見てくれた?
タイトル:見てくれた?
私は今、都内のアパートに住んでいる。
このアパートの前には駐車場があり、
私の部屋からよく見える。
夜になるといつもの私の癖で
カクテルなんか飲みながらベランダの戸を開け
そこから夜景を見たりする。
その夜景を見ているうちに
だんだん目線が下へ行き、
あの駐車場をいつも眺めたりしていたわけだ。
そこで私は奇妙な経験…いや恐怖の体験をした。
ある夜、いつものように仕事から帰り
部屋に到着した私は冷蔵庫からビールを取り出し
またベランダへ行って1人飲んでいた。
そして夜景を見てから駐車場を見た時、
「…ん?」となるものを見た。
1台の車が停まっていたのだが、
その車は駐車場のど真ん中に停まっており
ちゃんと白線車庫の中に入ってない。
「他の車も目の前にあるのに…」
不安ながらそれを見ている。
もし別の車が出ようとすれば
あの真ん中の車は当然邪魔になる。
「…どうすんだろ…」
なぜそう思ったかと言えば、
長時間、あの車がずっと停まっていたからだ。
1時間、2時間以上?
そうして見ていた時、
「えっ?」
車の中が落雷でもあったかの様にピカッと光り、
少し車体全体が揺れ出した。
営みをしてるとかそんな雰囲気じゃない。
何かただならぬ情景と光景。
私はつい好奇心を働かせ、
先日買った双眼鏡で少しじっくり見てしまった。
のぞきをしてる様な恥ずかしさもあったが
それらを払拭する恐怖が現れた。
「ええっ!?あ、あれって…」
車の中に男女が乗っていた。
男が女をことごとく殴り倒しており、
挙句、持っていたピストルで女を…
私は少し後ろへたじろぎ、
今目の前で起きた光景を消化しようとしていた。
すると…
コンコン…部屋がノックされた。
ギクッとしてすぐ振り返る。
さっきの今。
タイミングがあまりにも…
でも日常に返り、
「は、はい、どなたですか?」
と言ったところ、
相手は無言。何も言わない。
奇妙な心がますます膨れ上がり、
私はそのドアからさえたじろいだ。
本当の恐怖はこの後すぐにやってきた。
「き…キャアァアァア!!」
ドアをすり抜けるようにして入ってきた女。
人影とかじゃなく、はっきり色形がついている。
「あわ…わわ…」
言葉にならない声をあげていた私の前で…
女「…見てくれた…?ねぇ…見てくれた…?見てくれた…?」
と3回聞いてきた。
何を言われてんのかよくわからなかったが、
そう言った瞬間、彼女は消えた。
すぐあとで、ベランダから駐車場を見たが
あの車も消えていた。
それから後日。
この時の謎が全て解けたような気がした。
どうやら数年前、
この駐車場で事件があったらしい。
男が女を銃殺。
その時の車は白い車で、
私があの夜見たのも白い車。
「もしかしてあの女(ひと)…」
その事件は未だ解決されておらず
犯人も逃げおおせている。いわゆる迷宮入り。
彼女はこのアパートに住んだ誰かを目当てに、
あの夜あった事を見せていたのでは…
動画はこちら(^^♪
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