合図を矢庭に仕向ける幻(ゆめ)の相図(あいず)を想像して居た…。分厚(あつ)い櫓を完成させつつ初夏の逆生(もどり)に悪態吐(あくたいづ)くのは、幻想(ゆめ)の静寂(しじま)へ解釈して生く室(むろ)の欠伸に根絶やしだった…。苦労を横切る布陣の貌(かお)には橙色した奥義(おく)が拡がり、自己(おのれ)の前方(まえ)から大海(うみ)を観て生く一人(ひと)の欠伸に相当している…。無頼の盲者(もうじゃ)に紐解きながらも幻(ゆめ)の過失は並(なみ)を引き裂き、孤高の労苦に縮小して生く酷い荒地(あれち)を模索して居た。一女(おんな)の背後へ憂き世が立つとき男性(おとこ)の周囲(まわり)は興醒めしながら、不倫へ独走(はし)れる本能(ちから)の寝言を補強して生く毒牙に遭った。〝ハイエナ男(おとこ)〟の夢の死相(かお)には女性(おんな)に溺れた没我が表れ、二重(ふたえ)に倣える孤高の二体(からだ)は孤独に覆われ皆殺しに遭う…。
緊(きつ)く縛れる不装(ふそう)の迷路は〝相図(あいず)〟を忘れてどすんと居座り、孤高の信仰(めいろ)へ有頂を蹴散らす不明の自然(あるじ)を光合(こうごう)して居た。白亜(しろ)い気色が悶々しながら狂える幻想(ゆめ)には真逆(まさか)が拡がり、女性(おんな)の体に「愛撫」が問うのを、日頃見て居た男性(おとこ)が識(し)った。幻想(ゆめ)の重味(おもみ)が久しく鳴り生く〝夢想〟を掲げた不為(ふい)への転歩(てんぽ)は、分厚(あつ)い景色に段々静める無想の定形(かたち)に段々纏まり、暑い四季(きせつ)の音頭は何時(いつ)でも、努(ゆめ)に問うまま雄(おす)を皆殺(ころ)せる不正の敗地(アジト)へ転開(てんかい)して居た…。
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…その小便が済んでから(無論夢の中で、であり、起きてトイレへ行く前)その時、その不快な、悪口憎音(あっこうぞうおん)を可成り書き捲って居た女が、トイレへ行った後に何処(どこ)か(手洗い?)へ行った俺の背後に、自分もそこに用事が在るの、と言った具合に、屹立と、平然とした顔ですらりと立って居た。人によれば、容姿端麗で、顔は小さく整って居り小顔で、澄まして在って、如何(いか)にも理知的が似合う女で、小さなショルダーバッグをきちんと小脇に抱えて清潔感在り、可愛らしくも、いやそれよりも先ず奇麗であって、唯、擦(す)れ違う俺よりも数センチは身長が高いで在ろう高身長を有して居たのだが、俺にとっては気に入らぬ所であった。
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